丹沢湖の西の端、世附(よづく)の最奥、浅瀬にバイクを止め歩き始める。
長年気になっていた西丹沢の大棚を見に行く。
(大棚まで往復約4時間)
昭和45年に発行されたカラー日本の渓谷という写真集の表紙には世附の大棚が載っていた。山やさんを意識した写真集とはいえ、日本の渓谷美の代表が世附川の大棚沢という感じなのだった。
撮影は昭和43年6月2日
こちらが、今回令和3年11月20日の大棚の様子
水量が写真集のものよりやや少ないが、ほぼ当時と変わらないのが嬉しい。よく見ると最下段の釜の位置が現在より高い所にあったのではないかと思われる。水流も右側の岩の方へ回り込むようにして流れている。
岩の形も微妙に変化しているのは、やはり50年という歳月のせいだろう。
林道はどこも直しては壊れての繰り返し。
この部分が手つかずの最後の崩落個所。
わりと下流の方なのだが、山中湖側からの方が修復が進んでいて。この土砂を渡ると普通に歩けるようになる。
このあたり、林道はあるものの、人家のまったくない空白地帯だ。
途中防災科学研究所の地震観測施設がいくつも出てくる。(すでに観測終了)
関東大震災の震源は丹沢でもある。塔ノ岳では山頂にあった尊仏岩がユーシン側へ転落した。地形も大きく変わったそうだ。
大棚到着。林道から谷へ下る。
沢の中流域なので水量が豊富、落下する水圧に落ち葉が舞い上がる。
美しい滝だ。
これからもこの姿を残してほしい。