シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

バリー・リンドンは18世紀のホリエモン?・・「バリー・リンドン」

2006-04-02 11:40:48 | Weblog
75年スタンリー・キューブリック監督作「バリー・リンドン」

主演ライアン・オニール。

昨日初めて見ました。相方はロードショー時に鑑賞しているらしいが、何一つ覚えていなかった。まあ、彼は宵越しの記憶は持たない主義なので・・

公開当時、18世紀の室内をロウソクの灯りのみで撮影したことや、その華麗な映像美が話題になったが、私はライアン・オニールにピクリとも食指が動かないので見ず終い。

でもね~~なかなかよかった~~~

186分と尺が長いが、あまり長さを感じさせない。

アイルランド青年ライアン・オニールは様々な運命に翻弄されながら、貴族のリンドン夫人と結婚し、バリー・リンドンとしての栄光をつかむのだが・・

前半は彼がいかにしてバリー・リンドンになったのか・・まで、後半は彼のその後の凋落を描いている。

前半のバリー(ライアン)には朴訥とした人柄の良さがあり、何だか運命にもてあそばれる様が「フォレスト・ガンプ」っぽいな~~と。

この前半の方が好きですね。

後半は自分の身の上、実子の身の上の確保を母親からたきつけられ、貴族の身分を手に入れようとする、何だかいけ好かない男になっている。

奥さんをほうりっぱなしで酒池肉林。

この時代はこんなものだったんだろうね。奥さんはかごの鳥でね。

バリーの実子役の子供がかわいい!萩尾望都の「トーマの心臓」にでも出てきそう!

映画全体は淡々と重厚で、美しい自然を描きながら、冷え冷えともしている。
好きですね~~~

ライアン・オニールの演技してんだが、何だかよくわかんない感じもうまくはまっています。
演技力の卓越していない男優をもってきたのも、さずが!

美術品を鑑賞するような気持ちで見れる一品と言えましょう