イタリアより

滞在日記

カターニアにてその3.❛Scendo!❜in モディカからの帰路

2020年11月14日 | カターニア

ステシコロ広場前のエトネア通りを行く観光トレイン

2019年12月23日撮影

市内を手っ取り早く周遊するには最適の乗り物

乗れば良かったと後悔も…


イタリアを一人で旅する時に、知っておくと便利な、いや身を助ける言葉❛Scendo!(シェンド!)❜もっとも、この時の私には役に立たなかったけれど…

■2019年12月23日

イタリア(カターニア)に到着の翌日、モディカに向かったのは前述しましたが、その帰路のことでした。この町から訪ねたモディカやラグーサの町の急な坂道を上がったり下りたりして、さすがに疲れが出ていたのでしょう。車中ではこっくりこっくり居眠りをしていました。カターニア到着まで約2時間半。ぼんやり目を覚ました時、往時に乗ったバス停カターニアのボルセッリーノ広場が目に留まり、思わず「scendo!降りま~すっ」と叫び声をあげるはめになりました。が、バスは止まる気配を見せずにそれどころか無情にも、益々スピードを上げて走っていく…(運転手さんニヤリと笑った…気がする)


カターニア中心部のバスターミナル/ボルセッリーノ広場


そう、モディカからカターニアへ帰る(多分この表現は正しくない、単純にモディカからカターニャへの路線…)バスは、ボルセッリーノ広場には止まらなかったのです。そんなこと聞いてない、知らないと訴える先もなく、scendo!の声も車中にむなしく響いただけで、やがてバスが着いたのはFSカターニア駅前でした。今回、カターニアは周辺地域を回るための滞在先というだけで、大した下調べはしていません。カターニア駅のエリアも、治安はイマイチだし、見どころもなさそうで、そうして列車も利用する予定がなかったから関心さえも寄せていませんでした。


車中からボルセッリーノ広場を見送りました"(-""-)"ワナワナ

Scendoっー!


バスを降りた駅前からホテルまでどう帰ればいいのやら。駅のインフォメーションには人は居ず、取り合えず、近くにいた人に、件のアリバスのバス停「ステシコロ」、カターニアで唯一知るこのバス停名を挙げて、どう行けばいいかと聞くと、彼は「ステシコロなら地下鉄だ」と教えてくれました。ところが、そばで私たちの会話を聞いていたご老人が、「チェントロだ、バスで行け」と言うではありませんか。いや、バスは混むから地下鉄が早い、地下鉄なら一駅だなどとお二人は、私の両サイドから、身振り手振りを交えながら、それでも沢山の情報を提供してくれたのでした。


カターニア駅前
2019年12月23日


イタリアでは、いつだってこうした皆さんの熱い親切に出会います。中には、嘘も混じることがあるのだけれど、それは決して騙そうという意図なのではなく、ひたすら『教えてあげなきゃ』という親切心。結局、係の人が戻ったインフォメーションで尋ねてバスに乗りましたが、カターニアの人たちのあたたかさに触れた出来事でもありました。


カターニア駅前のインフォ
バスの切符も売っています

バスチケットは、1枚90分有効1ユーロでした(2020年12月23日現在)


しかしなぁ…田舎道にぽつんとあるバス停ではなくて、カターニア中心部の大きなバスターミナルのボルセッリーノ広場、しかもモディカに行く時には乗ったバス停なのに、復路は停まらないなんて思いもしなかった…まさか、意地悪をされたとは思わないけれど、どうも解せなくて、降り際に運転手さんに確かめもしましたが、答えは同じ、ボルセッリーノ広場には止まらないとのことでした。確かにバス会社の時刻表には「CATANIA11時20分到着」とだけあって、「P.ZZA.BORSELLINO」の表記はなかったし、かといって「FS.CATANIA」の表示もない。こんな場合の正確なところは、運転手さんに聞くしかなさげです。

イタリア各地でバスを乗りこなすのは今以て難しい。もっとも私の住む町でも、市営バスや私バスが混在していて、それぞれバス停が違うし経路も複雑。市民でさえ難解で、海外からの観光客の為にも改善しようとしていますが、ここはイタリア、迷える旅人のことは考えない…。


地下鉄路線

地下鉄駅「ステシコロ」が始発駅
カターニア駅は、FS.CATANIAではなく、
Giovanni XXIII/ジョヴァンニ二十三世駅と言います


なお、上記の会話に出てきた地下鉄「ステシコロ」は、駅から乗車すると次の駅の名称でもあります。地下鉄駅「ステシコロ」で降りて地上に上がれば、ステシコロ広場が目の前で、そこからエトネア通りが続きます。又、駅前からバスでエトネア通りやステシコロ広場付近に行くには、バス429番・442番・448番に乗ります(2019年12月現在/インフォの情報)。


ストリートビューより

黄色で囲った場所が地下鉄「ステシコロ駅」の乗降口

コルソ・シチリアにあります

私も一度利用しましたが改札口に切符売り場はありません。
チケットは改札口横の自販機で購入します。
チケットは、90分有効券一枚1ユーロ AMTバス共通120分有効券一枚1.2ユーロ
(2019年12月現在)


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18 コメント

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イオニア人はどこから? (toma)
2020-11-17 17:52:02
「カテネ」はシチリアでも最も初期に造られたギリシャ植民地のひとつで、紀元前8世紀後半という早い時期に建設された。(略)紀元前5世紀にドーリア人の植民地と交戦したこと以外にはほとんど何もわかっていない。シラクーザの支配下に入ってシラクーザ人が多数住み着くと町の名も「アイトナ」と変えられたが、やがて以前の住民が町を奪回し、名前も元に戻した。紀元前263年にローマに征服されて「カタナ」となり、やがてアウグストゥス時代に植民都市となって数世紀にわたる繁栄期を迎えた。(略)テオドリック王の東ゴート族に続いてこの町を掌握したのはビザンチン帝国で、その支配は9世紀のアラブの到来まで続いた。(その後)ノルマン人の制服によりイスラム教徒の小農地制は終わりを告げて大土地所有が復活し、アフリカとの交易が途絶えて町の経済力は衰えたが、1078年には大聖堂の建設が開始された。(略)封建制度によって大きな恩恵を蒙ったのはベネディクト派修道会で、修道院長は司教や町の領主にまでなった。その権力が衰えるのはようやくホーエンシュタウフェン期に入ってからで、この時期にフリードリヒ2世が町の守備と権力の象徴を兼ねたウルシーノ城を建造させている。(以下略 イタリア旅行協会公式ガイド5ナポリ/シチリア122頁)
ステシコロ・・・ (広島れもん)
2020-11-17 21:40:11
そういえばシラク―サからの帰りにもボルセッリーノ広場でバスのチケットが買えなくて、ステシコロから地下鉄で駅まで行かれたのではなかったですか?シチリア、ヤバいですね💦

私はまだ街間のバス移動はしたことがないので、シチリアの行程を作る時は頭が痛くなりそうでした。バスの時刻表を見ていると、例えばパレルモからタオルミーナへ向かう時は、カターニャで乗り換えるよりもカターニャ空港で乗り換えた方がいいとかわかってくることもあるんですが、すぐに行く訳じゃないから行く頃にはどうなってることか・・・。

行程ももう6つも作ってしまって、行けるようになったら春と秋に10日づつ行こうと思っていますが、実質8日いてもぎっしり詰めてしまうので、kazuさんのようにバスで眠ると思います。

Scendo、ですね!
Gotoトラベル (広島れもん)
2020-11-18 09:39:26
週末に娘の家族と一緒に箱根へ行ってきました。箱根は福島に住んでいた30年前に一度行ったことがあるのですが、強羅の保養所まで行ったものの台風でロープウェイが運休になり、泣く泣く東京へ引き返しレミゼを帝劇で観て帰ったと言う苦い思い出があるのですが、2日間あたたかいくらいの快晴で,人出も思ったほどではなく無事に帰って来れました。

昨日バラエティを見ていたら、長嶋茂雄さんは巨人の契約金で箱根に別荘を買われたらしく、その縁で一茂さんは箱根神社で挙式されたそうで、境内には長嶋茂雄さんや秋元康さんの名前の入った石の柱?があったり、時間がなくあまりゆっくりできなかったので残念でした。

それにしてもあのロープウェイ、早雲山から登ってその先に巨大な富士山が待っていたらとびくびくしましたが、見えたのは大涌谷の絶景でした(笑)

あとこの暖かさで富士山は山梨側が少し冠雪しているくらいで、景色的には残念でした。

もともと予定していた旅行でしたが、クーポンが使え、おまけに今年は私がイタリアへ行かなかったので、収支はトントンかな?😢
tomaさんへ (kazu)
2020-11-21 14:09:56
こんにちは。紀元前のお話になると、余りにも多民族が入り乱れ、それこそイオニア系やドーリア系のいわゆる古代ギリシャ人はじめ南イタリア内でも内紛が起こるわ、又それに乗じてローマがやって来てカルタゴと喧嘩をするわで、私の頭の中も大混乱。もうさっぱり手に負えません。シチリアが表舞台で華やかになってくるのはやはりノルマン人の登場でそこからフェデリーコ治世へのくだりはほんとうに興味をそそられます。改めて詳細な解説をありがとうございます!
伊バスは旅行者泣かせ (kazu)
2020-11-21 14:25:13
広島れもんさん、こんにちは。コメントをありがとうございます。そうですそうです!カターニアからパレルモに向かうバス切符はボルセッリーノ広場では売ってなくて、それを知って大急ぎで地下鉄で駅へ行きました。何しろ切符売り場もクリスマスでは係の人が、窓口を閉じて早く帰ってしまうかもしれなくて、これは過去の経験則からなんですが、ちょっと慌てました。タオルミーナへはパレルモから直通はないのですね。確かに空港からだと、どこへでもバスは行ってそうですもんね。カターニアだと駅前のバスターミナルが長距離路線の要になっているだろうと思うのですが、くコロナが終息すると、色んなことが変わりそうだし、バスや列車の具体的な便は、季節にも関わってきて、直前にならないと把握できないかもしれませんね。私はいつも冬の時刻改正に焦っています(^^)
羨ましいです (kazu)
2020-11-21 15:31:36
箱根へ家族旅行に行かれたなんて、いいないいな、なんと羨ましいです。私も箱根へは二度ばかり行ったことがあるのですが、一度は修学旅行だったし、いろは坂でバスに酔ったことしか覚えていないし、はるか昔のことで、今はどんな風になっているのか。きっと観光客もいっぱいで、風光明媚な景色がたくさん見られるのでしょうね。強羅などは当時夢中になって読んだ松本清張の小説の足跡をたどったりしましたが、記憶には大して残っていません。それにしても、イタリアには行けなくても、上手に国内旅行を楽しまれて、さすが広島れもんさんですね。私など、でっかい犬を連れての旅行になるので、どうしようかと迷っているうちに、目当てのホテルは年内満室になってしまいました。GOTO恐るべしです。
ホテルはファミリー向けです (広島れもん)
2020-12-02 18:14:05
料理の美味しい宿にしたかったんですが、箱根でそれを選んじゃうと目が飛び出るくらいの総額になるので辞めました(笑)私は9月に山中温泉のいいお宿に泊まったのでそれでじゅうぶんです。

それにしてもテレビをつければコロナコロナで、これが冬中続くと思うと悲しい事件が起きなければいいと思います。

私はこれまで幾多の困難を乗り越えてきたのでちょっとやそっとではへこたれないのですが、来年の秋シチリアへ行きたいよう😢行けますかね?kazuさんは次はどちらの予定だったんですか?
広島れもんさんへ (kazu)
2020-12-06 21:14:33
こんばんは。お返事が遅れてすいません。箱根のお宿はどんなスタイルにしろ、そこへご家族揃って旅行されるのが羨ましいです。娘さんやお孫さんはほんとに幸せですね。コロナはもうこれ以上、個人で出来る対策はないし、とにかく早く終息を願うのみです。広島れもんさんが、来年の秋、イタリアへ行くことができれば、私も来冬は行けそうで、そんな日が来るといいなぁ。ちょっとやそっとではへこたれない、って、なんて心強いお言葉!私なんてすぐへなへなになるから広島れもんさんを見習わないとって思います。

私の今年の予定は、ブログにも少し書いていますが、まだ決めかねていて、今年のお正月明けに手にした先ずはミラノ行きのチケットありきでした。まだまだ先の旅行だとのんびりしていたら、あっという間にこんなことなって行きたいエリアさえ絞れないままでした・・・あー予定通りなら、今頃は出発までカウントダウンに入っていたのにな。あっつい愚痴ってしまいました。広島れもんさんは、沢山の行程を色々と立てられているから、いつでも出発できますね(^^)
そうでしたね・・ (広島れもん)
2020-12-09 17:04:39
ミケランジェロホテルからメールが来たんでしたね。でも航空会社がキャンセルに応じてくれてよかったですよ。私なんかまだ宙ぶらりんですもん。

先日ヴェネチアのローマ広場から空港までのシャトルバスの会社から2年間有効ですみたいなメールが来たのですが、ヴェネチアも北イタリアなので来秋は難しいかと悩みます。

そうそうマッシモ劇場のチケット、イタリア全土のいろいろな公演を扱っているサイトだったようで、月別の公演が掲載されていたのですが、ついに私の行く予定だった‟マノン・レスコー”はどこにもなく、諦めました😢何度も何度もチェックするのも精神衛生上よくないと思って(笑)

そしてへこたれない私は先日30ℓのバックパックを購入しました!イタリアの駅ってエレベーターがついていないところも多いみたいで、街から街へ移動する際に乗り換えのたびに大きなキャリーケースで階段を転がすんじゃあ体が持たないと思って。ローマやフィレンツェなどの街のホテルに荷物を置いて、2泊くらいは背負って移動しようとたくらんでいます(笑)いい年の自分が大きな荷物を背負ってるとこは想像したくないですが・・・
広島れもんさんへ (kazu)
2020-12-13 22:43:11
こんばんは。コメントをありがとうございます。そうなんです。ミラノのホテルから年内閉鎖する、と言って来たのが夏だったので、こんな第三波が来ることをあの頃から予想していたのでしょうね。航空会社も適切な対応をしてくれましたが、広島れもんさんは、未だ返金がないのですか。ベネチアのシャトルバスは仕方ないかなと思いますが、飛行機と、購入されたマッシモのチケットは、もしかしたらTicket Oneから?マノンレスコーの観覧料は、そう安くはないでしょうから、公演がなければサイトからコロナ理由で、キャンセル・返金して貰える気がしますが。なんとも色々と尾を引きますね。

おーバックパック、いいですね。大きなスーツケースはほんとに面倒で、出来れば、機内持ち込みの小さなバッグだけで私も旅行したいです。かといって、若い人のように、着の身着のままで、という訳にもいかず、です。それにしても、次回の旅行に向けて、広島れもんさんのように、モノにもこだわって用意する、のは素敵。実現に向けての第一歩っていうところですね。

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