絵本と児童文学

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松居直氏の話

2007-09-24 14:27:08 | 絵本と児童文学
 NHKラジオでは、23時30分から5時までを「ラジオ深夜便」として、24時間放送している。早朝4時のニュースの後は「心の時代」として40分間、2回にわたりその分野のベテランのトークがある。わたしは生活リズムが早寝早起きタイプなので、時々この番組を聴くことがある。
 時には他のメディアでは取り上げられない市井の人が、その分野の熟達を踏まえた薀蓄(うんちく)にとんだ話を聞ける時がある。ベテランディレクターのインタビュー形式であることが、話す人の人柄を引き出し興味深い展開になることが多い。

 昨日(23日)と今日は、「絵本を作って半世紀」というテーマで松居直氏の話であった。1日目は偶然聞いたが、続きを聞きたいので今日は意識して起きてラジオに耳を傾けた。
 松居直氏は、福音館書店の創業にかかわり絵本編集をし、その後社長もして現在は会長である。日本の絵本を出版事業という立場から世界的水準に、今日の絵本大国へと影響力を持った人である。
 そのかたわら作家として創作をし、また絵本論を多く出版し、絵本の理論家としても貴重な仕事をしている。日本の絵本については、将来にわたって氏の業績なくして語れないだろうと思われる存在である。現在81歳であるが、多方面で活躍している。
 さてラジオでのトークの内容は、これまでの絵本論に触れていることであったが、自分史と重ねての話だったことが、わたしの興味を引いた。このことは、本では一般化した内容にするが、トークのためインタビアーとのやりとりで自分を語っていたのだ。ラジオ番組のよさである。
 内容を少しだけ記すことにする。日本の童画家による絵本はパターン化されているので、美術制作者を絵本制作に参加をうながした。ブラウンの『3びきのやぎのがらがらどん』が、出版されたアメリカより日本での評価が高く売れていているのは、訳が日本語の語感を大事にしたからではないか。それに絵本は親が子どもに読んでやるもの、という氏の絵本館の基本を強調していた。

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