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雑草の日:オヤジの貢献

2023-11-28 06:29:09 | 日記
ケチの付いた出会い

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、ツチグリ科 ツチグリ属 ツチグリ です。
 変わった形のキノコなので、以前から実物を見たいと思っていました。
願いは叶うもの、先日やっと遭遇できました。
 森林公園の北向き斜面の階段を上がっていた時のこと、黄色や茶色の
落ち葉の中に色合いと質感の異なる物が一瞬見えた気がしました。
振り返って足元に目をやると星形の台座の上に丸い袋が付いた灰褐色の
異物がありました。
図鑑で目にした正にツチグリの姿です。
 でもこの時点ではツチグリの特異な生態を理解していません。
落ち葉の上に転がっているので自生しているものではなく、別の場所で
見つけた誰かが不要になって捨て置いたのだと早とちり。
せっかくの実物との出会いを味気ないものにしてしまいました。

 <ツチグリは日本全国に分布し、夏から秋に掛けて林内の道端や崖などで
普通に見られる中型のキノコ。
土の地面に発生した子実体がクリのイガが弾けた姿に見えることからこの
名が付いた。>(wikipedia より)
 見た目が変わっていますが生態もかなりな変わり者。
天気の良い日に丸くなって風に吹かれて移動すると言うのです。
 まさか、地面にニョキっと生えたキノコにそんな芸当ができる筈は無い、
ましてや人手みたいな形が邪魔になって転がるなんてあり得ない。
普通はそう思ってしまいます。

雨が降らなくても

 ツチグリの皮の断面を見ると外側は黒っぽく、内側は白っぽく見える二層構造。
普段はその二層構造が本体を包み込んだ球形をしています。
だから風が吹くところころ転がるのだそうで。
 転がった先で雨にあたると変身します。
<雨が降り白っぽい層に水分が浸み込むと内側が膨らみ反り返る。>(NHK より)
 反り返った皮が星形の台座を為し、中から丸い包みが現れます。
シイタケなどの普通の形をしたキノコはカサの裏側のヒダの表面で胞子が
熟成します。
ところが<ツチグリはキノコの内部で胞子が成熟するまで保護されている。
これを腹菌類と呼ぶ。>(熊野町 より)
 星形の台座の上の袋の中は熟した胞子でいっぱい。
そこに雨粒が当たるとその振動で胞子が飛び出し周囲に四散。
転がった先の新天地で、生育するための湿度が保たれた絶好のタイミングで、
胞子が吐き出されるのでした。

 森林公園の斜面で芽生えたツチグリは風に押されてゴロゴロ転がり落ち
階段に積もった落ち葉の上に軟着陸。
曇り空の湿気の多い大気に促されて星形に外皮を開き、後は雨粒の飛来を
待つだけでした。
 そのタイミングで摘まみ上げたオヤジ、不満気な顔でいじくり回し、その
おかげで胞子が周囲に飛び散りました。
 めでたしめでたし。
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