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雑草の日:毒を噴射

2024-06-25 06:29:19 | 日記
キラキラテカテカ

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、キンポウゲ科 キンポウゲ属 ウマノアシガタ です。
 キンポウゲ科には毒を持つ植物が多いことは良く知られています。
御多分に漏れずウマノアシガタも有毒植物。
 <プロトアネモニンを根、茎、葉など全草に含む。
口にすると吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、胃腸炎などの中毒症状を引き起こす。
汁液が皮膚に触れると痒みやかぶれ、水疱などの皮膚炎症状が現れる。
多量に与えたマウスは呼吸麻痺や痙攣をおこして死に至る>(アイネコ より)
 牧草地でこれを食べた牛が中毒になった例もある程の恐ろしい毒植物。
驚くべきはそんな有毒相手にもひるむことなく臨んでいく生き物の存在。
アブラムシやヨトウムシやナメクジによる食害があると言います。

 食べようとは思わないものの、散歩中に見つけるとつい近寄って花を観察
してしまいます。
この花にはちょっと変わった魅力があるのです。
 鋭角な切れ込みがある掌状の葉、真ん中に伸びる花茎の先には鮮やかな
黄色をした5枚の花弁。
ウマノアシガタの最大の見どころはテカテカと輝くこの花弁。
メッキでも施したかの様に光を反射しています。
 英名ではバターカップと呼ばれるそうですが、キラキラテカテカ輝く様子
はその名がぴったり。
どうしてこんなに派手に光を反射できるのか、不思議です。

虫への信号

 ウマノアシガタの照かる花弁、この仕組みを解き明かしてくれる論文
がありました。
イギリスと日本の研究者がそれぞれ発表したものですが、言うまでも
なく私が立ち向かえる相手じゃありません。
 それを優しく噛み砕いた解説を読んだのですが、正直言って初心者用
の解説の半分も理解できなかった。
大雑把に引用するならば。
 <花弁の表面は薄いクチクラ層で覆われ、その下に偏平な表皮細胞層がある。
両者の偏平性が高いことが花弁の光沢に密接に関連する。
その下には7μmのデンプン層がありこの中に細かいデンプンの粒子が詰まっている。
それぞれの層が反射する光の色は異なるので光は色々な方向に散乱する。
ウマノアシガタの光沢のある輝きは構造に由来する構造色であることが
明確になった>(構造色事始 より)

 夏の光を浴びた花弁は濡れた様な光沢を放って森林公園の歩道を歩いて
いる私を魅了します。
毒のある相手なので注意しながら、でも至近距離で光沢のある花を暫し
愛でました。
 これはウマノアシガタにとっては迷惑な話。
本来の狙いは蜜を求める昆虫たちに光沢が強い信号となって伝わること。
通りすがりのオヤジが立ち止まってしまい、きっと毒をまき散らしたい
気分でしょう。


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