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国語のおさらい:言葉の赤ちゃん

2024-06-27 06:29:39 | 日記
顔と人

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
今週おさらいするのは「みしり」
 「みしり」を辞書でひいても該当する語句は無し。
代わりに出てくるのが<みしりおく(見知り置く):あった人を記憶に
とどめておく>
あるいは<みしる(見知る):見て、知っている、面識がある>
 大雑把に言ってしまえば「みしり」は「知っている」の意味。
それの発展形が顔を見知っている状態を表す「顔見知り」
辞書には<顔見知り:以前会って顔を知っていること(人)>と解説
されています。

 ところがこの「みしり」、別の発展形になると事情が変わります。
それが「人見知り」
辞書には<人見知り:(子供などが)見慣れない人を見て嫌うこと>
(新明解国語辞典 より)
 顔にくっ付けば「知っている」の意味で、言うならば好意的な表現。
ところが人に付いた途端、抱く感情が変わります。
どうしてこんなことになるのか、良く分からない話です。 

新種のみしり

 <人見知りが一般的に使われるようになったのは江戸時代で、顔見知り
の方は明治時代になってから。
語源は「人+見知り」で「見知る」は古事記にも出て来る古い使われ方。
意味は見て知る、見て分かる、よって「人を見知る」とは人を見て誰か分かる、
あるいはその人のことを良く知っている、の意味となる。
それが何故親しくない、のイメージを持つ名詞になったのか?>
 そう、正にそこがおさらいしたい箇所。
解説を読み進めましょう。
 <その理由は「人見知り」はもともと赤ちゃんに対して使われていたから。
赤ちゃんは母親とそれ以外の人を見分け、言うならば味方か敵かを判断する。
それを大人の世界まで援用し、更に結果だけを取り上げて「特定の人とは
交わるが、特定の人とは交わらない」の意味まで使う様になってしまったから>
(不二草紙 より)
 そんな背景があって同じ「見知り」でも全く違う意味を指すようになったのでした。

 赤ちゃんが国語の歴史を変えたとは驚きですが、実は赤ちゃんは現在進行形
でも国語に影響を及ぼしているのだとか。
 <赤ちゃんによっては人だけでなく知らない場所や慣れていない状況などにも、
嫌がったり泣き出したりすることがある。
この状態を「場所見知り」と表現する>
 初めて聞いた言葉ですが、「見知り」がしっかりと付いています。
<場所見知りは専門用語として確立している訳ではなく、人見知り程知られて
いる概念ではない>(りたりこ より)
 激しく泣いたりぐっと固まったりと現れ方は赤ちゃんによって様々。
これは周囲が安全かそうでないかの判断ができるようになってきた証なので、
喜ぶべき姿だそうで。
 「場所見知り」が近い将来辞書に載るかもしれません。
今はまだ新語の赤ちゃんですが。

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