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国語のおさらい:近未来の進化形

2024-06-20 06:29:19 | 日記
ネットでの使い方

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
今週取り上げるのは「胸糞」、お下品な言葉ですが辞書にもしっかり載って
いる使用頻度の高い言葉です。
でも何やら謎含みです。
 <胸糞:「~が悪い」不愉快なことがあって気分がすっきりしない>
(新明解国語辞典 より)
国語辞典をひくと「~が悪い」をセットにして意味を解説しています。
 胸糞単体の解説はネット版辞書にありました。
<胸糞:胸を卑しめていう語>(goo辞書 より)
<胸や心境の悪い言い方>(ピクシブ百科事典 より)
<胸を卑しめていう語>(weblio辞書 より)
<①胸を卑しめていう語 ②気持ちが悪いこと、気に入らないこと>
(コトバンク より)
 概ね胸を表現する言葉として解説していますが、コトバンクなどでは
これ単体でも気持ちが悪い意味になるとしています。

 ここが胸糞の謎の部分。
昭和世代の感覚では「胸糞」+「が悪い」となって口から出るのが常識的
な使い方。
 でも令和の世の中では「胸糞」と言ったら「が悪い」の意味を含むのが当たり前。
たとえば「もう二度と見たくない最悪の胸糞映画18選」とか「胸糞小説一覧」
がネットでの普通の使い方。
 何時から「胸糞」は「が悪い」を含む様になったのか、その歴史を振り返ります。

嫌な進化

 胸糞の由来を示すこんな解説がありました。
<むかむかと吐き気がする際に、何か胸に不快なものが詰まった感覚がする
ことを「胸糞」と言い、実際に吐き気がして体調が悪いことを「胸糞が悪い」
と言い表した。
これが転じて精神的にむかむかすることを表す様になった>(意味解説辞典 より)
 それが何時頃の話かは分からないけれど、かなり古い時代だったのは確か。
<具体的には不明だが、長い歴史の中で日本人が感じた様々な苦しみや
悲しみを表現するために生まれたと考えられる。
古典文学や俳句にも「胸糞が悪い」「胸糞が立つ」などがみられる>

 やはり昔からの使い方では単体ではなく「が悪い」などとセットにするのが王道。
それが「胸糞」だけで用が足りる様になったのには、ネットの影響がありました。
 <インターネットの普及で広く使われる様になり、SNS等で心の奥底に
ひっかかるような嫌な気持ちを表現する際に「胸糞」として使うことが増えた>
(コトバスタ より)
 昭和世代には理解できないけれどそれが令和の正しい使い方。
後半を省略する表現がネットを中心にして広まったそうで。
 もっと進化したら今度は前半を省略。
近い将来「胸糞」でなく「糞」と言う様になったら、やだな。

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