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雑草の日:18年前の今日

2022-06-14 06:29:29 | 日記
万能な植物

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 ムラサキ科 ヒレハリソウ属 ヒレハリソウ です。
 森林公園の歩道脇の薮の中に周りとは一風異なる姿の数株の植物が
生えています。
大人の掌に当たる面積を少し引っ張って長くした位の大きな葉、そこには
葉脈が張り巡らされているのでボリューム感がたっぷり。
 大きくて丈夫そうな葉が存在感を示す一方で、薄紫色の花は小指の先
位の釣鐘状。
イケイケ風な葉と物静かに下を向いて咲く花のギャップが大きすぎて、
通るたびに目が向いてしまいます。
これがヒレハリソウです。

 <ヨーロッパ原産の草で観賞用として明治期に入ってきた。
コンフリーの名で健康野菜とされ流行ったが毒性があるとしてその後廃れた。
家庭で植えられたものの一部が野生化した帰化植物。
葉の基部には翼があり葉柄部から茎まで流れる。
これがヒレの様に見えることが名前の由来。>(身近な草花300 より)
 株分けの際にちぎれた根を放置しておくとそこから芽が出る程に生命力
が旺盛、成長も迅速です。
 <葉は水分をたっぷり含み、すり潰すと粘り気のあるペースト状になる。
ヨーロッパでは捻挫に効く湿布薬として利用される。
葉にはビタミンやタンパク質が多く含まれている。>(ヤサシイエンゲイ より)
 目に優しい花が咲き、庭に植えればすぐに育つ。
しかも葉には栄養がたっぷり。
それだけ揃えば人気はうなぎのぼり、一時は何処の家でも庭に植えていました。

その座を下りる

 コンフリーの人気は絶頂期を迎え、食事の度に庭の葉を摘んで調理する
光景が日本中で見られたと言われています。
しかしそれは実力以上の人気、というよりも食品としてはあってはならない
力の持ち主だったのでした。
 <一定量を摂取すると肝硬変・肝不全を発症することが海外で報告されている。
国内では健康被害例はこれまでに報告されてはいない。
加熱することで毒性が軽減されるというデータはない。>
 これは厚労省が発した「シンフィツム(いわゆるコンフリー)及び
これを含む食品の取り扱いについて」と題する文書の抜粋です。
長々しい標題の主眼は「コンフリーを食品として販売することは今後禁止
とするよ」。
 これをもってコンフリーは万能食品の座から滑り落ち、可憐な花を
愛でる植物に立ち位置を変えたのでした。
 劇的変化をもたらした厚労省の文書が認められた日付は2004年6月14日。
18年前の今日のことでした。


コメント
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