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身近な生き物:ガがうんざり

2022-06-01 06:29:19 | 日記
入場シーン

 5月場所はすったもんだの末に横綱照ノ富士が優勝。
予想を裏切る展開によくぞ巻き返したと敬服します。
 ですが・・・実は千秋楽を迎える3日程前から横綱の入場シーンで、
画面の別の物が気になって気もそぞろ。
横綱の姿はほとんど目に入りませんでした。
 気合を込めて土俵を見つめる横綱の後ろに控える付き人、正しくは
その付き人が纏う浴衣の柄に目が行ってしまうのです。
 何でそんな所に?
先週目にした生き物に凄く似ていたから。

 森林公園のベンチにとまっていたガの翅の模様と色合いが、その浴衣
にうりふたつだったのです。
浴衣はウグイス色をした四角い模様と白っぽい四角い模様が組み合わされ
ていました。
 ガの翼の一番濃い部分もウグイス色で、周囲はその色のグラデーション。
実物を目にしたのはこの時が初めてですが、迷彩柄の三角翼のジェット
戦闘機の様な姿にくぎ付けになりました。
物凄く印象的な色合いだったのです。
 だから暫しの後に大相撲中継で目にした浴衣に記憶が触発され、それ以後
の中継ではそこしか目に入らなくなってしまったのです。
 ガの名はウンモンスズメ、漢字で書くと雲紋雀。
スズメガの一種です。

飛び立とうとした刹那

 ウンモンスズメは北海道から九州の各地に分布しています。
幼虫はケヤキやマユミやニレなどを食草にしています。
 そう言えば公園のベンチは大きなケヤキの下に置かれていました。
もしかしたらあの時目にしたウンモンスズメは、この樹に産み付け
られた卵から一生を始めたのかもしれません。
 翅が美しいウグイス色ならば、卵はきれいな緑一色の宝石みたいな姿。
ここから孵化した幼虫は食欲旺盛で周りの葉っぱをモリモリ食べて育ちます。
 見た目は緑色の芋虫ですが、他の毛虫には見られない特徴があります。
体表が白っぽい粒粒で覆われているのです。
だからざらついた印象がします。
 もうひとつ目立つのはお尻の部分、ピンと上を向いた尾角が付いて
いるのです。
このふたつがウンモンスズメの存在感を際立たせます。

 成長すると地表に降り土の中でサナギに変身、厳しい冬を乗り越えます。
春が訪れると羽化して地面に這い出ます。
何カ月もの地下生活のうっ憤を晴らすが如く、美しい翅を徐々に伸ばして
飛び立つ準備に入ります。
 無事に羽化した気の緩みが大変な事態を招きました。
近づくオヤジの気配に気が付かず、全身を粘っこい視線に晒してしまったのです。
 おかげで美しい翅はおかしな物にたとえられる始末です。
よりによって浴衣の柄とは。
 ウンモンスズメはうんざりして飛び立つ気力を無くすのでした。
コメント
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