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身近な生き物:新顔とカメラおじさん

2022-06-08 06:29:09 | 日記
初めて聞く名前

 毎日の様に私が歩く森林公園は結構な高低差があります。
斜面の遊歩道を登りきると狭いながらも開けた場所に辿り着きますが、
そこに簡易式の椅子が置いてありました。
 「何だろ?」、そう思いながら横を通り過ぎると少し先の斜面から首に
カメラを下げたお方が姿を現しました。
「いやあ、今キバシリを追いかけていたんだけれど、見失っちゃって」
 言われた私は一瞬固まりました。
「キバシリって何?」
話が見えませんが、うっかり「そりゃ残念」と返答してしまったので
聞き返せません。
 「見ますか」と言いながら大きな望遠レンズ付きのデジタルカメラを
操作してこちらに向けました。
光量が不足した画面には太い幹、ほらここに、と指さした枝先には小さな
鳥のシルエット。
 キバシリって鳥なの?
知っているふりの私は、ここに至って初めてその名の鳥が存在することを
知ったのでした。

 <北海道から九州までの針葉樹林などに生息するスズメより小さくて
細身の鳥。
体の上面は褐色地に白い斑模様、腹面は白くて長い尾は褐色。
くちばしは細く下に湾曲。
木の幹に潜む虫やクモを捕食する。>(Wikipedia より)
 特徴的なのはその捕らえ方。
幹に尾を付けて体を支え、長細い爪で割れ目を掴んで垂直な幹をらせん状
に上ります。
生まれて初めて耳にした奇妙な名前の由来はここにありました。
 <基本的には留鳥で通常は単独行動をとる。
非繁殖期にはシジュウカラなどの混群に交ることも多い。>(pepy より)
そんな暮らしをしている鳥でした。

おじさんの主張

 地味な色をしているので幹にへばり着いていると見つけにくいもの。
でも狩りの特性を知っていれば見失っても大丈夫。
<枝が込み合った辺りまで登ると隣の樹の根元に舞い降り、また上に
登る動作を繰り返す。>(日本野鳥の会京都支部 より)
だから辺りを注視していれば、一度見失っても所在を確認できるといいます。 

 暫しの後日。
森林公園のてっぺんに着くと何時か見た簡易椅子。
あのカメラおじさんが近くでシャッターチャンスを狙っている様です。
 顔を見たら教えてあげよう、あれこれを。
「見つかった?
今は単独行動で見つけ難いけれど、冬になればカラ類などと一緒にいる
から探しやすくなる、それから・・・」
 するとカメラおじさんが呆れた顔でこう遮ります。
「いったい何の話?
いきなりなので呑み込めないよ、あんたは話がさキバシリ」
コメント
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