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国語のおさらい:柵と方言

2022-06-09 06:29:39 | 日記
肯定形と否定形

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
今週おさらいするのは「らち」
 時々口にするので意味するところは分かっているつもり、でもいったい
何を表しているのかは分からない。
そんな言葉って色々ありますが「らちがあかない」もそのひとつ。
何があかないと言っているのか、実はよく分かりません。

 辞書を引くとこう書かれていました。
<らち(埒):(馬場の周囲の柵の意)そこを越えることが許されない区切り。
「埒を越える」と使われる。>
 他の用例としては<らちが明かない:踏ん切りがつかないで、何時までも
もたもたしている。>
<埒も無い:﨟次(らっし)も無い、の変化。
とりとめもないの意>
 いきなり意味不明の﨟次(らっし)が出てきました。
こちらを辞書で引くと<﨟次:順序>(引用はいずれも 新明解国語辞典
 より)と解説されています。
 ここまでを整理すれば「埒があかない」は「馬場を囲む柵があかない、
に由来する言葉。
「埒を越える」とか「埒も無い」の使われ方がある、となりました。

 <元々は物事の決まりがつく、かたがつくの意味で「埒が明く」と
使われていた。
しかし現代では否定表現の使い方が多くなっている。>
 言葉は人の暮らしと共に変化するから、肯定形より否定形に需要が
高まった話は「なるほど」と頭の片隅に入れておくとして、気になるのは
漢字です。
柵に関係するなら「埒が開く」が正しいと思うのですが。

似た方言

 <年が明けるの表現と同様に埒も明けると使われる。>(まとめ一覧 より)
<開かないが明かないに変化したのは、「状況が明かない」とした方が
意味に合っていたからとされる。>(河原塾スタディジム より)
<物事が進展せず暗雲立ち込める閉塞的な状況に解決方法を見出す光が
差し込むイメージで「開く」でなく「明く」が用いられた。>
(意味解説ノート より)
 諸説言われていますがどれも馬場を囲む柵からとっくに離れて、物事の
推移を表す言葉になっています。
そんな背景から「開く」では無くて「明く」になったよ。
それで納得してください、って説明でした。

 これにて今週のおさらいはおしまいですが、長野県に似た言葉がある
ことを思い出しました。
それは「らっちもねえ」って方言です。
 <くだらない けじめがない>(レファレンス協同データベース より)
の意味で主に年寄りが口にしますが、正統派の「埒も無い」とは全然
使われ方が違います。
「国語のおさらいはらっちもねえことしか書いてねえ」、それが
正しい使い方になります。
コメント
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