Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

Sam Moore 7/26 @Cotton Club Tokyo

2011-07-28 17:02:20 | その他のライブ
サム・ムーア、2006年のブルーノート東京のライブ、たいへんな評判を呼んだ。
2007年にサムは再度来日する。
ライブには行けなかったが(その翌月に来日するエリックのライブ全日鑑賞のためにライブ観戦を控えていた)
BSで二週に渡ってこの時のライブの様子、サムムーアのインタビューなどが放映された。
このライブがテレビで観ていても素晴らしく、次回は絶対に生でと思っていた。
夫がこのテレビの映像をYouTubeにアップロードしている。今は亡き清志郎さんも飛び入りで参加。

2008年、続けて三度目の来日をしたサム・ムーア、
東京ジャズフェスティバル、国際フォーラムでの単体のライブ、
そして最終日に他のアーティストと共演する映像がある。
一人でクラブほどのキャパで自分のペースで歌うのが、最もサムらしい感じがする。
最終日の共演映像では居心地が悪そうに見えた。

その後、和田アキ子がニューヨークのアポロシアターで初公演をする番組でも
ゲストでやってきたサムの姿を観た。
本番前にナーバスになる和田アキ子にリハーサルで歌い過ぎだと叱るサム。
横から奥さんのジョイスが「自分だって本番前によく具合が悪くなったりしているくせに。」
この夫婦の掛け合いがまた面白かった。

2006年度版の"Sam Moore Overnight Sensational"
ライナーノーツを読み返してみると、ウィノア・ジャド、ファンテージア、ビリー・プレストン、
ボン・ジョヴィ、スティーブ・ウィンウッド、スティング、シーラE、
マライア・キャリー、エリック・クラプトンなどの錚々たるゲストを迎えたアルバムだ。

ようやく巡り巡ってサム・ムーアのライブを観る機会が今年の夏にやって来た。
最初は二人で予約を入れていたが、前の週にシェリル・リンでご一緒した方々の全員参加となる。
この日はコットンクラブでの1ショウ。
翌日からのブルーノートでは2ショウになる。

久々の大所帯のバンド。
ホーン4人、バックコーラス3人、ギター、ベース、キーボード、ドラムス。
そしてジョイスもステージ端に控える。

2曲のインストが続いた後、"Hold On I'm Coming"でサムは登場。
ステージへと向かう通路の最前列を押さえていたのでスタンディングで迎える。
サムに挨拶をすることができた。
多くがスタンディングになった会場、サムは手で座るようにと合図。
「みんなの気持ちはわかった。ありがとう。でも座ってゆっくり寛いで聴いてくれ。」
言葉にしないが、そんな気持ちが伝わってくる。
"Don't Play That Song"

"I Can't Stand The Rain"を歌う前に、サムはマイクに向かわず、
ステージの上でしばらく呪文のように歌詞を唱えている。
"I can't stand the rain against my window bringing back sweet memories..."
リズムを取りながら呟いているサム、まるで心の中に浮かんでくる想いを言葉にしているようだ。
「雨が我慢できない、過去の思い出が呼び起こされるから。」と失恋の辛さを歌うこの曲。
雨を歌うサムの曲はもう一曲あった。"Blane It On The Rain"
「自分を責めてはいけない。何かのせいにすればいい。悪いのはきっと雨のせいさ。」

いったいサムはいくつなんだろうとふと思う。
76歳位のはずだ。
それなのに歌っている時は全く年齢を感じさせない。
この時、私の脳裏を過ったことは「エリックも後、30年は歌える。」

ジョイスはサムがひとしきり歌い終わるとステージにやってきて、
脱いだジャケットを預かり、汗を拭くタオルを渡す。
良いタイミングで出てきてくれてさすがだなと思っていると、
横で居眠りしている瞬間もあり、それをサムが見つけて「全くなぁ・・・寝ちゃっているよ。」
なんてぶつぶつ文句を言っているのも笑える。
後でステージに上がったジョイス「さっき私の悪口言ってたのちゃんと聞いてたわよ。」

"I Thank You"では客席からみんなのコーラスが返ってきてご満悦。
"Together We Are Strong"も合唱になる。
そして"Soul Man"ではオールスタンディングになる。

続く"Dance To The Music"、更に観客をヒートアップさせる。
途中、リフでシャフトのテーマが入る。

最後は「日本ではこれを必ず歌わないとね。」と"You Are So Beautiful"
浮き沈みの激しいこの業界で夫婦二人三脚で長年やってきたサムとジョイス。
この曲はずっと連れ添ってきたジョイスに捧げる歌に聴こえた。

この曲をアンコールとしてサムは楽屋へと引き上げていく。
ジョイスがタオルとジャケットを持って一緒に帰って行く。
来た時とは違い、歌い終わったサムはとても疲れているように見えた。

サムムーア、同時代のアーティストで今は他界した人も多い。
引退している人もたくさんいることだろう。
不遇の時代もあったサム、遠い日本にも多くのファンがいて、
こうして今も連日のショウを盛り上げている。

忌野清志郎 with Sam Moore at Blue Note Tokyo in 2007


Sam Moore(vo)
Callaway(vo)
Naomi Margolin(vo)
Tabitha Fair(vo)
Larry Etkin(tp)
William Harris(sax)
Kiyoshi Ohno(sax)
Taisei Aoki(tb)
James Dower(key)
Mark Newman(g,vo)
Ivan Bodley(b)
Omar Martinez(ds,per,vo)