Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

Cheryl Lynn @Billboard Tokyo 7/20 2nd

2011-07-21 19:07:08 | その他のライブ
ここ数年、毎年来ているシェリル・リン。
一度は行ってみたいと思っていたが中々チャンスがなかった。
Cheryl Lynnというとやはりイメージが強いのが"Got To Be Real"

最近観たシェリルの映像はエリック・べネイが登場する2009年度の「デビッド・フォスター&フレンズ」
最後に全員で出てきてシェリルがマイクを持ち"Got To Be Real"を歌う。
エリックはシェリルの後に付いてきたので、優しいシェリルからマイクを渡され、
この曲を引き継いで歌っていた。
DVDではなくWOWOWでテレビ放映された映像ではエリックの歌う"Chocolate Legs"がカットされていたが、
当然、最後に全員で歌って踊るシーンはテレビでも放映される。
シェリルの隣でエリックはしっかり映っていた。

ナイル・ロジャースのライブで知り合い、先日のフィリップ・ウ―のお誕生日ライブでもお会いしたSさん、
既にビルボードの整理番号2番を取ってあるけど、とのお誘い。
chanparaさんと夫と3人で参加することに。
台風の最中、天気が心配される夜。
夫は数年前にレイ・パーカーJrのコットンクラブのライブの時に買い、サインを貰ったTシャツを着用。
chanparaさんはシェリルとレイのCDを数枚用意、Sさんはシェリルのサイン入りのTシャツ着用。
Sさんもシェリルのレコードを数枚用意、Sさんのお友達のAさんもやってくる。

私たち以外は既に昨年や一昨年のシェリル・リンのショウを経験済み。
また皆さん、とてもお詳しいので今回のライブ・リキャップ、私ごときには語れません。
ただそこで起きた出来事や雰囲気をお伝えしたい思います。

夫の着ていたTシャツにはレイがサインする前に一緒にいたドラムスが
一番良い場所に大きくサインをしてしまった。
その横に小さな文字でレイのサインが書かれていて、実はこれが不満だった。
ところがchanparaさんやSさんはそれを見るなり「わっ、Bのサインじゃない!」
それが象形文字のような筆記体にも関らず二人とも判読してしまった。
ここでこの日、ご一緒するメンバーは私のような素人には立ち打ちできないツワモノ達だと思い知る。

中央の最前列、テーブル二つに分かれて座る。
それぞれ持ってきたCDやレコードをテーブルに広げてアーティストに見えるようにアレンジ。
これはブルーノートでやると必ず注意する人が飛んでくる。
全然OKのビルボード、このおおらかさが好きだ。

おもむろにバックコーラス4人とバンドのクルーたちが登場。
レイは夫のTシャツに気づき目で挨拶。
演奏が始まると私たちは5人でスタンディング。
そこにシェリル・リン、エスコートの男性に誘導されながら、
私達の二つのテーブルの真ん中に作られたステージ中央のステップから壇上へ。
シェリルの声の美しさ、突き抜けるようなトーンでも決してシャウトにならず、
絶えず暖かさや明るさがある。
ポジティブな人柄の良さがそのまま歌になっているという感じだ。

「みんな、たいへんだったわね。
私はスリ―イレブン(3/11)の時はほんとうにびっくりした。
テレビで映像を観て、私の第二の故郷である日本がとんでもないことになってしまったと思って。
その中で印象的だったのはみんなの冷静さよ。
パニックにもならずに落ち着いて対処していたでしょ。
素晴らしいことだと思ったわ。
こういう時期、日本のライブをキャンセルするアーティストもいたけど、
私はそんなこと、考えもしなかった。
だってここは私の古里でもあるんですもの。」
教会でシスターから感動のスピーチを聴いているようだ。
みんな、黙って頷いている。

ずっとアップテンポの曲が続いた後はぐっと聴かせるスローなヴァージョン。
そしてバックコーラスの男性をルーサーに仕立ててデュエットで"If The World Were Mine"
二人で見つめ合い向かい合って歌う。
体格も良く人のいいおばちゃま風のシェリルもこの時ばかりは10代の乙女に見えてくる。
それだけ気持ちが入って歌の中の女性になり切っている。
今は亡きLutherと一緒に歌った懐かしい時代を思い返すようなシェリルの遠くを見る眼差し。

chanparaさんのCDの中で自分ではなくレイの物を取り上げ「ほら、あなたのよ。」
夫を指して「あなたのTシャツ着ている人もいるわよ。」とレイを立てている。
レイはCDを自分の顔の横に持って来て「俺変わったかな?これは25才~27才(日本語で)くらい。」
レイの「ゴーストバスタード」が始まる。

レイ・パーカーJr、chanparaさんと夫が自分のファンなんだとわかっているので、
二人の前に来ては、乗り出して目で合図しながらギターのソロを聴かせる。

意外に若者達がたくさん来ている。
ライブで同世代や年上の人を見掛けるのも親近感があるが、シェリル世代から程遠い若い人達が、
こうやって来ている姿を見ると嬉しくなる。

シェリルは最初から迫力があったが歌っている内にどんどんノッテくるのがわかる。
踊り方も激しくなってくるが、滴る汗を拭きもせず夢中で楽しそうに歌ってくれる。

用意されたカップとグラスがある。
先日、ステージで正面を向いたまま、一曲ごとにペットボトルの水を煽り、
曲の合間でも演奏の部分の時に水を飲む若手の女性歌手がいた。
シェリルはそっと後ろを向いてほとんど観客が気づかないほどの隙にカップに口をつける。
エリックべネイが水を飲むところを見たのも私は一度しかない。
こういうささやかな仕草にプロの心意気や美学というものを感じる。

みんなに一節ずつ歌わせる。
うちのグループは全員最初からスタンディング、メンバー達とのアイコンタクトもビシバシ。
私以外の人はみんな、マイクに向かって歌いましたよ。
それぞれ味がある喉をきかせてました!
一番上手だったAさん、何と予想して練習しておいたそうだ。
最前列に座ることが多いから、どういう場合でもマイクを向けられた時に備えて準備ができているとか。

お約束の"Shake It Up Tonight""In The Night"、そしてアンコールは"Got To Be Real"
客席を通りながらシェリルは歌い続けるが私の隣や前を通過していく時、その生声に圧倒される。
聴き惚れて拍手も忘れたほどだ。

シェリルが退場した後、レイ・パーカーJr、
夫に別れの挨拶をしに来てくれてギターのピックを託してくれる。

終了後サイン会が始まったが、いつのまにか長蛇の列。
シェリルはまだ出てこないし、最後尾に並ぶと自分の番まで30分は掛かりそう。
平日でもあり翌日のこともあるので、諦めて帰ることに。

家に帰り顔を洗って鏡を見ると出掛ける前とは違い、
口角が上がり、顔面全体がリフトアップしている。
良いライブを観ることはどんなフェイシャルケアよりも効果的だと実感。

シェリルリン、そして同行した男性4人の気持ちの熱さにあてられた夜でした。

シェリル・リン/Cheryl Lynn(Vocals
レイ・パーカーJr./Ray Parker Jr.(Guitar)
ドン・ワイアット/Donn Wyatt(Keyboards)
ドナルド・ミッチェル/Donald Mitchell(Background Vocals)
シャロン・ウォレス/Sharon Wallace(Background Vocals)
ティア・ウォレス/Tia Wallace(Background Vocals)
ヴィアライン・ベアード/Vearline Beard(Background Vocals)
ジェローン・ハワード/Jerone Howard(Keyboards)
アル・ターナー/Al Turner(Bass)
ロン・オーティス Ron Otis(Drums)