世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●どうする?米国の異変 談話評価44%、梯子が外され彷徨う日本 

2015年08月16日 | 日記
帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕
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藤原書店


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●どうする?米国の異変 談話評価44%、梯子が外され彷徨う日本 

共同による世論調査で、内閣支持率が上昇した!(笑)。まあ、こういう事も、今の日本ではありがちな現象だと思う。日本人にしてみれば、NHKの夜7時又は9時のニュースを見ることが、民主主義国家の国民として、最低限の知識教養の習得だと思い込んでいる人は、相当数いる。そして、その方法が最も手っ取り早い情報の入手方法だと考えている。今どきの若い連中は、ニュース番組さえ見なくなってケシカラン、と言っている高齢者が多いのも事実だろう。

≪ 世論調査、安倍談話44%評価 安保の今国会成立反対62%
  共同通信社が14、15両日に実施した全国電話世論調査によると、戦後70年に当たって安倍晋三首相が発表した首相談話を「評価する」との回答は 44・2%、「評価しない」は37・0%だった。参院で審議している安全保障関連法案の今国会成立に反対は62・4%、賛成は29・2%。
 内閣支持率は43・2%で、2012年12月の第2次安倍政権発足以降で最低だった前回7月の37・7%から5・5ポイント上昇した。不支持率は46・4%だった。
 新国立競技場の建設計画で総工費が膨らんだ問題について、安倍政権に「責任があると思う」は「ある程度」を含めて78・5%。 ≫(東京新聞・共同)


NHKのニュースを視聴するだけでも教養人面出来る国と云うのが笑わせるのだが、結構真面目に、そのように思っている40代50代も多い。NHKのニュースを鵜呑みにする。その30分程度を過ぎれば、クイズ・バラエティ番組で薀蓄を身に着け、今夜も幾つか教養が身に着いたなどと思い、満足げに寝床の人となる。中には、晩酌を続けて家族迷惑なオジサンもいるのだろう。以下の新聞通信調査会の12年、14年のデータを見ても、国民のNHKに対する信頼度は7割を超えており、世論形成に、重大な役割を担っているのがよく判る。


≪ 各メディアの情報の信頼度は?
1位「NHKテレビ」71.1点、2位「新聞」69.2点、3位「民放テレビ」60.2点
 各メディアの情報をどの程度信頼しているかを、全面的に信頼している場合は100点、全く信頼をしていない場合は0点、普通の場合は50点として点数をつけてもらったところ、平均点が最も高かったのは「NHKテレビ」で71.1点、次いで「新聞」が69.2点、「民放テレビ」が60.2点となっている。
 性別、年代別に見ても、「NHKテレビ」、「新聞」が全てのカテゴリーで上位2位を占めており、幅広く厚い信頼を得ていることが分かる。
(*注:中間省略)
1位「NHKテレビ」(2008年度74.0点、2009年度73.5点、2010年度73.5点、2011年度74.3点、2012年度70.1点、2013年度72.5点)、2位「新聞」(同72.0点、同70.9点、同72.0点、同72.0点、同68.9点、同70.7点)で、順位に変化はなかった。 2012年度に過去最低となった信頼度は2013年度にかけて若干の回復がみられたが、今年度は再度低下に転じた。 ≫(2014年第7回公益財団法人 新聞通信調査会のデータより抜粋)

日本人のメディアリテラシーがどうだこうだと言っても、恣意的に政権好みの会長人事やNHK経営員会人事に手出ししている安倍政権においても、NHKの信頼度が、それ程下がっていないの事実を鑑みると、日本人の政治や外交等々に関する興味は、相当に低いものと考えても良さそうだ。つまり、自分の生活に直接的に関わりがなく、巡り巡って、己の首を絞める政治案件でも、三段論法程度の想像力も発揮されていないと思考すべきだ。やはり、日本人の大多数が、生活者目線以外の目線を持つことは稀、と云うことなのだろう。それでも、一種常識人の、それこそ生活上の常識として、NHKが耳に入れてくれる事くらい理解、記憶しておこう、と云う按配なのだ。そのNHKが以下ように、安倍70年談話の内容を報道すれば、そりゃ4割以上の人間が高評価しても不思議はない。

 ≪「お詫び」などキーワードすべて明記
  政府は臨時閣議を開いて、戦後70年にあたっての総理大臣談話を決定し、安倍総理大臣が記者会見で発表しました。 ・安倍総理大臣は「わが国は先の大戦における行いについて 繰り返し痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきた。
 こうした歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」などと述べ、いわゆる「村山談話」のキーワードと位置づけられる「侵略」、「植民地支配」、「痛切な反省」、「お詫び」のすべてを使いながら、歴代内閣の立場を継承する姿勢を明確にしました。
 そのうえで、積極的平和主義の下、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していく考えを表明しました。
 村山談話、小泉談話はおよそ1300字程度でしたが、今回の談話は3000字を越える分量となっています。 政府は、安倍総理大臣の真意を諸外国に正確に伝えるため、英訳を公表したほか、今後、中国語と韓国語訳も発表することにしています。 ≫(NHKニュースWEB)


これじゃ、矮小化した談話を、更に矮小化、抽象化して、7割の人間が信じて疑わないNHKニュースで流すのだから、4割しか評価していないと云うことは、実は、非常に駄目な談話だったと、流石に気づいた人々がいたと云うことにもなる(笑)。なんとも、心もとないが、心強くもある。日本が、こんなメディアリテラシーの中にあるが、本家本元では、意外な動きが表面化してきている。

この件に関しては、ビデオニュースドットコムが詳しので、そちらの動画を見られることをお薦めする。建国時のアメリカの精神に立ち返ろうではないか?「フェアネスとは何ぞや」。そう云う機運があるのは、口惜しいが一応政治への感度は失っていない。それにしても、アベの戦争法案で、自衛隊が無理やり戦場にかける橋で後方支援やPKOで矢玉で死傷者を続出させている頃には、アメリカ様は、グローバリズムやめた!世界の警察やめた!海外米軍基地もすべて撤退!そんな時代が来ても、戦場や紛争地域から自衛隊が抜け出せない。なんだか、最悪な話だね(笑)。


 ≪ 70年談話とレッシグ出馬、サンダース躍進の衝撃
安倍晋三首相が8月14日に発表した戦後70年談話では、「侵略」や「植民地支配」といった日本の戦争責任に関連するキーワードは含まれていたものの、いずれも間接的な表現が使われ、首相自身の歴史認識が示されたとは言い難い内容だった。
 談話は注目されていたキーワードを含めることで、アメリカを始めとする国際社会や、安保法制をめぐる支持率の低下、連立を組む公明党に配慮しつつ も、自身の歴史認識を示すことは意図的に避け、あえて謝罪や反省の言質を与えないことで、安倍首相が掲げる「戦後レジームからの脱却」を期待する右派の感情にも配慮した、まさに玉虫色の談話だったと見るのが妥当だろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一方、アメリカでは8月11日、憲法学者でインターネット上のオープンな著作物の利用を規定した「クリエイティブ・コモンズ」の設立者としても知られるハーバード大学のローレンス・レッシグ教授が、条件付きながら大統領選挙への出馬を表明し話題をさらった。
 レッシグ教授は現在のアメリカが、建国の父たちが尊んだ「平等の精神」を失い、富裕層や特定の圧力団体が政治を支配する非民主的な寡頭政治の国に 成り下がっているとして、これを抜本的に是正するための「市民平等法」の制定に向けた運動を立ち上げると宣言。既存政党の候補者の中から、同法の制定を最 優先の選挙公約として受け入れる候補者が現れなかった場合、教授自身が大統領選挙に立候補するとしている。
 レッシグ教授はまた、その第一段階として、9月7日のレイバー・デーまでに100万ドル(約1億2千万円)の資金をクラウドファンディングによっ て集められるかどうかを出馬の条件としているが、レッシグ氏のキャンペーンサイトLessig2016によると、キャンペーンの立ち上げから4日後の8月 15日段階で、既に2500人から20万9千ドルの寄付が寄せられているという。
 また、レッシグ教授の出馬表明と相前後して、アメリカでは大統領選挙の候補者選びでも異変が起きている。10人の候補者が乱立した共和党の大統領 候補者選びで、ニューヨークの不動産王にして大富豪のドナルド・トランプ氏がブッシュ元大統領の弟のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事らの有力候補を押さ えて支持率でトップに躍り出たかと思えば、民主党の候補者争いでも、一貫して大本命と目されてきたヒラリー・クリントン元国務長官が2位に転落するという 予想外の展開となっている。
 8月13日に行われた民主党の大統領候補者に関する世論調査で、クリントン候補への支持が37%にとどまり、44%の支持を集めた、日本ではまだ無名なバーニー・サンダース上院議員に大きく水をあけられる形となった。サンダース上院議員は社会主義者を自任する民主党左派のベテラン政治家だが、富裕 層や企業への課税を強化する一方で、大学の無償化を提唱するなど、自由を重んじるアメリカにあっては珍しく明確に社民主義的な主張を展開している。
 そのサンダース候補は、ノーベル経済学賞の受賞者でコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授や同じく著名な経済学者でクリントン政権で労働 長官を務めたロバート・ライシュカリフォルニア大学バークレー校教授からも強い支持を受けるなど、大本命クリントン候補にとっては脅威の存在となり始めて いる。
 安倍首相の70年談話の評価と、レッシグ教授の出馬や社会主義者候補サンダース上院議員の躍進に見られるアメリカ政治の地殻変動について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。 ≫(ビデオニュースドットコム:ニュース・コメンタリー15.08.15 )

 http://www.videonews.com/commentary/150815-01/

参考:
 ■ローレンス・レッシグ ≪ ローレンス・レッシグ(Lawrence Lessig、1961年6月3日 - )は、アメリカ合衆国の法学者。専門は憲法学及びサイバー法学。ハーバード大学法学教授およびエドモン・J・サフラ財団倫理センター所長。 スタンフォード大学ロー・スクールの教授及び同大学のインターネット社会研究所を歴任。 ・エルドレッド・アシュクロフト裁判(Eldred v. Ashcroft)で原告のエリック・エルドレッド(Eric Eldred)の代理人を務め、フリー・カルチャー(Free Culture)のコンセプトを打ち出した。また、フリーソフトウェア運動も支持している。フリーソフトウェア財団と自らが設立したクリエイティブ・コモンズの理事を務めている。 ・2015年8月11日、クラウドファンディングによる選挙資金100万ドルの獲得を条件として次期米国大統領選挙への立候補を検討すると発表した。 著書・『CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー』、『コモンズ―ネット上の所有権強化は技術革新を殺す』、『Free Culture―いかに巨大メディアが法をつかって創造性や文化をコントロールするか』他多数≫(Wikipedia引用)

■バーニー・サンダース  ≪ バーナード・"バーニー"・サンダース(英語: Bernard "Bernie" Sanders、1941年9月8日 - )はアメリカ合衆国の政治家。バーモント州選出の無所属の上院議員。信仰する宗教はユダヤ教である。 経歴エピソード: ・2006年の下院から上院への鞍替え立候補では、民主党はじめバーモント進歩党、アメリカ民主社会主義者などから支援を受ける無所属候補として選挙を戦い、議席を得た。サンダースは自ら民主社会主義者であると名乗っているため、合衆国上院初の社会主義者の議員となった(下院では過去にサンダース自身をはじめ、アメリカ社会党のヴィクター・L・バーガーなどの例がある)。 ・2010年12月13日、ブッシュ政権から続いていた減税措置の延長をめぐって8時間半に及ぶフィリバスターを行った。通常、フィリバスターはシェイクスピアや合衆国憲法を 意味もなく朗読するものであるが、サンダースのフィリバスターは減税措置をはじめとする行き過ぎた自由市場主義によってもたらされた貧富の格差の拡大や国 内産業の衰退について強い批判の態度を持って行われ、本人も「2時間あれば言い終わると思っていた」と話している。このフィリバスターはたちまちインターネット上で話題になり、その様子がTwitterで中継された。 左翼系無所属の議員であるが、アメリカ合衆国第112議会の上院では同じく無所属のアンガス・キング(英語版)とともに、民主党と院内会派を組んでいる。 2015年4月30日、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に民主党から出馬することを表明した。 ≫(Wikipedia引用)

■ジョセフ・スティグリッツ ≪ ジョセフ・ユ-ジン・スティグリッツ(英: Joseph Eugene Stiglitz、1943年2月9日 - )は、アメリカの経済学者、コロンビア大学教授。1979年にジョン・ベーツ・クラーク賞、2001年にノーベル経済学賞を受賞。IMFの経済政策を厳しく批判している[1]。著書・ 『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』、『世界の99%を貧困にする経済』、『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』等多数 ≫(Wikipedia引用)

■ロバート・ライシュ ≪ ロバート・バーナード・ライシュ(英語: Robert Bernard Reich, 1946年6月24日 - )は、アメリカ合衆国の経済学者、文筆家、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。これまで、ハーバード大学ケネディスクール教授、ブランダイス大学社会政策大学院教授、アメリカ合衆国労働長官を歴任している。 著書・『暴走する資本主義』、『アメリカは正気を取り戻せるか―リベラルとラドコンの戦い』他多数 ≫(Wikipedia引用)

ロバート・ライシュ 格差と民主主義
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東洋経済新報社


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● 「魂」の抜けた談話 ”70年談話”、不要と再三忠告したのに…

2015年08月15日 | 日記

死者は時の権力者の勝手解釈に汚される。
靖国のそもそも、「薩長藩閥政府神社」

靖国神社と幕末維新の祭神たち: 明治国家の「英霊」創出
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吉川弘文館


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● 「魂」の抜けた談話 ”70年談話”、不要と再三忠告したのに…

あぁ、やっぱり出してしまったね。ずらずらと歴史的経緯なんぞ、どこの誰も聞いてないのに……。このアベシンゾウってのは、出たがりなんだね。無理やりテレビ番組を組ませたり、保守系資本構成のニコニコなんたらに出まくったり、BS番組には、圧力だか、機密費だか知らないが、行使して、滔々とおバカな持論を展開する。その総まとめが、昨日の70年談話。まあ、こういう手法で逃げ切ろうと云う思考そのものが、アベシンゾウ政権らしいと言えば、たしかに、この政権らしい。

伝聞を並べ立て、他人がアア言った、コウ言った。オマエはどう思うのだ?記者クラブの仕込みQ&Aじゃあ、まともな質問すら期待できない。この男の体質、資質すべてが露呈した、シンボリックな談話だとも言える。所謂、テクニックに走り、本末転倒した、魂抜きの談話と云うことだ。これじゃ、余程上手な「意訳」でもない限り、世界の人々を納得させる言葉にはならないし、ましてアジアの人々へのメッセージにもならない。筆者から見ると、上手に出来た司馬遼太郎紛いの歴史歪曲本なのだが、アベシンゾウと云う人間を具現化した、見事な歪曲謝罪文である。

流石に、世界のマスメディアは、アベシンゾウ談話が、イカサマ談話だと論破している。一番、評価しているメディアは、すべて国内の記者クラブメディアだ。これが、日本人として最も恥ずかしい。この作文を作った人間は、どうやってアベシンゾウの本心を言外に含ませるか、苦労したのだろう。結果的に歴史認識を間違い、自己認識まで間違った。ただ、「巧言令色鮮し仁」な声明文等に馴染んでしまったアベシンゾウは違和感なしにヘラヘラ語った。厭々読んでいると云うより、名文だと自負しているのだから手におえない。何を詫びたのか皆目見当もつかない。村山元首相が、俺の意など継承していないとお冠である。

≪ 70年談話:村山元首相が批判 談話継承の認識「ない」
村山富市元首相は14日、大分市で記者会見し、安倍晋三首相が発表した戦後70年談話について「何のためにおわびの言葉を使ったのか、矮小(わい しょう)化されて不明確になった。植民地支配や侵略などの言葉をできるだけ薄めた(筆者注:普遍的なものに置きかえた)ものだ」と批判した。村山談話が継承されたという認識は「ない」と述べた。
 村山氏は「長々と言葉に配慮し、苦労して作った文章だというのが第一印象。しかし最後は焦点がぼけ、何を言いたかったかさっぱり分からない」と述べた。
 一方、安倍談話が「先の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」とした点については「(政府の姿勢を)はっきりさせれば謝る必要はない。 安倍首相が最初から(村山談話を)継承すると言えば、それで済んだ。本来なら談話を出す必要はなかった」と反論した。 ≫(毎日新聞:佐野格)

世界のメディアも、アベシンゾウが仰々しく騒ぎ立てていた「70年談話」を注意深くウォッチしていたようだ。日本のマスメディアの数倍、冷静に談話の内容を分析している。概して、批判的とまでは言えないが斜に眺められている。しかし、注目を集めたフレーズが“将来の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない”であった点はかなりの問題になるだろう。“日本は、もう謝るのに飽き飽きしたし、盛りだくさん沢山詫びたので、今回限りにするからね。” そう表明した70年安倍談話だった。

*だから、オマエは出すなって、言っただろう。嫌アベの筆者でも、たまには塩を送っているのに、聞きもしない。当たり前だが……(笑)。ただ、中韓両国は、アベの70年談話に関して、ぼろくそに批判していないところも、注目に値する。あまりにも、日中韓のいがみ合うが度を越して、二進も三進も行かなくなる一歩手前で、踏みとどまる意志が働いた感じもないことはない。ロシアのニュースは、一日遅れでしか解釈記事を示さないので、 常に一日遅れる。当局の承認印でも貰う為か、単に興味がないか、どちらかだ。

★「近隣諸国が要求していたような安倍首相自身の言葉による率直な謝罪は避けた」 (WSJ)

★「首相の支持母体・国家主義者たちと、世界の論調とのバランスに苦慮した」 (WP)

★「安倍首相が過去の「村山や小泉談話」を念頭に“繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた”と述べたことに関して、“彼自身の新しいおわびは表明しなかった”次の世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」とする一方、「謙虚な気持ちで過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任がある」と強調した。 (ロイター)

★「過去の政権の謝罪を支持したものの、独自の新たな謝罪は示さなかった」、「中国と韓国の怒りを買わないようにすると同時に、度重なる謝罪の要求にいら立ちを感じている国内のナショナリスティックな声にも配慮する必要があった」 (BBC)

★「第2次世界大戦に対する「痛切な反省」を表明し、歴代内閣の謝罪の立場が揺るぎないものと語った一方で、“将来の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない”に注目」 (AFP)

★「安倍総理大臣が過去のおわびに言及した。将来の世代は謝罪をし続ける必要はないと付け加えた」 
 (新華社電速報)

★「「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段として二度と用いてはならない」、「植民地支配から永遠に訣別」など第三者的な口調を用いた」 (人民網・新華社)

★「安倍談話 村山・小泉談話より後退=「過去形」のおわび」 (朝鮮日報)

★「世代が謝罪を続ける「宿命を背負わせてはならない」とも述べた」 (ブルームバーグ)

★「安倍首相は自らの反省謝罪の弁は語らなかった(直訳)」「しかし、安倍首相は、日本が謝罪することができる回数に制限があるとつけ加えました(直訳するとW)」 (NYT)


注:直訳故に、一部不正確な部分があるかもしれないので、原文等々で確認は各自にてよろしく。

靖国神社の祭神たち (新潮選書)
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●駄目だろう! 靖国・長州神社首相が15日に靖国参拝しないのは

2015年08月14日 | 日記
「聖断」の終戦史 (NHK出版新書 465)
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NHK出版


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●駄目だろう! 靖国・長州神社首相が15日に靖国参拝しないのは

本日にの見出しは皮肉ですから、見出しだけ読んでコメントなど送信しないように(笑)。まさに、お天道さまの神罰仏罰とでも云うか、乱暴狼藉沖縄米軍ヘリが、安倍政権の崩壊を予言するかのように墜落した。オスプレイでないのが、パンチ力に欠けるが、翁長知事と、菅とか云う成り上がり政治家との会談直前に落っこちるとは、まさに、まさにである。死亡者が出なかったので、敢えて沖縄県と親米ポチ右翼政権の先々を占う蛸くんのようで、非常に愉快だ。不謹慎だと?ふざけるな!不謹慎は、右翼を標榜していながら、靖国に参拝する勇気も失った安倍の方が、数段上位に不謹慎だ。

≪ 安倍首相:15日の靖国参拝見送りへ
安倍晋三首相は12日、終戦記念日の15日の靖国神社参拝を見送る意向を固めた。自民党総裁として、私費で玉串料を奉納する見通し。東京裁判のA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国神社への参拝には中国、韓国が反対している。両国が、14日に閣議決定する首相の戦後70年談話の内容を注視していること も踏まえ、両国との関係に配慮したものとみられる。
 首相は、終戦記念日については2013年、14年とも靖国参拝を見送り、いずれも自民党の萩生田光一総裁特別補佐を通じ、党総裁として私費で玉串 料を奉納した。しかし、政権復帰1年を迎えた13年12月26日には現職首相として7年4カ月ぶりに靖国神社を参拝。中国や韓国などから強い反発があった 経緯がある。 ≫(毎日新聞:松本晃)


無論、常々拙ブログを読んで頂いている方は、ああ、“あいば”が皮肉を言っているとお判りだろうが、歴史修正主義者で、明治は遠くなりにけるとばかりに、大日本帝国憲法回帰を目指す日本会議、及びアベシンゾウとしては、あり得ない根性なき行動である。せめて、この部分だけでも、アメリカに逆らう蛮勇を持って臨んで貰いたかった。隷属ポチにも五分の魂見せて貰いたかったのに、非常に残念である(笑)。代わりに、筆者は8月30日日曜日、「永田町議事堂不戦神社」に参拝に行くことにしている(笑)。「戦争法案反対!安倍やめろ!」を裏声でガナってやる。裏声でガナるのは無理かな?

朝日が、腰の抜けたような親米、親安倍記事で、米軍ヘリコプター事故の記事を書いている。「見学」していた自衛隊員は、その辺の小学生じゃない。 “ヘリ着艦失敗、対テロ訓練を陸自見学中に けがは7人”なんてお茶を濁すような報道なら、しない方が余程マシだ。アラフォーの中央即応集団所属の2等陸曹二名だ。見学なんてのは、もっと上のヨボヨボ幹部がやることで、この二人は、バリバリの現役特殊任務に携わる自衛官だ。おそらく、南スーダンに派兵予定の、PKOの用心棒の役目の訓練中だと解釈するのが妥当だ。共産党の小池議員が指摘したように、法案成立前から、日米軍部の独走はスタートしていると云うことだ。

次に目についたのが、毎日新聞の世論調査の結果だ。安倍や日本会議の、嫌韓、反中世論喚起が一定の範囲で効果があった点は証明されたようだ。また、80歳、90歳に替わり、戦争の現実を話にも聞いたことのない20代30代の世代交代が起きている事による社会現象でもあるだろう。まあ、こういう時代だから、アベシンゾウの支持率もしぶとく生き残っていると言えるのかもしれない。50代60代の親世代が、爺婆や叔父叔母の体験を語り継がないことによって起きたとも言える。日々の家庭の教育と云うか、会話がいかに大切なものか、今さら気づいても遅いようだ。

 ≪ 戦後70年:「間違った戦争」47%…本社世論調査
毎日新聞は戦後70年の終戦記念日を迎えるにあたって全国世論調査を実施し、有権者の歴史観などを探った。日本が米国や中国などと戦った先の大戦を「間違った戦争だった」という回答は47%で、「やむを得ない戦争だった」「わからない」はそれぞれ24%だった。この戦争について、近隣諸国への日本の謝罪は「十分だ」は44%で、「不十分だ」(31%)と「そもそも必要ない」(13%)を上回った。
◇日本謝罪「十分」44%
 戦後60年の2005年8月に実施した調査では、「間違った戦争」43%▽「やむを得ない戦争」29%▽「わからない」26%−−だった。先の大戦の認識に関しては、この10年間で大きな変化はないといえる。
 今回、「間違った戦争」と答えた人に理由を尋ねたところ、「侵略戦争だったから」56%▽「日本が敗れたから」3%▽「その両方」34%−−と なった。安倍内閣の支持層では「間違った戦争」(34%)と「やむを得ない戦争」(35%)が拮抗(きっこう)し、「わからない」は26%だった。不支持層では「間違った戦争」が61%に上り、「やむを得ない戦争」「わからない」はともに18%にとどまった。
 自民支持層では「間違った戦争」(36%)と「やむを得ない戦争」(35%)がほぼ並んだ。民主支持層では「間違った戦争」が6割を超えた。年代 別では、50代以上で「間違った戦争」が5割台だったのに対し、20〜40代では「間違った戦争」の割合が全体(47%)より低く、逆に「やむを得ない戦争」が全体(24%)よりやや高くなった。
 近隣諸国への謝罪に関しては、内閣支持層では「十分だ」が59%で、「不十分だ」の20%を大きく上回った。不支持層では「十分だ」「不十分だ」 がともに39%だった。単純に比較はできないが、06年6月の調査で「第二次世界大戦をめぐる日本政府の謝罪、反省は十分だったと思うか」と質問した際に は、「不十分だった」(42%)が「十分だった」(36%)より多く、「謝罪、反省の必要はない」が11%だった。今回の調査は今月8、9両日に実施した。 ≫(毎日新聞:今村茜)


久々の秀作を目にしたので、此処に紹介させてもらう。無論、ご本人の許可など頂いていない。トラックバック自由だと、勝手に判断してる。筆者は、秋口には、アベノ解散あるのでは?とコラムに書いたが、“気弱な地上げ屋さん”が書いている通り、今年末の方が理には適っている。それにしても、その他の情報にも、一読以上の価値がある。少々、前振り部分は割愛させていただいた。平に、ご容赦!初めて読む方は、少々テクニックが必要だが、同氏独特の言い回し、馴れるが肝要。


≪ ……。
この時期・・ 毎年のように話題に上る・・
この神社への惨敗・・。
いや、参拝。 (苦笑)

先の大戦で犠牲になった英霊を祀る・・。
こうした名目のもと
戦争美化と民族主義の象徴として
この地が聖地と化してることは、ご承知のとおりです。

まぁ・・
靖国! と問われ?
惨敗! と答えるか?
参拝! と答えるかで・・
答えた相手の立ち位置が・・
真ん中から左なのか、
右なのかを判断する・・
踏み絵としての 判り易い役割もございますが・・ (苦笑)
本質的なところは・・
全国に神社は、8万以上あるのに
A級戦犯が祀られてるのはここだけってことが・・
問題の根源です。

そもそも、
祀られてる当の戦犯の皆さんは
生きてる当時、
この靖国神社に足踏み入れたことがある人など・・
皆無です。 (苦笑)
生きてる当時は縁も所縁も無かったのに・・
死んだ途端、祀られちゃう。
簡単に言いますと・・
誰かに利用されてるということです。 (苦笑)

お国のためなどと称し、
無責任な戦争指導者たちのせいで
非業の死を遂げた・・
200数十万に及ぶ戦死者のご遺族が、
参拝するのは理解できます・・。
がっ!
その戦争を起こした責任者たちが
一緒になって祀られてることに
違和感はないのでしょうかね?
気弱な地上げ屋が遺族だったら・・
耐え難い苦痛・・です。

このハナシをし出しますと・・
長くなりますので・・
日本会議関係者の皆さん?
この件は・・
今度ゆっくりやりましょう!(笑)

さて時節柄・・
巷では、お化けが大活躍する季節ですが・・
グルメブログで活躍するのは・・
毎度馴染みの・・
おバカな人たちのオハナシ。 (笑)
気弱な地上げ屋が現在、 二つの国政政党の党員なのは・・
皆さん、ご承知ですね? (笑)
一つは・・
名乗るのが恥ずかしい政党で・・
もう一つは・・
名乗っても相手にしてもらえない政党。 (苦笑)
本日はこの・・
名乗るのが恥ずかしい・・ ほうの政党のオハナシ。

この党は、 この秋、10月上旬から・・
1ヶ月ほどの選挙期間を設けて、
党勢拡大も兼ねて (苦笑)
大々的に党代表選出選挙を行います。
新たな代表が選出されるのは・・
11月1日。
この人は・・?
どうするかって?
この人は・・ 今回デマせん。 (笑)

なぜ出ないのか?
それは・・ 人毛が無いから・・。 (笑)
ではなく、
人望が・・ 無さ過ぎるからです。 (苦笑)

クレオパトラの鼻がどうしたこうしたってオハナシがございますが・・
この人に毛 (もう) 少し・・
毛量があったら・・?
いえ、器量があったなら?
総理大臣だって目指せたのに・・
まったく残念なことです、江田ランスセンセ。

ではこの代表選?
どんな展開になるのでしょうか?
実は、この二人の・・ ガチンコ勝負でキマリです。 (苦笑)

「松井と松野? マズマズの・・勝負じゃないか?」
いくらグルメブログだと言っても
こんなこと言って面白がってちゃいけません! (笑)

優柔不断で、なかなか決断できず・・
「いったい? いつまで待つの?」 な人の陣営は・・
小選挙区で勝ち上がってきたのは・・
江田ランスセンセただ一人。
あとは全員比例で復活してきた人たちです。
つまり・・
選挙に弱い人たち・・。
簡単に言いますと 票集めが苦手な人たちばかりです。

これに対して、マズい陣営は?
このオトコが全面支援です。 (苦笑)
*注(橋下徹らしき男の写真)略

こうなると結果は?
マズいことになりそうなのです。
 「恥元なんて、大阪でも人気がた落ちでっせ!
いい勝負になるのでは?」
Hn どついたるねんサンあたりから、
こんなコメントも投げつけられそうですが・・(笑)
それを否定する、ある情報が・・。

大阪維新に放つ!
臭のモノが・・伝えます。 (苦笑)

「11月の代表選? もうこれは松井で決まり。 それじゃ松井? もう手遅れだよ。 松井新代表の下・・年明け早々、与党入り。 そして、来年7月の参院選は・・与党として戦う。 比例名簿のトップ? 恥元さ。 松井は2番。 2人揃って国政デビューってワケ。 維新東京組の連中? 与党入りってことになれば・・イヤだイヤだと言いながら付いて来る。 多少のおちこぼれは・・想定内。 そのほうが判りやすいだろ? どうして代表選勝てるって断言出来るか? アンタもニブいねぇ? 官邸から・・代表選の選挙資金が出てるんだよ。 額? 言えないよ。 ん? このワイン美味いね? もう一本入れてくれる? で、なんだっけ? 金額・・? 誰にも言うなよ? 党員票10万票分さ! 総額? 計算しろよ! 簡単だろ? 2億だよ、2億! 官邸から、選挙資金とその後の政権協力費として・・2億円出てるってワケ」

・・・、まったく参っちゃいます。
官邸から・・
2億円もの官房機密費が・・
大阪に届けられてるそうです。 (苦笑)

更に!
驚く情報が!
官房機密費を一手に握る・・
この人。
本日は・・
官房長官後援会に放つ!
臭のモノにもご登場戴きます。 (笑)

この人は、以前のエントリーにも登場した・・
あの・・ 総選挙情報をピタリと当てた・・
あの人です。 (笑)

では、ご登場戴きましょう!
菅官房長官後援会に放つ! 臭のモノが・・ 伝えます・・。 (苦笑)

「安保法案のやりかたは・・オレたち自民党の人間から見たって・・ちょっと強引過ぎるよね。 支持率が・・激減するのも・・無理ないよ。 しかし、官房機密費を握るってことは、凄いことなんだね。 去年の選挙だって・・いつもと同じ事務所使ったんだけど・・それまでは、いつだって賃料は一時使用だなんて言って、大した金額じゃなかった。 ところが、昨年末のあの選挙。 今までの事務所賃料の倍・・払ったよ。 キャッシュでポーンと! 驚いたねぇ・・。 ところで、事務所で思い出したけど・・これは、絶対! 他人に言うなよ? ネットなんかで広まったら・・目も当たられない。 去年のときと同じように、うちのセンセから言われたんだけど・・もしかしたら、秋から冬にかけて、またあの事務所使わせてもらうことになるかも知れないから・・空けておいてくれ! こう言われたのさ。 内閣支持率があと10%下がったら・・解散総選挙ってことになるそうだ。 昨年同様、野党の選挙準備が整わず、政党支持率が・・野党に水開けてる間に選挙やっちゃったほうが得だってこと。 毎年暮れに選挙ってのも・・たまんないけどね」

驚きました。
このオトコ・・。
2年続けての・・
年末総選挙を想定しているそうです。 (苦笑)

そりゃ党内は、大反発して
海部降ろしの再現となるでしょうが・・
そんなことなどお構いなし。
3度目の正直など無いのは判ってますから・・
2度あることは3度ある・・
ほうに賭けるでしょう。 (苦笑)

野党の体制が整わないうちに解散に打って出れば・・?
負けるにしても・・
過半数割れまでは負けません。

まだこの先・・
あの顔見なきゃならないのは・・
耐えがたい苦痛そのものですが、

自分で選んだ・・
戦後70年談話 有識者懇談会。 この16人からも・・
いえ正確に申しますと14人。
この14人からも
戦後70年の節目となる首相談話は
近隣諸国と揉めないよう、しっかりしたものを・
注文つけられちゃいました。

意外でしたが・・
しっかり書けてますよね、この報告書。 (苦笑)

満州事変以来、
日本は大陸への侵略を拡大し・・
に始まり、
世界の体制を見失い、
無謀な戦争でアジアを中心とする諸国に
大きな被害を与えた。

多くの意思決定は、自衛の名の下に行われたが・・
実際、アジア開放のために決断したことは・・
ほとんど無い。

結果として、アジアにおける植民地の独立は進んだが
国策として、
日本がアジア開放のために戦ったと主張することは
正確ではない。

軍指導部は、
兵士を最小限度の補給も武器もなしに
戦場に送り出したうえ
捕虜に取られることを許さず
死に至らしめることも少なくなかった。

日本全国の
多数の都市が焼け野原と化した。
特に沖縄は
全住民の三分の一が死亡するという
凄惨な戦場となった。

史実をほぼ・・
ありのままに表現しています。
これこそが本質です。

そして・・
8月14日に発表する戦後70年談話に
必ず入れるべき言葉は・・
最後のコレ・・。

1930年以後の日本の政府・・
旧日本軍指導者の責任は・・
誠に重いと言わざるを得ない。

まさに・・
本質を・・射抜いております。
少しづつですが・・
潮目が・・
変わりつつある・・のかもしれません。
≫(ブログ:「ラ・ターシュに魅せられて」さん抜粋)



明仁天皇と平和主義 (朝日新書)
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朝日新聞出版


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●安倍の地獄は“いと嬉し”だが トバッチリ受ける生活者

2015年08月13日 | 日記
世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠
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徳間書店


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●安倍の地獄は“いと嬉し”だが トバッチリ受ける生活者

沖縄米軍海兵隊ヘリ墜落、自衛官2名も負傷。米軍と行動を共にしていれば、仮想敵が現れなくても、死傷者を出すリスクがあることが、菅官房長官の眼前で起きたことは、天の配剤としか思いようがない。アメリカと約束したから、戦争法案は吐いても、死んでも、絶対に通過させる。これがアベシンゾウに課せられたミッションかもしれない。つまり、アメリカの操り人形の象徴的内閣総理と云うことだ。多分、史上最高峰に位置する「隷属右翼政治家」の典型だ。

祖父、岸信介のやり残したことを、なんてのは「神話」であって、ただ、首相を長いことやりたがっている、ファッショ政治家に過ぎない。世界マネー供給をFRBから引き継ぐアベノミクス、特定秘密保護法、安保戦争法案、原発再稼働、中韓へのマッチポンプ外交、アメリカ指定の世界各国にアメリカ代行として銭バラマキ。まだまだあるのだが、多すぎて一度に覚えきれない。完璧、絵に描いた「隷米ポチ保守政治家」がアベシンゾウ。日本会議の連中の右翼度、愛国度もこんな程度ということか。8月15日靖国参拝回避に文句ひとつ言わないのだから、同じ穴に住んでいるってことだろう。

まあ、その辺は日々刻々と語っているので、本日は視点を変えて、アベノミクスの超ヤバくなってきた現状を分析しているコラムを紹介する。町田氏は穏健批判者なので、舌鋒はまん丸だが(笑)。GDPはマイナス成長、現金給与総額も大幅減。この泣きっ面に蜂経済政策、世間の目を誤魔化す手段は、株価のみ。

その株価も、思うに任せない環境が整いつつある。中国の想像以上の経済減速だ。日本のマスメディア各社は、中国経済の悪化を、かなり嬉々として伝えているが、実質的に世界経済をけん引してきたのは中国経済の成長だったのだから、日米欧の経済も大きなダメージを受けるのは必至だ。対岸の火事じゃないのだ、足元に火がついてる。米国の経済指標は金融経済のマジックに過ぎず、99%の米国民の生活の困窮度は凄まじい。EUも失速、中国も失速、ロシアの経済制裁解除の要求はEU中心に高まる度合いを深めるだろう。


 ≪ 政府が隠したい不都合な数字 「GDPマイナス転落」「現金給与総額大幅減」でアベノミクスの限界が見えてきた

■7カ月ぶりの「異変」
新年度に入っても企業業績は好調で、大幅な経常増益決算になっているにもかかわらず、企業がおしなべて賃上げやボーナスの増額を渋っていることが響 いて、個人消費と景気回復に水をさす恐れが強まっている。頼みの綱だった米国向け輸出の景気押し上げ効果を、深刻化する中国バブル崩壊のマイナスの影響が帳消しにする懸念も大きくなる一方だ。
 政権発足以来、一枚看板としてマスメディアがもてはやしてきたアベノミクスの化けの皮が完全に剥がれれば、安定的に推移してきた内閣支持率の流動化が加速しかねない。そうなれば、経済の停滞が政治への不信を呼び、政治不信が経済の停滞を増幅する悪循環に陥るだろう。
  内閣府が8月17日に発表を予定している4~6月期の実質国内総生産(GDP)の行方に続いて、このところの連日の猛暑が時の氏神となって7~9月期の経済の下支え役を果たすことになるのか――。経済の先行きから目が離せなくなってきた。
  いくつもの経済指標が洪水のように公表される中で、エコノミストたちにとってここ数ヵ月で最もショッキングだったのは、先週火曜日(8月4日)に厚生労働省が発表した6月の毎月勤労統計(速報値)だろう。
 マスメディアは感度が鈍いのか、政権に都合の悪い指標には注目を集めたくないのか地味な扱いだったが、従業員1人当たりの現金給与総額が、前年同月 比で2.4%マイナスの42万5727円に減ってしまったのだ。あれだけ安倍政権が今年の春闘の際に企業に賃上げを迫ったにもかかわらず、その効果はなかったと言わざるを得ない。現金給与額の減少は、7ヵ月ぶりという「異変」である。
  この統計を発表当日の夕刊3ページで扱った日本経済新聞は、「夏のボーナスを6月に支給する企業の割合が下がったのが響いた」「厚労省は7月にボー ナスを支払った企業が多い点を踏まえ、『6~8月の状況を総合的に判断する必要がある』としている」と政府の言い分をそのまま伝えた。
 確かに厚労省の発表資料には、日経の記述に加えて、「従業員30人以上の事業所では、6月にボーナスを支給した企業の割合が37.7%で、4.2ポ イント下がった」と書かれている。7月にボーナスを払う企業が多いのだから、6月の現金給与額の減少はたいした問題ではないというのだ。 しかし、こうした言い分は、統計に秘められた重要な問題から目をそらすものと言わざるを得ない。

 ■企業は内部留保を優先
その重要な問題とは、2.4%減という6月の現金給与額の減少は名目の値に過ぎず、物価上昇を勘案した実質ベースでみると2.9%減とマイナスが一段と深刻だということである。しかも、賃金の減少は6月単月に限られた問題ではなく、新年度入り以来続いている中期的な問題だ。第1四半期(4~6月)の 現金給与総額は、名目で0.7%減、実質で1.4%減となっている。
  その一方で、給与を支払う企業の業績は絶好調だ。先週土曜日(8月8日)付の日本経済新聞によると、前日までに4~6月期の四半期決算を発表した 1298社(3月本決算会社)を集計したところ、連結経常利益が前年同期比で24%増えたという。2016年3月期通年でも、昨年に続いて過去最高益を更新する勢いだ。
 今春、安倍政権の要求に応じて多くの企業は表向きベアや定期昇給に応じた。が、実態は内部留保優先の姿勢を崩していなかったのだ。単純にみると、好調な稼ぎの伸びの10分の1程度しか、賃金の増額に回さなかった計算になる。
 典型的なのは、会社更生法の適用を申請して経営破綻したにもかかわらず、国策支援を受けて復活した日本航空(JAL)だ。JALは4~6月期に連結 経常利益で前年同期比2.3倍の392億円を稼ぎ出したが、ベア、定昇とボーナスをあわせた人件費はわずか4%しか増えていないという。破たん時に事実上の解雇と過酷な賃下げを経験した従業員たちが、いまだに給与面で我慢を強いられているのだ。
 そして、この労働分配率軽視という日本企業共通の問題は、回復が期待されていた経済が変調をきたす原因になりつつある。
 そのことを浮き彫りにしたのは、総務省が7月31日に公表した「家計調査報告」(6月分速報)だ。2人以上の世帯の消費支出が26万8652円と、 前年同月比で実質2.0%の減少となった。名目でも実質でも現金給与額が減少している以上、家計としては消費を抑えざるを得ない。 さらに、家計の苦境に追い打ちをかけているのが、アベノミクスの副作用である輸入物価の上昇だ。

 ■アベノミクスの賞味期限切れ?
やはり総務省が7月31日に発表した全国消費者物価指数(CPI、6月分)をみると、総合指数(2010年を100とした値)が103.8と前年同 月比で0.4%上昇した。中でも、原材料の輸入依存度が高い食料は、前年同月比で2.5%の上昇となっている。このため、消費者の間に節約志向が広がり、 財布の口をきつく締めたものと考えられる。
 結果として、民間シンクタンクが今年5月ごろまで2%台の成長が期待できると太鼓判を押していたはずの4~6月期のGDP(内閣府が8月17日に公表予定)が一転、マイナスに落ち込む懸念が強まっている。今月1日付で日本経済新聞が集計したところ、民間シンクタンク17社全てが「3四半期ぶりのマイ ナス成長を予想」しており、その平均は「前期比年率1.9%減」という。
 先行きについて、前述の1日付日経記事は、民間シンクタンク17社が「7~9月期の成長率はプラスに転じるとの見方でほぼ一致する」としているが、 こちらもほどなく下方修正を余儀なくされる可能性がある。というのは、個人消費は、全体の6割を占める経済のけん引役だからだ。
 民間シンクタンクのエコノミストたちが期待する企業の設備投資は、日本政策投資銀行が先週火曜日(8月4日)に発表した「設備投資計画調査」による と、「大企業の2015年度国内設備投資計画は、製造業、非製造業ともに増加し、全産業で13.9%増と4年連続の増加」の見通しだ。しかし、今年度のも う一つのけん引役と期待されてきた輸出は、様変わりしそうだ。好調を持続している米国向けの輸出拡大効果を、バブル崩壊に苦しむ中国向け輸出の減少が相殺する懸念が高まっているからだ。
  連日の猛暑でエアコンやビールなどの季節商品の販売が好調だとか、今年初めて登場する秋の大型連休(シルバーウィーク)の行楽需要が堅調だといった 指摘もあるが、それらも現金給与額の減少によって、個人消費そのものが減り続ける中では、一過性の需要に過ぎない。安定的な経済成長の起爆剤にはなりえないのだ。
 安全保障法案の扱いを巡り、会期を大幅延長するなど強引な国会運営に続いて、政府幹部の失言まで飛び出し、発足から2年以上にわたって高率を維持してきた安倍政権の支持率がこのところ、急低下している。
 そうした中での1枚看板、アベノミクスの賞味期限切れは、安倍政権にとって大きな痛手だろう。そして、政治不信が高まり、政局が流動化すれば、それ 自体が経済成長を冷え込ませる原因になりかねない。今こそ、口だけだったアベノミクスの第三の矢(規制緩和・構造改革)が求められるが、現政権はそのための指導力を発揮できるのか。正念場を迎えている。 ≫(現代ビジネス:ニュースの深層―町田徹)

日本近代史 「明治維新」という嘘 (別冊宝島 2368)
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●原爆作りたい? 誰も責任取らない原発事故、電力各社丸投げ

2015年08月12日 | 日記
終わりなき危機~日本のメディアが伝えない、世界の科学者による福島原発事故研究報告書~
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●原爆作りたい? 誰も責任取らない原発事故、電力各社丸投げ

どうも、原子力発電に拘泥するアメリカ、日本政府、経産省、地方自治体、電力各社の意思決定の本意は利権がらみが殆どだ。利権を追えば、彼らが原発を再稼働したい理由は、簡単に見つかる。すべて、金を欲しがる守銭奴根性と云うことだ。 *原子力による発電が最も安い電力だと云う嘘は、既に科学的の看破されているのだから、コストが安いは根拠とならない。もしかすると、電源交付金や使用済み燃料の処理費用、保存のランニングコストを含めれば、為替や再生エネルギー電力のスケールメリットが出てくれば、高コスト電力となることもあり得る。

原油や天然ガスの国際相場は、低位安定の価格を示しており、アベノミクスによって、為替上の不利益はあるが、安定供給自体に不安を持つ意味は殆どない。逆に、再生可能エネルギーに転換することで、国際的不安定要因を封印することが可能なのだ。安定供給の第一は、自分の国に存在する、天然自然にある永久的資源を使うのが、間違いなく一番安定的だ。その太陽や地熱、風力、水力による発電にスケールさえ生まれれば、コスト的にも、リスク上も、ほぼ問題は起きない。

しかし、政府も霞が関も自治体も電力各社も、原発再稼働に前のめりだ。アメリカやフランス、ロシアの論調も、原発再稼働に評価する論調を展開している。このような現象は、それらの国が、原発関連における技術先進国であり、ビジネスチャンスに恵まれる可能性を秘めているのであれば、どんなに日本の原発が危なくても、大いに推奨するだろう。そんなことは、当たり前の話だ。電力会社にしてみれば、総括原価方式は原則守られるのだから、コストがどうこう、考える意味はない。むしろ、廃炉やそれに伴う償却費は個別に企業会計を傷つけるので恐怖だ。であれば、周辺住民に死傷者が出るリスクがあっても、事故なんてめったに起きない。だから、幾らでも再稼働するインセンティブが自動的に働いている。

経産省の役人たちにしてみれば、危険な原発を稼働させればさせるほど、様々な利権が産まれるのだから、美味しい天下り先の醸成は、自己利益に繋がる。こんな美味しい話を古賀茂明のような正直さで、ゴミ箱に捨てるような倫理的矜持など、20世紀に既に死に絶えている、ガッハハ!と云う事だろう。地方自治体は、ありとあらゆる国からの交付金漬けで、雁字搦めになっているのが、日本と云う国の実情。つまり、霞が関中央集権の力の源泉が「地方交付金」だ。中央集権を壊したかったら、この交付金の仕組みを官僚らから奪えば良い。奪おうとすると、東京地検特捜部が動くので、どんな濡れ衣にも耐える、清貧な政治家でなければならない。そんな政治家は国会議員にもなれんだろう(笑)。

上記の点からも、国民世論が、どれほど「原発再稼働反対」が圧倒的であっても、原発村の恩恵を被っている国会議員は、自民であれ民主であれ、再稼働に前向きにならざるを得ない。当然、経団連の底流には、電力会社の威力の凄まじさを知っている財界の人々なのだから、経団連の隠れたボスは東京電力だ。その経団連に親和性を持つ安倍官邸が、原発再稼働しないわけがない。憲法解釈だって出鱈目の限り尽くしても平気なのだから、原発再稼働なんて、蜂の一刺しにも痛痒していない。騒ぎたければ騒げくらいの感覚だろう。

その上に、日米の密約の中には、過去(東西冷戦時)において、日本にも核武装を容認するアメリカの言質が存在していたらしく、その幻の言質にしがみつく、日本会議勢力、石原慎太郎、安倍晋三がいるわけだ(笑)。そう云う意味では、安倍晋三一人を血祭りに上げても、次から次と安倍晋三紛いが出てくるのが、日本と云う国のようだ。しかし、だから、安倍を倒しても意味がない、と云うことではない。出てきた、好戦的総理や親米ポチ総理を、片っ端から、世論沸騰で数人潰せば、政治家も少しは、矜持を持って行動する。それ程、我が国は200年間で腐れ切ってしまったのだ。しかし、今回の「安倍の戦争法案反対、安倍やめろ国民運動」は、国民の手で、デモクラシーを日本に根付かせる端緒となるのは間違いない。今回の再稼働に関する諸手続きの瑕疵、違法性などは、リテラが詳しい。以下に参考掲載。

≪ 川内原発の再稼動審査で行われたおそるべき「非合法」! 手続きすっとばし、学者の警告無視、老朽化耐震審査の先送り…
 今日8月11日、川内原発が再稼動される見込みだ。これまで川内原発についてはいくつも大きな問題が指摘されてきた。どれひとつとっても、それだけで再稼動を認めることの出来ない問題ばかりだ。
 にもかかわらず、再稼働が認められた背景には、九州電力、原子力規制委員会、そして安倍政権の無責任でデタラメな姿勢がはっきりと現れている。彼らはまず、再稼働ありきで、そのために平気で「非科学的」なデータをもちだし、ありえないような「非論理的」な解釈をごり押ししてきた。これは、安倍政権が安保法制で明確な「憲法違反」をごり押ししている構図と全く同じだ。
 再稼動の審査で、いったい連中がどんなインチキを行ってきたのか。あらためて、指摘しておこう。

 ■内閣府の想定震度を無視した「審査手抜き」
 まず、最初に指摘しておかなければならないのは、川内原発が「基準地震動」を過小に設定、正しい検討手続きを踏んでいないという点だ。
 「基準地震動」とは、簡単に言えば、その原発に発生しうる地震の強さの基準だ。電力会社はその基準に対して安全対策をとらねばならない。新規制のガイドラインでは、「内陸地殻内地震」「プレート間地震」「海洋プレート内地震」について検討し「基準地震動」を科学的に作らねばならないとしている。しかし九電 は内陸地殻内地震しか検討せず、プレート間地震と海洋プレート内地震を無視したのだ。
 この問題については、地震学者の石橋克彦神戸大学名誉教授が規制委への意見書や月刊誌「科学」(岩波書店)で、「審査の手抜き」「過誤」であると指摘、審査をやり直すべきだと批判したのだが、九電も規制委も聞く耳を持たず、「プレート間地震と海洋プレート内地震については、揺れは震度5弱に達せず、原発に大きな影響を与えない」と、はねつけた。
 しかし、プレート間地震である南海トラフの巨大地震では、内閣府・中央防災会議が川内原発近くの最大震度は震度5弱に「達する」と予測しているのだ。
 また、海洋プレート内地震についても、1909年にM7.6の宮崎県西部地震が起きているが、石橋教授によれば、フィリピン海スラブは宮崎県西部だけではなく、鹿児島県から南西諸島まで続いており、鹿児島でも同じ規模のものが起きる可能性は十分あるという。そして、その場合、川内原発の震度は5強に達すると指摘している。
 ところが、九州電力はこういったケースを一切検討しないまま、震度5弱に「達せず」と強弁し、規制委もそれをそのまま追認しているのだ。
 規制委の田中俊一委員長はこの件で記者に質問された際、質問した記者を小ばかにするような態度でこう言い放った。
 「石橋さんが言っているだけであって、あなたが『石橋信者』だから、そんなことを言っている」  
 科学的で客観的な石橋教授の指摘を質問しただけで「信者」呼ばわりして排除する。これが科学者の態度か、といいたくなるが、規制委の手続きを無視するやり方に対して、石橋教授は「規制委員会は事業者の使い走りか」と厳しく批判している。

 ■火山学者がこぞって批判する火山リスク想定の非科学性
 もうひとつ、重要なのは、火山リスクの過小評価だ。川内原発は、火砕流の到達距離とする150km圏内に14の火山、5つのカルデラがある。とくに、姶良カルデラという巨大火山にはきわめて近く、噴火した場合、川内原発に火砕流が及ぶことは九電も認めている。
 これについては昨年、『報道ステーション』(テレビ朝日系)が特集で追及していたが、新規制基準では、原発の敷地内に火山噴火による火砕流などが及ぶ場合は立地不適となり、本来は川内原発もこれに抵触するため再稼働は認められないだろうと考えられていた。
 ところが、九電も規制委も、川内原発が稼動している数十年の間に噴火は来ないとして立地不適にしなかったのである。
 しかし、審査では火山の専門家は一人も意見を聴取されておらず、火山学者の多くは、数十年の間に噴火しないとは科学的に言えない、と疑義を呈している。九電側はカルデラ噴火が6万年間隔だとしているが、これはただ平均を出しただけで、火山学的はまったく根拠のないものだ、とも指摘されている。
 さらに問題なのは、そもそも火山の影響評価では審査基準を達成することが不可能なことだ。新規制基準火山影響評価ガイドでは、火山活動のモニタリングと火山活動の兆候は把握時の対処を適切に定めることが条件とされている。つまり、モニタリングで噴火の兆候を把握できることが前提条件とされており、その条件で、川内原発の火山審査は合格した。
 しかし、火山学者は火山の兆候把握は不可能だと言っているのだ。それも一人、二人の火山学者だけが言っているわけではない。「我々は巨大噴火を観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるか誰もしらない」と語った火山予知連絡会の藤井敏嗣会長はじめ、ほとんどの火山学者が否定しているのだ。 これは安保法制での憲法学者と同じ状況である。
 それならば審査合格を見直して、まずガイドラインを修正せねばならない。それが「科学」というものだ。火山学会も、このガイドラインの修正を要求した。
 しかし規制委はこれも無視した。いや、無視しただけではなく田中委員長は、「そんな巨大噴火が起きれば、九州が全滅する。原発の問題ではない」と 言い放った。これは子供でもインチキだと分かる詭弁だろう。巨大噴火でも重大な災害であるのに、それに複合して原子力災害まで同時に起きてもいいというの か。更に言えば、規制委は原発の安全規制のために存在している。それならば、粛々と巨大噴火に対する原発の立地条件を審査するのが職務である。
 もし田中委員長の主張通りに巨大噴火を想定するのが無意味なら、それこそガイドラインを修正し、「巨大噴火は検討しない」と書かねばならない。田中委員長のゴマカシ強弁はとても科学者の姿勢とは思えない。

 ■老朽化による1号機耐震審査をしないまま認可
 川内原発の審査については他にも多くの問題があるが、最近も唖然とするような事態が起きている。
 運転から30年経過した原発は、新規制基準の適合性審査とは別に、規制委の認可を得なくてはならないと原子炉等規制法で規定されている。川内原発1号機も昨年7月に30年を迎えていたが、九州電力の申請が遅れ、この7月時点でも審査は終わっていなかった。
 ところが、規制庁、規制委は川内原発については、この老朽化についての審査・認可なしに再稼動を認めようとしていたのだ。それが可能なら、30年経過してもいつまでも原発を稼働できることになる。
 そこで、菅直人元首相が老朽化審査の認可前の再稼動は違法ではないかという質問主意書を提出。すると、突如、規制委は審査を早め、川内原発の老朽化申請を認可したのだ。しかも8月5日。再稼動の前の週だ。
 さらに驚くのは、老朽化した設備等が想定される地震動に耐えられるかの評価が一部間に合わなかったために、九電がその評価を1年間先送りすると し、規制委もそれを認可してしまったことだ。つまり、川内原発は、老朽化によって地震に耐えられるかもわからないまま、今日、再稼働されるということだ。

 ■原子力規制委・田中委員長は“原子力ムラ”の代弁者
 ここまでくると「非科学的」「非論理的」どころか、「手続無視」「非合法」の超法規的再稼働の強行だが、いったいなぜ、こんな無茶が通ってしまったのか。
 九州電力が再稼働を急ぐのはわかるが、これでは、石橋教授の言う通り、独立した審査機関であるはずの規制委が九州電力の「使い走り」となっているといわれてもしようがないだろう。
 しかし、考えてみれば、これは当然の結末といえるかもしれない。この原子力規制委員会のトップに座る田中俊一委員長は、東北大学卒業後、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)に入所。2004年には同機構の副理事長に就任し、その後も内閣府原子力委員長代理(07~09年)、日本原子力 学会会長(09年)を歴任した、完全なる”原子力ムラ”の住人、いや村長といってもいいような存在なのだ。
 それが委員長に抜擢された背景には、震災翌月に研究者15人と国民に謝罪を表明し、福島で除染活動に取り組んできたことがあったとされるが、これも除染利権がらみだったのではないかと言われている。
 田中委員長の除染活動には、田中氏の関係する原子力関連企業のスタッフが参加しており、そのうちの1社はその後、除染事業を次々と受注したことが「週刊朝日」(朝日新聞出版)の報道で、明らかになっている。
 そして、原子力損害賠償紛争審査会の委員に就任すると、その“原子力ムラ”の本質を徐々に露わにし始める。自主避難者への賠償に異を唱え、100ミリシーベルトの被爆を「影響は大きくない」と、早期帰還を主張。電力会社の賠償を減らすことが目的のような動きを始めた。
 規制委の委員長に就任後も、その態度は露骨だった。就任直後の国会では、「出来るだけ早く審査する」と何度も発言した。早く審査しろとは国民は言っておらず、むしろ、3.11の反省に立ち、安全性を厳格に規制するために規制委を作ったはずだ。それが、まるで電力会社をはじめとする原子力ムラの要望に応えるのが使 命であるかのような発言を連発した。
 こうした原子力ムラを代弁する言動は、再稼働推進を掲げる安倍政権が発足すると、さらにエスカレート。そして、強行されたのが、川内原発の再稼働だったのである。
 しかも、田中委員長が下劣なのは、これだけ政治的な判断をしながら「規制委は再稼働するかどうかは判断しない」「川内原発は新規制基準に適合したと判断しただけで、安全と認めたわけではない」と自らの責任をあらかじめ回避していることだ。
 川内原発と、無責任のきわみである田中委員長をこのまま放置しておいたら、第二の福島第一原発事故が発生するのは必至だろう。  ≫(リテラ:松崎 純)

原発労働者 (講談社現代新書)
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●“わび”のひと言で、歴史歪曲主義者ネトウヨ安倍を見誤るな!

2015年08月11日 | 日記
大転換――新しいエネルギー経済のかたち
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●“わび”のひと言で、歴史歪曲主義者ネトウヨ安倍を見誤るな!

ネット上で、一番早く戦後70年談話に「おわび」「侵略」盛る、と安倍が決めたと云う報を流した。記者クラブメディアより早かった。おそらく、記者クラブ安倍の“寿司友”らは、安倍晋三の勇断が、この言葉を挿入したと云う屁理屈をどのように記事内に入れるか考えたので遅くなった、と考えていいだろう。しかし、既に、日本人の多くも、世界の日本ウォッチャーも、安倍は、“対語”で誤魔化す常習犯なので、戦争法案を国会に出しておいて、侵略とおわびぼ文言を入れたから、深く反省してごめんなさいを言っているわけではないのは承知だろう。

首相の私的諮問機関である有識者会議「21世紀構想懇談会」が首相に提出した報告書には、「侵略」は曖昧なかたちで、「お詫び」はなしで、原案は意図的につくられ、安倍首相が、最後の決断で、その二つの言葉を挿入した流れを演出したに過ぎない。より悪質な、世界の人々、日本人に対する、詐術欺瞞な演出である。この情報が流れた、まさにその日8月11日、川内原発が再稼働した。日本会議の最大の目標「プルトニウム温存」が2015年になっても、脈々と生きている。時代錯誤者が、日本の中枢に巣食っている事、我々は記憶から消してはいけないようだ。

しかし、なぜ?こんな手の混んだ演出をしたのか?一つには「21世紀構想懇談会」の有識者の面々が、日本会議の圧力に晒され、あの戦争は、アジア解放の聖なる戦いであったと云う妄執に組みした形式を取らざるを得なかった。しかし、安倍晋三が、最終的に内閣総理大臣として、外交、特に中韓を意識する要請が、アメリカ様から下知されていたことによる。また、支持率の急低下は官邸にとって由々しき事態で、誠実さ演出として、「安倍の聖断」で10%の回復を夢にているかもしれない。

この戦後談話に関心があるのは、中国、韓国、アメリカであり、多くの平和を愛する国民にとって、喫緊の興味ではないのだ。日本人、及びこれから日本で日本人として生まれる子孫への大きなツケは、今生きる人間が何とか阻止しないと、言い訳が出来ないと云う、共通の認識下にある。安倍の「戦争法案」を潰すことは、今後の日本を決定づけると言っても過言ではない。大学生、高校生に限らず、中学、小学、幼稚園児まで、好んで「戦争法案」を平和のシンボルのような旗に変身させる安倍政権打倒と云う、一点集中主義で行くべきだ。「戦争法反対、安倍やめろ!」これがすべてを集約包含する。必ず安倍政権は立ち往生する。これこそが、日本人が自らの手で、デモクラシーの何たるかを知ったことになる。


≪ 安倍首相が“方針転換” 戦後70年談話に「おわび」「侵略」盛る
安倍晋三首相が14日に閣議決定する戦後70年の談話。これまでアジア諸国への「おわび」の文言は入らないと報じられていたが、一転して、戦後50 年の村山談話に盛り込まれた「おわび」や「侵略」など、全てのキーワードが原案に明記されていることが明らかになった。10日、NHKが関係者の話として報じた。
 安倍首相は今回の談話について「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍政権としてどう考えているのかという観点から談話を出したい」として、「おわび」「侵略」などひとつひとつの文言を使うことにはこだわらない考えを示していた。
 7日夜の自民・公明両党の幹部会談で示された原案には、「おわび」の文言は入っておらず、公明側は「過去の談話を踏襲すると首相は言うが、おわびが意味として世界各国に伝わるようにしないといけない」と、中国や韓国への配慮を求めていた。
 実際、8日付の韓国メディアは、「謝罪」の表現が含まれていないことを一斉に批判。また中国メディアも、「植民地統治」「侵略」「おわび」を70年談話に盛り込むことを回避することは許されない、などと安倍首相を繰り返し牽制していた。
 中韓、それに公明側に配慮する形で「おわび」の文言を入れた原案に政権幹部からは評価する意見が出ている。安倍首相は閣議決定に向けて最終的な文言調整を進める。 ≫(日刊ゲンダイ)


 ≪ 「OLDs」「MIDDLEs」も参戦 安保反対デモ拡大に自民蒼白
 安保法案に「抗議」する動きが、どんどん拡大している。学生団体「SEALDs(シールズ)」に刺激される形で、70代の高齢者も「デモ」に参加しはじめた。高校生、大学生、高齢者……と、広がりつづける「抗議活動」に、自民党は本気で焦りはじめている。
 8日、東京・巣鴨で安保法案に「ノー」を突き付けたのは「OLDs(オールズ)」のメンバー。60~70代で構成され、7月から毎週土曜日、巣鴨に集結している。シールズに刺激を受け、行動を始めた。
 東京外語大名誉教授の高橋正明氏(70)はこう言う。 「正直、安倍政権に対しては“ふて寝”状態でした。でも、若い人にケツを蹴られて、目が覚めたような格好です。自分たちも動かないとダメだと。ネットで呼びかける形で、集まってもらっています」  この日の参加者は100人超。「これまで、集まったのはせいぜい10人くらい。今日はたくさんの人が来てくれた」(別のメンバー)という。
 音楽やシュプレヒコールを中心にデモを行うシールズとは、現場の雰囲気は全く違う。一人一人がマイクを握り、淡々と安保法案や安倍首相への批判を展開。 巣鴨は創価学会とのつながりが深いこともあり、「創価学会は今の公明党を見て、何も感じないのか」と訴える場面もあった。
 こうしたオールズの姿に触発され、30~60代で結成されたのが「MIDDLEs(ミドルズ)」だ。8日の行動にも加わった。現役バリバリの社会人が中 心で、弁護士や報道関係者らも参加する。デモなどの際の実務的な“サポート”もしていくという。
 自民党関係者がこう言う。
  「ここまで反対運動が広がるとは思わなかった。高校生、大学生、高齢者とあらゆる年齢層に反対運動が広がっている。しかも、東京だけでなく、全国規模になっている。まるで国民が覚醒したかのようです。どうすれば終息するのか正直、分からない」
 シールズを取材してきたジャーナリスト・横田一氏もこう話す。
  「シールズのメンバーは、実名や顔がネット上にさらされて、激しい誹謗中傷を受けることもあります。それでも、彼、彼女らは堂々と行動している。そうした 姿を見て、『自分たちも何かやらなければ』と感じる人が多いのだと思います。ネット上の動画を見て、シールズに参加する人は若者から年配の方まで、今もど んどん増えている状況です」
 夏休み最後の日曜日(8月30日)には、国会前で10万人、全国で100万人の「反安保デモ」が予定されている。このままいけば、20万、30万人が国会に押し寄せてもおかしくはない。 ≫(日刊ゲンダイ)

独裁者は30日で生まれた ヒトラー政権誕生の真相
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●TPPお流れ、残念なこともある NHK民営化圧力になったのに

2015年08月10日 | 日記
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●TPPお流れ、残念なこともある NHK民営化圧力になったのに

ダメダメな日本を作るのに、最も貢献したのは、長期にわたるテレビ時代の「公共放送NHKテレビ」だろう。良い番組を作ってアリバイ工作しているが、やはりNHKニュースは、国民を間違いなく洗脳誘導してきた。1億総白痴のツールはまさにNHKだ。新国立競技場の2500億云々で、日本中が大騒ぎしていたと云うのに、準公務員的組織が、平気の平左で3400億円以上の新社屋を建てると、まったく無神経を通り越したことを抜かす。

国民の多くを痴ほう症のようにする電気箱の放送権(優遇公共電波権)を持っているのだからやりたい放題。多くの幹部が1000~2000万の年収。どこに出しても恥ずかしいだけの会長の籾井に至っては、3100万円も貰って、私用のタクシー代やカラオケ代まで経費で請求している。外観も下品だが、中身はゲスである(笑)。テレ朝の社屋は500億。スカイツリーだって650億円だってのに、純金の“金隠し”でも設置するのか?新機材だと言って、1500億円もの8Kテレビとか免震構造だとか、糞も味噌も掻き集めている。

それでも、公共放送として、フェアな報道に徹しているかと言えば、まったくそう云う事はなく、政府寄りに徹した偏向報道ニュースに徹している。正論を言うのは、夜中の「時事公論」くらいのもので、官邸の監視時間を逃れてアリバイ工作をしている。NHK経営委員に百田や長谷川三千子が潜り込み(辞めたらしいが)、会長が「政府の逆は放送できない」と国営放送だと自白しているのだから、国営にするか、完全民営化が正しい道である。そうすれば、この新社屋の予算も2000億円程度に圧縮できるだろう。そもそも、国家議員も「受信料を安くしろ」等と云う、近視眼な話ではなく、国営にするか、競争原理の働く民営にするか、議論する時期ではないのか、くらいの論争をして貰いたい。

このような考えでNHKのそもそもを考えていたが、TPPによる日本文化の破壊は、夥しいものになるので、多くは反対のカテゴリーが多いのだが、公共事業の入札や、放送法などに関して、フェアな競争原理を導入せよと云う諸批准国の圧力があれば、その辺の変化は期待できた。しかし、それも、TPPそのものの行き先が曖昧になっては、望めるものではない。また、霞が関の牙城に“蟻の一穴”を穿つのも、このTPPには期待できそうだったが、これもお流れになりそうだ。やはり、最後は国政選挙で「自民党」と云う政党の公認・推薦を受けた候補者を落選させるような強い意志で、国民が立ち上がるしかなさそうだ。

直近の「打倒安倍政権」も喫緊の課題だが、既得権益勢力の排斥運動を起こす国民的うねりは、東日本大震災や福島原発事故程度ではビクともしなかった。主犯の東電が両手を振って闊歩しているのだから、並大抵のショック療法でも、NHKが70年、100年がかりで築いてきた、国民総白痴戦略は、いまだ有効に作用している。日本の浸潤癌細胞が霞が関官僚組織だとすると、NHKや東大やマスメディアは上皮癌である。ただ、どちらも国民の力で、容易に破壊することは出来ないだろう。残念だが、外部の力だ。そこまでは、現実の民主主義の限界でもある。これ以上書くと、収拾がつかないのでやめておく(笑)。

 ≪ 新国立も顔負け…NHKは受信料で「3400億円」豪華社屋計画
新国立競技場の建設費2520億円もベラボーだが、NHKの新社屋はそれ以上だ。先月、渋谷区神南2丁目の現有地での建て替えが正式に発表されたが、ナント、新国立を上回る3400億円もの費用が予定されているのだ。
 建て替えはすべて視聴者の「受信料」で賄われる。籾井会長は現有地での建て替えを選んだ理由について「新しい土地の取得費用がかからないから」と説明したが、マヤカシもいいところだ。
 ジャーナリストの須田慎一郎氏が言う。
「(1)現有地と等価交換で取得した新しい土地に移転する(2)現有地で建て替える――NHK内部でこの2パターンを試算した結果、建て替えた場合の費用は、移転のほぼ倍額になると分かりました。限られた敷地内で行う建て替えは、建物の配置や工期が複雑に入り組むため、難工事となり時間もお金もかかる。建設費は軽く4000億円を突破するといわれています」
 籾井会長が「参考にした」という民放の新社屋と比較しても、日本テレビの新社屋は1100億円、テレビ朝日は500億円だ。いくらNHKが“大所帯”とはいえ、3400億円は高すぎる。
 元NHK職員で「NHKから国民を守る党」代表の立花孝志氏(船橋市議)が言う。
「NHKの累積黒字は現在2000億円にも達し、『受信料が余っているなら視聴者に還元しろ』という声が出るのは時間の問題でした。そこで予算を使い切る ために出てきたのが建て替えだったのです。『免震機能の強化』も『8Kスーパーハイビジョン対応』も、後付けの理由です」
  実際、2011年度末にプールされていた「繰越金」1441億円のうち400億円が、2012年度予算でこっそり「建設積立金」に組み替えられた。 「NHKは黒字になった予算は視聴者に還元すべき。自分たちの豪華な新社屋の建設に充てるのはおかしい」(立花孝志氏)
  NHKも文科省も“お役所の論理”は一緒。手にした予算はドブに捨ててでも使い切る腹らしい。 ≫(日刊ゲンダイ)


 ≪ TPP承認、臨時国会は困難に=参院選への懸念広がる-自民
環太平洋連携協定(TPP)交渉に関する参加12カ国の大筋合意が先の閣僚会合で見送られ、次回会合のめども立っていないことから、秋に想定される臨時国会での承認手続きは困難な情勢となった。承認作業は、早くて来年の通常国会に持ち越されることになり、来夏の参院選と離れた時期に処理したかった自民党内では、影響を懸念する声が出ている。
 甘利明TPP担当相は6日、首相官邸で安倍晋三首相と会い、不調に終わった閣僚会合の結果を報告。この後、次回会合について、「残された項目の解決の段取りができてからだ」と記者団に語り、8月中の開催は困難との認識を示した。
  政府・自民党は、先の閣僚会合での大筋合意が臨時国会でTPPを処理する「ラストチャンス」(政府関係者)とみていた。というのも、米大統領が協定に署名する90日前に、交渉妥結を議会に通知する必要があり、各国の合意が9月上旬にずれ込めば、署名も12月上旬になってしまうためだ。米国など各国の手続き完了を受け、政府が関連条約・法案を提出するのは、早くてこの時期以降となる。
 例年通りなら12月上旬は、来年度予算編成を控えた臨時国会の最終盤。一方、民主党など野党各党はTPPに関し十分な審議時間を求める構えで、短期間で国会の承認手続きを済ませるのは難しい。自民党の農林水産関係議員は「臨時国会では無理」と断言する。
 もっとも、来年1月召集の通常国会でTPPを扱うにしても、審議は来年度予算成立後の4月以降となる見通し。参院選を間近に控え、野党側が攻勢を強めるのは間違いない。
  政府・自民党は、今秋に手続きを済ませた上で来年度予算に国内対策費を計上、万全の対応をアピールする腹づもりだったが、シナリオは崩れつつある。自民党内では「参院選の前にはやれない」(幹部)との声が出ており、手続きや法整備が来秋以降に先送りされる可能性もある。 ≫(時事通信)

日本人が知っておくべき この国根幹の《重大な歴史》 新証言、新証拠が続出! 今この二人だからこそ明かせる《最高機密》
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●8月30日は散歩ついでに議事堂散策 そして叫ぼう、安倍やめろ!

2015年08月09日 | 日記
ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)
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●8月30日は散歩ついでに議事堂散策 そして叫ぼう、安倍やめろ!

以下のように、日刊ゲンダイが希望的観測記事を書いている。日刊ゲンダイは、最低限度の「道義」(人が踏み行うべき、正しい道)の欠片くらい、安倍晋三や日本会議の連中に存在しているに違いない、と云う前提で、記事を書いている。鈴木哲夫も、同様の視点で、60日ルールなんて、容易に使えないだろうと考えているようだ。しかし、筆者は、安倍や日本会議の連中に、「道義」への細い糸でも残っていると考えるのは、相当に虚しい願望なのだと思う。

ただ、参議院の特別委員会の鴻池祥肇委員長が、男気を出して、採決の延長を宣言したとして、60日ルールは、菅官房長官が「粛々と法に則った手続きを開始すると言うに違いない。参議院自民党議員の多くが、「鴻池委員長、せめて参議院は採決なしに持って行ってくれ」法案を決定したの衆議院議員と云う形に持って行きたいのは、参議院与党議員らの総意である。辺野古新基地も、ただ休み時間を官邸に与えた、翁長の裏切りなのか、王道を行きたがる虚栄心なのかどうか判別できないが、単に官邸にとって都合のいい、ブレイクタイムに過ぎない。

 「戦争法案反対」のシュプレヒコールに埋め尽くされた“10万人デモ”が、「30~50万人デモ」になっても、安倍と日本会議の連中は、「戦争法案」を60日ルールに乗せるだろう。そのくらい「理」に反した「無理」な法案であることは、百も承知だろう。しかし、閣議決定でクーデターを起こした政権が、ここで「道理」「道義」を感じたら、負けなのだ。安倍はこの際、日本会議に殺されるか、米軍に殺されるか、霞が関に殺されるか、いずれにせよ「戦争法案」の廃棄は、万死が待っている。しかし、通過させれば、殺される事態は回避できる。国民の側に、そこまでの暴力性はないからだ。そして、そのように安倍が考えても不思議ではないところまで、安倍は追い込まれている。

つまり、ここで退却したら、安倍晋三は四方八方から狙われ、いつまで生きていられるか判らない、只の衆議院議員になるだけだ。恥さらしの上に、四方八方から命を狙われるような選択をするはずがない。そう考えるのは、奇妙だが合理的で、理に適っている。ことが此処まで進むと、悪事を成し遂げる方が、理にかなうと云う矛盾が起きるのだが、電通方式と霞が関方式の混合部隊で推進した流れには、総理の生き死にに関わるレベルになっていると云う事だ。

もう安倍官邸でも、自発的に廃案にする決定権はないのだろうと忖度している。あまりにも緻密に計画が進み過ぎたのだ。もう安倍には、山口県選出の自民党衆議院議員以上の地位はなくなる。しかし、マッチポンプの掛け合いで国民を騙してきた首相夫婦の漫才も終わる。仮に、安倍晋三が廃案方向に舵を切る時は、再度の解散総選挙に打って出る道が残されている。これは、筆者はあるのでは、と思っている。自ら廃案を決定するのはヤバイ。それを逃れる方法は、解散総選挙しか残されていはずだ。国民の過半数を殺すことは不可能だし、安倍は刺客から逃れられる。

そういう意味で、8月30日のデモは「反戦争法案」の集大成として、かなりの価値がある。どこかで、筆者も議事堂を囲むデモの一員になっているだろう。国家緊急権の発動と云う禁じ手まで行かないまでも、警察法による“緊急事態の布告”なんてしないだろうが、50万に位の規模になると、小便を漏らしながら、今の官邸ならやりかねない。或る意味で、10万人オーバーくらいで、充分な国民の意志表示になるだろう。その時は、安倍政権は立ち往生、ヤケクソを起こすよりは、解散権の行使に踏み切る可能性が一番ありそうだ。ただ、安倍の考えだから、この読みに自信はない(笑)。

 ≪ 安倍官邸が怯える8月30日 「安保反対10万人デモ」の破壊力
 安倍周辺が「最後の日曜日」に警戒を強めている。夏休み最後の日曜日(8月30日)、10万人規模の「反安保デモ」が予定されているからだ。もし、10万人が国会を包囲したら、憲法違反の「安保法案」は廃案になっておかしくない。

 「安倍官邸はいまからピリピリしています。学生グループ『SEALDs』が毎週金曜日、国会周辺でデモを行っていますが、参加者は2万~3万人です。10 万人が国会周辺に押し寄せたら、革命前夜のような雰囲気になりかねない。台風でもなんでもいいから、デモが中止になって欲しい、というのがホンネです」 (官邸事情通)

 実際、首相周辺は、デモを潰そうと必死だ。安倍チルドレンの筆頭、武藤貴也衆院議員(36)は、SEALDsのことを〈利己的な集団〉と誹謗し、自民党 の幹部職員は〈チンピラ〉と罵倒している。デモに参加する学生をおとしめることで、これ以上、賛同者が広がらないように画策しているのはミエミエだ。

 警察による規制もどんどん強まっている。国会周辺の道路には鉄柵が張り巡らされ、警察官がズラリと並んでいる。デモを行っても、簡単には国会に近づけない。

 安倍官邸がデモ潰しに必死なのは、もし10万人を超えるような大規模デモが行われたら、参院での強行採決も、60日ルールを使った衆院での再可決も難しくなるからだ。

 「もともと、自民党の参院議員は強行採決はやりたくない。彼らには、良識の府という自負心があります。なにより、1年後には参院選が控えている。選挙の 時、野党から攻撃されるのは確実なだけに、世論に敏感になっている。10万人の大規模デモが行われたら、強行採決に二の足を踏むはずです」(政治ジャーナ リスト・鈴木哲夫氏)

 ポイントは、特別委員会の委員長が鴻池祥肇氏だということだ。

 「鴻池さんは、思想信条は“右寄り”ですが、任侠というか、スジを通すタイプ。先日も、委員会で 『参院は衆院の下部組織ではない』『官邸の下請けではない』と宣言している。たとえ安倍官邸が強行採決を命じても“まだ議論が尽くされていない”“国民は 納得していない”と考えたら採決しないと思う。参院が採決しない場合、衆院が60日ルールを使って再可決するのは、現実問題、難しいでしょう。結果的に廃 案になる可能性があります」(鈴木哲夫氏)

 すべては世論の盛り上がり次第だ。首相周辺は、8月30日のデモをなんとか4万~5万人程度に抑えたいらしいが、こうなったら10万人ではなく、30万人で国会を包囲するしかない。 ≫(日刊ゲンダイ)

「人間国家」への改革―参加保障型の福祉社会をつくる (NHKブックス No.1231)
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●霞が関官僚の望む法案優先国会 勇ましい安倍が霞む陰謀(笑)

2015年08月08日 | 日記
犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書)
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●霞が関官僚の望む法案優先国会 勇ましい安倍が霞む陰謀(笑)

SEALDsといい、世界水泳の渡部香生子、星奈津美といい、日本の女性は、本当に賢く、根性があり、忍耐強く、それでいて勇気がある。「勇気」と云う日本語は“死語であり、「勇気」の”勇ユウ“はとは「マの下に女」と書く変えたいくらいである。「女気」は芯が強いが、「男気」は空威張りが多いことからも、「勇気」の漢字から、男は除く方が漢文的に正しいような昨今だ。普通の人が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに信念を貫き向かっていく積極的で強い心意気のことだと思うが、権力者が、恐怖も躊躇いもなく、妄念を貫くのは「勇気」とは言わないだろう。

戦争法案で騒がしい永田町、戦争法反対運動で盛り上がる議事堂周辺。なんとも言えない、不穏な出来事の予兆が交錯している時代は、意外にも歴史を振り返った時、現在の安倍政権下で“闇の仕事人”である霞が関組織が、思う存分に、思い上がった法案を通過させたり、“闇の仕事人”の親戚組織を通じて、プルトニウム温存に舵を切ったようだ。安倍のノータリンを良いことに、悪事の限りを尽くしているようで、「刑事司法改革の関連法案」が忍者のような音なしの構えで、オーエルの『1984年』世界の実現を目指している。あきらかに、霞が関は「警察国家」を目指している。

この「警察国家」の延長線上に「戦争法案」もあるだろうし、おそらく「徴兵制」も、次の延長戦なのだ。既に、相当数の自衛隊退職者が出ている模様だ。安倍政権になってから、防衛と名は借りているが、「人を躊躇なく殺す訓練」を隠密にスタートさせたようだし、話題になった、“戦死を想定した“遺書”の強制や家族連絡カードへの記入の義務化”が決定している。安保法制成立後、直ちに「軍事行動」のミッション(アフガン、イラク、ソマリア)への海外派兵が視野にまであるようだ。

安倍二次内閣以前から、自衛官の応募状況は振るわなかったようだが、安倍二次政権の発足と戦争法案の閣議決定で、退職者も増加傾向を見せており、「自衛官不足」は危機的状況の入り口にある。この既に起きている自衛官不足は、現役の一人一人の自衛官の業務負担が日増しに増加し、更に、退職者の増加が危ぶまれている。象徴的には、防衛大卒業生の任官拒否者が、俄然増えている事実だ。ネット上で、高校生対象の自衛官説明会資料が一斉送付され、「赤紙が来た!」と話題になった記憶もある。広告会社が絡んだイメージ戦略も盛んで、AKB48や檀蜜起用で、安倍並みの若者がいるに違いない作戦が展開されている。

それでなくても、3Kやブラックバイト仕事は、ニートになっても、避けようとする本人、無職でも食うくらいは大丈夫の親世代がいるのだから、まだまだ、アメリカ並みの格差社会の構築が完全ではない日本は、最終的に、もっと明確な格差社会の実現に知恵を絞る。食うや食わずにならないと、平和ボケの日本の若者を自衛官にさせることは出来ないと判断している。安倍が口にする「津々浦々」は滴り落ちる樹液(受益)ではなく、実は貧困がその配るプレゼントと云うことだ。

上記の自衛官募集の中身も、経済的メリットの羅列で、無知な高校生や若者を狙っている。家賃も食費も光熱費も只だ。10年後給与は34万円以上。挙句に、奨学金延滞者のインターンシップ制度導入まで画策。借金払えないのなら、身体で払えって考えのようだ。徴兵制度を廃止した国は、総じて、貧困層の増産に熱心だ。アメリカが典型的だが、自己決定権で入隊したように誘導する社会状況を醸成する方法を取っている。しかし、これらを安倍や、その取り巻きたちが考えたと云うのは冗談で、全部霞が関が絵図を書いている。この点も、我々は見逃さないようにしたいものだ。

徴兵制度は、「自由と民主主義」を標榜する国家にとって、盾と矛の関係にあるのだから、何とか、自発的に「国民が自分の国を守るのは義務だ」と云う、反自由主義的感覚を薄め、自主性を強調する方が受けがいい。その為には、貧乏人の量産が、イコール入隊希望者増に繋がる。これは、一見、自由の意思決定で、「自由と民主主義」に親和的だ。つまり、徴兵的強制を伴わないようにするには、格差社会の醸成は、官僚たちにとって、一つの目標でもある。まあ、現状は、その官僚らの思う壺な方向で進捗している。

今回の安倍晋三の「戦争法案」の社会に与える影響は、単に日米安保、自衛隊、海外派兵、戦争、徴兵と云うイメージのほかにも、衣の下には、色んな色の鎧が見え隠れしている。筆者は、安倍は、自衛隊の海外派兵だけを目標に、その妄信の実現に邁進しているが、その妄信を利用して、もっともっと、怖ろしい国家の形を描いている連中がいることを、忘れるべきではない。それが、霞が関の組織だ。彼らは、如何にも安倍の要求通りに事を運んでいるような顔をして、実は、自分たちの描く国家像に向かう方向の法案や条文や条項を埋め込んでいる。

これは、あまりに多岐にわたり、余程の研究者でも、総体的な霞が関好みのシステムの再構築がなされているのか、おそらく究明しかねるだろう。無論、筆者に出来る筈もない。ただ、肌感覚で、この法案も「臭いな」と云うものを、常にウォッチするのが関の山だ。その中で、形が自衛官の補充方法と同様に見えてきている、「警察国家法案」が衆議院でドサクサまぎれに通過した“刑事司法改革の関連法案”だ。これを説明する気力はないので、ビデオニュースドットコムの解説記事を引用しておく。


≪ 焼け太りの盗聴法改正に待った!
 1999年、すったもんだの末に何とか可決に漕ぎ着けた盗聴法という妖怪が、16年の年月を経て、再び永田町、霞ヶ関周辺を跋扈し始めている。
 集団的自衛権をめぐり大きく揺れる国会の陰で、警察の盗聴権限を大幅に拡大する盗聴法の改正案の審議が進んでいるのだ。
 そもそも今国会で審議されている刑事訴訟法の改正案は、村木厚子・厚労省雇用均等・児童家庭局局長(当時・現在は厚労事務次官)に対する証拠改ざん事件や、志布志事件、布川事件、足利事件などの冤罪事件が相次いだことを受けて、警察や検察の取り調べの可視化を進める必要があるとの共通認識の元で議論が始まったものだった。
 民主党政権下で設けられた「検察のあり方検討会」には、元検事の郷原信郎氏やジャーナリストの江川紹子氏らが委員として参加し、取り調べの可視化の必要性を強調する報告書がまとめられていた。ところが、検討会の議論を引き継ぐ形で設置された法相の諮問機関である法制審議会の特別部会には「新時代の刑事司法制度特別部会」などといった名称が与えられ、取り調べの可視化と並行する形で、盗聴法や司法取引といった警察や検察により強い捜査権限を与える施策が議論されるようになった。
 最終的に肝心要の可視化の方は裁判員裁判の対象事件と検察の特捜部が取り扱う事件に限定されることになった。これは刑事事件全体の2~3%程度でしかない。97%の刑事事件では依然として弁護士の立ち会いもない状態の下で密室の取り調べが続くことになった。
 可視化が極度に限定されたものにとどまる一方で、その交換条件のような形で出てきた捜査権限の強化は、盗聴権限の拡大と司法取引の導入がしっかりと刑事訴訟法の改正案に含められ、今国会に提出されている。審議日程上、微妙なところもあるが、1999年の盗聴法導入時と比べ、主要マスコミに法改正の問題点を指摘する報道がほとんど見られないことや、市民社会の目が安保法制の方に向いていることなどから、法案は今国会で可決する可能性が高い。
 刑事訴訟法の改正案が謳う盗聴権限の拡大は、盗聴対象となる犯罪の種類をこれまでの4類型から13類型に増やすことと、これまで警察が令状を得た上で実際に盗聴を行うためには通信事業社に出向いていく必要があったところを、改正案ではネット回線を通じて全国の警察署に居ながらにして、通話の盗聴が可能になる点に集約される。
 具体的にはこれまで薬物犯罪、銃器犯罪、集団密航、組織的殺人の4種類の犯罪のみが盗聴の対象だったところに、窃盗や詐欺など新たに9種類の犯罪を加えるとしている。また、警察署内からの盗聴が可能になることで、これまで盗聴の現場で要求されていた通信事業者の職員の立ち会いが不要になる。警察署の中で、警察官だけが知るところで盗聴を行うことが可能になる。
 形式上は盗聴した通話はすべて録音され、裁判所に提出されなければならないとされている。しかし、盗聴権限の拡大に批判的な関東学院大学名誉教授の足立昌勝氏は、警察が盗聴したすべての通話を録音するかどうかも、また通話を記録したメディア媒体をすべて裁判所に提出する保障がないため、濫用の危険性が排除できないと指摘する。
 そもそも日本における犯罪は2003年以降、全体として減少傾向にあり、今急いで捜査権限を拡大しなければならないような治安状況にあるわけではない。盗聴は、盗聴されていることが分からないから盗聴なのであり、本質的に濫用の危険性を伴う。また、憲法で保障されている通信の自由にも抵触する可能性がある。
 このようにリスクも大きく人権上も問題の多い盗聴権限を、なぜ今急いで拡大する必要があるのか。警察は多発するオレオレ詐欺に対抗するためには盗聴が有効だと説明する。しかし、そもそも組織的な詐欺を働こうという犯罪集団が、犯行に関わる重要な情報を電話でやりとりするとは到底考えにくい。
 一方で、盗聴法の改正によって警察署に設置されることになる盗聴用のPCは、特定電子計算機などと呼ばれ、1台あたり10~30億円のコストが見込まれているという。盗聴件数が増えれば、当然、盗聴作業に従事する捜査官の数も増員が必要となる。これが警察による新たな利権とポスト拡大につながることは想像に難くない。
 警察による盗聴権の拡大はわれわれ市民社会にどういう影響を及ぼすのか。警察権力が肥大化することによって、市民はどのような不利益を受けるの か。そもそもの発端である刑事司法改革が捜査権限の拡大につながってしまっている現状とそこに含まれる盗聴法改正案、新たに導入される司法取引の問題などについて、ゲストの足立昌勝氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
 ≫(マル激トーク・オン・ディマンド 第742回(2015年6月27日):ゲスト足立昌勝氏(関東学院大名誉教授))

総理の演説
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●欧米価値観と上海協力機構の国々の価値観 そしてイスラム

2015年08月07日 | 日記
古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成 (朝日選書)
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●欧米価値観と上海協力機構の国々の価値観 そしてイスラム

久々に、ロシア関連の記事を紹介する。日本のエリートの多くが、日米基軸に大きく頼り過ぎ、今日に至っても、アメリカ一国主義が永遠のテーゼのように思うのは幻想であり、思考停止の標本のようなものだ。この考えは、筆者は一貫して主張している。しかし、だからと言って、上海協力機構(SCO)のような勢力圏に入るべきとまでは思っていない。ただ、50年、100年スパンでは、アメリカ覇権国と云う概念は過去のものになるだろうから、100年の計を考える事は、大切と云うか、非常に興味深い。

上海協力機構(SCO)の中露にしても、アメリカから覇権をもぎ取る。乃至は、それに取って代わるとまで、見通しがあるわけではない。あくまで、現在のアメリカ一国主義が世界にとって、人類にとって、もっとハッキリ言えば、彼らにとって、アメリカ主義は、良好な世界的環境を提供してくれないので、と云う意味合いが含まれるが、せめて、多極化する世界を望んでいるのだろう。

そして、グローバリズムであっても、アメリカ的価値観を一方的押しつけ、それが「善」だと云う高邁な態度を消し去りたいと思っている。その国固有の、特性・歴史・地政‥等の固有のナショナな個性を尊重すり緩やかさを望んでいる。一部分では、米英豪のような完全な同一価値観であることは、独裁と変わらないと主張している。無論、彼らは、大仰な目標まで視野に入る段階ではないので、多極化を当面の目標に据えているのだろう。中国が力を定着させれば、中国がリーダーになるだろうし、インドが将来的に力を確立すれば、インドがリーダーになることもあり得る。ロシアは総体的力では中印に後れを取るが、プーチンの権力によるリーダーシップが全体のリーダーになることもあるのだろう。

この上海協力機構(SCO)に限らず、イスラム諸国の価値観も、欧米価値観とは異なる。日本が、日本独特の民族や歴史や政治体制を持ちながら、欧米価値観を普遍的だと教条的に思い込むのは、あまりにもポジショントークだと、言わざるを得ない。知識も教養も身に着けた彼らエリートが、私利私欲的な近視眼で、ポジショントークを繰り広げているのもウンザリだが、そのポジショントークを鵜呑みにする人々が多いのも、ウンザリではなく、ガッカリだ。まあ、選挙を棄権ばかりしていた人間が、もそっと行動すれば、日本と云う国も、まだ捨てたものでもない。少なくとも、明治憲法崇拝勢力の政治よりはマシな政治が行われるだろう。たぶん共産党の方が、余程民主的手続きを踏み、民意に寄り添うと看破している。


 ≪ 世界の未来へのユーラシア的視点 キリル・バルスキー
 7月9~10日にウファ(ロシア中部)で行われた上海協力機構(SCO)首脳会議は、ロシアが同機構の議長国を務めたこの一年を総括するものであった。サ ミットおよびこの一年の成果は、SCO自体の今後の発展ならびにユーラシア圏およびアジア太平洋地域ひいては世界全体における状況に深大な影響を及ぼす。
 成果をまとめる記者会見で、プーチン大統領は、サミットへの原則的な評価を下した。主な結論は、次のようなものである。サミットは、現代の国際関係のシステムの有力な参加者であり地域における安全と安定の維持の重要なファクターであるSCOが、ますます様々な利益の結合および全大陸的協力の推進のための場となりつつあることを、説得力をもって証明した――。
 設立諸国は、2001年、テロリズムの問題が国際的な議題および多くの国の国家的安全保障の面において第一義的となるなかで、SCOの設立に関する決定を採択した。まさにこれが、多くの点で、ロシアと中国および中央アジア四ヶ国が加盟する組織の形成を促す契機となった。

 ■新たな課題に対応するために
 これまでに、多くのことが為され、当時掲げられた課題は、かなりの程度解決されている。しかし、今日、世界はひじょうに速やかに変化しており、テロリズムや過激主義への共同での対処という焦眉の課題に加えて別の問題がいくつも生じている。
 ウファでのサミットの意義は、まさにここにある。強固になった組織は、新たな状況のなかで、向こう十年間の自らの課題と目標を定めている。SCO は、憲章で謳われている自らの活動の基本に忠実であることを確認しているが、同時に、自らの課題および活動の方向を明確化し具体化している。
 さらに、こうした見方もある。もしも、国際的な機構が、向こう十年間の戦略を採択し、為すべきことをはっきりと自覚し、数の面でも拡大しているとすれば、つまり、その機構は、万事順調であり、その機構とは、パートナーになりえる。

■加盟国の増加
 SCO拡大のテーマは、極めて大きな反響を呼んだものと思われるが、それも、当然であろう。というのも、加盟国数の増加に関する決定が採られたのは、機構が設立してから初めてのことであり、インドとパキスタンの加盟手続きは、すでに開始されたのだから。
 ロシアの大統領が述べたところでは、インドとパキスタンの加盟は、現代の挑戦および脅威に対抗するSCOの可能性を拡げ、SCOの政治的および 経済的な潜在力を大幅に高める。SCOは、六ヶ国から八ヶ国となり、ユーラシアの主だった国々が、この地域的な組織の構成下に入る。たしかに、これには、一定の時間が必要であり、新規加盟国を受け入れる手続きは、加盟申請国を一連の国際法に合致させる必要性や段階性を前提としている。そのため、今のところ、SCOは、少なくとも2016年の次のサミットまでは、従来の構成で活動を継続する。
 SCOに加盟しているロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、オブザーバーのアフガニスタン、イラン、インド、モン ゴル、パキスタン、そして、ベラルーシ、対話パートナーのトルコ、スリランカ、それから、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、そして、ネパールを一つにしているのは、すべてこれらの国がアジアもしくはユーラシア圏に位置しているということばかりではない。これらの国は、多くの面で考え方が一致しており、独立した内政および外交を行い、自国の特性を考慮しつつ発展する自らの権利を主張し、現代の世界の根幹にかかわる問題ならびにグローバルおよびリージョナルな枢要な問題への多くの点で(必ずしもすべてではない!)一致したアプローチを堅持している。

■多極的世界の一翼を担う
 形成されつつある多極的世界の一翼を担うSCOは、第二次世界大戦後に形成されたグローバルな調整のメカニズムおよび現在の世界秩序の基礎の守り手 である。このことは、とくに、第二次世界大戦におけるファシズムに対する勝利70周年に関連して首脳らが承認した声明に反映されている。SCOのウファ宣 言には、国際的な平和と安全を維持する問題における国連安保理の役割の向上および国連の中心的な調整機能の強化ならびに大量破壊兵器不拡散システムの強化への呼びかけが、明記されている。
 SCOの経済的な裾野は、拡がりつづけている。同機構は、SCO圏内の安定の強化を促すような通商経済協力の分野における自らのニッチをこれまでずっと探ってきた。
 ユーラシア経済連合の創設および中国による「シルクロード経済ベルト」構想の提示は、地域における雰囲気を一変させ、楽観的な気運を高揚させた。経済的困難が至るところで見られるなかにあって、これは、極めて注目に値する現象である。
 ウファで行われたサミットは、十五ヶ国の首脳が、二国間および多国間の会談を行う稀有なチャンスを利用する機会を逃さずにベーラヤ河畔に集った、という点でも印象的であった。ロシアの大統領は、そうした会談を十余りこなした。「BRICS首脳―EAEUおよびSCO首脳」というフォーマットの会議は、充実したものであった。これは、グローバルおよびリージョナルな大きな問題を話し合うための新たなフォーマットではなかろうか?
 SCOおよびBRICSのサミットに関する西側のコメントには、少なからぬ悪意が感じられた。これらの組織をどう思おうと構わないが、それらを廃止させることはもはやできない。それらがますます国際的な発展をリードしつつあることは、紛れもない事実なのだから。
*キリル・バルスキー
現タイ駐在ロシア連邦特命全権大使、元SCO問題担当ロシア連邦大統領特別代表(2011~2014年)
 ≫(ロシアNOW:オピニオン)

プラトンとの哲学――対話篇をよむ (岩波新書)
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●辺野古工事中断という変化球 翁長と官房長官、第二の仲井真か?

2015年08月05日 | 日記
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●辺野古工事中断という変化球 翁長と官房長官、第二の仲井真か?

どうもキナ臭い。この情報に接した沖縄辺野古基地問題に興味のある方たちの多くが、背筋をザワッとさせたのではないだろうか?力と体力で有利な権力者と闘う時の王道は、けたぐり、はたき込み、飛んで出し投げ‥等、離れ業で勝負するものだが、翁長知事は、官邸側に一服の時間を与え、四つ相撲でじっくり勝負は、力の弱い方に有利であるわけがない。筆者には、安倍法制で非難轟々の上に、辺野古で、埋め立て取り消し訴訟でも起きようものなら、内閣支持率は軒並み低下して、20%台続出だっただけに、敵に塩を送った印象は拭えない。

政府(菅)は丁寧に説明する時間の確保であり、“辺野古しかあり得ない”という旗を振り続けているのだから、その大関横綱に、幕内力士が一歩でも相手に余裕を与えることは、得策とは言えない。植草氏の予言が当たってしまい、筆者は、お人好しのピエロとなる(笑)。しかし、翁長流の琉球人独特の王道をゆく粘り腰だと信じたいところだが、些か怪しい気配も出てきている。

翁長知事は、「海兵隊の抑止力、国際情勢、歴史的経緯などを話しながら、理解し合えるものがあるかないか。そのための努力は惜しまない」、「こういう形で合意に達したのは沖縄側の思いが伝わったのかなと思う。対話の道が開けて、工事がストップしたことは前進だと思っている」等と騙された~と言うための、布石発言に思えてくるのは、単なる疑心暗鬼に過ぎないのだろうか?第二の仲井真誕生では、沖縄のアイデンティティは、ケヴィン・K・メアの「「沖縄は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人でゴーヤーも栽培できないほど怠惰」との発言を裏づけることにはなって貰いたくないものだ。

 ■植草氏の論考抜粋
≪ 埋め立て申請承認の撤回または取消を、国による本体工事着工のあとまでずれ込ませることが必要になる。
 国による本体工事が着手されてしまえば、その後に、「埋め立て承認取消」などの行動を県が示しても、「辺野古に基地を造る」ことは実現する可能性が著しく高くなる。翁長知事の行動を見ると、この路線を狙っているように見える。
 翁長知事が、今後、「埋め立て承認の取消」に進むとして、それが本当に「辺野古に基地を造らせない」ための行動になるかは、極めて疑わしい。
 なぜなら、国が本体工事に着工する条件が整ったあとで「埋め立て承認を取消」しても、「辺野古に基地を造らせない」公約を実現することは極めて困難になるからである。
 国による本体工事着工を阻止することが絶対に必要なのである。
 本来は、ボーリング調査も阻止する必要があった。
 それを実現できる唯一の方策は、早期に「埋め立て承認の撤回および取消」を実行することであった。知事がこの行動を取ってしまうと、基地建設を実行するためのプロセスが進捗しないことになる。
 本体工事で言えば、「事前協議」を行えないことになる。
 翁長知事は7月29日、沖縄防衛局が沖縄県に提出した事前協議書について、「今回提出のあった協議書の取り下げを求める」と、受理した上で取り下げを要求すると発表したと伝えられているが、質の悪いコメディとしか言いようがない。
 「受理」したうえで「取り下げを求め」て、国が「取り下げ」に応じると考えているのか。国が「取り下げない」ことを前提に、「受理した」というのが真相である。沖縄県が「受理した」以上、沖縄県が協議に応じなくても、国は一定期間が経過すれば、必ず本体工事に入るだろう。
 翁長氏の行動は、本体工事着工を、しっかりと「アシスト」するものなのである。
 本体工事が着工されてしまえば、あとは、「堂々と」基地建設反対の行動を取ることができる。「埋め立て承認取消」を実行する可能性も高い。しかし、これは、「辺野古に基地を造らせない」ための行動にはならない。
 「辺野古に基地を造らせない」という公約を守っているというアリバイを作るための行動にしかならないだろう。 ≫(植草一秀の「知られざる真実」より抜粋)

*以下、毎日新聞を中心に、翁長氏と菅官房長官らの秘密裡の交渉過程を検証している記事を参考列記掲載しておく。

≪ 辺野古工事:1カ月中断 政府、県と集中協議
  菅義偉官房長官は4日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に関し、10日から9月9日まで1カ月間、一切 の作業を中止すると発表した。この間、計画に反対する沖縄県と集中的に協議する。これを受けて記者会見した沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は、この間に辺野古埋め立て承認の取り消しなどの措置は取らないと表明した。また、中断中に、サンゴ礁の損傷調査のため県側が米軍に申請していた臨時制限区域で の潜水調査も許可されるとの見通しを示した。
 協議は政府側から申し出た。政府は現在、ボーリング調査などを行っており、9月にも本体工事に着手する方針だった。しかし、作業中断によって、本 体工事は秋以降にずれ込むことになる。ただ、中断期間中は台風シーズンで、作業が進まない時期に当たる。中断による影響は事実上ないとの見方もある。
 辺野古沖埋め立てを巡っては、2013年の承認手続きに関し県の第三者委員会が「法的瑕疵(かし)がある」と結論付けた報告書をまとめている。菅氏は、報告書を受けて翁長知事が月内にも承認の取り消しを検討していることを指摘し、「落ち着いた環境の中で協議をする必要があると判断した。(埋め立てに向けた作業を)全て中止する」と表明。「移設に関する政府の考え方、負担軽減の取り組みを丁寧に説明したい」と述べた。
 だが、「辺野古が唯一の解決策」としてきた政府方針について、政府高官は「これまで答弁してきた通りだ」と述べ、変更しない考えを強調している。
 菅氏は8月中旬にも沖縄県で翁長知事らと会談したい考え。並行して事務レベルでの協議も開始する。  自民党の谷垣禎一幹事長は4日午前の記者会見で「官房長官が判断して、何が問題点なのかを沖縄県と十分協議することは結構なことだ」と語った。【高本耕太】

 ◇解説 泥沼化回避狙う

 政府が米軍普天間飛行場の移設作業を1カ月中断し、沖縄県側と集中的に交渉する方針を決めたのは、国と県の対立が続けば法廷闘争に発展しかねない からで、泥沼化回避のための「窮余の策」といえる。移設作業を強行すれば、安全保障関連法案で傷ついた内閣支持率がさらに下落しかねないとの危機感もあったとみられる。
 政府が埋め立て承認に「法的瑕疵はない」とし、辺野古移設を進める姿勢を崩していないのに対し、県側も移設反対の立場を変えず、対立は先鋭化。沖 縄防衛局は3日、県から取り下げを求められていた移設工事の事前協議に関する文書を「取り下げる考えはない」と回答。翁長知事は今月中にも前知事による埋め立て承認を取り消す可能性を示唆していた。
 こうした中、政府は対話の姿勢を打ち出すことで地元の反発を和らげたい考えだ。翁長氏も期間中は、承認の取り消し判断などの対応は取らない考えを示すなど、一見、歩み寄る姿勢も見せている。
 しかし、菅氏は4日の会見で、政府方針変更の可能性を問われ、「政府の考え方を説明し、問題解決に向けて集中的に協議したい」と述べるにとどめており、政府は移設の変更はしない方針だ。翁長氏も柔軟姿勢を見せてはいない。
 協議期間中は普天間飛行場の危険除去や負担軽減など立場が一致する課題についても議論する予定だが、移設を巡る出口が見えているわけではない。  ≫(毎日新聞:当山幸都)


 ≪ 辺野古中断 水面下で接触重ね  <辺野古工事中断>政権、柔軟姿勢を演出…支持率低下恐れ
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、政府は4日、移設に関する作業を10日から9月9日まで1カ月間は中止し、沖縄県と集中的に協議すると発表した。辺野古沿岸部の埋め立て工事に9月にも着手する方針から一転して軟化したのは、沖縄の主張を丁寧に聞く姿勢を示すことで、 安倍政権の強引なイメージをやわらげる狙いがある。安全保障関連法案の衆院採決強行をきっかけに内閣支持率が低下する中、工事を強行すれば、政権への世論の支持がさらに失われるとの危機感が背景にある。

◇「安保との二正面回避」
 政府と沖縄県は正面衝突コースに入っていた。県の第三者委員会は2013年の埋め立て承認手続きについて「法的瑕疵(かし)がある」とした報告書を7月16日にまとめ、これを受けた翁長雄志知事は承認取り消しを示唆。政府は取り消し処分が出た場合は、行政不服審査法に基づいて国土交通相に審査請求し、処分の一時停止も求める構えだった。
 これらの動きは安保法案の参院での採決時期と重なる9月前半になるとの見通しだったが、移設作業中断で先送りに。支持率低下の要因となる課題が同時期に集中するのは避けられそうだ。九州選出の与党議員は「安保法案と辺野古移設の二正面作戦を政府はとにかく避けたかったようだ」と指摘。政府関係者も「これだけ支持率を減らして、辺野古移設でまた減らすようなことは避けたい、ということだろう」と解説する。
 衝突回避のための水面下の接触は数カ月前から始まっていた。安慶田光男副知事は昨年末の就任後、10回程度にわたってひそかに上京。菅義偉官房長官と会って調整を続けていた。翁長氏は春ごろから「とにかく工事を中断して話し合いをしてもらいたい」と講演などで繰り返しており、安慶田氏はこうした考えを菅氏に伝えていたとみられる。官邸側も、中断期間中に沖縄側が埋め立て承認取り消しなどの措置を取らないことなどを確認し、その上で移設作業中断を決断した。
 菅氏は4日の首相官邸での記者会見で「落ち着いた環境の中で協議する必要があると判断した。(埋め立てに向けた作業を)全て中止する」と表明。那覇市で 記者会見した翁長氏は「当該期間中、新たな法的手続きを一切行わない」と明言し、政府と沖縄の水面下の交渉の落としどころが明確になった。また、県が米軍に申請していた辺野古周辺海域のサンゴ礁の潜水調査に関し、政府が米側と協議して許可を取り付けており、翁長氏が一定の成果を得た形だ。
 菅氏は11、12両日に沖縄を訪れ、翁長氏と会談する調整に入った。政府は柔軟な姿勢を演出してみせたが、集中協議に関して菅氏は会見で「普天間の危険除去と辺野古移設、負担軽減策をもう一度しっかり説明したい」と述べており、移設方針を堅持する姿勢を強調した。翁長氏も「辺野古への移設は不可能だと (協議で)申し上げたい」としている。
 工事の「一時中断」は一時的な「休戦」に過ぎない。政府と沖縄の間にある根本的な意見の相違は残ったままだ。 ≫(毎日新聞:田中成之、佐藤敬一)


 ≪ 在日米軍再編:辺野古移設 沖縄県、提訴の可能性 埋め立て着手なら
知事・菅氏会談
 菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事が31日、首相官邸で約15分間会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の辺野古移設を 巡って協議した。翁長氏が前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消す意向を示唆したのに対し、菅氏は会談後の記者会見で辺野古移設は「唯一の解決策」と改めて明言。政府は9月にも埋め立て工事に着手する方針で、県が工事の差し止めを求める訴訟を起こす可能性も出ている。
 政府が24日に県に提出した護岸の一部の設計図(実施設計)について、翁長氏は会談で取り下げを直接要望したが、菅氏は応じなかった。菅氏は会見 で「お互いがお互いの立場を確認した」と述べた。8月7日には安倍晋三首相が官邸で翁長氏と沖縄振興予算を議題に会談する予定。政府としては振興予算の確保を提示することなどで県側の軟化を引き出したい考えだ。
 県は政府をけん制する。前知事の埋め立て承認判断を検証した県の第三者委員会が29日に公表した報告書全文では、承認について「移設場所として辺 野古が適切かどうか、何ら説明せず、論理の飛躍がある。十分な理由のないまま『埋め立ては適』と判断した」とした。県幹部は「第三者委員会が『(承認には)法的な瑕疵(かし)がある』との結論を出した以上、知事の決断は取り消ししかない。知事の腹は決まっている」と断言する。翁長氏も菅氏との会談で「第三者委の判断を踏まえ、法的な瑕疵があるという立場をベースにしながら議論したい」と述べ、承認取り消しの意向を示唆した。最終判断は8月中旬以降になる見通しだ。
 承認取り消しの場合、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づいて公有水面埋立法を所管する国土交通相に審査請求し、県が出した取り消し処分の一時停止 も求めることになる。3月に翁長氏が辺野古沿岸部での作業停止を指示した際に取ったのと同じ対抗手段で、執行停止によって工事を進めることが可能になる。  このまま政府と県の平行線が続けば、本格的な法廷闘争に突入する事態も予想される。翁長氏は9月下旬にスイス・ジュネーブでの国連人権理事会で演 説することも検討しており、側近は「司法という第三者が入る法廷闘争に持って行き、国内外の世論に訴えた方がいい」と「長期戦覚悟」の構えを示す。   ≫(毎日新聞:佐藤 敬一、比嘉洋、当山幸都)


 ≪ 辺野古作業1カ月中断 翁長沖縄県知事会見の全文
政府が辺野古新基地建設作業を一時中断すると発表したことを受け、翁長雄志知事は4日午前、臨時会見を開いた。会見とマスコミ各社との一問一答の全文を公開する。

【冒頭発言】
 先ほど閣議の前に菅官房長官からも東京の方で発表があったと思うが、私の方からも、みなさま方にご報告をしたいと思う。
 昨年当選をして以来、いろんなことがあったが、特に3月、4月ごろから、とにかく工事を中断して、そして話し合いをしてもらいたいというようなことをいろんな講演とかシンポジウムで話をしていた。そういう中で約1カ月ほど前に、そういったことも受けながら、菅官房長官から中断についての話があったので、早速いわゆるそういったことに向けて、そういう水面下で調整をしながら、これから発表する内容等を詰めていって、 そして、7月31日に官邸に私の方で菅官房長官を訪ねた時に、最終的な詰めをして、今日発表する次第だ。
 その間、私と浦崎副知事、安慶田副知事と3名で協議をしながらやってきた。窓口としては安慶田副知事にお願いしながら、ずっとやりながら7月31日に、ある意味で最終的に私と官房長官で決着というか、結論を得たことの内容を、改めてこちらから発表したい。

【発表文読み上げ】
 普天間飛行場移設問題について、政府との間で以下の内容で合意いたしましたので発表いたします。  一点目に、政府と沖縄県は、本年8月10日から9月9日までの間を集中協議期間として、断続的に普天間飛行場移設問題について協議することとする。
 当該期間中、政府は、辺野古移設作業を全面的に停止することとし、具体的には、ボーリング作業の停止、スパット 台船の撤去、資材等運搬車両の運行停止を行うとともに、7月24日に沖縄防衛局から提出された辺野古埋め立てにかかる事前協議書にかかる対応を期間中停止することとする。
 また、沖縄県は、当該期間中、第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応を中止するとともに、辺野古埋め立て作業に関する新たな法的・行政的手続き等を一切行わないこととする。
 二点目に、当該期間中に、県による岩礁破砕立ち入り調査を実施することとする。  私からの発表は以上です。

【一問一答】
記者 当該期間中は検証結果を受けての対応を中止するというが、この間は取り消し撤回を含めて判断を見送る、保留するのか。集中協議期間にこの問題がどういう風に動くと期待するか。

知事 今発表した通り、8月10日から9月9日までの間を集中協議期間として断続的に協議をするということになった。私としても第三者委員会の報告を含め、いろんな作業の状況を見ながら、それを横目でにらみながら、私の判断をしていきたいと申し上げてきた。そういう中で約1カ月間停止になるので、その意味では、この1カ月は両方とも動かないとなっているから、私たちから第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応は行わないということになる。それは当然、停止がしっかり守られて、横目である意味でにらむ必要がないという状況の中で、これはそうなると思っているので、 その間は見送っていきたい。それから、これからどう動いていくかということだが、いずれにしても今、入り口に立って2、3回お話をしたところだが、私たちからすると、やはり普天間飛行場を辺野古に移設することは不可能と、改めて申し上げたいが、その中では、やはり今日までは結論めいた話ばかりをお互い言い合っていたが、例えば海兵隊の抑止力の問題とか、あるいは国際情勢、あるいは歴史的な経緯も、裏づけの話をしながら、理解し合えるようなものがあるかないか、これがこれから話し合われると思う。話し合いで解決の糸口が探れる可能性があるのであれば、そのための努力は惜しまないという意味で、この1カ月間の集中的な協議になると思う。

記者 1カ月の猶予が生まれたことの受け止めは。1カ月ではなく恒久的な中断、中止にしていきたいか。 

知事 法的行政的な作業を中止するということです。その意味では政府の方で、1カ月だが中断に応じたことは、唯一 辺野古だということには、そうこだわらないようになってもらいたいと思っている。ですから、私たちも主張し、その背景等を話しながら、1カ月の中断というものが、今日までの状況をいい形で一歩前進させるのであれば、これは重要な期間になる。
 そういう中で、この1カ月が延びるかは、今の時点では1カ月ということで区切っているので、まだスタートしていないので、そういった中で先々の事を話をすると、相手がいることなので、言葉遣いを間違ってはいけないから、いずれにしても交渉を決裂しないということを念頭に置きながら、前向きに物事を進めるが、沖縄県の主張はしっかりしたいと思っている。

記者 解決というのは政府が辺野古を断念するということか

知事 一番ベースはそれになると思いますので、そのベースの中から何かあるのかないのかも含めいろいろ議論すると 思うが、それについてはまったく今日まで話をしたことがないので、どういう風になるか分からない、県側からすると、辺野古への建設は不可能というような中からいろんな議論をしていきたい。

記者 政府と県の協議の場は、移設協議会や沖縄政策協議会の下の作業部会などあったが、今後はどういった話し合いの枠組みを想定しているか。

知事 話し合いという意味からすると、今おっしゃるような今日まで設けているものの中でという話は出てきていないので、これから菅官房長官と、私をはじめとする両副知事、そういったような、今までの経緯から言うと安慶田副知事の方で交渉してきたわけだけが、三役を中心として事務方からは知事公室長が今回の最後の詰めはまとめてもらったので、そういった形でやるようになると思うので、ただ、決めたことではないのでどうなるか分からないが、イメージ的には新しいやり方でやるのかなーと思っているが、そういうやり方でやりましょうという話で決着ついたわけじゃないので、これから連絡を取り合ってその窓口の中で早めに第1回目も開始していきたいと思っている。

記者 ここに至る経緯をもう少し詳しく、いつ頃どういう場でこういう話が始まって今日に至ったかを補足で説明いただきたい。

知事 これは決してその中で今日という日が決まったわけではないが、安慶田副知事がカナダに行っていて、今日、晩に帰ってくると思うが、補足できるものがあれば後で補足したいが、私と浦崎副知事、安慶田副知事3名で相談しながら、約1カ月ほど前から官房長官に基本的なことを申し上げ、政府が応じるという中に今日発表したようなものをどうやって盛り込んでいくかというようなことで詰めてきたので、今日こういう話ができるようになった。 もう一回繰り返すが、7月31日に官邸を訪ねた時に、微調整があったのでそれを調整して今日という日が迎えられたわけで、その間のやりとりは普通に言えば今回出てきているようなものを、これはどうでしょうか、あれはどうでしょうかみたいなものをそれぞれ言い合いしな がら、こういう風にまとまってきたと思っていただきたい。

記者 約1カ月ほど前に官房長官から中断の話があったということだが、そういった理解でよいか。

知事 あくまでも約、ということでやってください。例えば25日前とか、31日前とかってことでははっきり申し上げられないので、約1カ月という意味では間違いない。

記者 辺野古の作業を中止して話し合いの場を設ける、一方で県が求めていた立ち入り調査を実施することになったことについて、知事としては普天間基地の移設問題の解決に向けて前進したと評価しているか。

知事 去年の12月に当選して約3カ月間お会いできず、4月5月で官房長官、総理、防衛大臣という形でお話をする中で、こういった内容で合意に達したというのは、沖縄県側の思いも伝わったのかなという感じはしている。1カ月間、集中的に協議をするということで、お互いこれからが今まで主張してきたことの裏付けの話をし、それぞれが理解しきれるかどうかというようなですね、私2、3週間前にシビアなものがこれから行われるでしょう、というような話もしたが、まさしくそういう意味からしたら、そういうことになると思うので、こういう風に対話の道が開けて、私たちからすると工事がストップしたということは前進だと思っている。

記者 集中協議期間中に政府が従来の「辺野古が唯一」という方針を説明するだけでは前進にならないが、知事としては県外移設など辺野古移設に代わる新しい案が提案されることを期待しているか。

知事 可能性は別として、私たちが主張しているのは県外移設であるので、そうあってほしいという願いはあるが、それを可能性として捉えることを事前に話をするわけにいかない。いずれにしろ辺野古には造ってもらいたくないということにつながるような話であれば、話し合いをさせていただきたい。ベースは当然のことながら県外移設であるということ等をいろいろ議論をしたいと思っている。

記者 水面下という言葉使ったが、これまで見えないところで協議が行われてきたという印象は拭えない。今後概算要求など県側から要請控えた中、そういう見方がされる部分もあると思うがどう説明するか。

知事 私とすれば、この間、私の方で対応しなかったのは今おっしゃったような、密室であったり不透明であったりしてはいかんという部分も、トップはしっかり守っておかなきゃいかんという部分もあったので、両副知事と相談しながら窓口をつくって、いずれにしろ議論はしなきゃいけないので、そういった中で進めてきたと思っているので。最後の詰めの方で、私の方で出て行って官房長官と合意に達したということで、こうした形 で発表できることも含めて、今日までの流れはそういう形でやった方が物事が前に進むのではないかということでは、よかったのかなと思っている。

記者 菅官房長官は「辺野古は唯一」という政府方針を元に政府の考えを伝えたいと。他の負担軽減策についても話していきたいと(記者会見で)話した。知事はどういった条件が出てきても、辺野古移設反対と県外移設を求めるベースに変わりはないという決意を。

知事 私どもはそういうことを主張してきた。辺野古唯一という以外にも、政府側が考えている日米安保体制というものについても変わりはあろうかと思う。辺野古の場合には、埋め立ててしまったらすべてがダメになると私たちは思っているから、いずれにしろそういったこと をお互い主張しながら集中的に議論して打開策が出てくるかどうかってのはやってみなきゃ分からない話だが、せっかく糸口がつかめたので、いい形で物事が進めばいいと(思っている)。こちらも全力あげて議論していきたいと思っている。

記者 国政を見ると安倍政権は安保法案の審議、原発の再稼働など重要課題を抱える中で、沖縄との対立を回避したい狙いもあると思う。冷却期間を置く材料にされているという見方もあると思うが知事の受け止めを。

知事 いずれにしても政府が応じる、沖縄県が応じるというのは、私も今日まで対話がない時には大変頑なで、政治的にはどうだろうかという風にも言われたし、どこそこでお会いすると、密室で何か裏でやっているんじゃないかと言われるわけで、どっちにしてもプラスマイナスの両方から物を見ることができる。今おっしゃるようなものは、政府がどう考えているか分からないが、逆でいうと中断する重みは大きいと思うので、こういったこと踏まえて物事が推移していくのかな、と。この件は当然のことながらワシントンDCの方も無関心でいられないと思いますので、こういったことを踏まえた上で物事の議論が進んでいけばありがたいなと思っている。

記者 集中協議の第1回のメド。いつ頃になりそうか。

知事 官房長官の漏れ聞いていることなので確認はまだしていないが、知事をはじめとする両副知事含め交渉したいという話をされたと聞いている。今まで通り三役で官房長官とは対応するのかな、と。あるいは間に事務方が入るものがあるのかどうか、スタートしなければ分からないので、私としてもこういう風に公になっているので、これから以降の会談があるとすれば、率直に意見交わせると思って頂けるものだと思っているので、 こういうことも含めて詰めていかないといけない作業だと思っている。

記者 今朝、知事公舎に県議会与党全員を集めた。理由と、どういった話をしたのか。

知事 与党の皆さん方には官房長官の会見が終わった後、しっかり私どもの合意内容と間違いがない中で私も記者会見するので、与党議員の皆さんも内容等で間違いなくやるであろうと。ただ、官房長官の記者会見の内容を確認してからということを話をした。

記者 政府との集中協議。明日以降、知事は上京予定だが、早ければ今週中に東京で開催があるか。

知事 この辺も、例えば7月31日に会うのも参院集中審議があるということでなかなか時間がはっきりしない中でのことだった。これから総理が7日にお会いできると聞いているが、その中でとりあえずの1回の時間が取れるか、これから恐らく相談になるんじゃないかなと思っている。

記者 立ち入り調査の流れはどうなるか。

知事 5カ月ほど前から立ち入り調査をさせてくれとシミュレーションはずっと描いてきているので、一定程度の期間が与えられたら、事務方に聞いたらできると言っているので、台風など来たら別だが、普通の状況であれば全部対応できると聞いている。それは可能かと思っている。  ≫(沖縄タイムス)

沖縄の米軍基地 ─「県外移設」を考える (集英社新書)
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集英社


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●米国もビビり出す 戦争と憲法を国民に意識させた安倍法制

2015年08月04日 | 日記
岩波新書で「戦後」をよむ (岩波新書 別冊11)
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●米国もビビり出す 戦争と憲法を国民に意識させた安倍法制

以下の二つの記事から、幾つかのことが思い浮かぶ。この二つの記事が言わんとしている趣旨は、読み手の勝手だが、示唆的だ。そして、それを、自分がコントロール出来る範囲で、その言わんとする趣旨から、様々な思いを抱くのも、これも自由だ。筆者のこの二つの記事から、必ずしも語っている内容とは違うだろうが、この記事を読むことでの、気づき、思い、を語っておく。

前半のジョン・ダワー氏のインタビューから。このインタビュー記事から気づき、思ったことは、二つある。ひとつは、ソフトパワーは日本の誇りの一部だが、その頂点にあるのは、ノーベル平和賞にあたいする憲法を、個人的にどのような思いで受け止めているかは別にして、世界に冠たるソフトパワーだと位置づけるのは、悪いことではない。積極的に、世界に平和を求めるように促す国家的意思は、世界に影響を及ぼす、日本ならではの力の源泉なのではないのだろうか。その母体があるから、アニメもポップカルチャーも浮世絵も様々な世界的シーンで、影響力を発揮できる。

次に、≪戦後日本の姿は、いわば『従属的独立』だと考えます。独立はしているものの、決して米国と対等ではない」≫と云うダワー認識の部分。『従属的独立』と云う表現は穏当な表現になっている。筆者的には『隷属属国』と云う印象になる。ダワーが言うように、≪「日本の外交防衛政策を知りたければ、東京でなくワシントンを見ろとよく言われます。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加しかり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟についての判断しかり。核戦略を含め、米国の政策を何でも支持するのが日本政府です。」≫
これに、日米同盟の深化の名の下、軍事行動の一体化が加わるのだから、ボランティア軍隊の提供である。『隷属属国』から、更に進化して『奴隷国家』にまで突き進もうとしている。

日本会議や安倍晋三の言い訳は、「いやいや、ここは耐える時だ。なし崩しに重武装化に邁進し、状況が許すなら核保有に舵を切り、真の独立を勝ち得る。そして、天皇制国家風味の全体主義独立国家の実現が可能なのだ」彼らの、妄想的本音は此処にある。これは一つの選択できる思惑外交ではあるのだが、この外交方針は、アメリカ一強時代の遺物である。グローバル世界だと右手で指さしておきながら、左手でアメリカのパワーは永遠だと言っている。安倍晋三の思惑外交が成就するには、最低でも、今後50年、アメリカの一強時代が確固たる存在でなければならない。ここに、安倍政権の重大な誤謬がある。

グローバリズムの特長の一つに、スティングリッツが提唱する「絶大な格差社会」の増幅が見られる。各国、平均的に格差が起きているわけではないが、先進諸国の多くは、この波に揉まれている。この波が、国境や民族・宗教等々のアイデンティティに火をつけるので、ナショナリズム的勢力の抬頭が顕著になる。このような時代になって、軍事力でグローバル世界の乗り切ろうと云う発想は、それこそが破滅の道である。実際問題、グローバルな世界で、最も水を得た魚になれるのは、マネーである。ユーロが挑戦的試みをして、今苦しんでいるが、中露やBRICS中心に、第二のユーロ、延いてはドルに替わる基軸通貨の地位を得ようとする試みも、グローバル世界への対応から生まれる発想だ。

しかし、安倍政権の、ダボハゼのような態度に、アメリカは疑心暗鬼に陥っているのではと、筆者は忖度する。本当に、彼らは馬鹿なのか?噂には聞いていたが、本当に本当だろうか?同盟国アメリカが日中の戦いに加担するとでも思っているのか?それとも、加担してくれなかったことを切っ掛けに、日米安保放棄を画策する積りではないのか?まさか、コロコロ変わる一内閣如きが、解釈改憲で、ワイマール憲法同様のクーデター政変を起こすくらいだから、ヤッパシ、日本て国は危ないよ。そのように受け止めている冷静な人々も多いだろう。


≪ 日本が誇るソフトパワーとは ジョン・ダワー氏に聞く
 あの戦争が終わって70年、日本は立つべき場所を見失いかけているようにみえる。私たちは何を誇りにし、どのように過去を受け止めるべきなのか。国を愛するとは、どういうことなのか。名著「敗北を抱きしめて」で、敗戦直後の日本人の姿を活写した米国の歴史家の声に、耳をすませてみる。

――戦後70年を振り返り、日本が成したこと、評価できることは何だと考えますか。

 「以前、外務省の高官から『日本はソフトパワーを重視している』と聞かされたことがあります。日本車、和食、漫画やアニメ、ポップカルチャー。世界が賛美するものは確かに多い。しかし、例えばハロー・キティーが外交上の力になるかといえば、違うでしょう。世界中が知っている日本の本当のソフトパワーは、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきたことです」
 「1946年に日本国憲法の草案を作ったのは米国です。しかし、現在まで憲法が変えられなかったのは、日本人が反軍事の理念を尊重してきたからであり、決して米国の意向ではなかった。これは称賛に値するソフトパワーです。変えたいというのなら変えられたのだから、米国に押しつけられたと考えるのは間違っている。憲法は、日本をどんな国とも違う国にしました」

 ――その理念は、どこから生まれたと考えますか。

 「このソフトパワー、反軍事の精神は、政府の主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものです。敗戦直後は極めて苦しい時代でしたが、多くの理想 主義と根源的な問いがありました。平和と民主主義という言葉は、疲れ果て、困窮した多くの日本人にとって、とても大きな意味を持った。これは、戦争に勝った米国が持ち得なかった経験です」
 「幅広い民衆による平和と民主主義への共感は、高度成長を経ても続きました。敗戦直後に加えて、もう一つの重要な時期は、60年代の市民運動の盛り上がりでしょう。反公害運動やベトナム反戦、沖縄返還など、この時期、日本国民は民主主義を自らの手につかみとり、声を上げなければならないと考えました。女性たちも発言を始め、戦後の歴史で大切な役割を果たしていきます」

 ――政治は何をしたでしょう。

 「私の最初の著書は吉田茂首相についてのものですが、彼の存在は大きかった。朝鮮戦争の頃、国務長官になるジョン・ダレスは、憲法改正を要求してきました。吉田首相は、こう言い返した。女性たちが必ず反対するから、改憲は不可能だ。女性に投票権を与えたのはあなた方ですよ、と」
 「その決断はたいへん賢明だったと思います。もし改憲に踏み込めば、米国はきっと日本に朝鮮半島への派兵を求めるだろうと彼は思った。終戦のわずか5年後に、日本人が海外に出て行って戦うようなことがあれば、国の破滅につながると考えたのです」
 「その決断の後、今にいたるまで憲法は変えられていません。結果、朝鮮半島やベトナムに部隊を送らずに済んだ。もし9条がなければ、イラクやアフガニスタンでも実戦に参加していたでしょう。米国の戦争に巻き込まれ、日本が海外派兵するような事態を憲法が防ぎました」

    ■    ■

 ――現政権が進める安保法制で、何が変わるでしょうか。

 「日本のソフトパワーが試練にさらされています。集団的自衛権の行使に踏み込み、日本を『普通の国』にするというのが保守政治家らの考えですが、普通とは何を指すのか、私には分かりません。国際的な平和維持に貢献する といいつつ、念頭にあるのは米軍とのさらなる協力でしょう。米国は軍事政策が圧倒的な影響力を持っている特殊な国であり、核兵器も持っている。そんな国の軍隊と密接につながるのが、果たして普通なのでしょうか」

 ――戦後の日本外交は、米国との関係を軸にしてきました。

 「日本の外交防衛政策を知りたければ、東京でなくワシントンを見ろとよく言われます。環太平洋経済連携協定(TPP)への参加しかり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟についての判断しかり。核戦略を含め、米国の政策を何でも支持するのが日本政府です。その意味で、戦後日本の姿は、いわば『従属的独立』だと考えます。独立はしているものの、決して米国と対等ではない」
 「過去を振り返れば、安倍晋三首相がよく引き合いに出す、祖父の岸信介首相が思い浮かびます。岸首相は確かに有能な政治家ではありましたが、従属的な日米関係を固定化する土台を作った人だと私は考えています」
 「同様に、孫の安倍首相が進める安全保障政策や憲法改正によって、日本が対米自立を高めることはないと私は思います。逆に、ますます日本は米国に従属するようになる。その意味で、安倍首相をナショナリストと呼ぶことには矛盾を感じます」

 ――現在のアジア情勢を見れば、米軍とのさらなる協力が不可欠だという意見もあります。

 「尖閣諸島や南シナ海をめぐる中国の振る舞いに緊張が高まっている今、アジアにおける安全保障政策は確かに難題です。民主党の鳩山政権は『東アジア共同体』構想を唱えましたが、それに見合う力量はなく、米国によって完全につぶされました」
 「だからといって、米軍と一体化するのが最善とは思えません。冷戦後の米国は、世界のどんな地域でも米軍が優位に立ち続けるべきだと考えていま す。中国近海を含んだすべての沿岸海域を米国が管理するという考えです。これを米国は防衛と呼び、中国は挑発と見なす。この米中のパワーゲームに日本が取り込まれています。ここから抜け出すのは難しいですが、日本のソフトパワーによって解決策を見いだすべきです」

    ■    ■

 ――対外的な強硬姿勢を支持する人も増えています。

 「今、世界のいたるところで排外主義的な思想がはびこり、右派政治の出現とつながっています。ナショナリズムの隆盛は世界的な文脈で考えるべきで、日本だけの問題ではありません。グローバル化による格差が緊張と不安定を生み、混乱と不安が広がる。そんな時、他国、他宗教、他の集団と比べて、自分が属する国や集まりこそが優れており、絶対に正しいのだという考えは、心の平穏をもたらします。そしてソーシャルメディアが一部の声をさらに増殖して広める。これは、20年前にはなかった現象です」  「北朝鮮や中国は脅威のように映りますが、本当に恐ろしいのはナショナリズムの連鎖です。国内の動きが他国を刺激し、さらに緊張を高める。日本にはぜひ、この熱を冷まして欲しいのです」

 ――では、日本のソフトパワーで何ができるでしょうか。

 「福島で原発事故が起き、さらに憲法がひねり潰されそうになっている今、過去のように国民から大きな声が上がるかどうかが問題でしょう。今の政策に、国民は疑問を感じています。安倍首相は自らの信念を貫くために法治主義をゆがめ、解釈によって憲法違反を続けている。そこで、多くの国民が『ちょっと待った』と言い始めたように見えます」
 「繰り返しますが、戦後日本で私が最も称賛したいのは、下から沸き上がった動きです。国民は70年の長きにわたって、平和と民主主義の理念を守り 続けてきた。このことこそ、日本人は誇るべきでしょう。一部の人たちは戦前や戦時の日本の誇りを重視し、歴史認識を変えようとしていますが、それは間違っている」
 「本当に偉大な国は、自分たちの過去も批判しなければなりません。日本も、そして米国も、戦争中に多くの恥ずべき行為をしており、それは自ら批判しなければならない。郷土を愛することを英語でパトリオティズムと言います。狭量で不寛容なナショナリズムとは異なり、これは正当な思いです。すべての国は称賛され、尊敬されるべきものを持っている。そして自国を愛するからこそ、人々は過去を反省し、変革を起こそうとするのです」  

◇  John Dower 38年生まれ。マサチューセッツ工科大学名誉教授。著作に「吉田茂とその時代」、ピュリツァー賞受賞の「敗北を抱きしめて」など。

 ■取材を終えて
 とても大切なものなのに、思いのほか、本人は気づいていない。外から言われて、かけがえのなさを知る。よくあることだ。敗戦後に日本が手にしたものこそ世界に誇りうる、という指摘にはっとした。そうか、自分たちの手元を見つめればいいんだ。
 戦後の日本人は立場を問わず、自らの国を愛することに不器用になっていたのだろう。反発したり、逆に突っ走ったり、どこかの国に依存したり。愛国 という言葉に素直になれない。70年前、形容しがたいほど惨めで痛ましい敗戦を経験し、国家への信頼を一度、完全に失ったのだから、それも当然なのだが。  戦後70年の夏は、この宿題に向き合う好機かもしれない。国家という抽象的なものではなく、戦後を生き抜いた一人ひとりの道程にこそ、よって立つ足場がある。  ≫(朝日新聞デジタル:ニューヨーク支局長・真鍋弘樹)


以下の鶴見俊輔氏訃報に触れての記事の最後のフレーズ≪1億2000万人の日本人は今、71億人余の「外人」に囲まれ生きている。≫の部分だ。
あるデータによると、直近の世界の人口は72億人強、73億人に接近中である。日本の2015年7月現在の人口は1億2695万人。大雑把に言って、73分の1、1/73。逆に言えば、73倍の“外人”に囲まれて実は生きている。推計では、2050年に人口1億人を切るのが日本。2050年の推計(国連推計)世界人口は96億人だそうだから、日本人を取り囲む“外人”の比率は96倍、1/96になる。

しかし、筆者を含め、島国国家として生活している実感には、73倍の“外人”に囲まれて実は生きていると云う実感がない。おそらく、この辺の感覚を、我々日本人は、無自覚ではなく、意識的に意図して自覚する必要があるのかもしれない。そういう事はスルーして、グローバリゼーションと知ったような時代感を語ってもかなり無意味だ。ただ、最近の、若い世代や女性の人々の、反戦争と云う肌感覚の行動も、これは思索するとかより、数段強い力を国内的には発揮するだろうと思われる。

昨夜、あるファミレスで、若者グループ(男女混合大学生風)がガヤガヤ言い合っていたが、「進撃の巨人」(諫山創)は好戦漫画だと批判する連中とそうじゃない人間の尊厳の闘いのプロセスだと、侃々諤々。しかし、安倍晋三が戦争法案を出したことで、日本の若い世代が、どちらを選択するにしても、戦争とか平和と問題をテーマに議論している姿を見ると、安倍晋三の唯一のポイントは、日本人に、戦争と平和への自覚を喚起した点は、皮肉だが評価できる。これで、国民の力で、腰が砕けたら、右翼連中から見れば、安倍は噴飯中の噴飯者になるだろう(笑)。

 ≪ 発信箱:鶴見俊輔さんの絵本=小国綾子 毎日新聞 2015年08月04日 東京朝刊
 哲学者、鶴見俊輔さんの訃報を聞いて、彼の絵本「わたしが外人だったころ」を読み返した。15歳で渡米し、戦争を迎え、敵国人として留置され、交 換船で日本に帰国した半生を振り返り、米国でも日本でも自分を「外人」だと感じてきたとつづる。<自分の底にむかっておりてゆくと、今もわたしは外人です>とも。
 絵本を見開いたページには、空飛ぶ戦闘機や、赤や黄色の炎を上げて燃える街の絵。東京での空襲体験を語るのと同じそのページで、鶴見さんはアメリ カ時代の思い出を打ち明けている。日米開戦を最初に知らせてくれた学生時代の米国人の友人の言葉。「これから憎みあうことになると思う。しかし、それをこえて、わたしたちのつながりが生きのびることを祈る」。鶴見さんはしかし、憎めない、と書いた。「日本にもどってからも、わたしはアメリカ人を憎むことができないでいました。自分が撃沈か空襲で死ぬとしても、憎むことはできないだろうと思いました」と。
 死ぬとしても憎めない−−。そんな言葉を読むたび、人と人との結びつきの力強さを思う。どんな安全保障よりも、一人一人が友達になることの方が強 いと信じたくなる。74年前、確かに日米開戦を回避できなかった。けれどもあの日、太平洋を隔ててもっともっと多くの友情が存在していたなら、別の歴史もありえたのではないか、と。
 絵本の最後にある鶴見さんの飾らぬ言葉が好きだ。<日本人は、外人にとりかこまれて、この世界でくらしているのに、日本人本位に考えるのでは、わ たしたちは地球上に住みにくくなります>。1億2000万人の日本人は今、71億人余の「外人」に囲まれ生きている。 ≫(毎日新聞:夕刊編集部)

敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人
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岩波書店


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●衣の下の鎧 似合わぬ人の“法治・人権・自由”は対語と思え

2015年08月03日 | 日記
加藤周一を記憶する (講談社現代新書)
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講談社


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●衣の下の鎧 似合わぬ人の“法治・人権・自由”は対語と思え

安倍晋三の口から、法治国家とか、基本的人権とか、個人の自由とか、時に「絶対に憲法の枠内で……」とか、「徴兵制が敷かれることは断じてない」とか、「米軍の戦争に巻き込まれる事なんか絶対にない」等々、このような言葉を聞くたびに、“もの言えば唇寒し秋の風” “雉も鳴かずば撃たれまい”そんな故事来歴が頭に浮かぶ(笑)。

朝日が以下に書いてあるように、自分の考えを断固国民に理解して貰う為に、森雅子に仕込みの質問を用意させ、強い口調で断言連発は、なんと見苦しい様であろうか。そもそも、最初から最後までプロパガンダと嘘と煽り、拡大解釈と矮小化が包含された戦争法案なのだから、多くの国民の理解を得ることは、本質的にあり得ないわけだ。つまり、電通方式の、長生きの妙薬販促手法と何ら変わらない、広告会社による企画案件なのだから、生きるか死ぬか、戦渦に塗れるかどうかと云う法案を国民に理解させるのは、それこそ“絶対”に無理なのだ。“断じて”我が国の抑止力が高まる理屈は成り立たない。“些かも”国民の生命や財産を守ることにはならない。

しかし、歪んだ郷愁と現実の恐怖が綯い交ぜになった、我が国の内閣総理大臣・安倍晋三は、自己矛盾を、未来の日本が重武装、核武装するための布石を打っているのだと自己暗示マインドコントロールをしている。夜ごと、側近たちを集めては、我が本音だと言いつつ、重々しく語っているようだが、本人の自己暗示につき合わされている取り巻きらも、念仏のように記憶してしまう。そして、洗脳されっぱなしの、ドアホな側近らの薄っぺらな唇がペラペラと、首相も言っていると公言して憚らないのだから手におえない。ホワイトハウスで、一番笑いのネタになっているのだろう。

だいたい考えてみて欲しい。電話盗聴とかじゃなく、官邸の会議室や首相執務室等々に盗聴器が仕掛けられている可能性がウィキリークスの情報で暴露されている。ドイツのメルケリ首相は電話を盗聴されていたようだが、日本の官邸や経産省、三菱商事、三井物産などまで、会議の模様が録音されていたらしい。やったのは、誰あろう諜報機関、アメリカ国家安全保障局(NSA)なのだ。まして、この情報には「ファイブ・アイズ」なんて、スパイ大作戦さながらのネーミングまでついている。

そのファイブ、五つの目はどんな目なんだ?米英は当然だが、これにオーストラリア、ニュージーランド、カナダの国々が、五つの目、5か国なんだよ。つまり、国連の敵国条項、仮想敵国は、笑っちゃうけど、日本とドイツ、場合によるとフランスも含まれているってのが、戦後70年たっても変わっちゃいない。国連の常任理事国入り?馬鹿じゃねえの!仮想敵国がなれるわけがないだろう?安倍は、将来、未来の為に「今は米軍に協力するのが得策」そう思っているのなら、そういう妄想を文藝春秋にでも寄稿したら良いんじゃないの?

アメリカが総体的に力を失って来ている状況と云うことは、アメリカは、中国とも、ロシアとも、本当に争う気などサラサラないわけで、中国の脅威と云うのは、半分以上プロパガンダだ。アメリカの本音としては、少々中国が伸びすぎているという不安は持っているだろう。しかし、最大の貿易相手国であり、ATMの一翼を担っている中国とのバランスは、死に物狂いで均衡を保とうとするはずだ。

ただ、ウィキリークスの小出し情報にも毒が含まれているかもしれないし、CIAからNSAに権力が移行したプロセスに「911テロ」が大きく影響を及ぼした点など、個人の想像力をはるかに超えた問題なので、事実解明は到底出来そうもない。ただ、常に、そういう観点で物事は考えてみたものだ。

最後になったが、安倍はPKO活動などは、「戦争ではない」という立ち場になるので、ドイツ兵が多くの死傷者を出してしまったアフガニスタンの(NATO軍で構成)だが、2014年終了しているので、何らかの治安支援が必要であり、「国際平和活動」と云う名の、治安(戦闘が結果的に含まれる)支援に、自衛隊が狩りだされる危険が最高度に想定できる。これを安倍は「国際平和活動の一環であり、紛争地域にあらず」と強弁は想定内だ。

≪ 首相「絶対」「断じて」「いささかも」断言連発の理由
 「絶対にない」「断じてない」「いささかもない」――。安倍晋三首相が安全保障関連法案の参院審議で、こんな断定調を増やしている。法案に対する世論の不安を払拭(ふっしょく)するためとみられるが、「断定」の根拠はというと、いま一つはっきりしない。
 首相は30日の特別委員会で、自民党の森雅子氏から集団的自衛権の行使を認めたことをめぐり、「戦争に巻き込まれることはないのか。世界の警察であるアメリカに言われたら断れないのではないか」と問われ、「戦争に巻き込まれることは絶対にない」と述べた。
 あくまで日本の防衛のために集団的自衛権を使うのであり、それに関係ない戦争に自衛隊は出せないという説明だ。だが、首相が普段から「日米同盟」の重要性を強調しているだけに、野党や憲法学者は、米国に助けを求められれば何らかの理屈を作り、米国の戦争に加わることにならないかと指摘する。
 さらに森氏が徴兵制を取り上げ、「子育て中のお母さんと話すと、『徴兵制になるんじゃないの』という声を聞く」とただすと、首相は「徴兵制の導入は全くあり得ない。今後も合憲になる余地は全くない。子どもたちが兵隊にとられる徴兵制が敷かれることは断じてない」と繰り返した。首相は「政権が代わっても導入はあり得ない」と言い切ったが、民主党幹部は「長年の憲法解釈を変更し、歴代内閣が使えないとしてきた集団的自衛権の行使を認めたのは首相で説得力がない」と指摘する。
 また首相は、民主党の広田一氏から、日本が相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するとされる「専守防衛」の原則について問われ、「基本方針であることにいささかの変更もない」と述べた。  だが集団的自衛権が使えるようになると、他国への攻撃でも、日本の存立が脅かされる明白な危険があると、政府が判断すれば武力行使できるようになる。広田氏は「専守防衛の考え方が破棄される」と批判した。(三輪さち子、小野甲太郎)

■説得力に欠ける
 首相が国会答弁で「断定調」を繰り返すのは、法案への国民の理解が深まっていないとみて、危機感を募らせているからだ。首相周辺の一人は「攻撃は最大の防御だ」と語る。強気の答弁で野党の批判を封じ、国民の支持を得たいということなのだろう。
 しかし首相がどう口調を強めようと、問題の本質は法案の「違憲性」と、どんなケースに集団的自衛権が適用されるかがあいまいな点にある。
 多くの憲法学者が法案を「憲法違反」と指摘し、その根幹への不信感が高まっているのに、首相は集団的自衛権を行使する判断基準を聞かれると「総合的な判断だ」と繰り返す。政権の裁量を少しでも広げておこうと、あえて法案や答弁ぶりにあいまいさを残している。これでは憲法上も安全保障政策上も、行使が適切かわからない。
 そもそも、長年の憲法解釈を一内閣の閣議決定で変更したのは首相自身だ。その首相が、いくら将来のことを「絶対にない」「今後もない」などと明言しても説得力に欠ける。(石松恒)  ≫(朝日新聞デジタル)

≪ どうなる安倍談話、過去発言から分析 反省・法の支配…
 今月発表する戦後70年の談話(安倍談話)で、安倍晋三首相は何を語るのか。その歴史認識に国内外の注目が集まる。首相はこれまでもさまざまな場面で歴史観を語ってきた。過去の発言から、首相の「現在地」を探ると、談話の輪郭がおぼろげながら見えてくる。
 安倍首相の演説で特に話題を呼んだのは、昨年7月上旬の豪州議会での演説だ。英語で語った首相は、戦後日本を「それ以前の時代に対する痛切な反省とともに始めた」と表現。さらに「20世紀の惨禍を、二度と繰り返させまい。日本が立てた戦後の誓いはいまに生き、今後も変わるところがない」と続けた。首相にとって豪州は、1957年に祖父・岸信介元首相が戦後の首相として初訪問した特別な国でもあった。
 今年4月下旬には、インドネシア・ジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議で演説。バンドン会議は、平和共存などの理念を掲げ、第2次世界大戦後の旧植民地独立運動に弾みをつけた。
 50周年会議で演説した小泉純一郎首相は、戦後50年の村山談話を踏襲する形で「植民地支配と侵略」「心からのおわび」などに言及したが、安倍首相は、バンドン会議の平和原則である「侵略または侵略の脅威、武力行使に よって、他国の領土保全や政治的独立を侵さない」「国際紛争は平和的手段によって解決する」を引用。「この原則を、日本は、先の大戦の深い反省と共に、いかなる時でも守り抜く国であろう、と誓った」と語った。ただ、旧日本軍による「侵略」に直接言及したわけではない。
 4月末には、米議会上 下両院合同会議で演説。日米戦で激戦地となったパールハーバーなどの地名を挙げ、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻んだ」としたうえで、「自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」とも述べ、アジアへの加害にも言及した。
 いずれの演説にも共通するのは、首相が「反省」に触れたことだ。72年、中国との国交回復を実現した田中角栄首相は、日中共同声明に「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と明記。「反省」は先の戦争への歴史観として定着しており、安倍首相にも抵抗感はない。
 一方、村山談話や 小泉談話にある「植民地支配」「侵略」「おわび」を安倍談話に盛り込むかについて、首相は1月下旬のNHK番組で「今までのスタイルを下敷きに(談話を) 書けば、こまごまとした議論になっていく」と否定している。首相は両談話を「全体として受け継ぐ」と説明しており、具体的な文言との間でいかに折り合いをつけるかが焦点だ。
 「未来志向の談話」と繰り返してきた首相にとって、その表現も重要になる。7月上旬、米戦略国際問題研究所が東京都内で開催したシンポジウムで「新しい世界はルールに基づき形成されなければならない」としたうえで、「自由で、寛容で、開かれたシステムの中で、多様な意見がぶつかり合ってこそ、新しい世界のビジョンが生まれる。それを可能にするのが、自由主義的な国際秩序だ」と訴えた。法の支配、人権、自由など、首相が好んで語るこうした価値観も談話には盛り込まれそうだ。(冨名腰隆) 
 ≫(朝日新聞デジタル)

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●安倍は、戦争がしたいのか? 戦争出来る国にしたいのか?

2015年08月02日 | 日記
幕末維新史の定説を斬る (講談社文庫)
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●安倍は、戦争がしたいのか? 戦争出来る国にしたいのか?

本日の見出しは、筆者も判断に迷う部分である。ゆえに、逃げるわけではないが、内田樹氏と山口一臣氏の考えを両論併記した。皆様方で、それぞれ考えていただきたいと思う、問題提起コラムのようなものである。それにしても、ウィキリークスが暴露した、米英豪NZ加5か国が情報を共有する形で、旧新英連邦の国々で情報共有しているというのだから、バカバカしくて国際関係などに携わる気にもなれない。TPPの主な4か国が入っているのだから、日本国家の情報はダダ洩れ、安倍がおだ上げている声まで、収録済みなら、是非流して貰いたいものだ(笑)それにしても、こんな状況で、TPP交渉は疲れる等と言っている甘利って大臣もいい加減なもの。ありゃ、芝居がかっているだけだよ。独仏日が抜けている点も記憶に留めておくべきだろう。AFPは以下のように報道している。その後、二氏の意見を掲載しておく。

 ≪ 米NSAが「日本の政府・大企業を盗聴」 ウィキリークスが文書公開
【7月31日 AFP】(一部更新)内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は31日、米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)が、日本の政府高官や三菱商事(Mitsubishi Corp.)などの大手企業に対する盗聴活動をしていたとする文書を公表した。少なくとも35件の盗聴対象のリストも公開している。
 ウィキリークスは声明で「リストは、NSAが少なくとも2006年9月から07年9月までの第1次安倍晋三(Shinzo Abe)内閣のころから、日本の大企業や政府高官、省庁、政府顧問らをスパイしていたことを示している」と述べている。
 安倍首相に対する盗聴の記述はないが、盗聴対象者には宮沢洋一(Yoichi Miyazawa)経済産業相や日本銀行(Bank of Japan)の黒田東彦(Haruhiko Kuroda)総裁が含まれていたとされる。
 ウィキリークスは「これらの報告書は米国による日本政府への監視活動の深さを示しており、日本の多くの省庁から情報が収集・処理されたことを示唆している」と述べている。
 また、これらの文書は、米国が貿易、原子力、気候変動などの政策をめぐる「日本の内部議論を細部まで詳しく知っていたことを示している」と、ウィキリークスは述べている。 ≫(AFP)


≪内田樹の研究室 東京新聞(7月17日)
安保法制強行採決を承けて、東京新聞にインタビュー記事が載りました。転載しておきます。
 世界平和を求めるとか、平和憲法を維持するとか、「きれいごと」を言うのはもうやめよう―。そんな不穏な心情が法案成立を目指す安倍政権を支えている。「結局、世界はカネと軍事力だ」と言い放つような虚無的な「リアリスト」の目には立憲主義も三権分立も言論の自由も法の支配も、すべて絵空事に見えるのだろう。
 七十年前の敗戦で攻撃的な帝国主義国家日本は一夜にして平和国家にさせられた。でも、明治維新以来、琉球処分、朝鮮併合、満洲建国と続いてきた暴力的で攻撃的な国民的メンタリティーはそれくらいのことで消えたわけではない。抑圧されただけである。
 表に出すことを禁じられたこの「邪悪な傾向」が七十年間の抑圧の果てに、ついに蓋を吹き飛ばして噴出してきたというのが安倍政権の歴史的意味である。彼らに向かって「あなたがたは間違ったことをしている」と言い立てても意味がないのは、彼らが「間違ったこと、悪いこと」をしたくてそうしているからである。
 明らかに憲法違反である法案が強行採決されたベースにはそのような無意識的な集団心理がある。一部の日本人は「政治的に正しいこと」を言うことに飽き飽きしてきたのである。ただ人を傷つけるためだけのヘイトスピーチや、生活保護受給者への暴力的な罵倒や、非正規労働者のさらなる雇用条件の引き下げなどは「他者への気づかい、弱者への思いやり」といったふるまいが「胸くそ悪い」と言い放てるからこそできることである。
 生身の人間として戦争を経験して敗戦を迎えた世代には、平和と繁栄という「敗戦の果実」をありがたく思う身体実感があった。占領も、属国化も、基地の存在も、「戦争よりはまし」という比較ができた。でも、そういう生活実感はもう今の人はない。平和憲法が敗戦国民どれほどの深い安堵をもたらしたか、そのリアリティがわからない。だから、憲法がただの「空語」にしか思えないのだ。
 安倍首相が「戦争できる国」になりたいのは、戦争ができると「いいこと」があると思っているからではない。それが世界に憎しみと破壊をもたらすことを知っているからこそ戦争がしたいのである。

 ■彼は「悪いこと」がしたいのである。
 国際社会から「善い国だが弱い国」と思われるよりは、(中国や北朝鮮のように)「嫌な国だが、怖い国」と思われる方が「まだまし」だという心情が安倍首相には確かにある。
 これは安倍首相自身の個人的な資質も関与しているだろうが、明治維新から敗戦までは大手を振って発揮されてきた日本人の「邪悪さ」が戦後過剰に抑圧されてきたことへの集団的な反動だと私は思う。
 法案が成立すれば、海外派兵は可能になる。それでも、米国がただちに自衛隊をイラクやシリアに配備するとは私は思わない。短期的には米国にとってそれが一番利益の多い選択だが、もっぱら米国の権益を守るための戦争で自衛隊員が日本に縁もゆかりもない場所で無意味に死傷者を増やして行けば、日本国内での厭戦気分が反米感情にいきなり転化するリスクがあるからだ。
 「なぜアメリカのためにこれほど日本人が死ななければならないのか?」という問いに安倍内閣が説得力のある回答ができるとは思われない。
 リスクを抑えて自国益を守るために、自衛隊員が死傷しても日本国民が「納得」するような用兵でなければならない。国防総省はいまそれを思案中だろう。 ≫(内田樹の研究室より) http://blog.tatsuru.com/2015/07/17_1352.php

 補足:内田樹ツィッター
≪ 安倍首相は「とにかく法律通して、あとはどこでどんな口実であれ、戦争さえ始めてしまえばこっちのものだ」と思っているのでしょう。そうすれば、支持率は V字回復、反対運動は「非国民」と言って抑え込んで、一気に改憲に持ち込んで、「緊急事態」を宣言して、独裁体制確立。それが彼の夢でしょう。≫


内田氏は、安倍やその勢力には身体実感がなく、行動原理を「理」とは、相対な関係にある鬱屈した「感情」という視点で見つめている。この鬱屈した感情の爆発には、戦後、必ず見返してやると云う「日本会議」が精神的バックボーンになっているのだ。そして、その見返すにあたって、大切な事は、原則、明治憲法の復古であり、「神の国」(国家神道)でありたい、と云う願望が根強くある。そして、IT関連商品の中でゲーム化されたバトルもの、進撃の巨人等々、カッコいいと感じる若者世代も集っているのが現実で、旧日本と新日本世代の、思惑違いの混成勢力となつている。


≪「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのは間違いだ! 山口一臣
 安保法制関連法案の参議院での論戦始まった。だが、7月15日の衆議院での採決の際に安倍晋三首相自身が認めた通り、法案に対する国民の理解は進んでいない。というのも、賛成派の説明も反対派の追及も、枝葉にこだわるばかりで肝心なことが議論されていないからだ。参院での実のある議論を進める ために、いま一度、頭を冷やして考える必要がある。
 例えば、野党や反対派が唱える「安倍さんは戦争をやりたがっている」という言説があるが、本当だろうか。私はこれは間違いだと思っている。 なぜなら、動機がないからだ。進んで戦争を始める理由がない。少なくとも日本の政治家で、周辺諸国に対して勇ましいことを言っている人はある程度いても、 本気で戦争をやりたいと考えている人はいないだろう。
 戦争とは、武力を用いてさまざまな政治目的を達成しようという行為のことだ。戦争というリスクと犠牲を払ってまで達成したい政治目的とはいった何なのか。そんなものが、いまの安倍政権にあるとは到底、思えない。冷静に考えれば分かるはずだ。
 安保関連法案は日本を「戦争ができる国」にしようとしている、というところまでは言えると思う。だが、実際に「戦争をやる」ということとの隔たりは、あまりに大きい。「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのは、粗雑なアジテーションだ。このことは、安保法制を考える上で実に重要なこと だと思う。
 なぜなら、同じことが日本の周辺国についても言えるからだ。
 安倍首相ら安保法制推進論者は「日本を取り巻く安全保障環境が変化して、一層厳しさを増している」とバカのひとつ覚えのように繰り返す。だ が、具体的に何がどう厳しいのかがはっきりしない。軍拡を続ける中国や北朝鮮の「脅威」を想定しているのだろうが、では中国や北朝鮮がいったい何の目的をもって日本を攻撃するというのだろう。
 確かに中国が海洋進出を活発化させ、継続的に国防費を増加させていることは事実だ。北朝鮮が弾道ミサイルと核開発を進め、それらが日本にとっての潜在的脅威になっているのも事実である。だが、国の安全保障を考える上でもっとも重要なのが、この潜在的脅威がどんな条件や様態で現実的な脅威になるかという冷徹なシミュレーション(脅威の見積り)だ。
 これがしっかりできていないまま、ただ危機感を煽るのは、「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのと同じレベルの愚論である。だが、 残念ながら安倍政権はこの愚論の繰り返しに陥っている。だからこそ、政府答弁や説明が支離滅裂で、聞けば聞くほどわけが分からなくなり、結果として国民の 理解が深まらないことになっている。
 例えば、衆議院ではただの1度も出てこなかった「南シナ海での掃海」がなぜ、突如、俎上にのぼるのか、まったくわけが分からない。あれほどこだわっていた「ホルムズ海峡」はどこへいってしまったのか。そもそもの始まりは、「朝鮮半島有事に邦人を乗せたアメリカの艦船が攻撃を受けても、日本の 自衛隊は助けに行けない。こんなことでいいのか?」という議論ではなかったのか。あるいは、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に備える米軍の艦船が攻撃されて も、自衛隊が助けに行けなくていいのか?」という話ではなかったのか。
 それが参議院での議論が始まる直前に、これまた突然、今度は東シナ海での中国のガス田開発の写真が公表され、中谷巌防衛相が「(ガス田の)海上プラットフォームにレーダーが配備される可能性がある」と答弁するなど、やたらと中国の「脅威」を強調するようになる。これを受けて自民党の外交関連 の会議でも、「ヘリパッドができるのではないか」「将来、軍事目的に利用されるのではないか」といった懸念の声が相次いだという。
 では、この海上プラットフォームは本当に「脅威」なのか。これについては海上自衛隊出身の軍事ライター、文谷数重氏が「東洋経済オンライン」で次のように論破している。
 〈レーダーやソナーは、すでに軍艦や航空機で使用されている。中間線日本側でも、琉球列島間の公海部分でも、レーダーやソナーを付けた中国軍艦や航空機は自由に行動している。逆に海自も大陸棚側で同様に行動している〉
http://toyokeizai.net/articles/-/77995

 要は、すでに軍艦や航空機に付けられたレーダーが同海域を自由に動き回っているので、固定化した海上のプラットフォームにレーダーを取り付けても、能力向上という点では、まったく意味がないということだ。
 こうした“幼稚な煽り”は随所にあって、最近話題の自民党の安保法案説明アニメ「教えてヒゲの隊長」でも、「日本にミサイルを向けている国がある」「自衛隊の緊急発進(スクランブル)が10年前の7倍になった」「サイバー攻撃も本当に深刻」などと、国民に恐怖を植え付けることにやっきである。
 いずれもパロディー版がしっかり論破してくれているが、中国やロシア、北朝鮮が日本にミサイルを向けているのはいまに始まった話ではなく、冷戦期からのことだ。サイバー攻撃は深刻だが、これは通常の戦力で抑止できるシロモノではない。スクランブルが7倍になったというのも耳にタコだが、10 年前はスクランブルがいちばん少なかった年で、冷戦期にはもっと多い回数の緊急発進があった。こんなことは防衛白書を見れば誰でもわかる。 http://www.mod.go.jp/sp/j/publication/wp/wp2014/sp/section03.html

 いくら法案を通すためとはいえ、安易に脅威を煽るのは、あまりに稚拙なやり方といえる。こうしたことから見えてくるのは、実は、安倍政権は日本にとっての本当の「脅威」は何か、それがどれくらいのレベルにあるかをきちんと把握していないのではないかということだ。
 頭を冷やして考えてみて欲しい。冷戦期には日本のすぐ隣にまで共産圏が迫っていたのだ。ソ連は世界革命の野望を抱き、日本の国土を虎視眈々と狙っていた。中国、北朝鮮もしかり。やがてソ連は崩壊し、中国も資本主義へとカジ切った。とくに中国と日本、アメリカは経済的には切っても切れないほど の相互依存が進んでいる。日本のコンビニには普通に中国人の店員がいるし、爆買いで知られる中国からの観光客は2015年は1000万人を超える勢いだと いう。
 まさに、「日本を取り巻く環境の激変」ではないか。
 こうした中で中国は軍事大国化を着々と進め、北朝鮮は核実験を繰り返している。さらに従来型の抑止力が効かない国際テロ組織の台頭やサイバー攻撃といった新種の脅威も生まれている。だからこそ、いたずらに脅威を煽るのではなく、日本にとって本当の脅威は何なのか、という冷静な「見積り」が必要になる。当然、脅威には優先順位が付けられ、それに対してどう対処していくのかの戦略、戦術が考えられる。
 そこで初めて、これこれこれをするにはこういう法整備が必要だ、ということになる。場合によっては集団的自衛権行使の必要性が出てくる可能性もあるだろう。そうなったときに、憲法を改正して9条の2項を変えるかどうかという議論になる。これが本来の道筋なはずだ。
 ところが安倍政権は、アベコベなのだ。だから、説明が支離滅裂にならざるを得ない。しかも、脅威については、あれも怖い、これも怖いだ。昨日、ホルムズ海峡が危ないと言っていたかと思うと、今日は南シナ海だガス田だと、場当たり的に脅威が変わる。そして、ことあるごとに「あらゆる事態に対応 するための備え」といったことを口にする。だが、それはどだい無理な話だ。国家といえどもリソースには限りがあるし、脅威は軍事に限らない。だから政治家はプライオリティーを判断しなければならないのだ。
 安倍政権が軍事的脅威を煽る一方、「脅威はそれほど大きくない」と明言する専門家も少なくない(少なくとも、集団的自衛権行使を合憲とする憲法学者よりは多い)。
 例えば、元米太平洋軍司令官で米国国家情報長官も歴任したデニス・ブレア氏だ。今年4月に日本外国特派員協会で講演し、「日中戦争が起きる 危険性があるとする報道が多いが、私はそうは思わない。東アジアの軍事情勢は非常に安定しており、そうした状態が続くと私は見ている」明言した。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159430

 その根拠も、前出の文谷氏同様、軍事の専門家らしい実務的な分析だ。
 「東アジアの領有権問題は一部例外を除けば、ほとんどが島に関するものだ。島の領有権を変えるには大規模な軍事作戦が必要で、侵略国は空と海の支配を長期間、続けなければならない。しかも、東アジアは東欧や中東のように地続きでないため国境線をめぐる地上戦は起きず、宗派間、民族間対立や代 理戦争の危険性もない。したがって、北朝鮮が韓国に侵攻する危険性も極めて少ない」
 前出の「教えてヒゲの隊長」にも出てくる尖閣諸島の問題についても、 「中国が尖閣諸島を軍事的に支配できる可能性は極めて少ない。そのようなことを試みれば失敗するし、すごい政治的リスクを冒すことになる」 と言う。島を奪るには空と海との大規模な軍事作戦が必要で、漁船や公船がチョロチョロやってくる程度では、脅威でも何でもないというわけだ。
 あるいは、世界の紛争地帯で平和構築任務に携わってきた東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏は、著書『日本人は人を殺しに行くのか』(朝日新書)でこう書いている。
 〈結論から言えば、北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込むことも、戦争を仕掛けてくることもありません。理由は簡単です。日本に大きな米軍基地がある以上、北朝鮮が日本を攻撃するということはアメリカに宣戦布告することと同じだからです。
 北朝鮮にとって、アメリカへの攻撃は核戦争の始まりを意味します。(中略)北朝鮮がそれでもやるとしたら、それは自滅行為と想定すべきです〉
 安倍首相もヒゲの隊長も、「あいつら怖い怖い」と叫ぶだけで、冷徹な分析ができていないことがわかるだろう。中国も、北朝鮮と同じ理屈で日本に攻めてくることはあり得ないと伊勢崎氏は断言する。中国の場合はさらに、強大な権限を持った国連の5大常任理事国のひとつであるというポジションがあ る。国際法、国連憲章で侵略は明確に違法とされている。中国が世界に君臨できる巨大な権力を与えられたレジームを自ら壊すわけがないというのである。
 もちろん、こうした主張には反論もあるだろう。しかし、安倍政権のように、ただただ「危ない」「怖い」と叫んでいるより、よほど説得力があることがわかるだろう。日本を取り巻く安全保障環境は本当に厳しさを増しているのか。ここはもう一度、立ち止まって考える必要がありそうだ。

*山口一臣ジャーナリスト(元『週刊朝日』編集長)  1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て大手新聞社へ中途入社。週刊誌記者として 9.11テロを、編集長として3.11大震災を経験する。週刊誌歴約27年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。現在は堅気のサラリー マンとして勤務する傍ら、市民ジャーナリストとして情報発信を続けている。  ≫(yahooニュース:国内より)


山口氏の誠実に事実関係を重ねた検証して、北東アジアにさせ迫った威嚇はない。ただ、この機会だから、戦争も可能な“普通の国”になっておくことを担保しようとしている。ゆえに、「戦争をやりたがっている」ではなく、「戦争ができる国」を目指しているのだ、と云う結論になっている。懇切丁寧に、その論議の過程をなぞりながら、国際環境を踏まえ、「する」と「出来る」の違いを語っている。

問題は、米国の思惑が抜け落ちている点が欠点だ。筆者の見立ててでは、安倍の「戦争できる国(普通の国)」を希求している情念を、アメリカ政府の頭脳たちが、利用してやろうと云う戦略の一環に取り込まれてしまった、と云うのが事実だろう。ゆえに、中国、北朝鮮脅威論がバカバカしい言説だと証明しても、実はあまり意味がない。

アメリカ政府の思惑は、国連平和維持活動に自衛隊をフル活用させ、財政上欠けてしまった覇権国の軍事力を補完するのが、最大の目的だろうから、向けるべき目は、アフガン・イラク・シリア・ソマリア‥等における自衛隊のPKO活動とみるべきだ。ただし、それらの地域は、PKOとは名ばかりで、まさに戦闘地域であると云うリアリティのある議論が必要だ。その点で、山口氏の視点は不完全である。

安倍は「戦争をやりたがっている」ではなく、「戦争ができる国」を目指している、となってしまうのだが、「戦争の出来る国」と云う状況を法的に担保したことで、アメリカから、上述のまさに戦闘地域のアフガン、イラク等々への平和と名のついた海外派兵が実行される。つまり、その地域では平和と云う名の、リアルな戦闘が行われる。つまり、「戦争ができる国」成立は、速攻で「戦争をする国」になってしまうので、山口氏の論は、リアリティが不足である。

偽りの明治維新―会津戊辰戦争の真実 (だいわ文庫)
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●ここ一日で、安倍包囲網は一段と狭められた いつ往生するの?

2015年08月01日 | 日記
マルクス(上):ある十九世紀人の生涯
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●ここ一日で、安倍包囲網は一段と狭められた いつ往生するの?

 ハワイ州で開かれているTPP交渉の閣僚会合は7月31日、交渉参加12カ国による大筋合意に至らなかった。医薬品のデータ保護期間や乳製品の取り扱いをめぐり協議が難航し、各国間の対立が解けなかった、と概ねのマスメディアが報じている。結構な話だ。11か国は自分達の国益・聖域を掛けて交渉に臨んだのだから、日本一国だけが、突出してアメリカ様に追従しても、まとまる方が不思議だ。それにしても、一国のみ、国益を放り投げて、アメリカに隷属していた国がある。恥ずかしいッたらありゃしないね(笑)。

 ウィキリークスは31日、米・国家安全保障局(NSA)が、少なくとも2007年以降、日本政府や日本銀行、日本企業を対象に電話を盗聴していたと発表した。盗聴した情報などに基づいてNSAが作成したとする、日本の温暖化防止政策や通商交渉(TPP)に関する機密文書も公表したと云う、醜聞だが、これにもまた呆れることに、日本政府からは、何ら抗議がなされていないので、アメリカとしては、答えようもないと、嘯いている。なんだか、この国は“隷属国家”を通り越しているのではないかと、愕然とする。隷属国家以下の概念が見当たらないのだが、マゾヒズム体質の国とでも言えるのだろう。虐げられ、鞭で叩かれ、火あぶりに遭って、ヒーヒーと歓喜の悲鳴を上げている(笑)。

 上述の2項目で充分に安倍政権には痛手だが、更にさらに、痛手な訃報が届いていた。本土のマスメディアは、こぞって会話の継続を確認したと、如何にも致命的決裂が避けられたような表現にとどめている。しかし、翁長知事が、ここでまた仲井真のソックリさんを演じることは、ないだろうと筆者は信じている。

≪ 辺野古「再考」求める 知事、官房長官と会談
【東京】翁長雄志知事は31日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会談し、米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設計画について、県の第三者委員会が埋め立て承認手続きに「瑕疵(かし)がある」と検証結果をまとめたことを説明し、事前協議についても「再考してもらいたい」と取り下げを求めた。ただ菅氏は建設を進める政府の立場を示し応じなかった。
 会談は非公開で約15分間行われた。知事は第三者委員会の報告書を踏まえ「これをベースに議論をしたい」と訴えた。菅氏は「それは承知しているが、今日までの経緯を踏まえながら話し合っていこう」と述べるにとどめた。
 知事は辺野古の問題について「深化させていくのはこれからの議論になると思う」と述べ、新基地建設計画撤回を求めて政府と協議を続ける姿勢を示した。
 菅氏は、8月7日に知事が来年度の沖縄振興予算の3千億円台確保を求めて政府に要請する際、安倍晋三首相との面談の席を設けることを正式に伝えた。
 菅氏は会談後、午後の会見で「きょうはお互いの立場を確認した。今後も対話を続けたい」と述べた。ただ、翁長知事が埋め立て承認取り消しを示唆していることについては「行政の判断は下されている。できるかぎり自然、生活環境に配慮する」とし、予定通り工事を進める意向を示した。 ≫(琉球新報)

 植草氏が翁長知事裏切者説で論陣を張っているが、筆者は、七三の構えで、翁長の慎重行動を見守っている。いま、翁長に、オマエ怪しいぞ!と言っても不毛だ。ここは、半分裏切る気があったとして、オール沖縄の期待を裏切ることが、琉球人のアイデンティティのすべてを捨てることになる圧力を加え続けることが肝要なのだと考えている。いずれにしても、安倍放逐網は、日に日に狭まってきている。

 この状況で、70年談話で、今までの反省と詫びを飛ばした談話が出せるのであれば、そのアベチャンの蛮勇に敬意を表してやろうじゃないか。延命を考えているのなら、村山談話の趣旨をあまり変えないものになる。或いは、忸怩たる思いを表現するために、出さないでスルーというのもありそうだ。村山ソックリ談話では、日本会議の鉄砲玉に数発殴られたり、糞尿撒かれたり、ドローンで一発なんて不安も頭を擡げ、二進も三進もいかなくなる。まあ、来週からは、チャライ右翼・礒崎の特別委に参考人として招致される。安倍は「陳謝で幕引き」としたいようだが、それはないだろう。辞任は間違いなしだ。ヤケクソになって、「あれは、安倍首相がお酒の席で、毎晩言っていることだから、間違いであるわけがない。下村さんなんか、もっと凄いことを言っているのに……」磯崎が壊れたら面白そうだけど(笑)。

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