世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

野田財務大臣!安住は便所の置物 霞が関政権&小沢一郎

2011年12月13日 | 日記
霞が関「解体」戦争 (ちくま文庫)
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野田財務大臣!安住は便所の置物 霞が関政権&小沢一郎


  げに怖ろしきことだが、いま我々が目撃している政治シーンは国民主権・民主主義へのクーデターが行われているのだと思う。民主党も自民党も駄目、小沢新党も駄目。橋下徹やみんなの党が持ち上げられ、国政に不慣れな政治家を跋扈させ、国会、いや政治家のすべてを無力化させようという企みが、確実に進行している。

 政治家を貶める事は、立法を貶めることであり、最終的には主権者を貶めようとする勢力の動きが顕著になってきている。この動きは必ずしも、支配国家であるアメリカの差配によるものとは断じがたい部分がある。宗主国の意を忖度した上の行動とも言えるが、あくまで官僚組織とマスメディアによる自主的動きと観察する方が妥当だ。

 TPPにおいては、野田総理は外務大臣・経産大臣であった。今は明らかに財務大臣と化している。おそらく、社会制度の改悪においては厚労大臣に化するのであろう。そうそう、防衛大臣も兼務するらしい。なるほど、野田政権の各大臣が奇妙な顔ぶれだと思ったが、党内融和ではなかったのだ。全閣僚を、ポイントの時期には準大臣と見たて、全ポストを掌握する独裁政治を試みている。低姿勢・新種のファシズムの誕生だった。菅直人が、議院内閣制において、総理は期間限定の独裁だ、と言った言葉を完璧にパクッテいる。

 何故それが出来るのか?野田佳彦など吹けば飛ぶような政治勢力に過ぎない。それを可能にすると約束してくれたのが財務省の官僚組織だろう。そして、財務省は「本気で行財政改革など実行されたら、全省庁の幹部連中の天下り先は消滅する」と云う刃を突きつけ、霞が関全体を一体化させる事に成功したかに見える。そこが見えるから、小沢一郎は唯一やるべきことはと聞かれ「地方分権」と答えたのであろう。

  マスメディアも霞が関の、“行財政改革させじ”の動きに呼応している。一見、公務員制度改革や行政のムダの削減など、対立軸を設けることで批判勢力のような立ち位置を愚民への目くらまし・擬態を装っている。しかし、既存の統治メカニズムの温存を企む点では、根っ子で権益領域は一致している。官僚組織とマスメディアのタッグは年季が入っている。戦前の大政翼賛以来のおつき合いだ。敗戦で、痛手を被りながらも生き永らえた、官僚組織とそれに巣食うマスメディア。これこそが、国民主権・民主主義の敵なのだと、今回の野田佳彦の動きを観察していて、つくづく感じる。

  しかし、各社のずらりと並ぶ世論調査を見る限り、嘘か!と思うほど、従順な愚民の多さに呆れかえる。これでは救いようはない、仮に世論調査の数字が本当であるなら、何をかいわんやだ。勝手に野たれ死ねば良いだろう、と言いたくなる。逆の面で観察すると、未だ富が残っていますので、お国の為にお使い下さいと差しだす戦時中の金へんと変わりないという事だ。なんと涙ぐましい国民なのであろう、日本人の美徳である。涙がチョチョ切れるワイ!

  このような愚民集合体の国家に、自立自尊の精神などと云うもの、到底かなわないだろう。ケツの毛まで毟り取られても抵抗せず、快感のように振舞う、怖ろしき国民が構成している国家だ。竹槍で飛行機を撃ち落とすと叫んだ姿と変わりがない。日本人は、敗戦から何を学んだのか?そして、自分達の自己批判は蔑にしたのか?すべては軍部が悪いで片づけたのか?そこが筆者には、今ひとつわからない。若い世代の人々も、昭和の歴史を本気で考えた事があるのだろうか?

 このような情勢である事、小沢一郎は知っている。消費税増税反対の署名活動は年内続ける、と言われているが、この年内と云う時期は煙幕かもしれない。まだ見逃せないのが、橋下と小沢の連携だ。20日に予定されている会談如何では、アッと驚く展開が待ち受けているかもしれない。少なくとも、筆者の知る小沢一郎は、年内を準備期間だけに充てるとは思わない。全軍が動かないまでも、狼煙のような行動が起きる事を期待しておこう。

 正常な神経の持ち主であるなら、行財政改革、公務員制度改革を全くせずに、“先ずは増税から”などと云う“おためごかし”にウンと首を縦に振る馬鹿はいない。”勉強するから携帯買ってくれ”は勉強してからだろう!そんな親バカな国民がいるとするなら、それがマスメディアのプロパガンダに乗せられたからであっても、明らかに知ろうとしない、自ら考えない愚民と云う事で、政治によって救う必要のない人間と云う事だろう。面白い点は、そう云う国民ほど、国家に助けてて貰わないと生きていけない国民が多いのも悲劇だ。


 ≪ 消費増税素案、年内策定を確認=一体改革で-民主税調など
 民主党の税制調査会(会長・藤井裕久元財務相)と社会保障と税の一体改革調査会(会長・細川律夫前厚生労働相)は12日、合同総会を開き、政府・与党として消費税率引き上げを含む一体改革の素案を年内に取りまとめることを確認した。今後、合同総会を連日開催。消費税率引き上げの議論を本格化させる。
  藤井会長は12日、首相官邸を訪れ、野田佳彦首相と会談。民主党の合同総会で、年内に素案をまとめることで合意を得たと報告した。
 合同総会では 消費税議論のスケジュールを決定。週内に一体改革のうち社会保障部分について取りまとめた後、消費税率引き上げの議論に入る。具体的な論点として、税率引き上げ時期や幅、増税が実施できる経済条件、低所得者ほど負担感が大きくなる逆進性への対策などについて議論することも確認した。
 この日は、政府税制調査会(会長・安住淳財務相)も全体会合を開き、消費増税に向けた検討課題について各省からヒアリングを実施した。国民負担増を緩和するため、住宅や公共交通を対象に税率を低くする「軽減税率」の導入を求める声も上がったが、財務省は対象品目の線引きが困難であるとして慎重な考えを示した。(時事通信)


≪ 民主、消費増税で本格調整=慎重論広がり前途多難
 消費増税を含む社会保障と税の一体改革に向けた民主党内の調整が12日、本格的にスタートした。野田佳彦首相は年内をめどに素案を取りまとめ、野党との協議に入る環境を整えたい意向。しかし、民主党内には増税への慎重論が強まっており、首相が意欲を示す引き上げ時期や上げ幅の明示ができるかは予断を許さない。
 民主党は同日、税制調査会、社会保障と税の一体改革調査会の合同総会を開き、関係団体からのヒアリングを20日まで実施し、21日から素案取りまとめの討議に入る段取りを確認した。税調の古本伸一郎事務局長は「31日の除 夜の鐘まで議論し、まとめたい」と決意を強調。藤井裕久税調会長はこの後、首相官邸で首相に党側のスケジュールを説明した。
 ただ、意見集約への道のりは険しい。衆院選マニフェスト(政権公約)に消費増税が盛り込まれていないことから、小沢一郎元代表は「国民との契約違反だ」と反発。元代 表に近い鈴木克昌筆頭副幹事長は、消費増税反対の署名集めに入った。12日の合同総会でも早速、複数の議員から「『負担が先』では国民の理解は得られない」と反対の声が上がった。 党内の「中間派」にも消費増税への懸念は広がる。円高対策などに優先して取り組むべきだと主張する馬淵澄夫元国土交通相は、小沢鋭仁元環境相らと勉強会を結成。15日には2回目の会合を開く。こうした党内事情を踏まえ、野田政権は、消費税率を引き上げる際は経済の好転を条件とする「弾力条項」を関連法案に盛り込む方向だ。
  ただ、慎重派は、名目・実質成長率などの数値目標を明記するよう求める構え。厳密な目標設定を受け入れれば、消費増税が事実上封印される可能性もあり、弾力条項の内容をめぐっても激しい攻防が展開されそうだ。≫(時事通信)


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野田佳彦と云う総理大臣は霞が関の拡声器 今さら批判や非難の価値もない

2011年12月12日 | 日記
Q&Aで一気にわかる脱原発の教科書
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野田佳彦と云う総理大臣は霞が関の拡声器 今さら批判や非難の価値もない



  誰だ!野田が演説上手だなどと評した奴は。美辞麗句を並べたて、心のこもらない“正心誠意”だか何だか判らんが、単に声質が政治家向きだ、と云うだけだ。愚民が心打つ、相田みつを氏流の“処世訓”を政治に持ち込み、低姿勢ファシズムを日本の政治史に持ち込んだ男として、後世に伝えられるだろう。

  しかし、野田の実体はカラッポだ。その証拠は、彼が選択する政策のプライオリティーがすべてを物語っている。10月2日の拙コラム「野田佳彦の獣道 何をすべきか判らないは、何でもしてしまう怖ろしさ」は現実のものとなっている。野田佳彦が今現在行っている政治は、霞が関がやりたいことを、代行している拡声器付きロボットそのものだ。野田が口にする“国益”はすべて霞が関か大企業と云う既得権益勢力が歓ぶモノだけである。

 原発対策は細野と枝野と東電に丸投げ。震災復旧復興は自治体の奮闘に頼るという無責任さ。その癖“福島の再生なくして日本の再生なし”等と相田流で茶を濁す始末。まさに、リーダーシップを発揮すると予算のかかるものばかり、逃げている。勿論、財務省から「真面目に原発対策とか始めたら国家が滅びますよ、総理!国益とは国を守ることで、一部の国民を守ることではありません!」等と脅かされているのだろう。TPPにせよ、消費税増税にせよ、今喫緊の課題だと、誰が決めたのだ。国民は政権交代時に民主党の“行財政改革”の徹底を選択したのだ。

 予算の組み替えと地方分権がコアだった。 予算の組み替えと地方分権を置き去りにして、元を断たずに、ひたすら国民生活を脅かす社会保障の改革(サービスの削減が主)と増税では、歌舞伎町の“やらずぼったくりバー”も腰を抜かす暴挙である。しかし、愚民の多くが致し方ないと受け入れる気持になっている事は悲劇だ。マスメディアの愚民政策が未だ功を奏しているのだから。

  しかし、このような愚民の多い国家において、小沢一郎が理念として持っている民主主義などと云うものが、本当に実現するのか、今では疑わしくさえなっている。コラムを書くペースが落ちているのも、日本と云う国の国民の質であるとか、敗戦後の米国支配から抜け出せない統治システムがあまりにも強靭で、ブレーク・スル―する糸口さえ見えないという現実は無力感さえ憶えるわけ。

 つまり、野田政権が何をするとか、何をしたとか、そう云うレベルで日本の政治を捉えていても埒があかない、と云う根源的問題に行き着くわけです。今の野田政権は日本人の醜悪さが象徴的に現れた政権だと見ることも可能だと思う。極めて大人しく、礼儀正しいのだが、実は自立の心根を持たない民族ではないのだろうか、と頻繁に懐疑的になる。争わない美徳が、長いモノに巻かれろ精神を醸成しているように思える。

 日本人の自立心は、何処まで行っても、個人の領域から逸脱しない。極めて個人的領域に留まる自立心はあるのだが、それ以上拡がるという事が少ない。政治や行政も、任せて文句を言うだけだ。自治意識があまりにも乏しい国民なのかもしれない。従順なフリをして、ちゃっかりズルをする。一休さんのトンチのような生き方だ。おそらく、鎌倉以降の幕府政治の中で、庶民が生き残るための知恵だったのだろうが、知恵の領域から抜け出さない限り、日本の自立も遠い夢物語、と云う可能性が非常に高いと思われる。

  “従順なフリをして、ちゃっかりズルをする。一休さんのトンチのような生き方だ。”これこそが野田佳彦の政治なのだ。つまり、日本人を体現しているのが、野田政権と観察しても言い過ぎではないだろう。気持が悪いだろうが、日本人には、あぁ云う国民が非常に多い。小沢一郎一人に日本の政治の刷新を任せ切る。小沢がいなくなった日本の政治シーンでは、なにも出来ないような現在の状況は、或る意味で最悪な状況だ。

 小沢一郎をさておいてでも、動く政治家が出てこない事には、小沢が裁判の結果を見て動くにしても、属人的過ぎて、心もとない変革になるのではないだろうか。昨日の小沢の会見で、総理に相応しい奴は居るかと云う質問に「居ない」と答えたのが耳に残る。時事通信の記事を参考に載せておく。*記事とはニアンスが筆者は異なり、「首相はもっと国民に分かりやすい言動を取るべきだ」と云う部分だが、増税を喫緊にしなければならない論理的且つ具体的な(筋が通った)説明をしなければならない。つまりは、それが出来ないだろう?と云うニアンスが含まれている。逆に、説明し始めれば墓穴を掘ると読んでいる。


≪ 消費増税は契約違反=「首相は覚悟示せ」-民主・小沢氏
 民主党の小沢一郎元代表は11日、都内で記者会見し、野田佳彦首相が目指す消費増税について「国民との契約違反だ。何としても今やりたいということならそれなりの覚悟があるはずだ」と反対の考えを強調した。さらに「首相はもっと国民に分かりやすい言動を取るべきだ」と指摘、首相の対応は説明不足として強く批判した。
 「覚悟」とは、首相に増税前の衆院解散・総選挙を求める趣旨かとの質問には、小沢氏は 「そうではない。政治家の考え方と決意を示さないと、国民は納得しない」と説明した。 増税反対派による新党結成の可能性について、「当面は、政権交代の時の気持ちに戻って頑張ってほしいと考えている」として、首相の出方を見極める考えを表明。同時に「聞き届けられなかった場合はそれなりの方法を考えなくてはいけない」と述べ、否定しなかった。 
 一方、小沢氏は橋下徹次期大阪市長について「旧体制を壊さなければ本当の市民、国民のためのものは生まれないという話をしているが、その点は私の年来の主張と同様だ」と評価した。
 小沢氏の会見は、フリー記者らでつくる「自由報道協会」 主催で行われた。≫(時事通信)


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不条理な人間どもに、ガンディーの「七つの社会的罪」は美しすぎ  豚に真珠

2011年12月10日 | 日記
ガンディーの言葉 (岩波ジュニア新書)
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不条理な人間どもに、ガンディーの「七つの社会的罪」は美しすぎ 豚に真珠


  最近では鳩山由紀夫の施政方針演説や小出裕章氏の参議院行政監視委員会での発言などで、マハトマ・ガンディーの「七つの社会的罪」が引用されている。筆者の人生では、ガンディーさんのような立派すぎる人の教訓など、参考にならない。しかし、人間社会で一定の影響力を持つ立場に立っている者達や政治的に指導的立場に立たされた人間達にとっては、ガンディーの「七つの社会的罪」は充分に行動原理の参考になると思われる。

 このガンディーの「七つの社会的罪」は1925年「Young India誌」に掲載されたのだが、同氏の社会を見つめる原点が端的に書かれており、デリーのラージガードにある慰霊碑に刻まれた碑文である。ただ、ガンディー自信は、この「七つの社会的罪」について、演説や声明で語ることがなかった点を考慮すると、大衆に向かって、この「七つの社会的罪」を語るつもりはなかったようである。つまり、下々への要求ではなく、支配層への行動規範であると理解も出来るし、単に自らの自戒を含んだ言葉だったのかもしれない。

 ただ、このガンディーの言葉を現在の為政者や財界人、学界人に当てはめて考える事は、非常に有益なようだ。時代の背景が相当異なるので、ピッタリ当て嵌まるわけではないが、実験的に、その七つの言葉を、最近やたら流行っている“暫定基準値”として、追っかけてみようと思う。今日は連想ゲームの気分で。(笑)

 「理念なき政治」(Politics without Principle)
 この理念なき政治は、小泉政権の政治から顕著になってきた。最も特長的なの事が、政治よりも経済が上位に位置した事である。経済政策イコール政府の政策と云う事だから、国家国民より市場原理の経済が国家を席巻する事になり出した。象徴的な人物が竹中平蔵と云う似非学者だったのだろう。その後紆余曲折はあったが、民主党の菅政権、野田政権により政治より経済重視主義は受け継がれている。“政治理念”と云うもの、実はその旗印如何では、国民に苦渋を与えても、時に過程における苦渋と云う受けとめをして貰えるのだ。しかし、菅や野田が求めている苦渋を国民が受け入れない可能性は非常に高い。それが、理念なき政治の弱点である。理念がない場合、その政治は、常に論理性とか合理性の盤石が求められる。それが不可能な場合、官僚の詭弁に頼るという最悪の道を辿る。今の野田佳彦の姿そのものだ。

  「労働なき富」(Wealth Without Work)
 当時のインドの綿織物がイギリス綿布に圧された状況から生まれた考えのようだが、支配国が膨大な金融資本を駆使して、被支配国の富を収奪しようと企むことは、現在のTPPに同様の姿を見る事が出来る。筆者は、この言葉から、資本による労働の搾取の進化として、世界金融資本の資本主義への冒涜を感じる。まさにキーボードをタッチするだけで、瞬時に1000億の取引をし、瞬時に50億円を手にするファンドマネジャーの姿を思い浮かべる。彼の手にはコーラのカップが握られている。

  「良心なき快楽」(Pleasure Without Conscience)
 この言葉は、極めてガンディーの個人的領域に属する自戒の言葉なのだと思う。筆者はあまり感想らしきものを持たない。

  「人格なき学識」(Knowledge without Character)
 この最高の事例が原発開発に係わった東大中心の学者であり、学識経験者だろう。開発ばかりではなく、そこから派生的に生まれた原発のエンドレスな利権集合体の学識分野を常に受け持ち、各種審議会や委員会をリードし、悪魔のエネルギーの創出に貢献した。そして、未だにその動きを止めようとはしていない。以下に出てくる「人間性なき科学」にも通ずる事である。

  「道徳なき商業」(Commerce without Morality)
 これも素晴らしき事例が我が国の経済界のリーダー、日本経団連会長・米倉爺の口から、常に吐き出される「銭が欲しい!銭儲けがしやすいようにしろ!国民より、国家経済だ!国家経済は大企業に任せろ!」所謂“守銭奴”という言葉が最も相応しい男を会長にしているのだから、日本の経済界は守銭奴の集団と思われても致し方がないようだ。米国・モンサントも好例といえる。

  「人間性なき科学」(Science without Humanity)
 上述の日本の原発開発に関わり、その維持に奔走する原子力関連学者集団を観察すれば、もうそれで充分だ。まぁ、大きな世界的眼で見ると、アインシュタインと原爆開発問題とか、クローン人間の誕生は何時かとか、優性遺伝子学を極めるとか、筆者も知らないような科学者の探究心は、時に人間性・倫理面から如何かという課題は生まれるのだろう。凍土に守られたマンモスのミーラから細胞核を作り、雌象の子宮に移植?象ならOK、もしエジプトミーラから同じことが起きるとすれば…。色々考えさせられる大きなテーマだ。

 「献身なき信仰」(Worship without Sacrifice)
 この部分、筆者は不得手な分野だ。ガンディーの宗教観からすると、“献身なき”は“差別なき”の方がしっくりする。ガンディーの寛容の心を重視するなら「寛容なき宗教」の方が現代人には理解しやすいかもしれない。たしか、ヒンズー教とイスラム教の対立をなくすことに彼は苦慮していた記憶がある。

 まぁ筆者のような現実主義者が、マハトマ・ガンディーを語るという事は、あまりにも節操を持たない、見苦しい野党の国会での態度、それにも増して酷過ぎる与党野田政権の姿を見る所為なのだろう。幾ら小沢一郎の政治理念が正しいとしても、同じ政党の中でコップの中の空騒ぎを続けている限り、世論が大きなウネリに変わる可能性はゼロに近づいているようだ。多分、年内には何事も起きない情勢。判っているけど、動けないのでしょうね、小沢一郎さん。



デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 (ちくま学芸文庫)
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オバマの外交軍事戦略チェンジ、ナイ教授からウォルト教授の“オフショア・バランシング”

2011年12月08日 | 日記
イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1
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オバマの外交軍事戦略チェンジ、ナイ教授からウォルト教授の“オフショア・バランシング”


 最近の米国の対イラン仮想敵国の“仮想在イラン大使館”サイトが話題になっている。数日前の拙コラムのプロパガンダ、そのものである。先ずは時事通信の記事を読んでいただき、続いて孫崎氏のツイッターのまとめで“オフショア・バランシング”について言及しておく。

 ≪ 「仮想在イラン大使館」開設=ネット上で情報発信-米
 【ワシントン時事】米国務省は6日、イラン国民への情報発信を目的に、インターネット上に「バーチャル(仮想)在イラン大使館」を立ち上げた。ペルシャ語で米国の政策や文化、留学の情報を提供し、イラン国民との直接対話を目指す。
 仮想大使館では、渡米のためのビザ申請もオンラインで受け付ける。「駐イラン大使」は置かないが、ペルシャ語を話す広報官のブログや交流サイト(SNS)のフェイスブック、簡易ブログのツイッターなどを駆使し、交流を図る。≫(時事通信)
 ≪ 米の仮想大使館サイト遮断=「大悪魔の謀略」と批判-イラン
 【カイロ時事】イラン当局は7日までに、国交のない米政府がインターネット上に立ち上げた「バーチャル(仮想)在イラン大使館」へのアクセスを遮断した。米国はペルシャ語で米国の政策や文化、留学情報を提供し、イラン国民との直接対話を促したい考えだった。
 AFP通信によると、イランではサイトにアクセスできず、「コンピューター犯罪法に基づき、このウェブサイトへのアクセスは不可」との文言が掲載された。国会外交政策・国家安全保障委員会のボルジェルディ委員長は「仮想大使館の開設は大悪魔による新たな謀略だ」と批判した。≫(時事通信)

  ≪ 米国戦略:米国アジア重視発言。この中ウォルト教授一日FPで「オフショアー・バランシングという考え方が、オバマ政権で有力になってき」たとの指摘あり。オフショアー・バランシングは「特定の大国が、想定される敵国が力をつけてくるのを、自分に好意的な国を利用して抑制させる」という概念。超大国が実際に自己の軍隊を展開せずに影響力を保とうとする考え方。歴史的にみると大英帝国が欧州大陸に使用。1930年代、米国が英国等に 武器を供与。第二次大戦初期、米国は直接戦場で戦う戦闘員になっていない。ナチと戦う英国を間接的に助け、民主主義の武器庫となった。これもオフショアー・バランシング。一九八〇年代イランのイスラム原理主義の中東地域への拡大懸念。米国はイラン・イラク戦争でイラクを支援。これもオフショアー・バランシングの例。今日、このオフショアー・バランシングを東アジアに適用の提案。つまり、台頭する中国に対し、自ら戦闘するのではない。敵は中国である。米国はこの日本を支援する形をとる。敵対的行動、戦闘するのは日本である。南沙諸島で比、越を利用するのも同じ。海兵隊基地を豪に展開するのも同じ。言葉は綺麗だが、傀儡政権を自国国益に利用するという概念。≫(孫崎 亨ツイッターまとめ)

 スティーブン・M・ウォルト氏はアメリカの国際政治学者。1983年、カリフォルニア大学バークレー校から博士号取得(政治学)後、プリンストン大学助教授、シカゴ大学准教授・教授を経て、現在、ハーバード大学ケネディ行政大学院教授。博士論文である The Origins of Alliances. では、同盟の形成において、勢力均衡(balance of power)ではなく、脅威均衡(balance of threat)が大きな役割を果たしていることを明らかにした。所謂、“オフショア・バランシング”こそ米国のとり得る最大の武器だと主張している。2003年のアメリカのイラク攻撃に際して、ジョン・ミアシャイマーらとともに、現実主義の立場から、イラク攻撃がアメリカの国益にそぐわないと批判した。

 ブッシュ政権ではナイ教授らのネオコン勢力が幅を利かせたが、此処に来てオバマ政権は、このスティーブン・M・ウォルト氏の“オフショア・バランシング”論を採用、軍事外交を展開しようとしているようだ。つまり、ナイ教授やCIA、ジャパンハンドラーズのネオコン勢力とは一線を画した方向の外交軍事指向を深めていると思われる。

 この事は、アフガン、イラクの米軍撤退戦略とパキスタン・トルコ・その他中東各国との脅威均衡を目指しているようだが、イランとの脅威均衡の対応は、シリアの不安定化、その他中東の民衆の火種状態と北アフリカのイスラム化が進行するなか、どのようにウォルト氏の“オフショア・バランシング”を成就するのか、綱渡りといえるのだろう。

  アジアにおいては、中国が地域の覇権国となり得ると仮想、その対応を行おうとしている。孫崎氏が指摘するように、あくまで原則的にだが、中国に対し、東アジアにおける牽制は日本と韓国にやらせ、南シナ海における牽制はフィリピンとべトナム等々に担わせようとしている。つまり、“オフショア・バランシング”という考えの根底には、背広の裏に持つマグナムをちらつかせ、子分どもに仮想敵国を牽制させ、自国は面と向かって戦争の火ぶたを切らない、戦禍に巻き込まれない、トンデモナイ戦略を持っているのだ。”人の褌で相撲を取る“如きである。

 そのお先棒を担ぐのが野田佳彦だが、野田がどこまで“オフショア・バランシング”を理解しているか定かではない。ただ前原・長島らネオコン勢力とは思惑が異なっている可能性は大いにある。つまり、隷米では同一線に存在するが、オバマの“オフショア・バランシング”外交軍事戦略において、前原・長島らのネオコンは排除されつつあるのだと思われる。ナイ教授・CIA・アーミテージらジャパンハンドラーズと、キッシンジャーが一線を画している点が注目なのだろう。タダいずれにしても、対中戦略に我が国が利用されるだけの事実に変わりはない。

 筆者が此処で思い出すのが、小沢一郎の「米軍駐留は最終的に第七艦隊だけで構わない」と云う話と繋がるのが非常に興味深い。小沢は米軍撤退後の穴は自衛隊が当然埋めると主張しているわけだから、オバマが選択している“オフショア・バランシング”に適う軍事的バランスについて主張していたわけである。ただ、鳩山・小沢政権において問題になったのは、どうも鳩山のパイプがロシアに太く、仮想敵国を中国にする“オフショア・バランシング”の脅し相手が、地域における覇権国家が二つ生まれる厄介さを抱えた為かもしれない。軍事戦略が絡むと、どうも政治を観察する為に複合視野が求められ、疲れる事夥しい。

 最近、米国の有力政治家が「“普天間基地問題”によって、折角の日米同盟にヒビを入れる愚はないだろう。海兵隊の沖縄撤退で、米軍のプレゼンスが異常に低下するとは思えない」等々の発言をしたようだが、鳩山由紀夫も突然「普天間基地移設先、今でも国外、最低での県外の可能性を探るべし」なんて事を口にし出した背景には、上述のオバマの外交軍事戦略が、ナイ教授からウォルト教授にチェンジしたことを示唆しているのかもしれない。そう云う意味で、小沢一郎が強く、米国軍事力の空白を自衛隊が十二分に埋めるべき論を展開する事と符合する。あくまで大きな仮説だが、早目に小沢一郎の立場が急転直下、好転することがあり得るのかもしれない。ただ、鳩山は封印されるのだろう。



米国世界戦略の核心―世界は「アメリカン・パワー」を制御できるか?
スティーヴン・M. ウォルト
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野田首相“増税に不退転の決意” 素案が不成立なら退陣という事だな!

2011年12月06日 | 日記
経済成長なき社会発展は可能か?――〈脱成長〉と〈ポスト開発〉の経済学
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野田首相“増税に不退転の決意” 素案が不成立なら退陣という事だな!


  朝日新聞によると、野田佳彦は“年内めど”(本心、年内は無理だと思っているようだ)に、安住淳財務相や民主党の輿石東幹事長らに 「消費税増税(2010年代半ばまでに税率10%とした)6月の成案を具体化し、超党派の議論に付す素案をとりまとめてほしい。私はこの改革に不退転の決意で臨む」と宣言、且つ命じたらしい。

 野田君の退路を断つ、増税への心意気は敬服に値する。彼の「国民が疲弊しようとも、国家が生き残る“国益”」を堅持する事が、我が内閣の務めである、と云う政治姿勢は呆れてしまうが、“どぜう”なりの矜持なのだから、それはそれで、立派と認めてやろう。筆者には、その程度の度量はある。(笑)ただ、不退転なのだから、民主党内さえ纏めきれない時は、安住や輿石の首を切る腹は出来ているのだろうね?当然最後には、自らの首を切る覚悟も出来ているのだろう。このような国民にとっての重大事、有耶無耶は許されない。

≪ 消費増税の素案「年内めど」 首相「不退転の決意」宣言
 野田佳彦首相は5日、消費税率10%への段階的な引き上げ時期や税率を明記した「素案」を年内をめどに取りまとめるよう政府・与党に指示した。素案をもとに野党に協議を呼びかけて「大綱」をまとめ、年度内に消費増税法案の国会提出をめざす。首相が正式に指示したことで消費増税の議論が本格化するが、与党内の異論は強く、調整が難航するのは必至だ。
 この日、消費増税や社会保障改革案を最終決定する「政府・与党社会保障改革本部」の初会合が開催された。首相は安住淳財務相や民主党の輿石東幹事長らに 「(2010年代半ばまでに税率10%とした)6月の成案を具体化し、超党派の議論に付す素案をとりまとめてほしい。私はこの改革に不退転の決意で臨む」と宣言した。政権内には13年秋以降に税率を7~8%に引き上げ、15年に10%にする案が浮上しており、これらを素案に盛り込めるかどうかが焦点だ。低所得の人ほど負担が増す「逆進性」への対応も検討課題とすることを確認した。
 だが、首相が消費増税実施前の衆院解散・総選挙の意向を示しているため、与党には慎重論が広がる。党内最大勢力の小沢一郎元代表のグループが増税反対の署名集めを始めたほか、政権運営の司令塔である「政府・民主三役会議」でも、メンバー6人のうち小沢氏に近い輿石幹事長ら3人が年内決着に慎重姿勢だ。≫(朝日新聞)

 さてところで、菅直人も野田佳彦も念仏のように「財政再建なくして成長なし」と財務教の教祖・勝次官の経典を懐に、財務省の官僚らのアンチョコ頼りに永田町を歩いているのだが、彼らの重大な間違いは、日本に“経済成長”がまだ残されている、と云う幻想にこだわっているからなのだろう。経済評論家やエコノミストらも、日本の経済成長が何処かに存在しているのに、それが隠れているのを表舞台に出さなければならない、と云うのが論理だ。筆者は、財務省の役人どもは、実は日本の“経済成長”が既に幻になっている事を知っているのだと思う。

  にも拘らず、「財政を健全化することで、政府は思い切った経済成長政策が打てるわけで、プライマリー・バランスを気にしながらの成長戦略はインパクトに欠け、決定打を打てない。そこで、先ずは財政再建の道筋をつけた暁には、首相!思い切った成長戦略を首相の手で行ってください!」等と民主党のお馬鹿二代を洗脳、マインドコントロールまで至らせたのだから、官僚もなかなかなものである。まぁ、菅と野田がことの他、お馬鹿だと云うことかもしれない。

 筆者の、“日本の経済成長糊代ゼロ説”等を唱えると、ブログのアクセス数が激減する。経済成長を求めるあまり、自己コントロールのつかない、米国と云う暴力団が控える太平洋の海原に出航するなど狂気。“原則鎖国的発想説”など唱えるコラムに至っては、バカ呼ばわりのコメントで溢れる始末だ。

 気持は判る気がする。筆者の観察力が正しい限り、老いたる者や教養のない者、知識が欠けている者達は、逆切れヒステリックに叫び出す。多分似たような現象なのだなと思う。「もうオマエ達はどん詰まりなんだよ、幻の成長なんてものに固執するから、常に誤った道に踏み込むのだよ」

 筆者のいう“どん詰まり”は安心して欲しいが、日本だけではない。先進欧米諸国すべてが“どん詰まり”な訳で、なにも一人ぼっちではない。ただ、現在経済が成長する事を前提に組み立ててあるパラダイムに属し、その秩序維持に汲々となっている既得権益勢力は、ユーロ圏にせよアメリカにせよ、我が国の既得権勢力にせよ、同様に震度8、マグニチュード10.0に襲われていると云う事なのだ。よくよく冷静に考えて欲しいものだ。経済成長の原動力は何か?あらゆる意味での“飢餓”である。

 此処でいう、“飢餓”とは絶望的飢えである。この絶望的飢えとは言い難い国民が構成する国家や地域の経済成長は、それは原動力がないのだ。無理やり作る原動力が、戦争にいる破壊や大災害、ウィルスによる人類壊滅的被害と云う事になる。ないもの強請りすると云う事は、結果的に前述のような状況を望むことにもなりかねないわけである。筆者は、人間は表層的現象的に問題に捉われ過ぎて、根源的問題を蔑にしているような気がして仕方がない。

 まぁ筆者如きが、心配してもはじまらないことだが、幻想に捉われている故に、金融資本主義等と云うモンスターが生まれるわけで、あれはノーベル経済学者らのゲームに過ぎないのだ。その単なるゲームに国家の存亡と国民の命運を掛けたのだから怖ろしい幻想ゲームである。だいたいが、当たり前のように信じている成長し続けなければならない国家経済。それは単なる自転車操業そのものである。ありもしない欲求を虚構で作り上げ、その欲求を満たすビジネスを創造する。そりゃアンタ、絶対に限界が来るに決まっている。


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野田のバンザイ突撃 国民を巻き添えにするな、勝栄二郎と心中せよ

2011年12月05日 | 日記
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野田のバンザイ突撃 国民を巻き添えにするな、勝栄二郎と心中せよ


 ≪ 野田氏の「捨て石」発言:まさに “バンザイ・アタック” ですねぇ・・・。 性質(タチ)が悪いのは、敵ではなく味方(国民)に向かって特攻している点でしょう! www ≫メル友から上記のような便りを貰った。本当に、野田の頭と云うか、心は、正常人では理解しがたいモノのようである。野田君の前の総理も、相当に異常だったが、今度の方がのっぴきならない道に向かうようでヤバイ。

 4日ILOアジア太平洋地域会議で野田君は「少子高齢化のもとでも持続可能な社会保障制度を確立させ、地域全体のモデルとしたい」と社会保障と税の一体改革実現を強調したと云う。その上、グローバル経済で格差拡大が進み、中間層の危機が生じている。故に「分厚い中間層を復活させる」と言ったようだが、野田君の消費税増税で、どう云う“風が吹けば桶屋が儲かる”仕組みなのか、全然理解出来ない。せめて妄想5段論法で結構なので、“野田勝”の国賊的国益主義者の論の展開を国民的に披露して貰いたい。安住では困る、訛りが強くて意味不明になる。

  時事通信に至っては、配信記事自体がヒッチャカメッチャカ。主語も述語も目的語も、てんでんばらばら、筆者のコラム並である。(笑)朝日と日経、毎日は、この意味不明の論理演説がヤバイと思ったかネット上、記事自体が見当たらない。

 ≪ 首相、一体改革への決意強調=中間層支援へ安全網確立 野田佳彦首相は4日午後、京都市で開かれた国際労働機関(ILO)アジア太平洋地域会議で演説し、「少子高齢化のもとでも持続可能な社会保障制度を確立させ、この地域全体のモデルとしていきたい」と述べ、消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革を 取りまとめる決意を強調した。
 首相はわが国の社会保障制度について「高度成長期の日本の『分厚い中間層』を支えてきた」と指摘。しかし、世界中 で「社会の二極化」「格差社会」が進んだ結果、その中間層が危機に直面しているとの現状認識を示した。
 その上で、格差拡大の一因とされるグロー バル化に言及。「新興諸国で急速に育ちつつある新たな中間層は大きな市場を生み出す原動力」とし、中間層支援に向け、雇用面などでのセーフティーネットの 確立が重要と訴えた。≫(時事通信)


 演説上手のめりはり声音でフルオープンの記者会見、“野田勝・国賊的国益主義の論”を聞かせて貰わない事には、国民的議論など出来るわけもない。なぜ、野田勝論で中間層が復活活性化するのか、見当もつかない。笑える論理に違いないだろうが、聞かずに誹謗中傷も正義に劣る。先ずは“風が吹けば桶屋が儲かる”仕組みを国民に知らせるのがリーダーの責務だ。“捨て石”になる前に、どうして財務教の信者になったのか、カミングアウトするべきである。

 この野田の社会保障と税の一体改革で中間層が復活活性化する理屈を、どのマスメディアも理解出来ずに報道している。記者クラブの金太郎飴報道に徹し、解説が加えられている社が一つもない。つまり、マスメディアも、なぜ社会保障と税の一体改革で、我が国の中間層が復活活性化するか判っていないのだ。経済的メカニズムが理解できていないのに、財政再建は待ったなしとか、現役世代で解決をとか、日本人の一番弱い“美名の標語政治”と云うプロパガンダ政治を実践している。

 昨日のプロパガンダ報道の続きだが、読売が「韓国、原発2基の新設許可…福島第一事故後で初」とトピックスで報道。韓国嫌いの勢力の焦りを誘っている。韓国は着々と原発開発に力を注ぎ、海外輸出にも一段と力が入る。安い電力で競争力を高めているよ。その上、日本海側にだよ。事故が起きたら、韓国国内より日本海側の我が国の方が被害甚大と云う焦りを狙った報道かも?流石に、そこまでは書いていないが、(笑)韓国嫌いなら食いつくような話題だ。

 ≪「海外事業を強化・拡大」…最高の87%に国際協力銀行が集計した国内製造業の海外事業展開に関する調査によると、今後3年で海外事業を「強化・拡大する」と答えた企業は全体の87・2%にのぼり、1989年の調査開始以来、最高となった。一方で、国内事業を「強化・拡大する」と回答した割合は25・9%と過去最低を更新した。歴史的な円高や国内市場の低迷が、企業の海外志向を強めているようだ。
 海外への投資意欲が強い業界は、化学(92・1%)や自動車(91・6%)などで、事業展開先で有望な国としては中国、インドにタイ、ベトナムが続いた。
 国内事業については、全体の62%が「現状維持」と回答した。だが、東日本大震災で工場などが被災した「化学」や「電機・電子」の業種では、国内事業を「強化・拡大」すると答えた企業の割合が大きく減った。≫(読売新聞)

 これもプロパガンダ要素が加わった報道だ。素直に読めば、日本の企業は、新規設備投資に熱心だが、国内市場から海外市場へ、明確にシフトしている、と云う事だ。つまり、企業の海外志向が強くなって、産業の空洞化が顕著になると言っている。故に、法人税等の優遇税制が今以上に必要だし、財政再建と円高対策が必要だと云う論理になる。労働者の賃金も、海外との格差をなくし、一層の労働市場の自由化が急務で、ワーキングプワー増産に精を出さなければならない政策へのアリバイとなる。

  最後になるが、石川ともひ議員の日記が面白い。
≪ 一川防衛大臣問責か
一川大臣の問責がにわかに高まってきている。大臣就任当初も「素人だから」と発言し問題発言と指摘され、ブータン国王の晩さん会欠席も叱責を受けたばかりであった。
沖縄少女暴行事件の詳細について知らないと発言したことがきっかけとなったがある程度の概要は知っていたと思うが詳しくは知らないということでの発 言ではないかと思う。質疑通告が出ていたのであれば事務方の責任に負うところもあると思う。
自由党に所属していたので昔から知り合いではあったが親しくしていたわけではないので人となりはあまりわからないが実直な方というイメージだ。農林水産省の官僚であったので農水に詳しい議員であるので防衛大臣になったことは驚きであった。しかし門外漢の人間が就任することにより思い切った 政策を実行できる場合もある。特に問題とは思っていない。
しかし解せないのは山岡大臣はもともと叩かれることが噂されていたポストを提示され、一川大臣も門外漢のポストを提示されている。小沢グループは使 えないというイメージを植え付けようという事ではないと思うが疑問は残る。≫(ともひろ日記:石川ともひろ)

 筆者は、防衛省が一川大臣の追い落としを画策したと推測しているが、石川氏の推論も該当するのだと思う。そもそも、意図的に問題が起きそうな小沢グループと目される二人を、大臣に抜擢し、党内融和のかたちを作った。いかにも、仙谷と云う男が考えそうな姑息な布陣だ。皆さん、おわかりになりましたか、小沢派の政治家ってこう云う人達なのですよ。よ~く考えておいてくださいね、と云う民主党Bのメッセージかもしれない。



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無意識につかう“プロパガンダ”について 日本のマスメディアに当て嵌めて

2011年12月04日 | 日記
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無意識につかう“プロパガンダ”について 日本のマスメディアに当て嵌めて



 今日は以下のような記事がマスメディアのネット記事で目についた。野田佳彦が、どのような心境で国難に対応する為に“捨て石”になりたいのか、皆目見当もつかない筆者だが、野田は国家国民の為に“捨て石に”なるらしい。当然、国家国民の為であるなら、民主党など如何様になろうとも、知ったことではない、と云う救世主並の決意なのであろう。ありがたいお話と云うか御決意である。

  TPP、消費税増税、辺野古基地建設の3点セットが国家国民の為だと信じているのだから、野田君は野垂れ死にしても本望だろう。しかし、この3点セットによって、実害を蒙るであろう国民の立つ瀬は、如何様に取り計らってくれるのだろう。彼の捨て石戦術が一部でも実りあるものになった時、野田君は当然内閣総理大臣ではなくなっているだろうから、腹でも掻っ捌いて国民に懺悔してくれるのか?いや~、野田君の懺悔で実害が救われることもないわけだから、此処は、野田君が何も出来ずに総理の座を降りるような乱暴狼藉を行うしかないのだろう。

  一川防衛大臣の問責問題だが、彼に問題が多少あるとしても、今起爆剤となっている、防衛省局長の“犯す前発言”で大臣更迭。一見責任の所在を明確にすると云う理屈はあるのだが、チョイと待ってくれ、の感じもある。なぜなら、各省庁が、自分らの省益に反する大臣は、局長クラスが意図的に問題発言をすることで、誰でも更迭する事が可能ということになる。つまり、役人による政治家・政権のコントロールが可能と云う重大な問題が内在している事に充分留意するべき、と語るジャーナリストが居ないのは、鈍感社会とか幼児化が蔓延していると云う事だろう。鈍感や幼児化社会を構成する上で、プロパガンダと云う大衆誘導手法は看過できないもののようだ。

 そう云う意味で、今日は敢えて、基本的話題をほじくり出した。プロパガンダについてだ。筆者なども、常識的概念となっていると思い込んで、日常的に駆使する言葉だが、少々確認しておく方が良いのかな、と思った次第。特に、内閣府調査を、なぜ今発表しなければならないのか?このことから、洗脳、大本営発表を考えるきっかけになればと思いたった。教養深い人々には“釈迦に説法”は承知の上である。

 ≪ 米国に親しみ、最高82%=「トモダチ作戦」好感-内閣府調査 内閣府が3日発表した「外交に関する世論調査」によると、米国に「親しみを感じる」と答えた人は、「どちらかというと感じる」を合わせて82.0%となった。昨年の前回調査と比べ2.1ポイント増で、1978年の調査開始以来最高。政府は「東日本大震災の際の米軍の『トモダチ作戦』を通じ、多くの国民が日米関係に特別な絆があると感じたのではないか」(外務省)としている。 調査は9月29日から10月16日まで全国の成人男女3000人を対象に実施。有効回収率は63.7%だった。 米国に「親しみを感じない」は6.4%(前回比0.2ポイント減)、「どちらかというと感じない」は 9.1%(同2.7ポイント減)で、合わせると15.5%(同2.9ポイント減)だった。≫(時事通信)


■プロパガンダ ≪ プロパガンダ (propaganda) は、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する宣伝行為である。通常情報戦、心理戦もしくは宣伝戦、世論戦と和訳され、しばしば大きな政治的意味を持つ。最初にプロパガンダと言う言葉を用いたのは、カトリック教会の布教聖省 (Congregatio de Propaganda Fide) の名称である。ラテン語の propagare(繁殖させる)に由来する。

★概念
利益追求者(政治家・思想家・企業人など)や利益集団(国家・政党・企業・宗教団体など)、中でも国民が支持しているということが権力の正当性であると主張する各種政体の国家において国民の支持を勝ち取り維持し続けるためのプロパガンダは重要なものとなる。自勢力やその行動の支持を高めるプロパガンダのほかに、敵対勢力の支持を自らに向けるためのもの、または敵対勢力の支持やその行動を失墜させるためのプロパガンダも存在する。本来の意味でのプロパガンダはこうしたものであるが、政治的目的を達成するためのプロパガンダは封建主義を否定・抑制する国民国家の台頭が見られ始めた20世紀初頭より多く用いられてきた。ソビエト連邦やナチス政権下のドイツ、アメリカなどの国策プロパガンダは大規模かつインパクトの強いものであったことで、プロパガンダの代表例として語られることが多い。そのためプロパガンダという言葉を国策宣伝に限定したり、虚偽や誇張といったネガティブなイメージを持って使用されることも多 い。

★プロパガンダ技術の種類
1. レッテル貼り - 攻撃対象となる人や集団、国、民族にネガティブなイメージを押し付ける(恐怖に訴える論証)。
2. 華麗な言葉による普遍化 - 対象となる人物や集団に、多くの人が普遍的価値を認めているような価値と認知度を植え付ける。
3. 転移 - 多くの人が認めやすい権威を 味方につける事で、自らの考えを正当化する試み。
4. 証言利用 - 「信憑性がある」とされる人に語らせる事で、自らの主張に説得性を高めようとする(権威に訴える論証)。 5. 平凡化 - コミュニケーションの送り手が受け手と同じような立場にあると思わせ、親近感を持たせようとする。
6. カードスタッキング - 自らの主張に都合のいい事柄を強調し、悪い事柄を隠蔽する。本来はトランプの「イカサマ」の意。情報操作が典型的例。マスコミ統制。
7. バンドワゴン - その事柄が世の中の権勢であるように宣伝する。人間は本能的に集団から疎外される事を恐れる性質があり、自らの主張が世の中の権勢であると錯覚させる事で引きつける事が出来る。(衆人に訴える論証) J.A.C.Brownによれば、宣伝の第一段階は「注意を引く」ことである。具体的には、激しい情緒にとらわれた人間が暗示を 受けやすくなることを利用し、欲望を喚起した上、その欲望を満足させ得るものは自分だけであることを暗示する方法をとる。 またL.Lowenthal,N.Gutermanは、煽動者は不快感にひきつけられるとしている。

★国家運営におけるプロパガンダの歴史
国家による大規模なプロパガンダの宣伝手法は、ロシア革命直後のソ連で 急速に発達した。 レーニンは論文で プロパガンダは「教育を受けた人に教義を吹き込むために歴史と科学の論法を筋道だてて使うこと」と、扇動を「教育を受けていない人の不平不満を利用するための宣伝するもの」と定義した。レーニンは宣伝と扇動を政治闘争に不可欠なものとし、「宣伝扇動」(agitprop)という名でそれを表した。このレー ニンの理論に基づき、ソビエト共産党をはじめとする共産陣営はかつて無い規模の宣伝活動を行った。そのためソ連は「世界初の宣伝国家」とも呼ばれる。 1930年代にドイツの政権を握った国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)は、政権を握る前から宣伝を重視し、ヨーゼフ・ゲッベルスが創刊した「デア・アングリフ」紙や、フェルキッシャー・ベオバハター紙による激しい言論活動を行った。また膨大な量のビラやポスターを貼る手法や、突撃隊の行進などはナチス党が上り調子の政党であると国民に強く印象づけた。ナチス党が政権を握ると、指導者であるアドルフ・ヒトラーは特にプロパガンダを重視し、ゲッベルスを大臣とする国民啓蒙・宣伝省を設置した。宣伝省は放送、出版、絵画、彫刻、映画、歌、オリンピックといったあらゆるものをプロパガンダに用い、ナチス党に よるドイツとその勢力圏における独裁体制を維持し続けることに貢献した。第二次世界大戦中は国家の総動員態勢を維持するために、日本やドイツ、イタリアなどの枢軸国、イギリスやアメリカ、ソ連などの連合国を問わず、戦争参加国でプロパガンダは特に重視された。終戦後は東西両陣営の冷戦が 始まり、両陣営はプロパガンダを通して冷たい戦争を戦った。特に宇宙開発競争は、陣営の優秀さを喧伝する代表的なものである。 2000年代に大韓民国は『中国と日本の歴史歪曲に対処して韓国を世界に広報する』などと称した活動を行っているVANKなどに大統領命令で支援を行っている。

★国策プロパガンダ
宗教組織や企業、政党などの組織に比べて、強大な権力を持つ国家によるプロパガンダは規模や影響が大規模なものとなる。国策プロパガンダの手法の多くはナチス体制下のドイツ、大東亜戦争直前・戦中の日本、太平洋戦争直前・戦中のアメリカ合衆国、革命下のロシアやその後のアメリカ合衆国、ソビエト連邦、中華人民共和国など全体主義・社会主義の国などで発達した。これらの国では情報活動が国家によって統制・管理されるため、国家による国内に対するプロパガンダは効率的で大規模なものとなる。どのような形態の国家にもプロパガンダは多かれ少なかれ存在するものだが、社会主義国家やファシズム国家、開発独裁国家など、情報を国家が集中して管理できる国家においては、国家のプロパガンダの威力は強大なものがある。 また、特定のグループが政治権力とメディアを掌握している国でも同じ事が起こる。 こうした国家では、国家のプロパガンダ以外の情報を入手する手段が著しく限られ、プロパガンダに虚偽や歪曲が含まれていたとしても、他の情報によって情報の精度を判断することが困難である。 さらに、こうした国家では教育とプロパガンダが表裏一体となる場合がしばしば見られる。初等教育の頃から国民に対して政府や支配政党への支持、ナショナリズム、国家防衛の思想などを擦り込むことにより、国策プロパガンダの威力は絶大なものとなる。しかし、こうした国家では情報を統制すればするほど、また国内向けのプロパガンダが効果を発揮すればするほど、自由な報道が保障されている外国のメディアからは疑惑の目で見られ、そのプロパガンダが外国ではまったく信用されない、という背理現象もおこりうる。また、国家のプロパガンダは国家、政府機関、政党などが直接手がけるとは限らない。民間団体や民間企業、個人が自主的、受動的、または無意識に行う例もある。

★使用されるメディア・媒体
プロパガンダには様々なメディア・媒体が利用されるが、マスメディアは、一度に多くの対象に強烈なメッセージを送ることができるため、プロパガンダの要として最も重要視されている。権威主義的国家では、マスメディア(インターネットメディアを含む)に対する様々な統制が行われ、実質体制の宣伝機関となっているところもある。自由主義国家では利益関係はさらに複雑なものがあり、体制からの圧力だけではなく、私企業・外国・政党・団体の影響を受け、自主的にプロパガンダを行うこともある。また、新聞社や雑誌社、テレビ局のスタッフ等の個人的信条が影響を与えることがある。

★新聞報道・出版の手法
言論統制により新聞や 書籍でもプロパガンダ的手法がとられる場合がある。第二次世界大戦中の日本の朝日新聞やイギリスのタイムズ紙などが行った例では、記事の構成や社説などを操作し、対象への印象を悪化させたり、好ましい印象を与えたりする。1958年に は戦争翼賛の反省から反権力となった朝日・毎日・読売に対抗するため、経営が傾いた「産経時事」へ財界が財政援助を行ない、その代償として「産経新聞」に方針転換させた。国家が書籍を検閲し、発禁処分等を行うことで反対意見を封殺することもある。ナチス政権下のドイツの焚書が代表的である。内外を問わず白書、各種政党機関紙や団体の宣伝冊子、国営新聞や政党新聞はその政党の主張に則った報道を行うが、民間の新聞でもその新聞社の思想的背景や株主や広告主などの資金源、または個人的信条からプロパガンダとなる報道を行うこともある。アメリカでは新聞社も、立場が保守とリベラルに分かれることが許容されており、またそれが当然視されている。また、政府のみならず企業によっても、意図的な言葉や単語の言い換え、使い換えも行われる。たとえば、第二次世界大戦後のドイツにおいては、ナチス党が自由選挙によって(つまりドイツ人の意志として)選ばれたにもかかわらず、「ナチス政権下において行われたことはナチス党とその関係者のみが行ったこ とで、ドイツ人の総意として行われたわけではない。つまり、近隣諸国やユダヤ人のみならず、ナチス党政権下のドイツ人もまた被害者である」という理論のすり替えがなされ、それを象徴する言葉として、「ナチス・ドイツ」という造語が「ドイツ」という国家と切り離されて使われ、結果的にこの理論を手助けすることとなっている。
また、全日空機高知空港胴体着陸事故においては、事故の原因が全日空にあるのか、それとも製造会社のボンバルディア社にあるのかがまだ判らない事故直後にもかかわらず、マスコミ報道における見出し上では「全日空機胴体着陸」ではなく、「ボンバルディア機胴体着陸」と表記されることが多かった(日本では過去の国内における航空事故でこの様に航空会社の社名が見出しに表われないケースはほぼ皆無であり、通常は航空機事故の場合の表記は主として「航空会社(+便名)」が見出しに来るか、「航空会社名+機種名」が見出しに来る)。さらに、事故発生当初より全日空の首脳部が、「(子会社 の)エアーセントラル運航」であることを強調していたこともあり、莫大な広告費(=広告主という立場)を背景にした企業のメディアに対する圧力による事故報道の意図的な誘導ではないかと指摘されている。≫(ウィキペディア抜粋)



日本人の性格構造とプロパガンダ
ジェフリー ゴーラー
ミネルヴァ書房



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悩ましさを増してゆく小沢一郎の選択 隷米・隷官化する野田との共存

2011年12月03日 | 日記
ふだん着の原敬 (中公文庫)
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悩ましさを増してゆく小沢一郎の選択 隷米・隷官化する野田との共存


 小沢一郎の政治的立ち位置が想像以上に早く展開している。けっして小沢にとって好ましい状況ではないだろうが、現実の政治状況は緊迫性を増している。拙コラム11月22日付「小沢一郎、世界経済のリスクから増税拒否は明確 年末大政局もあり得る」 で触れたように、小沢一郎が自らの公判に先立ち冒頭陳述した“司法への挑戦的声明”を表明した事実は、民主党においては、自民党と異なり、行政権内部への総理大臣の裏指揮権が機能しない可能性を看破しているのかもしれない。

 つまり、野田佳彦が日本の三権分立は中学校の授業で教わったように正しく機能していると信じ込んでいるとなると、裏指揮権の発動など考えつかない惧れが多分にあることになる。総理が政治的示唆を法務大臣に伝えない限り、最高裁事務総局は、小沢陸山会事件の公判の進捗を、自民党時代の国策捜査のシナリオに沿って、粛々と進める可能性が充分にある。現在の野田佳彦の政治姿勢を観察する限り、国民にとって不利益な“国益”の追求に余念がないわけで、その姿勢に異論を唱える小沢一郎を、慇懃に裁かれることを望んでいる事はあっても、無罪放免になって欲しいと思っている欠片さえ感じられない。

 小沢は、このような状況になることを予感していたからこそ、“司法への挑戦的声明”を表明、所謂権力闘争を余儀なくされたと解釈する方が妥当だ。そうなると、来春3月末に出ると云う一審判決は、必ずしも小沢一郎の政治的立場に有利なものになる可能性は少ないと云う判断に傾く。石川議員らの証拠に基づかない推認判決が、平気でまかり通った事実が繰り返される可能性は大いにある。そういう推論が成り立つ以上、意味のないモラトリアムを続けておくことに、何のメリットもないことになる。

 苦痛のモラトリアム期間を今さら破棄するくらいなら、菅退陣の時点で、或いは関不信任案の時点で、という嘆きも出てくるが、政治的に機は熟していなかったのだろう。民主党を壊すほどの“大義”の存在が不明瞭だった。また、石川議員らの一審の判決が出ない時点で、決意するのは早計の誹りを受けかねない状況だった。石川、大久保らの推認有罪判決と水谷建設1億裏金が実存すると断じた判決の結果が、小沢一郎の政治的決断を容易にしたことも推測できる。

 TPPに関する小沢の姿勢は「自由貿易は必要だが、それに対して国内対策を充分に打たなければならない。また、タフ・ネゴシエーターの存在が必要だ」と、必ずしも真っ向野田総理の政治姿勢に反対はしなかった。TPP問題では民主党を壊すほどの“大義”の存在が不明瞭だった、と推察できる。TPPに関しては、米国との交渉が今後続くわけで、必ずしも決定的ではない。09年マニュフェスト時には、言葉さえなかったTPP、政治的大義としてはインパクトに欠けていた。しかし、消費税増税は、4年間増税しないと国民に約束したことであり、政治イコール税の配分といわれるほど重要な問題だと小沢が認識したと可能性は大いにある。

 ≪ 消費増税反対で署名集めへ=民主・小沢系が主導
 民主党の小沢一郎元代表を支持する同党議員が中心となり、野田佳彦首相が年内の政府・与党方針決定を目指す消費増税に反対する署名活動を始めることが2日、分かった。増税反対派が具体的行動に出ることで、消費税をめぐる党内対立が激化しそうだ。
 反対派は消費増税について、2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)に反するとして「政権交代の原点に返るべきだ」と訴え、阻止する構え。週明けにも署名集めに着手し、小沢グループ以外の党所属議員にも幅広く賛同を募る。≫(時事通信)


 上記の動きは、小沢一郎の此処1週間の民主党議員のパーティーや会合での発言内容から考え、小沢一郎本人の了解があったと推認して、良いのだろう。勿論、大義は「行財政改革の優先」、「政権交代の原点に立ち返るべきだ」「消費税、今上げる時期ではない!」が旗印だ。この署名活動に反対する議員は相当勇気があるか、次期選挙を放棄した議員である。勿論、踏み絵のようなニオイもあるので、反小沢議員は署名しない可能性もある。しかし、間近に選挙のニオイを感じ始めた議員の多くは、消費税増税賛成議員というレッテルを貼られることは、当然忌避したい。田中康夫議員の「新党日本」HPには、TPP参加阻止の署名活動賛同者・不賛同者名簿という形で公表しており、国民新党・日本新党も「消費税、今上げる時期ではない!」の署名にも積極的だろうから、不賛同者名簿の公表は明らかに選挙戦に不利になる。

  野田の絶対の強み、隷官・財務党であるが、その強みが弱味に変わる瞬間かもしれない。小沢の最近の言動を見ていると、消費税増税の前に、民主党はマニュフェストの約束通り、やるべきことを実行し、その努力と闘争を有権者に認知して貰った後で、“これこれしかじか足りないので、増税させて頂く”と、民意(民意とはあくまで選挙だ。野田の国民的議論という言葉は官僚用語で、御用学者集めて議論します。ヤラセのタウンミーティング等という類である)を問うべきだ、と反転攻勢に出る流れになっている。

 現時点ではあくまで民主党内、乃至は与党の範囲のようだが、当然このような動きを小沢が追認したと云う事は、民主党が一瞬にして野党になるインパクトが内在している事を示唆するものである。野田がそれでも財務省と心中すると言い張る限り、小沢としては、国民との約束をこれ以上意図的に放棄する政権は袂を分かつ選択をせざるを得なかったと云う“大義”を手にするだろう。当面は12月9日の臨時国会会期末が第一回の目安になるが、どのような段取りで署名活動が展開するか、当面のウォッチしていかなければならない活動だ。



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野田を観察していると小泉純一郎の再来を予感 容貌はあまりの違いだが

2011年12月02日 | 日記
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野田を観察していると小泉純一郎の再来を予感 容貌はあまりの違いだが



 筆者は野田佳彦の政治姿勢を“新種のファシズム”と揶揄したが、その兆候は日毎増進中である。野田と云う男が日本の総理大臣になってしまった原因は、09年の衆議院選の結果だ。鳩山由紀夫は明らかに政権交代時のマニュフェストを実行しようと七転八倒した姿を醜いまでに晒した。しかし、国民に提示した約束を実行する意志も行動も最低限守っていた。しかし、次なる菅直人と云う男は、鳩山からバトンを受けた途端に“消費税10%!”と見事に政権交代時のマニュフェストを破り捨て、挙句に参議院選で大敗北を喫した。

 そして次なる男が野田その人だ。もう野田に至っては、09年マニュフェストなど金輪際守る積りなどない。徹底的に米国の奴隷となっている霞が関官僚組織が敷いてくれる“売国赤絨毯”の上を今日も一人前な醜い顔で歩いている。米国に飼い馴らされた犬そのものの霞が関官僚組織が用意した“売国赤絨毯”の上を操り人形として歩いて、口をパクパクさせているだけの事である。

  彼の頭には何もない。大震災の復旧も財務省の協力で、予算さえ付けば何とかなるだろう。政治家として言い訳も成り立つ。その先は、官僚や地方自治体の長の能力に責任転嫁出来ると云う思考経路だ。福島原発問題などは、覆水盆に返らずで、ばら撒かれた放射能を吸収するなど出来る筈もない。出来る限り関わらないことだ、細野と枝野と東電に任せている姿勢を貫けば良いだけ。愚民などは“冷温停止”の言葉で充分騙せる。外野の学者がどれ程正しい知識見識を語ろうと、電通及び記者クラブで飼いならした“記者クラブ”を温存さえすれば、多勢に無勢、真実が明るみに出る心配はない。仮に、急性白血病が急増しようが、甲状腺異常が多発しようが、医学的データが揃うだけでも2~30年はかかる。その時の政権が対処することで、今の政権に痛痒はない。

 今の政権維持に必要な事は、一に米国から認知され、愛いヤツと思われることだ。アメリカの民主党にも共和党にも、ユダヤ金融マフィアにも、嫌われないことだ。日本の国民の事など真面目に考えたら、それこそ“国益”を損ねるだけだ。兎に角アメリカ様々の姿勢は、震度9が来ても揺るがしてはないない!その見本のような総理がいたではないか。小泉様はプレスリーの真似をして、ブッシュ家族に笑われ呆れられても、幇間を通したではないか。悪事の限りも歴史の中に埋もれさせるためには、米国の犬組織・霞が関官僚の言う事を、松下翁の教え通り、揉み手しながら米つきバッタ、丁寧語駆使、美辞麗句で乗り切るだけで勝利は我がものだ。

 宮内庁のハゲタ様が押しつけてきた「女性宮家」問題も、小泉様同様の姿勢で臨めばOK。あのハゲタ長官は思った以上の危険人物らしいので気をつけよう。TPPもグチャグチャ言って、国益だ~と言い続ければ良い。国益なんて、ひと夫々、百人百様、言い訳の言葉は幾らでもある。普天間移設も、辺野古に移せるわけはない。でも、移す努力を、し続ける事が大切だ。確実に、一歩一歩、滅茶苦茶小股でヨチヨチ歩けば良いだけさ。

  財務省には参ったよな、今この時期に“消費税増税”なんて俺にとっては自殺行為だよ。此処は、目一杯、増税路線をひた走る気が狂った総理を演じておけば良い。多分、小沢さんが恐喝的に止めてくれるはず。“党を割るぞ!”早く官邸に乗り込んでくれないかな?クリスマス前には来て欲しい。そうすれば、又小沢バッシングが激しくなり、悪いのは小沢でOK。当面の増税路線から僕は解放される。

 これが商人式国家操縦法、損して得とれ!面従腹背は官僚の得意技だけど、総理大臣も同じさ。米国に、官僚に、経団連に、マスメディアにね。だからと言って、特に政権交代時のマニュフェストに戻る気もない。戻ろうとしたら、国会が動かないのだから、僕の所為ではないよ。だいたいが、こんな憲法だから、国民から選ばれていない総理が官邸にのさばることが出来る。総理を選ぶ国会議員が嘘の公約で選ばれてきたのだから、笑っちゃう。これなら、選挙の時、滅茶苦茶愚民が喜ぶ政策並べれば良いだけだよね。純ちゃんじゃないけど、笑っちゃう。日本の民主主義って、こんなものなんだよね。愚民だらけだから楽チンチン。

  筆者の感想は、そもそも民主主義が政治体制として正しいのかどうか、最近疑問だらけになってきている。法治主義も疑問だらけになってきている。資本主義も怪しくなってきている。国家の存在も怪しくなってきている。つまり、悲観主義。厭世学入門でも読みたい心境だ。まぁ、筆者がコラムを書くのをやめても嘆く人は少ないだろうし、歓ぶ人の方が多いかもしれない。最近富みに、そのような気分に襲われるのも、野田と云う新種のファシズムのお陰である。その意味では、野田豚彦の価値はある(笑)



清らかな厭世―言葉を失くした日本人へ
阿久 悠
新潮社



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