世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

悩ましさを増してゆく小沢一郎の選択 隷米・隷官化する野田との共存

2011年12月03日 | 日記
ふだん着の原敬 (中公文庫)
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中央公論新社



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悩ましさを増してゆく小沢一郎の選択 隷米・隷官化する野田との共存


 小沢一郎の政治的立ち位置が想像以上に早く展開している。けっして小沢にとって好ましい状況ではないだろうが、現実の政治状況は緊迫性を増している。拙コラム11月22日付「小沢一郎、世界経済のリスクから増税拒否は明確 年末大政局もあり得る」 で触れたように、小沢一郎が自らの公判に先立ち冒頭陳述した“司法への挑戦的声明”を表明した事実は、民主党においては、自民党と異なり、行政権内部への総理大臣の裏指揮権が機能しない可能性を看破しているのかもしれない。

 つまり、野田佳彦が日本の三権分立は中学校の授業で教わったように正しく機能していると信じ込んでいるとなると、裏指揮権の発動など考えつかない惧れが多分にあることになる。総理が政治的示唆を法務大臣に伝えない限り、最高裁事務総局は、小沢陸山会事件の公判の進捗を、自民党時代の国策捜査のシナリオに沿って、粛々と進める可能性が充分にある。現在の野田佳彦の政治姿勢を観察する限り、国民にとって不利益な“国益”の追求に余念がないわけで、その姿勢に異論を唱える小沢一郎を、慇懃に裁かれることを望んでいる事はあっても、無罪放免になって欲しいと思っている欠片さえ感じられない。

 小沢は、このような状況になることを予感していたからこそ、“司法への挑戦的声明”を表明、所謂権力闘争を余儀なくされたと解釈する方が妥当だ。そうなると、来春3月末に出ると云う一審判決は、必ずしも小沢一郎の政治的立場に有利なものになる可能性は少ないと云う判断に傾く。石川議員らの証拠に基づかない推認判決が、平気でまかり通った事実が繰り返される可能性は大いにある。そういう推論が成り立つ以上、意味のないモラトリアムを続けておくことに、何のメリットもないことになる。

 苦痛のモラトリアム期間を今さら破棄するくらいなら、菅退陣の時点で、或いは関不信任案の時点で、という嘆きも出てくるが、政治的に機は熟していなかったのだろう。民主党を壊すほどの“大義”の存在が不明瞭だった。また、石川議員らの一審の判決が出ない時点で、決意するのは早計の誹りを受けかねない状況だった。石川、大久保らの推認有罪判決と水谷建設1億裏金が実存すると断じた判決の結果が、小沢一郎の政治的決断を容易にしたことも推測できる。

 TPPに関する小沢の姿勢は「自由貿易は必要だが、それに対して国内対策を充分に打たなければならない。また、タフ・ネゴシエーターの存在が必要だ」と、必ずしも真っ向野田総理の政治姿勢に反対はしなかった。TPP問題では民主党を壊すほどの“大義”の存在が不明瞭だった、と推察できる。TPPに関しては、米国との交渉が今後続くわけで、必ずしも決定的ではない。09年マニュフェスト時には、言葉さえなかったTPP、政治的大義としてはインパクトに欠けていた。しかし、消費税増税は、4年間増税しないと国民に約束したことであり、政治イコール税の配分といわれるほど重要な問題だと小沢が認識したと可能性は大いにある。

 ≪ 消費増税反対で署名集めへ=民主・小沢系が主導
 民主党の小沢一郎元代表を支持する同党議員が中心となり、野田佳彦首相が年内の政府・与党方針決定を目指す消費増税に反対する署名活動を始めることが2日、分かった。増税反対派が具体的行動に出ることで、消費税をめぐる党内対立が激化しそうだ。
 反対派は消費増税について、2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)に反するとして「政権交代の原点に返るべきだ」と訴え、阻止する構え。週明けにも署名集めに着手し、小沢グループ以外の党所属議員にも幅広く賛同を募る。≫(時事通信)


 上記の動きは、小沢一郎の此処1週間の民主党議員のパーティーや会合での発言内容から考え、小沢一郎本人の了解があったと推認して、良いのだろう。勿論、大義は「行財政改革の優先」、「政権交代の原点に立ち返るべきだ」「消費税、今上げる時期ではない!」が旗印だ。この署名活動に反対する議員は相当勇気があるか、次期選挙を放棄した議員である。勿論、踏み絵のようなニオイもあるので、反小沢議員は署名しない可能性もある。しかし、間近に選挙のニオイを感じ始めた議員の多くは、消費税増税賛成議員というレッテルを貼られることは、当然忌避したい。田中康夫議員の「新党日本」HPには、TPP参加阻止の署名活動賛同者・不賛同者名簿という形で公表しており、国民新党・日本新党も「消費税、今上げる時期ではない!」の署名にも積極的だろうから、不賛同者名簿の公表は明らかに選挙戦に不利になる。

  野田の絶対の強み、隷官・財務党であるが、その強みが弱味に変わる瞬間かもしれない。小沢の最近の言動を見ていると、消費税増税の前に、民主党はマニュフェストの約束通り、やるべきことを実行し、その努力と闘争を有権者に認知して貰った後で、“これこれしかじか足りないので、増税させて頂く”と、民意(民意とはあくまで選挙だ。野田の国民的議論という言葉は官僚用語で、御用学者集めて議論します。ヤラセのタウンミーティング等という類である)を問うべきだ、と反転攻勢に出る流れになっている。

 現時点ではあくまで民主党内、乃至は与党の範囲のようだが、当然このような動きを小沢が追認したと云う事は、民主党が一瞬にして野党になるインパクトが内在している事を示唆するものである。野田がそれでも財務省と心中すると言い張る限り、小沢としては、国民との約束をこれ以上意図的に放棄する政権は袂を分かつ選択をせざるを得なかったと云う“大義”を手にするだろう。当面は12月9日の臨時国会会期末が第一回の目安になるが、どのような段取りで署名活動が展開するか、当面のウォッチしていかなければならない活動だ。



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