世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“植民地化急加速” 野田政権何処へゆく 自民の奮起を促したい!

2011年10月25日 | 日記
ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
橋爪 大三郎,大澤 真幸
講談社



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“植民地化急加速” 野田政権何処へゆく 自民の奮起を促したい!


日毎夜毎、悪化していく民主党政権、ついつい今夜の見出しのような愚痴も出る。(笑)そりゃそうだろう、TPPの功罪がどうのこうのと言い立てても、交渉参加と云うハードルだけなら国会の議決も必要ないし、政権だけで結べる範囲なのだから、いわば治外法権のようなものだ。TPPにおいて、交渉参加と云うテーブルを設けた罠が功を奏している。ウ~ム、流石に謀略国家アメリカのやることはそつがない。褒めてどうすると言われそうだが、中々手が込んでいる。  

 思い出すに筆者が2010年5月7日に書いた≪町村信孝が合意した「日米同盟合意文書」が鳩山の決断の足枷に≫で触れているが、2005年に署名された「日米同盟・未来のための変革と再編」と云う条約で日米安保条約が驚くべき変質を遂げていたことを外務省も防衛省も充分に把握していなかった。日米安保条約が極東の安全、延いては日本の安全と米軍基地の駐留及び思いやり予算がバーターでセットになっていると受け取っている国民が多いはずだが、この町村・大野とライス・ラムズフェルドが取り交わした日米同盟の合意文書は、米国の世界戦略に日本も一致協力すると云う、トンデモナイ合意である。憲法違反、国連無視、米軍と一蓮托生に合意しているのである。この「日米同盟・未来のための変革と再編」と似たような国体を変質させる出来事が、常夏の国ハワイで、2週間足らずで起きようとしている。   

 野田が走りだした南スーダン自衛隊PKO派遣準備も武器輸出三原則の緩和も普天間移設に関する辺野古移転計画の強行姿勢も、上記の「日米同盟・未来のための変革と再編」において、殆ど約束された協定の履行に過ぎない、と云うのが外務防衛の主張なのだろう。オバマ政権の大統領再選に向けての形振り構わぬ行動は、自国民の不満を海の向こうに振り向けるしか手立てがなくなった証左のようだ。沖縄問題でも、パネッタ米国防長官は議会が海兵隊グアム移転の予算を通さないから、環境影響評価(アセスメント)の「評価書」を年内に提出しろと屁理屈をこねている。何でもいいから、目に見える政権運営の前進が欲しいのだと、オバマは希求している。野田はオバマの為に、今政権を運営する覚悟を強く持っている。  

 日本国家の米国植民地化が強化されようがされまいが、「国民生活に直ちに影響が出ない政策」の実行は平気の平左と云う事だ。その植民地と云う影響が国民生活を直撃する頃には、菅にしろ、野田にしろ、政治家でなくなっている可能性すらある問題を、野田は今を切り抜ける為にしようとしている。否、ハワイに行って、オバマに褒められたいだけ、と云う笑い話にさえ思える。米国には隷属恭順の意現し、経団連の命令に従属し、霞が関改革の遥か彼方、もう政権交代時の民主党マニュフェストの後退どころか、野党自民党の旧守右翼系勢力を飛び越え、米国が新たな宗主となる英連邦植民地政策回帰とみることさえ可能だ。  

 以上のような蛮勇を奮い続けようとする野田民主党政権の基盤が盤石か、と云うと全く逆、脆弱そのものだ。野党で冷や飯を食い続けるうちに、政権の奪還どころか、党運営に汲々としている姿を見ると、煽っても意味はなさそうだが、今こそ民主党政権を追い詰めるチャンスが目の前にぶら下がっていると気づかないのだろうか。たしかに、野田政権を追い詰めようとすると、自らの政権時の悪行、体たらくをなぞる痛みも伴うだろうが、攻めどころではないのか。谷垣ら執行部は“戦いは来年だ”等と逃げを打っているが、攻めどころ満載の今こそ、信を問え!と主張できる時である。  

 経済成長そっちのけで、ひたすら増税、デフレ脱却の入り口さえ探そうとしていない。国家運営の基本の基本も叶わず、米国一辺倒政策に現を抜かし、国民に増税だけを強いる。福島原発問題の処理も虚偽に満ち、大震災復旧復興を本気で実行しようとしていない。たしかに自民党でも似たりよったりの政策選択しか出来ないだろうが、折角の文句垂れが出来る野党という有利な立場ではないか。それを使わずに漫然と指を咥えるべきではない。こんな時に“政治とカネ”などで国民の溜飲を下げさせ、結果心ある国民から見放される愚を犯すべきではないのだ。今こそ、世に阿らず、米国一辺倒外交を指摘し、真の独立国としての姿、戦後から一貫して占領国米国と闘ってきた保守政治の矜持の観点から野田政権を追求すべきなのだ。  

 その主張の中に、政権交代時の民主党の「国民の生活が第一」に類した立場を主張し、稚拙な国民生活の堅持手法は国民の生活崩壊に繋がる。“TPP反対”“増税反対”“公務員制度改革の促進”“地方分権の加速”等々打ち出せば、今の民主党なら自民党は良い勝負が出来る。3次補正を早急に成立させ、一気に野田政権打倒に突っ走るべきだ。可能性はある。ただ、小沢一郎が自民党の動きに同調するかどうか、その辺を推し量る必要は大いにある。  

 理由は、自民党が撒いてしまった種だが、小沢の裁判の行方が定まっていないせいである。自民党も、目先の政権死守の為の、トンデモナイ間違いをしでかしたものだ。今になって、左翼と右翼が同居する仙谷・前原・枝野らに塩を送る結果になり、自民党と同質なモノを根本的に有する鳩山・小沢・亀井を外様に押しやる愚挙を行った。小沢が動かない可能性は、日本の裁判所が最高裁事務総局の意向に左右され、事務総局は時の総理の意向に左右されるのが実態なので、表立って小沢一郎は野田と闘いたくない苦しい事情を抱えている。もしかすると、自民党自体がその事を承知しているので動けないのかもしれない。そこまで、宗主国は植民地日本の事情をご存知と云うことかもしれない。


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内山 節
新潮社



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