世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●佐川・訴追の怖れ連発 ”世論を背に”野党、次の証人喚問へ 

2018年03月27日 | 日記

 

政策会議と討論なき国会 官邸主導体制の成立と後退する熟議 (朝日選書)
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朝日新聞出版

 

検察崩壊 失われた正義
郷原 信郎
毎日新聞社

 

竹中平蔵こそ証人喚問を
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七つ森書館


●佐川・訴追の怖れ連発 ”世論を背に”野党、次の証人喚問へ 


参議院予算委員会で、2時間に亘り佐川証人への、与野党質問時間が消化した。予想通り、予定調和に終始したわけで、自民党の丸川珠代(30分)などに至っては、誘導的に官邸の存在を消し去るための質問に終始して、国民への印象操作を試みていた。

公明、維新の質問も自民丸川同様に、まったくの消化ゲームというありさまだったが、これも予想通りだ。しかし、民進党の小川敏夫の質問も可もなく不可もないもので、野党らしさは微塵も見られなかった。小川の質問は、民進党の性格が如実に現れ、無色透明で意味不明な追及姿勢に終始した。

共産党小池晃が、どうにか質問らしい質問をし、佐川証人では埒が明かないので、次なる証人が必要になったと啖呵を切ったが、決め手には欠けていた。ヨイショ誘導尋問のような丸川の持ち時間が30分、立憲民主の福山は6分の短い時間で、貴方の証言の所為で、次なる証人が必要になったと宣告、与党との対峙姿勢を見せた。


まぁ、この調子だと、午後の衆議院の証人喚問も、同様に予定調和で退屈な時間が過ぎていくと予想される。佐川宣寿が、神の啓示でも受けて、急遽すべてを話すことで天国に行けるとでも思わない限り、佐川のような、事後処理業務に携わっただけの男から聞きだせる、森友事件の核心はないのだから、まぁこんなものかなと思う。

しかし、佐川宣寿のアフターライフプランは、根底から覆ったわけだが、それでも、官邸サイドを守り切る態度は、財務省官吏としての集団プライドと云う解釈をする論者がいるが、下衆な筆者は到底納得できない。仮に、筆者であれば、今後の大阪地検特捜の事情聴取を乗り切るミッションを含め、出来高払いで官邸に請求書を送付する気分になるだろう。“5億円”(NO TAX)程度なら手を打つだろう(笑)。


佐川の「訴追の恐れが」の連発は、予定通りだが、訴追と関わりのない部分においても、「訴追の恐れが」で切り抜けた。たしかに、“物言えば唇寒し秋の風”のような形になっている国会の証人喚問の規定なので、国政調査権の観点からも、捜査権限と独立した次元を確立する必要があり、幅広く、“免責”を認め、「訴追の恐れが」云々と云う言葉は、証言拒否に該当する仕組みを作らないと、国権が捜査当局の下に位置することになってしまう。まぁ、この点は、議会による“リンチ横行”のリスクもあるので、法整備は慎重にしなければならないが、国政調査権限の存在理由が問われる。

ここまで来て気づいたのだが、大阪地検特捜の森友事件への捜査は、何を裁こうとして起き、それが実行されているのかと云う疑問を感じる。無論、告訴内容は存在するが、告訴を受理し、捜査に着手するのは検察の自由裁量なわけだから、捜査の意思決定は検察庁に存在する。つまり、検察は、官邸の関与を消すために動いているのか、事件の解明に向かって動いているのか、そこが判らない。

朝日新聞の森友公文書改竄の特ダネが、検察関係者から流された可能性が大いにあるわけだが、佐川の「訴追の恐れが」云々という態度を見ていると、検察が捜査に着手していなければ、佐川宣寿は100の証言拒否で裁かれているわけなのだから。その意味では、検察の捜査が、森友決裁文書改ざんへの、官邸への、真実解明の線を消す有力なツールになっている。また、籠池夫妻の長期勾留も、7カ月を経過すると黙秘を貫いているとしても、異様な事態である。朝日やその他のメディアの追求を躱すストーリーが、検察官邸ぐるみで作り直された可能性も否定できない。

そうなると、朝日の特ダネは真実の暴露ではあったが、検察・官邸のストーリーで重要な出演者もひとりにされた可能性も否定できない。このように考えていくと、疑心暗鬼になるわけだが、上述のように、検察の腹積もりを予測の中に含ませながら、野党側としては、次なる証人喚問に向けて、ステップに映るべきだろう。その為には、野党や各メディアを勇気づけ、与党が受け身に回り続けるために、最も重要なのが世論の喚起だ。デモでも、ツイートでも、ブログでも良いが、財務省と官邸の関与に結びつく証人喚問の輪を作り上げるよう後押ししなければならない。


 ≪佐川氏「訴追の恐れが」連発 午前の証人喚問進展乏しく
 財務省の決裁文書改ざんの真相解明が求められた27日の証人喚問。だが、午前中2時間の参院予算委員会ではほとんど進展がみられなかった。
 午前9時半前に議場に入ってきた前理財局長・佐川宣寿氏。冒頭、委員長から改ざんへの自身の関与や指示について問われ、「刑事訴追の恐れがある」として証言を拒んだ。改ざんの理由や経緯についても「捜査を受ける身だ」として語らなかった。国税庁長官を辞任した今月9日時点の説明と変わっていない。
 改ざんに対して、官邸をはじめとする政治的な関与については、繰り返し確認を求めた自民議員に対して「ございませんでした」と何度も否定した。理財局内だけで行われたことを強調したのは、改ざん発覚後に財務省が国会で説明してきたことと変わらなかった。
 改ざんについての質問を封じられたかたちになった野党議員は、佐川氏が直接関わっていない国有地取引の経緯や、昨年の答弁内容について質問。改ざん前の決裁文書の内容と違う答弁をしたことについての質問に「書き換えの事実をいつ知ったのかという経緯にかかわる」と証言を拒否され、「証人喚問の意味がない」と紛糾する場面もあった。
 証人喚問は午後2時から、衆院予算委に場所を移す。証人喚問は、公文書改ざんの事実解明のために行われている。佐川氏は捜査の影響への範囲を広く捉えることなく、疑問を少しでも解消させるための姿勢が求められる。(木原貴之)
 ≫(朝日新聞デジタル)


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