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地球人口100億人も視野 近未来の人類の課題は食料、自給自足が決め手
光やケーブル等でネット環境を構築している人々が多くなっているが、筆者は未だにADSL接続で15年も前のモデムでネット生活をしている。そのモデムが壊れたのだ。モデムはレンタルになっているので、故障の連絡は筆者の義務だが、そこから先はプロバイダ会社、そのサービス外注会社、ADSL接続会社、その外注企業、モデム製造企業、その下請け外注、モデム倉庫保管発送会社、宅配業者等々。たかだかモデムの交換に、最低限8社が関わっている。金曜日の夜には届くと言われたモデムが届いたのは土曜日の夕方だった。
末端の一人のユーザーは、何処のどいつに文句を言うべきか?そして、何処のどいつの間違いで、到着日が丸々1日遅れたのか?当然受けつけ窓口のプロバイダになるわけだが、電話口に出てくるのは、そのアウトソーシング企業の技術サポート要員である。サポート要員は属人性が無きに等しいのだから、有料のサポート電話でくどくど文句を言うのは合理的ではない。慇懃無礼に謝られるだけで、絶対にそれ以上の進展はない。勿論、誰の間違いか追求できるとは思えない。つまり、筆者はここ数日に、システムと云う罠を実感したと云うだけの話だが、これこそが現代社会のシステムと云うものだと痛感したわけである。
たかだかモデムの世界でこう云う具合なのだから、原発事故の対応と云う問題などでは、50か100の関係者が関わり、何処のどいつに、どんな問題があったのか、国民の側に探る道はあまりないだろう。検証委員会、事故調なんてものも出来ているが、真の原因究明などに至るわけがない。システムで動いている物事が齟齬を来した場合、その齟齬の在処を探ることは絶望的だ。勿論、原因を抽出する作業も絶望的だ。こうして、システムに組み込まれた我々は、何事もなければ、安穏な時間空間に居られるが、一旦事が起きた場合は、それを個人的にどのように対抗すべきか、殆ど道は閉ざされている。行政のシステム、司法のシステムもしかりである。
そうそう、今日の本題に入ろう。(笑)地球の人口が70億人に達したそうだ。先ずは読売の突っ込み不足の記事を参考に掲載する。
≪ 明日、世界人口70億人に…アフリカ爆発的増加
【ニューヨーク=柳沢亨之】国連の推計によると、世界の人口が31日、70億人に達する。
人口の爆発的増加はサハラ以南のアフリカで特に顕著で、国連人口基金の「世界人口白書」は、人口増と貧困の悪循環からの脱却を求めている。 白書は中東の民衆蜂起「アラブの春」の背景として、増加する若者の失業問題も指摘し、解決を促している。 国連によると、サハラ以南のアフリカの人口は2000年の6億6912万人から昨年は27・9%増の8億5632万人となり、50年には19億 6010万人と倍以上になる見込みだ。サハラ以南では避妊普及率は08年時点で22%と遅れており、15年時点でも人口の約36%が日収1ドル未満の極貧層にとどまる見通しだ。≫(読売新聞)
2050年には、地球の人口は100億人を突破するかもしれない、と世界の学者たちは危惧している。15,000年前くらいに地球上では氷河期が終わり、人類が農耕に手を染め、戦争や疫病の試練にも関わらず、人類は爆発的に増加の一途を辿っている。日本を代表とする人口減少国家では考えられない現実が、地球上では休むことなく続いている。驚くような数字だが、地球上では1日20万人のペースで人口が増加している。
農耕が始まった新石器時代の地球の推定人口は400万人程度と言われているのだから、100億人は巨大だ。1万年の時を経て、人類は増殖に増殖を重ねたことになる。勿論、地球の大きさが変わるものではないから、いずれ人間が住むスペースが不足することは想像に難くない。居住のスペースと云うより、農耕、つまり食料を生産出来るスペースの不足である。当然、その生産に必要なエネルギーも不足になる。学者の研究によると、地球上に存在する、人類が棲むのに適している(居住、食糧生産等)土地は、現状70億人レベルでも不足しているのだそうだ。地球の大きさにおいて、人類生存に適しているスペースは、一人当たり1.7ヘクタールなのだそうだ。ところが、もう既に人類は2.2ヘクタールを無理やり利用していると云う。おそらく、人類は食料を得る為に、今以上の無理をすることになるのだろう。荒れ地でも育つ食物、遺伝子組み換え食品やそれ以上に未知な食糧増産に手を染めるかもしれない。
以前からそうなのだが、人類生存適正地1.7ヘクタールを2.2ヘクタールに拡げる為に、人類は多くの自然破壊を行ってきた。多くは山林の喪失であり、二酸化炭素の光合成の減少にも繋がっている。この強引なまでの不可抗力的人類の生き様が、予期せぬ自然災害を惹き起こすこともある。また人口の増加は、最終的に土着な農耕においては、土地を受け継ぐ人間は一人であり、その他の兄弟らは、都会に出ることになる。都会と云うか、町に群れ何らかの仕事で生計を立てるのだが、ドロップアウトも多く、町のスラム化や犯罪の温床をも構築、社会不安を増幅することにもなるわけだ。
地球規模の人口の急激な増加(アフリカ・インド・バングラディッシュ・パキスタン等々)と日本のような国の急激な人口減少と云う事実を前提に考えた日本の食糧安保と云うものがある。TPPとか云うもので、食糧が安く手に入るとか、そう云う短絡的回答で納得する国民はどの位居るのだろう?BSEウィルスが入っているかもしれない牛肉、遺伝子組み換えで生産された農産品。経済がグローバルだから、食料もグローバル?TPPの枠内で分業しようみたいな話だが、食い物を他国任せて生きる国家など、ひ弱すぎて、キチガイ沙汰なのは自明だろう。他国性善説なら別だろうが。
地球規模で急増する人類は、いずれ海を渡り、陸を経て、僅かでも安定的に食料の得られる土地に群がるのは、当然の摂理だ。また、自然破壊の究極の姿は農地の砂漠化である。人口は増える、農地は減少する。排除か受け入れと云うジレンマ。尚且つ、グローバル経済と金融資本主義経済の下では、究極の食料品の不足と高騰が続く。又背に腹は代えられずと云う事で、儲かると判っていても、他国に食い物を輸出できる国家さえなくなるかもしれない。3食食べられる国家に、1食の食事にありつけない飢えた人々が、1.5食食べられるなら、日本に住みたいと言い出す。TPPによる労働力の移動の自由は、彼等の襲来を止めることも出来なくなる。
米国やオースラリアが余っている物を売りたい。出来たら合理的製造物ではない米国製品を売りつけたい、と云う“やらずぼったくり”は近視眼では、日本の僅かな人々に恩恵を与えるかもしれないが、ただそれだけだ。そして、その企業群は概ね外資のニオイがプンプンたる企業群なのである。我々日本人は、今こそ自給自足の精神に磨きをかける時代が来ているのだと思う。地産地消と自給自足の経済の精神、いや魂だ。システムと云う罠に嵌り、何処の誰が、どのような嘘をつき、国民を犠牲に、ただ目先の為政に精を出すか、とくと考えるべき時が来ているのだと思う。
もう前のめりで、止めるに止められない状態になっている野田佳彦だが、彼もグローバル経済と霞が関・日米同盟のシステムと云う罠に嵌った憐れなドジョウだが、国民を道連れにしようと云うのだから、憐れでは済まされない。一昔前であれば“天誅!”と云う事で“どぜう鍋”になる筈だが、果たして野田君の運命や如何に。韓国同様、テーブルにつくも、国会で批准出来ず、更に一層、日米関係の割れ目を大きくするのかもしれない。オバマの大統領選を側面支援などと、身の程知らずに行った軽率な行為で己が死んでしまう可能性は大いにある。その意味では、強引にTPPを進め、自らの運命を縮めるのも悪くないのかな?と思うわけである。現状、国会議員400人の反TPP勢力の腰が砕けないことを祈ろう。
100億人への食糧―人口増加と食糧生産の知恵 | |
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