●安倍三選に暗雲 国会閉幕後、国民の鉄槌爆発か
国会閉幕後の各社世論調査。国会を閉幕して、これで外遊を乱発して、外交の安倍で逃げ切ろうと云う魂胆のようだが、どうも、自民党総裁三選は、やはり容易な出来事ではないようだ。各社の世論調査にはバラつきはあるが、安倍晋三にとっては、三選に向けて、黒い雲が接近している感じを受ける。
マスメディア中心の報道を見ていた国民にとって、安倍内閣への報道は抑制的なもので、NHKなどによって忖度報道がなされてきたわけだが、国会が閉幕したことで、あらためて、安倍内閣が行った国会運営を総まとめとして、国民がゆっくり考える時間がうまれ、今国会で成立した法案などを吟味し、モリカケ問題はどうなったのか?安倍の経済政策は成果を上げているのか?国際環境に堪えうる外交をしているのか?防衛や防衛費は適切な予算内にあるのか?次期総裁は安倍で良いのか?そういうことを、国民が考える時間が生まれた兆しが見られる。
以下は、共同通信、日経新聞、報道ステーションの世論調査だ。各調査の間にバラつきはあるが、一定の方向は見えてくるだろう。来月の調査いかんでは、安倍三選確実と錯覚していた世論は、新たな動きを見せるだろうし、自民党議員内部にも衝撃が走るに違いない。
≪共同通信世論調査
共同通信社が21、22両日に実施した全国電話世論調査によると、通常国会で20日に成立したカジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法に反対との回答は64.8%に上り、賛成27.6%を大きく上回った。
西日本豪雨への安倍内閣の対応を「評価しない」としたのは62.2%で「評価する」は27.5%。9月の自民党総裁選で誰が次の総裁にふさわしいかを問うと、安倍晋三首相27.3%、石破茂元幹事長26.7%で拮抗した。
野田聖子総務相は6.8%、岸田文雄政調会長は4.0%。この中にはいないとの回答は27.1%に上った。 内閣支持率は43.4%。
≫(共同通信)
≪内閣支持率45%、7ポイント下落 本社世論調査
日本経済新聞社とテレビ東京による20~22日の世論調査で、安倍内閣の支持率は45%となり、前回の6月下旬の52%から7ポイント下落した。不支持率は6月の42%から47%に上がった。不支持率が支持率を上回るのは2カ月ぶり。
通常国会で成立した参院定数を6増やす改正公職選挙法やカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法への反対論が多く、支持率下落に影響したとみられる。改正公選法については反対が56%で、賛成の28%を上回った。IR実施法は反対60%、賛成27%だった。
西日本豪雨を巡る政府の対応に関しては「評価する」が39%で、「評価しない」の46%を下回った。首相と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談を「早く開くべきだ」は49%、「急ぐ必要はない」は43%だった。日本人拉致問題の解決を「期待できない」は71%で、「期待できる」の21%より多かった。
政党支持率は自民党が38%で、前月の44%から6ポイント下落した。立憲民主党は12%と9%から3ポイント上がった。特定の支持政党を持たない無党派層は36%だった。
調査は日経リサーチが20~22日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。965件の回答を得た。回答率は47.5%。
≫(日経新聞)
≪ 内閣支持率は下落 豪雨対応に厳しい評価
報道ステーションが21日と22日に行った世論調査で、安倍内閣の支持率は、先月より1.2ポイント下がって38.2%となった。支持しないと答えた人は、1.1ポイント増えて45.6%だった。西日本豪雨の対応をめぐり今月5日の夜、安倍総理ら自民党の国会議員が懇親会を行っていたことに批判が出ていた。安倍内閣の豪雨対応を「評価しない」と答えた人は53%で、「評価する」と答えた人は30%だった。
■内閣支持率
・支持する 38,2%(前回比―1.2)
・支持しない 45,6%(前回比+1,1)
・わからない、答えない 16.2%
■支持する理由
・安倍総理の人柄が信頼できるから 14.5%
・支持する政党の内閣だから 17.0%
・政策に期待が持てそうだから 9.4%
・大臣の顔ぶれが良いから 1.9%
・他の内閣より良さそうだから 51.3%
・その他 2.2%
・わからない、答えない 3.7%
■支持しない理由は何ですか(6つから1つを選んでください)
・安倍総理の人柄が信頼できないから 41.6%
・支持する政党の内閣でないから 6,7%
・政策に期待が持てないから 31.7%
・大臣の顔ぶれが良くないから 5.8%
・他の内閣の方が良さそうだから 4.7%
・その他 3.7%
・わからない、答えない 5.8%
■政党支持率(%)
・自民党 42.1(-5.6)
・立憲民主党 13.1(1.9)
・国民党 1.4(-0.1)
・公明党 4.3(1.3
・共産党 3.7(0.7)
・日本維新の会 0.9(-0.2)
・自由党 0.3(0.1)
・希望の党 0.1(-0.1)
・社民党 0.7(-0.4)
・その他 1.1(0.4)
・支持なし、わからない、答えない 32.3(2.0)
■公選法改正の評価
参議院の選挙制度を見直す法律が成立しました。比例代表を4議席増やし、政党が特定の候補者を、優先的に当選させられる仕組みを入れたほか、埼玉県選挙区に2議席増やして一票の格差を減らしたものです。あなたは、この改正を、評価しますか、評価しませんか?
・評価する 19%
・評価しない 57%
・わからない、答えない 24%
■森友・加計問題の今後
あなたは、森友学園への国有地売却や加計学園の学部開設について、国会で引き続き調査する必要があると思いますか、思いませんか?
・思う 57%
・思わない 36%
・わからない、答えない 7%
■日朝首脳会談
あなたは、安倍総理が、北朝鮮のキムジョンウン委員長と首脳会談を行うことを、期待しますか、期待しませんか?
・期待する 64%
・期待しない 29%
・わからない、答えない 7%
*ハザードマップ、避難行動の項省略
■安倍内閣の豪雨対応
あなたは、今回の豪雨災害発生時の安倍内閣の対応について、評価しますか、評価しませんか?
・評価する 30%
・評価しない 53%
・わからない、答えない 17%
*五輪関係省略
■次期総裁選
自民党の総裁選挙が9月に予定されています。あなたは、次の自民党総裁は、誰がよいとお考えですか?次の7人から1人を選んで下さい。
・安倍晋三 22%
・石破 茂 23%
・岸田文雄 4%
・小泉進次郎 28%
・河野太郎 2%
・野田聖子 4%
・その他議 員 0%
・わからない、答えない 17%
≫(テレビ朝日・報道ステーション)
毎日新聞のスクープだが、日銀が30兆円の計算ミスをすると云うことは、実際問題として考えにくい。“貯蓄から投資へ”と、我が国の家計動向をデカデカト報じたのが日本銀行なのだから、真逆だったわけで、ミスでは済まされない。ミスと云うより、おそらく意識的なつじつま合わせの改ざんの類だろう。丁度、働き方改革でも同じ流れで、嘘を平気で垂れ流していた。
≪ 家計保有額、30兆円以上も誤計上 日銀がミス
■「貯蓄から投資」実態は逆
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
過剰計上があったのは、金融機関や家計など各部門の資産や負債の推移などを示す「資金循環統計」。同統計では年1回調査方法を見直す改定を行っており、今年6月下旬発表分の改定値を算出する際に過剰計上が見つかった。2005年以降の数値をさかのぼって改定した結果、17年12月末の家計の投信保有額は、改定前の109兆1000億円から約33兆円少ない76兆4000億円まで激減。個人金融資産に占める投信の割合も、改定前は12年の3.8%から17年の5.8%まで上昇していたが、改定後は14年の4.6%をピークに低下し、17年は4.1%まで下落していたことが分かった。
これほど大きな修正が生じたのは、日銀が、ゆうちょ銀行が保有する投信を個人が保有しているものと誤って計算していたことが原因だ。
家計の保有額は、投信の総額から、金融機関など他部門の保有額を差し引くことで算出している。関係者によると、日銀が改定作業を行う際、ゆうちょ銀の保有分でこれまで「外国債券」としていた資産の一部が実は投信だったことが判明。改定後はその分だけ金融機関の投信保有額が膨らみ、逆に家計保有分は減額された。ゆうちょ銀が近年、比較的利回りのいい投信の保有額を急増させていたことも、「誤差」の巨大化につながったようだ。
日銀調査統計局は「調査項目が多数あり、見直しが追いつかなかった」と釈明するが、証券業界は「30億円なら分かるが、個別指標で30兆円も変わる改定は聞いたことがない」(大手証券幹部)と怒り心頭だ。
政府や証券業界は、現預金に偏る家計の資金が、経済成長に資する企業への投資資金として回るような政策を進めてきた。日銀の統計に基づく投信保有額の増加は政策効果の表れとみていただけに、金融庁幹部は「我々の認識以上に個人の投資への動きが進んでいないなら、改めてどうすべきか考えないといけない」と厳しい表情を見せた。【小原擁】
■家計の金融資産
個人や、法人形態を取らない自営業者(農林業従事者を含む)が保有する現預金、株式、投資信託などの金融商品の合計。日銀が四半期ごとに「資金循環統計」で公表しており、18年3月時点の総額は1829兆205億円。資産ごとの比率は、現預金が52%▽保険・年金準備金28%▽株式6%▽投資信託4%--など。現預金は近年52%前後にとどまっている。
≫(毎日新聞)