世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

菅直人、小沢派の平野達男を復興相に起用 単なる人手不足、それとも…

2011年07月06日 | 日記
悪党―小沢一郎に仕えて
石川知裕
朝日新聞出版


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菅直人、小沢派の平野達男を復興相に起用 単なる人手不足、それとも…


松本龍前復興担当相が拍子抜けするほどあっさりと大臣の座を投げ出した。松本龍議員への興味は、辞任をもってケリをつける飽きやすい性癖ある筆者だが、村井宮城県知事には非常に興味を抱いた。近々、村井知事の政治思想や利権の相関図などに関してコラムを書こうと思っている。

まぁ松本龍議員の辞任には色んな政治的背景があるだろうが、復興に際し挙国一致を切望していた立場があるようだ。養祖父の翼賛政治のイメージが孫の代になっても残っていただろうし、菅首相に対しては閣僚でありながら、6月末退陣を強く主張していただけに、達増岩手県知事が「松本氏は6月中の辞任を進言した菅首相の下で閣僚をやらなくてはならず、苦悩の末“グレタ』”対応をした」と論評したが、当たらずと雖も遠からじ、と云うことになるのだろう。

地位に恋々としない性格だろうし、真意を読みとらない政治やマスコミの世界にウンザリしたのだろう。 不思議なのだが達増岩手県知事は、今回の震災に関する対応はオールジャパンで取り組む問題だ、と強く主張している。村井知事までが、松本龍議員を評価し、残念だと殊勝なコメントを残している。おそらく彼はパフォーマンスを排除した形で復旧に全力を挙げていたのだと推測する。ゆえに何もしない担当大臣と揶揄されていたのだろう。付和雷同したマスメディア、政治家ドモ、国民らによって悪人に仕立て上げられたと云うことのようである。幾分伝法な口調が災いしたのだろうが、菅内閣から脱する事で清々しただろうし、男松本龍として、一つ一兵卒として復旧に陰の力を見せつけて欲しいものだ。

ところで、この松本龍議員の後任人事、仙谷だとか安住だとか、就任の打診を受けたコトになっているのだが、本当だろうか?今回の人事、実はここから考える必要がある。案外深いわけが存在する可能性もあるのだ。経緯はともあれ、岩手県出身の参議院議員平野達男が副大臣から大臣に昇格して、ケリがついた。勿論、平野達男は小沢グループの一員である。副大臣に山口荘が就任したが、山口は羽田グループ所属。羽田グループは小沢と良好な関係にある。

マスメディアの伝えるところによると、菅首相は仙谷、安住に断られ、致し方なく副大臣を順当に昇格させるしか手がなかった。小沢は平野に“大臣を受けるな”と指示したにも関わらず、小沢を裏切り復興相に就任した。小沢一郎の凋落ぶりが、こう云うところでも如実に現れている、と云うものだった。 マスメディア全体が言いたいことは、“菅政権はレームダックだ、大臣になり手がいなくなった”、“大臣の椅子欲しさに平野が小沢を裏切った。小沢の凋落如実”の方向を、相変わらず真実の如く報道している。

賢明な知能の持ち主なら、今や記者嫌いになった菅直人、そもそもマスメディアを一切信用しない小沢一郎。この二人に「憶測飛ばし記事」の取材をしたとは到底思えない。菅直人追い落としの急先鋒民主党執行部と反小沢勢力の流言飛語情報を“ある政府関係者”などと架空の人物を仕立てて語っているに過ぎない。どれ一つ菅、小沢本人の口から出た情報ではない。

マスメディア全体に流れている空気は、明らかに「反小沢」その上に「反菅」が加わったもので、今や反小沢・反菅の記事は七色の色眼鏡をかけて、選別作業をしなければならいのが現状だろう。特に「反小沢」に邁進中のマスメディアは、検審起訴で刑事被告人とすることで身動き取れなくし、民主党執行部によって党員資格停止とし、“どうだ、参ったか”と勝ち誇ったわけなのだが、蛙の面に小便状態の小沢一郎に、“どうやったら政治的に抹殺出来るのか”それ以上の悪魔の陰謀の手段を失っていた。

にも拘らず、菅内閣の不信任決議案の賛否においては、マスメディアの揶揄報道に関わらず、見事に成立に必要な人員を揃え、小沢一郎は彼等の度肝を抜いたのである。正直“なんとしぶとい奴”と思ったろうが、軟なそこいらの政治家とはわけが違う。自民党・霞が関・検察・検察審査会・マスメディア・民主党執行部が束になって、小沢一郎の政治生命を絶とうと奮戦したわけだが、どっこい小沢は健在だ。 その挙句に、裁判の行方が彼等(日本国中の多くと言っても過言ではない)が考えていた思惑と異なるものになって来たことである。

当初より、彼等は小沢一郎に対し、反感と怖れを共有する複雑な心理で動いていたわけだから、「怖れ」の方が強く作用しても不思議ではないのである。多分、自民党・霞が関・検察・検察審査会・マスメディア・民主党執行部等々の気分はブルーなものだろう。既に拙コラムで述べたように、「小沢一郎の無罪は確定的」なわけで、ブルーな気分から真っ青な顔色になりかけている、と分析すべきだ。

このような状況で、政局観だけは政界一と評価、誹謗中傷?される菅直人が、この部分に目をつけないわけがない。今回の人事をマスメディアは“平野が小沢を裏切った”、“菅内閣の閣僚になり手がいなくなった”と喧伝し、仙谷前原等と自民党のパーシャル連合を望んでいる思惑が明確に出ている。新聞のスクラップまで趣味にする権力亡者の菅直人が気づかないわけがない。 “小沢と組むしか、生き残りの道はない!”と菅直人が考えることは自然だ。“今日の敵は明日の友”と勝手に決めつける。すべて菅直人の勝手な思惑で、今回の人事は動いているのだろう。仙谷や安住が入閣を断るのは先刻承知で、菅は一声かけただけである。

小沢一郎と菅直人が裏で手を組んだ、と云うアングラ情報もあるが、筆者はそこまでは行っていないと考えている。菅直人が“阿吽の呼吸”に望みを託して、小沢グループの平野の昇格に踏み切ったと見るべきだ。岩手県で小沢に逆らって選挙に勝つと考える民主党議員が居るとは思えない

。まして、小沢が無罪の確率がここまで高まっているにだ。 小沢にしてみれば、菅直人は一日も早く辞めるべきだが、震災の復旧復興・福島原発処理は、待ったなし。一日も休むことが許されない状況の中で、菅直人への協力もやむを得ないと考える道理もある。利益相反な事態だが、緊急性を重視すれば、“敵に塩を送る”ことも致し方ないだろう。「天命に遊ぶ」の精神で行くなら、当然の結論である。

原発文化人50人斬り
佐高 信
毎日新聞社



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