世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“電力の危機を直視せよ”読売の社説 与謝野にも言わせたナベツネさん(笑)

2011年07月17日 | 日記
戦後史 (岩波新書 新赤版 (955))
中村 政則
岩波書店



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“電力の危機を直視せよ”読売の社説 与謝野にも言わせたナベツネさん(笑)


今でも中曽根康弘も渡邉恒雄、与謝野馨も本気で原爆をつくる観念的妄想に捉われているのだろうか。まさかとは思うが、“経団連ネット右翼”には“核武装”と景気の良い話題を振りまいているブログ等々も多いので、まだその気なのかもしれない。 先ずは以下のナベツネ新聞と言われ、今では原発推進新聞と化した、読売新聞の16日の社説なるものを読んでいただこう。


≪ 首相の「脱原発」 総合的なエネルギー政策を示せ
◆「個人の考え」では混乱が広がる◆
 国の浮沈にかかわるエネルギー政策を、一体どう考えているのか。 菅首相は、記者会見で「脱原発依存」を声高に主張しておきながら、批判を浴びるや、個人的な考えだと修正した。首相の迷走が与野党や経済界、原発立地自治体などに混乱を広げている。 政府の方針ではないと閣僚懇談会で確認された以上、首相の理想論に振り回される必要はない。政府と与野党は、東日本大震災後のエネルギー政策について地に足のついた議論を始めるべきだ。
 そもそも、退陣を前にした菅首相が、日本の行方を左右するエネルギー政策を、ほぼ独断で明らかにしたこと自体、問題である。閣僚や与党からさえ、反発の声が一斉に噴き出したのは、当然だ。 首相は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、脱原発にカジを切ることで歴史に名を残そうとしたのだろう。
 だが、その発言は、脱原発への具体的な方策や道筋を示さず、あまりに無責任だった。 首相は、消費税率引き上げや、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加などを掲げ、実現が危ぶまれると旗を降ろしてきた。同様の手法のようだが、 今回は明らかに暴走している。 
◆電力の危機を直視せよ◆
 首相は、原発の再稼働について、安全評価が不十分とし、ストレステスト(耐性検査)を条件に加えた。最終的には首相、経済産業相ら4閣僚で判断するという。 法律や制度を軽視し、思いつきで新たなルールを持ち出す。民間の東電主体で被害救済を進める法案を国会に提出する一方、それとは矛盾する「原発事業の国有化」の検討を示唆する。 「政治主導」をはき違えた、浅慮そのものと言っていい。
 首相発言で最も問題なのは、当面の電力不足への危機感が決定的に欠けていることだ。首相は「国民や企業の理解と協力」で対応可能と言うが、理解に苦しむ。 東電と東北電力はすでに15%の電力使用制限を実施し、一般家庭には節電を呼びかけている。 それに加えて、8月末までに全国で5基の原発が定期検査で停止し、500万キロ・ワットの供給力が失われる。原発を再稼働させないと来春までに全原発が停止する。 首相は、当座の電力源として企業の自家発電など「埋蔵電力」を当て込んでいるらしい。だが、電力不足の穴埋めに使えるのは原発1~2基分に過ぎないという。
 全54基の原発が止まるとどうなるか。民間調査機関には「国内総生産(GDP)が14兆円以上減少」「50万人が失職」「発電コストは4兆円増加」との予測もある。 企業は工場を海外に移転し、産業の空洞化が加速するだろう。
 原発の再稼働を急がないと、懸念はやがて現実となる。首相は、脱原発への、夢のような構想を語っている場合ではない。
 中長期的なエネルギー政策の見直しも急務だ。原発事故に対する国民の不安、原発への不信感を考えれば、原発増設は従来の計画通りには進められまい。経済成長に必要なエネルギーをどう確保するのか、専門家を交えた議論を深め、新たな戦略を練る必要がある。
 首相は太陽光や風力など再生可能エネルギーを有望視している。だが、水力を除けば総発電量の約1%しかない自然エネルギーに過大な期待は抱けない。 太陽光パネルや発電用風車を置く適地の確保やコストなど難題が山積している。 自然エネルギーによる発電が普及することは望ましい。だが、電気料金が上がり、国民や企業に重い負担がかかる懸念もある。火力発電も含め、電力供給の望ましい組み合わせを模索すべきだ。 
◆安全性の向上にも責任◆
 原発事故後も、多くの国は原発の安全性を高めた上で活用する方針だ。中国やインドなど新興国は増設を計画している。日本には、世界の原発の安全性向上に寄与する責任がある。 脱原発に向かえば、原子力技術が衰退し、科学技術立国もままならなくなる。日本は「原子力の平和利用」を通じて、核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努めてきたが、国際的な発言力も大きく低下するだろう。
 ドイツやイタリアのように近隣国から電気を買えない日本が、脱原発でやっていけるのか。世界では、新興国経済の拡大で、石油などの資源争奪が激化 している。エネルギー安全保障の観点も見落としてはならない。 冷静に現実を直視し、多角的な視点から日本のエネルギー政策を再構築すべきである。≫(読売新聞:社説)


えらく長文で、まとまりの悪い社説だ。なぜこんなに長くなったかと云うと、菅直人を貶めようと云う意図と原発が無くなったら“酷い目に遭う”と云う二つのファクターを無理やり癒着させようとしたために起きている。尚且つ、国民への“脅し”に途中から力点が置かれ、“煽り論調”で半分己の文章に陶酔ワープし始めている。まるでこれでは筆者のコラムではないか(笑)

嘘中の嘘と言われる原発推進グループによって捏造された統計数字を並べたてて、“どうだ、こんなに酷い事になるんだぞ!何時起きるか判らない原発事故をを忌避して、明日の飯の種を捨てても良いのかね?”そう云う論調なのだ。

この社説を書く前に、与謝野と云う子分に渡邉恒雄は「原子力だけに着目して議論せず、社会や生活、経済活動の在り方、他国への資源依存度など全てを考えた上で物事を判断するのが適切だと言っているだけ」、「別に原子力がなくなったからと言って生活レベルが落ちていくだけで、痛くもかゆくもない」と先鞭をつけさせている。

そう言えば、この中曽根・渡邉・与謝野に隠れるように、仙谷・前原が従う。この流れに経済界の米倉弘昌と云う“経団連原発右翼”の親分が背景に居る。この米倉弘昌は酷い、政治家は自分の立ち位置に配慮、ウロチョロするのだがナベツネと米倉は双璧で酷い。近々、この米倉と云う爺さんの思惑も追求してやるつもりだが、御手洗の二倍ほど悪質だ。

米倉発言:尖閣問題で「領土問題について両国とも強い主張を持っており、それを認識した上でお互いに努力しながら隣人として仲良くしようという姿勢を貫いてきた。衝突事件がどうして起きたかの議論は既に済んだと思っており、追及すべきではない」(尖閣は日本が実効支配している領土と云う外交の常識を逸脱)、 「TPPに参加しないと日本は完全に世界の孤児になる。政府関係者には国益をよく考えてほしい」、 「1000年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない。(原子力行政は)もっと胸を張るべきだ」、 「東日本大震災が関東大震災の数10倍の規模に上ることも考慮すれば、東電だけに責任を負わせるべきではなく、国が(主導して)損害賠償に対応すべきだ。 東電は被災者の側面もあり、政府が東電を加害者扱いばかりするのはいかがか」、 「東電が免責されるのは当然で、国が全面支援を。国営化はせずに民営でいくのが望ましい」、 「性急な導入が電力価格の上昇をもたらすことになれば、地域経済の弱体化や雇用喪失にもつながりかねず、国民生活に及ぼす影響は計り知れない」(自然エネルギーへのシフトに関し)、 「これ以上電力の供給能力が下がれば、(生産活動が低下した)国内企業の設備投資が止まり、雇用維持が難しくなる」、この他にもザクザク状態だ。 

 小沢一郎がポロリと口にした「第二経団連構想」と云うものの必要性を痛感する。結局、酷い話なのだが、電事連の連中が地方の経済団体すべての長であり、その活動の経済的バックボーンになっているわけで、電力会社が地方自治を牛耳っているのが事実だ。
発注工事にせよ、選挙にせよ、文化活動にせよ、あらゆる場面で地方自治体は電力会社の金を食っている。否、我々から召し上げた世界標準電力料金の3~5倍の電力料金を原発推進、或いは地域独占電力事業の温存の為に費消していると云うことだ。元々、庶民から高額な料金をふんだくり取って、間接的に一部還元し、寄付者のような偉そうな顔をしているだけじゃないか。こう云うのを“盗人猛々しい”と云うのである。

その組織構造を死守しようとするのが、中曽根・渡邉・与謝野・仙谷・前原等々。そして電力各社の力により経団連会長となって米倉である。勿論、地方自治の首長や原発立地自治体の長も完璧に利権に塗れている。そうそう、忘れるところだったが、経産省も文科省、それに連なる金魚の糞共も同一線上に並んでいる。“僕たちにも生活があるんだよ、あいば君”は通用しないぜ!

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史
佐野 眞一
集英社インターナショナル



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