世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

大局的に菅直人を一議員に引きずり降ろす絵図 結構紆余曲折が…

2011年04月26日 | 日記


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大局的に菅直人を一議員に引きずり降ろす絵図 結構紆余曲折が…


今日は昨日と打って変って、生々しい人間模様に焦点を当てることにする。勿論筆者が書く以上、政局だ。 小沢も鳩山も政治家だから、永田町の掟に則した動きをせざるを得ない。国家を牽引するだけの政治勢力を結集する為にも、永田町の掟を尊重する動きは必要悪だ。しかし、スカッと爽やかな国家のリーダーのチェンジと云うわけには行かないようだ。ぐちゃぐちゃゴチャゴチャなのである。小沢一郎を総理にと云うのが、国家国民の為だと判っていても、一筋縄ではいかないのが悩ましい。

今夜は議員の数合わせとか、そう云う政局の読みではなく、政治を大局的に観てみたいと思う。 肝心の与党である民主党内の状況だ。メディアの報道を読むと、今にも菅直人抜きの政治勢力が、何らかの形で連立を組むような按配で話が展開されているが、内閣総理大臣であり、民主党代表の菅直人を瓦礫の如く、重機で根こそぎ掻っ攫い、ダンプの荷台に放り込むほど楽な話ではない。

反菅の狼煙は上がっているが、現時点でパーフェクトに本気なのは親小沢グループ中心の100人前後ではないだろうか?つまり残りの300人以上は明確に旗幟を示していない。菅直人で、これからの東日本大災害の復旧復興、ましてや福島原発処理と東電の扱いなど、とても任せるに足る人物でないこと明確に把握していても、自らの信念を表明出来ない、議員生活に終止符を打つまで禄を食みたい輩も相当いる。烏合議員が200人以上いるのだから、怖ろしき与党政権の内情だ。

300人中、50前後は菅直人を守ろうと云うポジショニングだが、残る200人以上が、洞ヶ峠を決め込んで、どのように動こうか情報収集に躍起なっている。 国民がトンデモナイ目に遭って、悲鳴を上げている最中に、保身の為に己はどのようにすべきかで、心を配っている。半分国賊状態なのだが、彼等の悩みも判らんでもない。

何故かと云うと、昨日の拙コラムで語ったように日本人とか日本社会と云うもの ≪……合理的に物事を解決することを望まず、避けながら、社会全体に流れる空気に協調的だと云うことである。仮に理屈上納得が出来ないことでも、事象でも、雰囲気が右であれば、自分も右であるかのように振る舞うと云う事だ。―― 集団で生きる日本人の文化的知恵であり、農耕を中心に生きてきた縄文人のDNAであり、「和をもって貴しとす」は日本文化の美点である。しかし、重大な弱点であることにも着眼せざるを得ない時代を迎えている。≫

議員といえども、上記の日本人の特性に縛られている、と同情的な理解も可能だ。それでは、どの部分が右向け右の雰囲気があるのかと云うと、当然小沢一郎に関する問題だ。筆者及び小沢支持の人々が、「小沢は冤罪だ」と主張しても、彼等に充分には伝わっていない。理屈上も、政治家としてのキャリア実力共に申し分ない、小沢一郎と云う政治家が目の前に居るのに、それを明確に支持出来ない、世間との協調で悩んでいるのだ。

検察審査会の起訴であっても、刑事被告人であることに世間的には変わりはない。党員資格停止も、代表選に出られない、と云う現実的問題もある。正直なところ、小沢自身が発言していたことだが、民主党は未だ与党としての教育が不十分だと云う認識が尾を引いている。おそらく、筆者が観察する限り、民主党議員の半数は、国会議員の矜持すら意識していない可能性がある。

それなら与党馴れしている自民党に任せたら良いではないか、と云う話になるのだが、そうもいかない。 自民党と云う政党は、既得権益の上に成り立つ政党であり、中央集権構成要件として存在する政党であり、この体質は未だに変わらない。清和会と云うのが、それを体現している。この政党に政権を戻したら、地方分権・主権など胡散霧消、失われた20年が50年になってしまう。大蔵省(財務省)・通産省(経産省)と云う旧態依然とした垂直統合システムで政治が行われ、原発は今まで通り推進されるだろうし、消費税も10、15%まで平気で上げる方向になるのは、目に見えている。

つまり、現時点では、選択が国民にも見えないが、国会議員にも見えていないのだ。亀井静香にも見えていないし、小沢一郎にも完全には見えていない、仙谷にも見えていない、自民党にも見えていない、公明党にも見えていない。それが現状の政局分析だ。

今後、ポチポチと誰と誰が会った、等々の憶測解説付き報道がなされるだろうが、旗幟が見えるには、もう少し時間がかかりそうだ。のんびり構えていても良いのかもしれない、と筆者などは思っている。民主党の両院議員総会で菅降ろしと云っても、未だ上記のような状況で、総会開催までは要求出来るが、採決で菅を代表から降ろせる保証はない。又、党規約では過半数で代表を解任できる条項もないので、それも過半数を獲得する必要がある。場合によると、菅直人は代表降ろされても、首相の方は続けます、と平気で宣言するかもしれない。与党から除籍処分を受けた総理が誕生するかも(笑)

自公が、衆議院で菅首相に不信任を突きつけた方が、余程簡単に「菅降ろし」は成立する。反菅の民主党議員が80人程度、賛成すれば済むことだ。つまり、民主党内で菅直人を降ろす方が、意外に難しい。その辺を読んでいるので、自民も公明も、菅抜きならイイよね~なんて、気楽に構えているわけだ。与党内か菅首相不信任を提出と云うウルトラ戦術もないではないが、自公が欠席でもされたら目も当てられない。

現時点で「政局の嵐」と云うのは、政局好きのマスメディア政治部連中の「煽り」だろう。筆者は未だ地ならし段階と読んでいる。腹の探り合い状態であり、5月一杯引きずる可能性の方が高い。

ただ、筆者は、菅直人が更なる醜態を、その間演じる可能性があるような気がしている。あの精神状態は、失言、挙動不審、政策的ドジ等々色々ありそうなので、それからでも致し方ないと思う部分もある。勿論、刻々と国民が被害を受ける悲劇は続くが、これも民主主義と云う制度の歯痒さである。


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