世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●憲法擁護義務と改憲推進安倍の憲法違反 新天皇は署名せず

2018年12月30日 | 日記
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●憲法擁護義務と改憲推進安倍の憲法違反 新天皇は署名せず

まあ、見出しのような大事件が起きる前に、おそらく安倍政権は崩壊するとは思うのだが、予想は未定、決定にあらずとも言うので、最近の国内外の政治状況を鑑みるに、何が起きても驚かない状況になっている。以下の池上のコラムは、憲法99条に関する問題提起と考えて良い。新天皇が、この99条を楯に、必死の安倍の改憲と国民投票の結果に準ぜずに、承認しないこともあり得るという話なのだ。

このことは、既に、安倍自民党政権、或いは内閣が、憲法を擁護せず、破壊に向かわせていると云う、憲法擁護義務違反が行われているので、これを、新天皇が政治的であるかと云う問題以前に、承認のしようがないと、突っぱねることこそが、天皇の憲法尊重護憲義務に当たると云う、複雑怪奇な問題を孕んでいる。この問題は、憲法論議を聞いていても拉致のあかない問題であるし、安倍政権に金●を握られている最高裁も、流石に簡単に安倍政権の味方をするのはむずかしいと思われる。

素直に99条を読めば、与党がみずからクーデタを企てるなど、憲法草稿時に考えていないことであり、一般的にはあり得ないことが、現在進行中ということだ。憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めている。と云うことは、憲法の規定に則して考えれば、憲法を尊重し、擁護する範囲内で憲法の改正(尊憲改憲)はあり得るが、現行憲法の意図と異なる不純物(例えば、緊急事態条項)は相いれないようにすると言っている。

つまり、この規定は「内閣が、憲法を批判し、憲法を検討して、そして憲法を変えるような提案をすることを禁止している」と言える。まあ、異端の憲法学者の中には安倍に忖度し、「公務員は職務を遂行するにあたり、憲法に問題点があると認識した場合にその問題点を広く国民に問いかけることを禁止していない」等と主張するものもいるが、憲法学会全体は素直に、99条を読み解く。

日本国憲法においては、最後の砦ではないが、新天皇の判断で、国事行為を無作為と云う行為で、阻止することが出来る可能性がある。正直なはなし、日本の天皇は、国民の象徴と云う地位をおしつけられ、個人的自由をはく奪された日本人と云う特殊な立場なのである。これはアンフェアーだと、個人的には考える。安倍政権などと云う奇妙な政権が生まれたから考えたわけではなく、そもそも、もう少し、自由を束縛しているのと同等の権限を与えるべきと考えている。

無論、政治的に青天井の権限ではなく、抑制された権限があっても良いのではないかと。ひとつの例えだが、法律等への拒否権(米国の大統領にあるような)があり、法案を議会に差し戻す権利。その権限の代りに、7年に一度くらい、天皇の信任投票のようなものを開設するとか、詳細にまで考えは及んでいないが、天皇の責務・義務・不自由に見合う、権限なり自由を与える感覚は、日本において必要だ。

実際問題、安倍政権が崩壊すれば、またしばらく、天皇の人権のような問題を話す機会もないだろうから、敢えて書いておいた。出来ることなら、新天皇には、政争に巻き込まれて欲しくないので、改憲の発議や国民投票が行われる前に、安倍内閣が崩壊することを望む。丁度ありがたいことに、その崩壊の予兆は限りなく高鳴っている。先ずは、年初の株式市場の按配だ。リーマンショック並みの大暴落、そして消費増税凍結。次に統一地方選や沖縄3区衆議院補欠選挙、そして参議院選挙。軒並み、安倍政権への逆風の要素が強い。2019年は最低限、右巻き政治の終焉が見物できそうだ。


≪池上彰氏が解説 新天皇と安倍首相の不思議な緊張関係
 改憲を訴える安倍晋三首相と、ことあるごとに憲法を守る主旨の発言をする現在の天皇や皇太子、秋篠宮は意見に対立があるようにも見える。「天皇」について解説した著書『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)もあり、NHK時代に宮内庁も担当したジャーナリストの池上彰氏が、皇室と安倍首相の不思議な緊張関係について解説する。
 * * *
 この先、注目されるのは憲法をめぐる新天皇と安倍首相の関係です。
 安倍首相が「今の憲法には問題がある」と改憲を打ち出してから、天皇は護憲派の象徴になりました。  両者の関係は不思議です。憲法の中には憲法擁護義務があり、公務員は憲法を守らなければなりません。
天皇もこの義務を負い、今上天皇や皇太子、秋篠宮は折に触れて「憲法に則って~」と発言します。これは憲法の規程に則ったまっとうな発言ですが、憲法を変えたい安倍首相としては面白くないでしょう。
 しかも次の天皇となる皇太子は、戦後70年にあたる2015年の誕生日の会見でこう述べています。 「私は、常々、過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致すよう心掛けております」
 通常、世界各国で与党は憲法を守り、野党は政権交代して憲法を改正することをめざします。ところが日本は与党が憲法改正、野党が護憲とねじれている。ゆえに結果として、憲法を守ろうとする天皇と、憲法を変えたい首相の間に緊張関係が生じます。
 即位後、新天皇がどれくらい護憲のニュアンスを打ち出すのか。それに対して安倍首相はどのような姿勢を示すのか。新しく即位される天皇の「お言葉」が注目されます。

●いけがみ・あきら/1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年NHK入局。報道局記者や番組キャスターなどを務め、2005年にNHKを退職。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授。著書に『池上彰の世界の見方 ロシア』『考える力がつく本』(小学館刊)、『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(PHP研究所)などがある。
 ≫(※週刊ポスト2019年1月1・4日号)

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