世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●安倍官邸の大ドジか? はたまた、米国の横紙破りか?

2015年02月10日 | 日記
絶望という抵抗
クリエーター情報なし
金曜日


ランキング参加しております
にほんブログ村 政治ブログへ

●安倍官邸の大ドジか? はたまた、米国の横紙破りか?

 安倍官邸の人質事件対応の検証委員会が政府の手で行われるそうだが、杉田和博官房副長官をトップとした検証委員会を10日に設置し、首相官邸で初会合を開くらしいが、内閣危機管理監、国家安全保障局長、内閣情報官をはじめ、外務省、警察庁など関係省庁幹部で構成するらしいので、もうヒトラー総統をゲシュタポが取り調べを行うようなもので、笑うしかない。

 日本って国は、それでも「検証は充分だと思いますか」と質問する世論調査では6割が納得になるのだろうから、凄い国である。安倍官邸同様に「公正中立」の体を成していない。東京電力に、福島原発事故の検証をさせるのと、殆ど同じなのだから、国際社会の恥かきになるのは明確だろう。既に、ロイター等の英文記事で情報の一部が流されたが、「IS人質事件」の時系列における事実関係は、かなりスリリングな展開になっている。

 官邸は、IS人質事件を裏工作で秘密裏に解決させる選択肢も試みたらしき情報が、漏れ聞こえてきている。断固テロと闘う姿勢を表向き貫きながら、民間軍事警備会社“CTSS Japan”と接触を試みたり、イスラム法学者・中田考氏を通じての協力も行った形跡がみられる。中田考氏は、公安がマークする学者であったがISとのパイプを持つ人物である可能性は大いにあった事実を政府も知っており、一定の接触は行われている。

 民間軍事警備会社“CTSS Japan”の正体は、今ひとつ判らないのだが、政府の一部と接触していたのも事実のようである。“CTSS Japan”は、ハリーバートンほどの民間軍事警備会社ではないが、英国系の情報網に関係のあるインテリジェンスな側面も持っていたので、政府が言うように、一切交渉せずの断固たる姿勢とは違う動きもしていた可能性が浮上している。どうも民間軍事警備会社“CTSS Japan”は安倍晋三の取り巻き連中と繋がりがあり、私的交渉ルートを利用して、人質解放交渉をしていた疑惑が高まっている。

 ただ、この私的ルートは、ある時から急きょ中止に追い込まれたようだが、中止をした時期と、政府がヨルダンに対策本部らしきものを設けた時期辺りには消えている。問題は、この人質事件を解決する選択肢として、実力不明の民間軍事警備会社に何らかの関与を許し、私的パイプの活用を検討していたことは事実のようだ。当初は、ヨルダン政府も、日本側と協調的で、後藤氏と死刑囚の交換条件(+金)を容認した模様だが、突如「パイロットの交換」を言い出した。

 既に、この時点で、パイロットは処刑済みである事実を、米国側は知っていながら、ヨルダンに、パイロットとの生存確認と云う条件を持ち出した。ヨルダンにしてみれば、隠密裏で動く分には良いのだが、国の名誉の軍人パイロットの生存確認と云う「空気」が生まれ、後藤氏ではなく、パイロットとの交換と、話がすり替えられた。死亡説が有力なパイロットと死刑囚の交換では、土台話がつかない人質交換話に置き換わったのである。

 不可能な人質交渉に陥ったのは、現地対策本部をヨルダンに設けたのはなぜかと云う疑念。そして、ヨルダンに下駄を預ける形になってしまった時点で、この一連の交渉ごとは、日本政府の手を離れ、アメリカ・イスラエルのテリトリーに完全に入り込んだ。つまり、私的ルートの活用を利用しようとする動きと、それを阻もうとする力が、一時はせめぎ合った痕跡がある。ところが、現地対策本部をヨルダンに決定してからは、奈落に突っ走るルートに乗ったようだ。

 ことの重要さは、このヨルダンルートに決定したベクトルには、どんな力が加わったのか、想像するにアメリカの関与だが、現時点で決定的証拠があるわけではない。しかし、ヨルダン側が、死亡しているパイロットとの交換を、言い始めた動機が何であったのか、ジャーナリズムにとって、解明する価値のある疑念なのだ。ウクライナ問題の解決においても、合意間近になると、必ず、星条旗の人間が、交渉者の間に身体をねじ込んで来るのが、最近の国際社会である。

 このような動きを眺めていると、アメリカと云う国は、自分たちを抜きに、当事者同士で話し合いがなされることを、否応なく忌避する姿勢が鮮明になってくる。ここでは書かないが、カラー革命全体に言えることだし、IS関連も、ウクライナ関連も、シリア、イラク、イラン関連も、事を複雑にして、解決しないことを望んでいる勢力が存在する経緯ばかりをみせつけられる。こういう動きを眺めてしまうと、アメリカと云う国は、どういう国なのかと思うし、この国に追随を是とする国家の精神構造はどうなっているのかと頭をひねる。

 シリア渡航計画のカメラマンがビザの返納を、逮捕の言葉をチラつかせれ返納させられたらしいが、あきらかに渡航の自由を権力が抑え込んだ。この行動にも、日本政府の論理矛盾がある。テレビ、新聞を通じて「自己責任論」の風潮を流布させたわけだが、「自己責任論」が叫ばれるなら、反対側に「自由」があって然るべきだ。今回、それが官憲の力で不自由にしたのであれば、自己責任は免罪され、すべて政府責任になる。

 この調子で、アメリカ資本が日本中を駆け巡るであろうTPP等と云うものも、同時並行的に起きている。ISのお陰で、TPPの話題は影が薄くなっているが、本来はTPP問題が、今こそ大きく取り上げられる政治マターであって、IS問題ではないのにな~、と思う今日この頃だ。

日本に巣喰う4つの“怪物
クリエーター情報なし
KADOKAWA/角川学芸出版


 ランキング参加しております
にほんブログ村 政治ブログへ

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif