世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●反プーチン、西側プロパガンダの典型コラム byエコノミスト

2015年02月06日 | 日記
崖っぷち国家 日本の決断
クリエーター情報なし
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●反プーチン、西側プロパガンダの典型コラム byエコノミスト

 本日は多忙につき、恐怖政治にひた走る安倍官邸は後日に回し、ロシア・プーチンの悪口を、もっともらしく語っている英経済誌エコノミストのコラムを紹介だけしておく。そっくり納得する人もいるだろうし、嘘八百だと怒る人もいるだろう。いずれにせよ、米国の庇護の下、日本の稚拙なポジションを争うような国内政治の話題よりも魅力的だ。全文読んでいる暇がないので、どの辺に嘘が含まれるか、皆様が探して戴きたい。

 戦闘状態と云うものは、常に双方のプロパガンダ報道に満たされるので、どちらの言い分が正しいかは、最後は歴史観や地政感、価値観に委ねられるのだろう。ただ、西側の報道を見る限り、NATOが俄然有利に思えるのだが、エコノミストが本気になって、こういうコラムを書くところを見ると、NATO及び米国のロシア包囲戦争は、行き詰っているように感じる。ロシアの経済がどこまで持つか、中国が、どのように関与していくか、その辺で最終結末を迎えるのだろう。

 ≪ ロシアとウクライナ:プーチンの計画を読み解く
ロシア大統領はウクライナでの戦闘と、NATOおよび西側諸国に対する敵対的な発言の双方を激化させている。

 ウラジーミル・プーチン氏が最初にロシア大統領に就任した際に出版されたインタビューから成る書籍で、同氏は子供の 頃に経験した恐怖について語っている。自分が隅に追い込んだネズミが行き場を失い、飛びかかってきたという話だ。自身を窮地に追い込んだプーチン氏は今、 子供の頃の悪夢を演じている。 ウクライナとロシア国内で数カ月、比較的落ち着いた時期が続いた後、プーチン氏は掛け金を吊り上げた。
 ウクライナでは、昨年9月のミンスク和平協定もろとも脆い停戦状態をぶち壊した。反政府軍勢力が前進しており、プーチン氏はウクライナ政府軍を北大西洋条約機構(NATO)の外国人部隊と呼んだ。
 同時に、潜在的なマイダン流デモ*1と戦うために準軍事的組織を動員して、ロシア国内での防衛態勢を築いている。ウクライナでの直近の戦闘は、多くの意味で、プーチン氏が必死(原文は必至)になっている兆候だ。
 5カ月前、ロシア軍の部隊は、ウクライナ軍がドンバス地方の反政府勢力を一掃するのを食い止めるためにウクライナ東部に侵攻した。すぐにウクライ ナの敗北が明らかになった。ウクライナと欧州連合(EU)との貿易協定は棚上げされ、ウクライナ議会は分離主義勢力が支配するドンバス地方の一部に大きな自治権を与える法案を可決した。
 ウクライナがNATOに加盟するという話題は消えた。米国は、ロシア、ウクライナ、欧州の間の協議から外された。ウクライナ国内に分離主義勢力の支配する地帯を作るというプーチン氏の目標は、手の届くところにあるかに見えた。

 ■「ハイブリッド戦争」の曖昧な結果
 だが、ハイブリッド戦争はハイブリッドな結果を生むことがある。ロシアは軍事的な関与を決して認めなかったため、勝利宣言し、兵士を現場にとどめることでロシアの意向を強要することができなかった。  ロシア軍の部隊がひとたびウクライナ東部から撤収すると、プーチン氏の勝利が危うく見えるようになった。反政府勢力は武器を置くことを拒み、ウク ライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は敗北を認めない。ウクライナは、今のところ、ドネツク、ルガンスク両州を国家として承認していないし、NATO加盟 の願望も捨てていない。
 実際、ポロシェンコ大統領は12月29日、ウクライナの中立国としての立場を放棄する法案に署名した。 西側はロシアに対し、ウクライナの今後あり方についてさらなる協議を行う前に反政府勢力への武器の供与をやめるよう圧力をかけ続けた。明らかな不信 感を示す形で、欧州の指導者たちは、カザフスタンの首都アスタナで予定されていたプーチン氏との首脳会議をキャンセルした。そこで、プーチン氏は自分の決意を見せつけることにした。
 ロシアの支援を受けたウクライナ分離主義勢力は、ウクライナの抵抗の象徴となったドネツク空港への攻撃を再開した。反政府勢力の指導者のアレクサ ンドル・ザハルチェンコ氏は、港湾都市のマリウポリも攻撃した。ミサイル攻撃は標的を外して住宅地に着弾し、30人の民間人が死んだ。
 この事実が明らかになるや否や、ザハルチェンコ氏はロシア政府から、話の筋書きを変え、事故をウクライナ人と西側の支援者たちの挑発のせいにするよう指示された。この筋書きはすぐさま、プーチン氏が裏付けた。
 ウクライナは内戦状態にある、とプーチン氏は断言した。だが、そのうえで、ウクライナ軍は「ウクライナの国益を追求するのではなく、ロシアを抑制したがっているNATO外国人部隊」だと付け加えた。
 この声明は、ウクライナ軍の制服を着て英語を話すナゾの兵士やキエフにいる米国人軍事司令官の映像を流すロシアのテレビ局によって入念に準備された。主要ニュース番組は「米軍によるこうした訪問の後に必ず、ウクライナでの戦闘が新たに始まる」と説明した。

 ■ロシアの経済危機の影響
 この反欧米レトリックの強化は、部分的には、悪化する経済への対応だ。実際、格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がロシアの信 用格付けをジャンク(投資不適格)に向けて引き下げるに従い、プーチン氏はウクライナ戦争をロシア対NATOの対立に格上げしていった。
 原油価格の下落と、引き続きルーブルにかかる下落圧力は物価高騰を招き、ロシアの一般市民の間で大きな不満を生んでいる。政府は慎重に危機という言葉を避けているが、危機対策について話し始めている。
 野党勢力も同様だ。野党指導者のアレクセイ・ナワリニー氏と、ベテランのリベラル派、ボリス・ネムツォフ氏は反危機集会の開催を呼びかけた。「プーチンは、危機であり、戦争だ。プーチンがいなければ、危機も戦争もない」とネムツォフ氏は書いた。 一方、プーチン氏はロシア国内で新たな防衛策も講じた。
 ウクライナの反政府勢力がドネツク空港を攻撃した日、ロシアで「反マイダン」運動が開始された。この運動の構成メンバーは、強面のコサックや、ア フガニスタン戦争、チェチェン戦争で戦ったロシア人退役軍人、「夜のオオカミ」と呼ばれる黒革ジャンパー姿のバイカー集団、そして、自由主義のあらゆる兆候と戦うよう訓練されたプロのスポーツマンなどだ。
 (そのほかにも、プーチン氏への個人的な忠誠を誓うチェチェン共和国のラムザン・カディロフ大統領に仕える数千人のチェチェン人戦闘員がいる)
 国営メディアで発足が宣伝されたこのグループは、法的に認められない暴力行為を実行する認可を得ているように見える。彼らが最初に取った行動は、モスクワのカフェに集まったナワリニー氏の支持者たちを攻撃することだった。
 クリミア併合とウクライナでの戦闘は、こうしてプーチン氏が国内で権力基盤を固める役に立った。だが、経済が悪化する中で、プーチン氏はウクライナ東部を手放す余裕はなく、対立をエスカレートさせる論理で身動きが取れなくなっているように見える。
 スウェーデン元外相で長年ロシアを観察してきたカール・ビルト氏の言葉を借りれば、プーチン氏は今、はっきりとした修正主義の計画を持ち、それに基づいて、情報戦争を通じ、また必要があれば武力を用いて、冷戦後の欧州の秩序を変えようとしている。

■ウクライナの全面戦争や核兵器まで絡むアクシデントの恐れ
 ウクライナでの戦闘拡大の露骨な脅しは、クレムリンの宣伝を担うセルゲイ・マルコフ氏が口にしている。同氏は、ロシアはキエフのウクライナ政府を 倒し、オデッサとハリコフを占領する必要があると語り、そうなって初めて、「制裁が解除され、軍事政権が権力の座を追われ、ウクライナが民主的な連邦制に移行する」と書いている。
 戦争を挑発するようなこの発言は、明らかに西側諸国に向けられたものだ。西側は今、銀行間決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」 からロシアを締め出すことも含めた新たな制裁措置を検討している。SWIFTからの排除は、ロシア経済に破滅的な影響を与える恐れがある。 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は、これは制限のない報復の引き金を引くことになり、しかも、それは経済的報復に限らないと警告した。
 危険なのは、ロシアがNATOに対して宣戦布告することではなく、ロシアの無謀な行動が意図しない結果を招きかねないことだ。また、プーチン氏が何を考えようとも、自分自身の意思を持った人口4500万人の国ウクライナが挑発されて全面戦争に入るリスクもある。
 こうした状況は、ある意味では、今の事態を冷戦時以上に危険なものにするかもしれない。一定の誇張だと思いたいが、ロシアのイゴーリ・イワノフ元外相は、次のようなことまで言っている。
 「政治的な対話がなく、相互の不信感が歴史的な高さに達している中、核兵器が絡むものも含む意図せぬ事故が起きる確率がいよいよ現実的になっている」 © 2015 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved. 英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。 英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。 ≫(JBプレス)

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