世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

驚きの世論調査、日経の内閣支持率68%! 朝日の55%でも多過ぎると思っていが

2013年08月27日 | 日記
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
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●驚きの世論調査、日経の内閣支持率68%! 朝日の55%でも多過ぎると思っていが

 日経新聞のこのような内閣支持率は、どこの誰に聞くと得られる支持率なのだろう?判っていることとはいえ、あまりにも酷過ぎるのではなかろうか。個別のコラムなのでは、中立的風合いもあるのだが、安倍政権に対する忠実度が際立ちすぎている。詳細に検証すれば、経済団体の意図がどの辺にあるか、判ると云う点では恰好の白状捏造世論調査と云う利便性も兼ね備えている(笑)。すべての検証は面倒過ぎるので、朝日新聞との違いが鮮明な部分にスポットを当てて、意地悪に見てやろう。

 ところで、この話題の安倍政権だが、予算の作り方が酷くぞんざいだ。そもそも、来年度の一般会計予算の概算要求基準(シーリング)において、一般歳出の上限を示さない等と云う狼藉を働いたわけだが、この政権に金の使い道を決めさせたら、不要不急とは一切関係のない予算をジャガスカ計上しそうである。共同通信によると、原発事故の除染費用に前年並みの5000億円を環境省が要求するらしいが、本年度の除染費用がまだ残っているのが現実だ。除染後の中間貯蔵施設の建設費用については、金額表示なしで項目を要求するそうである。お題目で予算を確保しておくとは、霞が関らしい手法だ。永遠に除染することになるやもしれず、ため息の出るような税金の使われ方だ。

 さて見出しの日経新聞の世論調査を、同時期に調査した朝日新聞の世論調査と比較してみよう。おそらく安倍内閣の経済界寄りの政策に丸をつけ、庶民への増税と経済界優遇の政策をねだるような世論調査になっていないか、そこのところを注意深く覗いてみる。無論、朝日新聞の調査においてもかなりのバイアスが掛かっているだろうが、それでも多少中立的ポジションをかろうじてキープしている部分が垣間見える。

 先ず、日経が世論調査の見出しとした「内閣支持率」と「消費増税容認」についてみてみよう。日経が、どう考えても安倍内閣の支持率が上がる出来事がないのに7月調査より5ポイントも増加し、68%になったとは、これ如何に?である。円安の勢いも落ち、株価も15000円はおろか13000円台死守の状況なのにだ。金をバラマキに行く開発途上国外交が評価されるとも思えない。原発事故の汚染水問題に関しては、積極的自らの姿勢さえ見えない。TPPでアメリカの振り付け通り踊っているのを国民が評価するとも思えない。まさか、洪水で国中大騒ぎなのに夏期休暇を悠々と取り、ゴルフを満喫した余裕綽々の傲慢不遜な振舞いが評価されたのだろうか(笑)。日経の無理のし過ぎだろう。

 その点、朝日新聞の内閣支持率の方がリアリティーがある。55%とは何とも微妙な数字を導きだしている。朝日は、経営者及び幹部が安倍政権に恭順の意を表したわけだが、現場の記者の中には、かなり快く思っていない人材もいるので、こういう数字に落ち着いたのだろう。まぁこんな世論調査を真面目に解析するのもアホ臭いのだが、もう少し頑張ってみよう(笑)。

 次は日経が後押しに必死の消費増税についてである。日経は消費増税に国民の理解が深まったと云うことで、72%が方法論は別にして賛成(容認)になったと数字を弄くったようだ。朝日の方は、賛成43%、反対49%と拮抗している。おそらく事実は賛成40%、反対60%くらいが本来の数字だろう。おそらく、消費税を段階的に上げる方法論が優勢と云うことは言えそうだが、社会保障の改革が置き去りであり、セットで判断するべきものなのだから、個別に質問すること自体が八百長だ。

 安倍政権による経済政策で日本の経済成長が期待できるかと云う点について、検証してみよう。日経は「評価する」が前回と同じ56%、「評価しない」は26%と3ポイント下がったそうである。国民は、菅や野田の民主党の経済政策に比べたら評価出来ると考えたかもしれない。それなら、比較論なら出てきても不思議ではない数字になる。しかし、現実は思い通りには行かないだろうと、世捨て人のような心境の民意が反映している。朝日もこの件に関しては、期待できる46、期待できない34で、傾向としては評価している人が多いようだが、コチラも比較論に過ぎないだろう。あの民主党と比較したら、共産党だって、もっとマシな経済政策打っただろう(笑)。

 安倍政権の経済政策で自分達が恩恵をこうむるかどうかについては、質問設定が幾分違うが、日経ではまだ景気上昇の恩恵を受けていないと75%が答えている。朝日の質問では安倍政権の経済政策で雇用や賃金に好影響はあるかと聞いているが、結びつくとは思わない人が47%で、結びつくと前向きな人が35%となっている。この辺の質問も、景気が浮揚し、2,3年後に需給のバランスが整い、賃金に反映してくるとマスメディアが嘘をついているのが影響しているのだろう。素朴な国民性と云うか、お馬鹿な人々と言うべきか、今夜は控える事にする。

 TPPに関して、日経は支持率が伸びているとだけ表現したが、数字的には 48%であり、反対も30%、分からないが20%なので、中途半端な数字である。なにせ、中身が不明確であり且つ決定もしていないのだから、聞かれた方も迷惑だろう。流石に朝日は、TPPに関する質問は時期尚早と考えたのだろう、質問項目にもない。かなりの部分で秘密もあり、話し合いが整ったとしても、国民に判断するだけの材料が提供されるかどうかも定かではない。「ビックリ箱貿易協定」に、賛成とか反対とか以前の問題で、オバマの意向と云うだけで推論を試みるしかないのだ。その答えは、米国贔屓か嫌米かで決まるのだろう。

 その他には、日経は煮詰まってもいない社会保障制度改革が決まったような感じでの質問を行っているが、このこと自体が刷り込み作業の一環なのだろう。とぼけて、世論調査の中の質問に紛れ込ませるとは、悪質である。朝日は社是でもある、集団的自衛権(憲法解釈の変更)に関して、嫌に深い質問を行っている。ただ両社の調査を見る限り、アジアの国々、特に中韓にとやかく言われることを毛嫌いする国民性は同じように現れている。この辺が、奇妙なナショナリズムが湧きでてくる要因があるのだろう。おそらくだが、米国や英国から言われたら、チョッとばかり聞く耳を持つ国民性とは何だろう、と思う。明治維新以降、アングロサクソンには、日本人は異様な姿でひれ伏すようだ。なんとも物悲しい気分になってしまう。以下に、日経・朝日の世論調査記事を添付する。


≪ 内閣支持68%、消費増税容認7割 本社世論調査
 日本経済新聞社とテレビ東京による23~25日の世論調査で、安倍内閣の支持率は68%と7月の前回調査より5ポイント上昇した。不支持率 は23%と6ポイント下がった。消費増税に関しては税率引き上げを容認する声が7割を超えた。環太平洋経済連携協定(TPP)加盟への賛成も増えており、政策への理解の広がりが支持率を押し上げているとみられる。
 消費税率を今の5%から2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げることについて三択で聞いたところ「予定通り引き上げるべきだ」は17%と前回より6ポイント上昇。「引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」は3ポイント低下の55%、「引き上げるべきでない」は3ポイント下がり24%だった。
 消費増税自体への理解が進む一方、半数は実施時期や引き上げ幅を慎重に考えるべきだとしており、首相の判断に影響を与える可能性がある。
 TPPへの加盟に賛成は48%と前回より6ポイント上昇した。反対は3ポイント低下の30%だった。
 社会保障費の増加に対応するため高齢者の負担を増やすことは「やむを得ない」が46%、「避けるべきだ」は48%と拮抗した。世代別では 20~50歳代は「やむを得ない」が半数以上。60歳代は「避けるべきだ」と「やむを得ない」が並び、70歳代以上は「避けるべきだ」が57%だった。
 安倍内閣の経済政策は「評価する」が前回と同じ56%。「評価しない」は26%と3ポイント下がった。景気回復は「実感していない」が75%、「実感している」は17%で、ともに同様の質問をした6月とほぼ横ばいだった。
 日経リサーチが福島県の一部地域を除く全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話調査した。有権者のいる1476世帯から895件の回答を得た。回答率は60.6%だった。≫(日経新聞)


 ≪ 世論調査―質問と回答(8月24、25日実施)
(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は7月22、23日の調査結果)
消費増税、賛否が接近
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する55(54)
 支持しない27(26)
◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」55%、右は「支持しない」27%の理由)   
 首相が安倍さん13〈7〉 8〈2〉
 自民党中心の内閣24〈13〉 31〈9〉
 政策の面44〈25〉 48〈13〉
 なんとなく16〈9〉 11〈3〉
◆いま、どの政党を支持していますか。
自民38(39)▽民主6(7)▽維新2(3)▽公明3(4)▽みんな2(4)▽共産2(4)▽生活0(0)▽社民1(0)▽みどりの風0(0)▽新党大地0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党1(0)▽支持政党なし40(31)▽答えない・分からない5(8)
◆安倍首相の経済政策で、日本経済が成長することを期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
 期待できる46
 期待できない34
◆安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びつくと思いますか。そうは思いませんか。
 結びつく35(35)
 そうは思わない47(41)
◆消費税を来年4月に8%に、再来年10月に10%に引き上げることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 43(30) 
 反対 49(58)
◆消費税を来年8%、再来年10%に引き上げるのではなく、毎年1%ずつ引き上げて10%にする、という考えがあります。こうした引き上げ方はよいと思いますか。よくないと思いますか。
 よい 34よくない 51
◆消費税を引き上げることで、景気に悪い影響が出る不安をどの程度感じますか。(択一)
 大いに感じる18
 ある程度感じる59
 あまり感じない19
 まったく感じない2
◆消費税を引き上げないことで、社会保障に悪い影響が出る不安をどの程度感じますか。(択一)
 大いに感じる24
 ある程度感じる49
 あまり感じない19
 まったく感じない3
◆集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 27  反対 59
◆安倍首相は終戦の日の8月15日、靖国神社に参拝しませんでした。安倍首相が靖国神社に参拝しなかったことは適切だったと思いますか。適切ではなかったと思いますか。
 適切だった63
 適切ではなかった20
◆安倍首相は8月15日に靖国神社に参拝しませんでしたが、3人の大臣はこの日に参拝しました。大臣が靖国神社に参拝したことは適切だったと思いますか。適切ではなかったと思いますか。
 適切だった41
 適切ではなかった37
◆安倍首相は、戦争で亡くなった人を追悼する8月15日の式典で、この20年間の首相と違って、アジア諸国に被害を与えたことに触れませんでした。安倍首相のこうした対応は適切だったと思いますか。適切ではなかったと思いますか。
 適切だった40
 適切ではなかった40
◆アジアに被害を与えたことに安倍首相が触れなかったことや、3人の大臣が靖国神社に参拝したことに対し、中国や韓国が批判しています。安倍内閣は中国や韓国からの批判を重く受け止めるべきだと思いますか。そうは思いませんか。
 重く受け止めるべきだ34
 そうは思わない52
◆東京都は2020年夏のオリンピック開催地に立候補しています。東京都でオリンピックを開くことに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 74  反対 17     
 ◇  
〈調査方法〉 24、25の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3269件、有効回答は1658人。回答率は51%。 ≫(朝日新聞)

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