acc-j茨城 山岳会日記

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ザラメ雪の燧ヶ岳東面に遊ぶ

2010年05月06日 21時16分21秒 | 山行速報(山スキ-)
2010年4月30日-5月2日 燧ヶ岳東斜面、
何となく気合の入らないGWだけど天気は大変良さそうな予報、積雪量も十分らしい。このチャンスを逃すまい、とにかく雪山にしっかり泊まってしまおうと思って、通い慣れた尾瀬・御池から入山して燧ヶ岳の東面に山スキーを進めた。
メンバー:単独

4月30日
昼前に御池を出発し沼山峠への除雪された道路の山側をシール歩行。メラッパシ田代へ上がる広い沢を登る。このあたり何とまあスノーモビルのトレースがある。どこから来たのだろう。メラッパシ田代から東ノ田代の南東端へ登りベースキャンプ(BC)を設営。今日はたったの350m標高差しか登っていないがとても疲れた。しばし昼寝。夕食は行者ニンニクとソーセージ、ゴマなどを入れた煮込みラーメンで栄養補給。テントの中はたぶんニンニク臭充満のはず(本人にはわからない!)。燧ヶ岳は雲に隠れて見えない。

タイム記録:
11:40御池ー沼山峠への車道山側トラバースー13:00メラッパシ田代へ切れ込む谷の入り口ー14:30 東ノ田代南西端BC

5月1日 曇り強風後晴れ。

ガチガチの東ノ田代


 昨夜は早くに横になり夜半に目覚めた。もういちど寝入って起きるとすっかり明るくなっていた。上空の雲の流れが早い。
熊沢田代の東に食い込む谷を登る。谷はすぐに浅くなるが意外と側岸は立っていて強い風を遮ぎってくれるので助かる。
ときどきスリップするので途中でスキーアイゼンを装着。


ハーフパイプのような谷



こんなに浅い谷が長く続いている



上質なコブ(のような凹凸)もある


黒い針葉樹に囲まれた沢は2100mまで続いた後ダケカンバの疎らな燧ヶ岳北西斜面に消えた。風が強いので途中でツェルトをかぶってしばらく待機。天気が良くなり風も弱まってきてから頂上までシール登行。まだ時間が早いので登ってきた人はほんの数名。時間はたっぷりあるのでゆっくり休憩し東面のどこを下るか思案する。雪質は良く締まった良質なザラメだから雪さえついていればどこでも下れる。北向き斜面は時々アイスバーンがあるので要注意だ。いろいろと上から偵察して’まないたぐら’と’ミノブチ岳’の鞍部から真東に下る谷の源頭を滑り、2075m標高点をかすめてその東につづく広い尾根を下ることにする。問題はその尾根の一番急な部分2000~1800m付近の樹林が密かどうかだろう。谷の源頭はすばらしい雪質で風を切るようにあっという間にすぎた。問題の部分も樹間は適度に開いており雪質もまずまずであったので難なく下る。


燧ヶ岳東面のこんなところを滑ってみた



樹林の急斜面も問題なし


頂上から道路まで標高差800mをゆっくりとルートを確認しながらでも40分ほどで滑った。暑くてのどが乾いたのでのんびりとお茶をわかして登り返しのエネルギーを補給。南東向きに開けた谷から東ノ田代のBCへ向けて緩んでザクザク雪の谷右岸を登る。


BCへもどるのにこんな谷を登ります。


BCに戻ってまだ滑り足りないのでもう一度朝と同じルートをたどる。
が、午後3時になり雪面が凍り始めたので2070m付近から戻った。案の定、クラストしはじめておりスピードは出るのに曲がり難くて、幅の狭い沢中では連続ターンがうまくできない。沢の片側斜面をギルランデ多用で何とか下る。1時間20分かけて登ったところを下りは10分ほどで。テントサイトからはフィルムクラストでギラギラと光る燧ヶ岳東斜面がよく見えた。今日はいい天気に恵まれて山の中を思う存分走り回った。

BCからぎらぎらの燧ヶ岳を眺める

タイム記録:
6:15 BCー<熊沢田代と東の田代の間の浅い沢>ー8:30(2190m)ツェルト待機ー9:40 燧岳まないたぐら頂上(晴れ)10:18 滑降開始ー10:41(2075m)標高点すぐ南-10:48(2000m)ー11:01(1600m)ー11:07~11:30(1550m)車道-12:36(1620m)メラッパシ田代の南の沢ー13:30 BC
13:43 BCー14:10 1900mー14:38 2000mー15:00 2070m折り返し点15:10 滑降開始ー15:23 BC着

5月2日 晴れ
昨夜も夜中に東の空に丸い月が見えた。上空には雲があり満天の星ではなかったが。。。。今朝もすっかり明るくなってから目が覚めた。一人の気楽さからか。今日はどうしようか、と思ったが、重荷を背負ってしんどいことはいやだったので、テントをおいて燧ヶ岳の頂上を往復した後、テントを撤収してそのまま入山時のルートを下ることにした。
 昨日の午後のトレースがガチガチに凍り付いている。三度目の登行をする。途中でスキーアイゼン装着。日焼け止めクリームを昨日亡くしてしまったので、目出帽!をかぶっていく。ちょっと暑い。昨日とちがって風が弱く上着をつけずに2時間弱で頂上。

またいたぐらから至仏山が見える。

下りのルートをもう一工夫して、北東にある1990m標高点の尾根を下ることにする。そこまでは今朝登った沢のもう一本南側の浅い沢を快適に下り、

ゲレンデの林間コースのようにも見える樹林にはさまれた下降ルート(真ん中)

快適な谷の中から尾根へ乗り上げる

左岸をトラバースして尾根に乗り上げる。1990mピークからの尾根は少し急である。樹林もやや混んでいた。いちばん木の空いているところは北向きの急斜面。一度アイスバーンに変わったとたんに転倒して5mほどズルズル。身の危険は感じなかった。それでも頂上から20分でテントに戻る。

 のんびりとテントを撤収して、重荷を背負ったので転けないように入山と同じルートを下る。谷の初めの部分は急斜面で斜滑降しかできなかった。ゆるやかなな沢の中もときおりスピードを出すとおもわぬ凹凸にバランスをくずしそうになり足が疲労した。それで、除雪道路にでてあっさりとスキーをあきらめ、板を背負って御池まで歩いた。水道でスキーを洗って爽快な春スキーを終了。天気と雪質に恵まれた気ままな山行であった。

タイム記録:
6:49 BC発-7:36(2050m)-8:45(2347m)燧ヶ岳まないたぐら頂上~9:18滑降開始-9:23(2100m)-9:28(2000m)-9:30(1990m標高点すぐ東)-9:40(1800m)BC着 テント撤収10:28 BC-10:39(1650m)-10:53(1470m)道路-11:25御池

さるのこしかけ


GPSトラック


by Yu-chan


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