acc-j茨城 山岳会日記

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八ヶ岳 阿弥陀岳北稜

2019年01月02日 13時40分50秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/15(土) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),きくりん

装備:登攀具&冬装具各一式,ロープ(8.1mm×50m)×2本.

12/14 19:10自宅(つくば)発→23:00頃 道の駅小淵沢(泊)

12/15 4:30起床→6:00赤岳山荘P→9:33行者小屋BC発→11:37第一岩峰取付き→12:23阿弥陀岳山頂→13:38文三郎道分岐→15:00頃行者小屋BC着

 

 「アルパインの経験がない人を,バリエーションルートに連れていけるようになればチャンスはあるんじゃないですか?」

半月ほど前の山行の記憶をたどって思い出すのは,なぜだか何年か前にとある人から言われたそんな言葉..

 

3年位前から雪に囲まれた環境でロープを出す山行をしてみたいと思っていたが,いろいろな条件が重なってなかなか経験を積むことができなかった.今シーズンの冬はどうやら念願の?チャンスがやってきたみたい.パートナーはきくりん.こちらは冬山歩きや短いアイスクライミングの経験はあるけれど,何ピッチもあるバリエーションルートとなるとそうは数をこなしていない.おまけにこの時期は陽が一番短く行動時間も限られる..そんなわけでルート選択に頭を悩ませたが,まずは簡単といわれるルートでもいいから数をこなしていこう!ということで,阿弥陀北稜と赤岳主稜をチョイス.

前夜つくばを出発し,珍しくも長い区間高速を使い,当日早朝に美濃戸まで車で上がってしまう.予報では土日好天の予想.計画通り初日に行者小屋でベースを張って,阿弥陀北稜にアタックすることを確認する.

美濃戸の駐車場にて.この日はこれくらい雪あったんですよ~ 

南沢の登山道をのろのろ歩き,8:30前には行者小屋に到着.さっさとテントを張り,そそくさと登攀具を身に着ける.見上げれば阿弥陀の北稜と思われる稜線がよく見えるではないか.

南沢の登山道より.うっすらと陽が当たり赤岳山頂付近の眺めの美しさにちょっと見惚れてしまう.

8:27行者小屋に到着.

阿弥陀北稜と北西稜.行き先がわかって少しだけホッとする.

こちらが今回のBC.

1時間ほどで準備を済ませ,文三郎尾根への登山道から阿弥陀岳への夏道へ入ってゆく.ネットの記録などでは12/10までは八ヶ岳にほとんど雪がなかったようだが,12/11に通過した南岸低気圧の影響かこの日は阿弥陀北稜の取付きまでトレースはなし.天気は良く,樹林の間から時折見える北稜を目指して雪の中を進んでゆく.あまりにも多い雪では疲れ果ててしまうが,このくらいの量であれば一番最初に足跡をつけることが気持ちいい.振り返れば,これもこの日の山行のいいアクセントになったのだろう.

踏み跡なのか,夏道なのかよくわからないが取付き目指して登ってゆく.

確か夏道から撮ったところ.ここから取付きめがけて明瞭な尾根を登っていった.

第一岩峰取付きまでは,ところどころ急な登りとなるもののラッセルにめちゃくちゃ苦労することなく雪の中を進んでゆく.ああだこうだ2人して確認しながら第一岩峰取付きに到着.夏道から分かれた登りの最中にちらりと何人かの人が見えたが,取付きで単独の女性の方に抜かれる.「北稜を単独か~.かっこいいなー」と思いつつ,「うちらは冬山初心者パーティなんだから,マイペース,マイペース」とお互いに準備したロープを出し合う.

第一岩峰.左に回り込んだところに支点あり.

ご覧の通り立派なボルトがありました.

1P目のリードはきくりん.目の前で単独のお姉さんが登っていった後を追うように,スルスルと登っていく.コールの後,フォローで登るわたくし.前に登った二人は簡単そうに登っていたが,手袋&アイゼンで登ってみると意外に岩を掴めないしバランスは悪いしで,なんだかおっかない.2人ともスゲーなぁ..

1P目,登りやすいところを適当に.

2P目はわたくしめ.きくりんが岩角で取ったビレイポイントからもう少し上がると,立派なボルトの支点がある.そのすぐ上が少し立った岩場.前のお姉さんが登った跡らしきものがあったから概ねルートはわかったが,取付いてみるとなんだか岩がうまいこと掴めない.それでも足を上げたり指でこらえたりして岩場を抜ける.やれやれ,なんだかおっかないな~.

2P目支点より.この少し先に立派なボルトの支点あり.

岩稜帯を抜ければ事前に写真で見たことのある,リッジ状を通過.リッジ手前にスリングもぶら下がっていてこの日はそれほど緊張感はなし.それでも振り返ってみれば画になるところではないか.

チョットした雪のリッジ状.この日は風もなく,心地よい緊張感でした.

リッジ状を抜けた後はロープを伸ばし,横たわっていた灌木でビレイ.ここから先,きくりんに少しロープを伸ばしてもらうが実質的には2Pでロープ出しは終了だった.確かにここは1回来てしまって,天気が落ち着いていれば1人でも来られるかなぁという印象.それでもわたしにはここに2人で来られていい経験を積むことができた.

途中明らかにロープはいらなそうな雰囲気となったので,ロープをしまい少し歩けばそこは阿弥陀岳山頂だ.降雪から数日経って,柔らかい感じの山の景色が素晴らしい.

山頂より富士山.

こちらは北岳ほか南アルプス方面.

赤岳.翌日登る予定の主稜を追う.

こちらは横岳方面.

硫黄岳,東天狗,西天狗だって見えるのだ.

山頂でぱっと周りの景色を眺めたら,あと気になるのは明日登る予定の赤岳主稜のことだけ.取付きの確認をするべく,そそくさと下山を開始.中岳を乗越して文三郎道に合流.振り返れば,「そうか阿弥陀は初めて登るんだったな」と思い出し,もう一度阿弥陀岳を眺めてみる.よーく見れば北稜に数パーティ取付いてるではないか.

文三郎道に合流.これだけの天気だから赤岳に登る人は多かったっす.

阿弥陀岳ときくりん.まずは一本完登だね.

文三郎尾根の登山道を下ってゆけば南方リッジの取付きを通り過ぎ,やがて赤岳主稜の取付きに向かうトラバースポイントへ.案の定,主稜には数パーティ入っていて取付きまで踏まれている.目印をつけてBCに降りてゆき,翌日の山行に思いを馳せるのだった.

szt

 



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