acc-j茨城 山岳会日記

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栗駒山

1999年09月10日 15時51分56秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

1999/9 栗駒山

待ちに待った東北巡礼の山旅。 
今回は家族サ-ビスの一環として「さくさく登山」を楽しもうという趣旨なのである。

自宅出発2時間遅れもなんのその、みちのく路を快調に北上。 
しかし、平地では良かった天気が山麓に入ると共に大粒の雨。 
今宵、山行の祝杯をあげる予定であった「須川高原温泉」につく頃には雷も 不気味に光る悪天であった。

30分ほど悩んだ末に本日の停滞決定。それではと秋田県側に下って稲庭うどんを いただきながら作戦会議。

結果、私一人は早朝3:00から山頂へ。下山後天気の様子を見て、皆で昭和湖辺り まで行く事とした。


草木も眠る、丑三つ時の登山道

目覚ましのアラ-ムがなると同時に 部屋の片隅でカサコソとアンパンをほおばる。
身支度を整えちょうど3:00の出発だ。

あいにく天気はガス。昨日よりは雨がないだけ状況は良くなっている。

暗い登山道をヘッドライト頼りに歩をすすめる。以前、夜間歩行想定山行を していた為、意外と落ち着いたものである。

しかし、本能である。暗いというのはさすがに恐怖感を拭い去れない。 
きょろきょろと身の回りが安全か気になる。

まるで沢!階段を流れる清流


25分ほどで名残ケ原、さらに35分で地獄谷と昭和湖。

湿原をそよぐ風、険しい谷を流れる沢、風に波打つ美しい火口湖。 
音はすれども姿が見えず。想像を膨らますもどうにも形にならない。

今日は秣岳へと稜線歩きを予定していたが、どうしてもこれら美しい景観を 見たくなってきた。ここでピストン山行に変更。

それにしても昨日の雨の為、登山道がまるで沢のようである。

 

天狗平へは昭和湖より40分ほどで着いた。 
ここから稜線伝いに山頂まで歩く事になる。

この頃から辺りが薄明るくなってくると同時に風が強くなる。 
たまらず天狗岩のクラックに身を押し込み休憩。

天気が良ければここから ご来光なのになあ。
そんなわがままを思いつつ、 身をかがめながら山頂へと急ぐ。

さあ山頂だ。小さな祠と大きな塔が 対照的である。

しばらく待ったがガスが晴れる事はなさそうだ。
そう言えばここの所”山頂= ガス”ばかり。「俺ってガス男か?」

仕方なく証拠写真の山頂塔を写真でパチリ。

「ん?」

ここは岩手、宮城、秋田、 三県にまたがる山と予習してきたが、塔にはこれに山形県が加わっている。

「おっと、ってことはこの廻りを歩くと四県歩いた事になるの?」

朝5:00山頂塔をぐるり回る男がひとり。(実際は山頂=岩手、宮城の県境です) ちょっと恐い絵になりそう。

下山を開始し、天狗平迄行くと 辺りがだいぶ明るくなってきた。 
稜線を一歩下ると嘘のように風もない。

さあ、これからが今日一日楽しい 山歩きの始まりだ。
沢になった登山道を歩き、潅木のトンネルを抜けると 昭和湖に着く。

さっきはな-んにも見えなかったが、
あるある。火口湖が。

乳青色の湖にガスがかかりなんとも幻想的である。
しかし、 「有毒ガス発生注意」の看板。
キレイなものにはトゲがあるのだ。

この頃から登りの時の自分の足跡が 目立ってくる。
この時は何考えていたっけな?

最近、そして今後の自分の事とか、
次の山の計画といった事から、

クマが突然出てきたらとか、
最近聞いた怪談話とか、
ここで人が ひょっこり出てきたらクマより恐いなとか、
何かと恐怖に刈られたなあ。


明るくなれば恐いものなし。そんな自分が微笑ましく思える。 
と思ったら木道が現れた。ここが名残ケ原だ。


ゴツゴツと岩が目立ってくると温泉 宿はもうすぐだ。
硫黄の匂いが食欲を刺激する。

まずは温泉に入ろう。そして朝食をモリモリ食べよう。 
登山道は宿の露天風呂脇に出てくる。そこにはあひるのおもちゃがプカプカ浮かんで、あたかもお出迎えしているようである。 

 

本日はまさに「朝メシ前」登山であった。

などと、暗がりの恐怖などスッカリ忘れて、強がっている自分もまた 微笑ましいものである。


sak


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