acc-j茨城 山岳会日記

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奥秩父 赤岩岳(直登ルート)

2019年05月02日 05時28分28秒 | 山行速報(薮・岩)

2019.4.28(日) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),yuka

装備:登攀具一式,ロープ(8.6mm×50m)×2,クライミングシューズ,カム(未使用)

4/27 21:40 つくば発→高速道路使用→1:30頃 上落合橋登山口P着

4/28 6:12 基点P→6:43 赤岩橋公民館跡→7:47 赤岩峠→8:30頃? 登攀開始→9:54 2P目スタート→10:53 小休止→11:08 3P目取付き→12:00頃 登攀終了→12:57 下山開始→12:59 赤岩岳山頂→13:23 赤岩峠→14:03 赤岩橋公民館跡→15:08 基点P

 

 バリエーションルートでどこか手頃なところはないかとネットで検索していると,ひょんなことから両神山に登る八丁峠のその先の,赤岩尾根の記録をみつけこれが気になりだす.あれやこれや調べてみると,赤岩尾根にある赤岩岳や途中のP1583にロープを出して登っているところがあるみたい..練習するには良さそうかな?そんな気持ちで,赤岩岳とP1583をクライミング後,赤岩尾根を縦走する計画で奥秩父へ向かってみた.

基点は上落合橋登山口にある駐車場.車は4~5台は停められそう.天気は晴れているものの,寒気が入っているせいか日陰はとても寒い.それでもこの時期になると陽は長くなるから,山の計画も長めのものを立てられる.

ニッチツの住居跡がある赤岩峠への登山口へは,舗装された林道を下っていく.駐車場では冷たい風が吹きつけていたが,30分も歩けば体も温まる.赤岩橋の駐車場(幅広くなった路肩)には車が3台停まっている.「あら~,出遅れたかな~?まぁ,先行パーティで渋滞してたら赤岳への直登はパスだな」と思い,住居跡をパスして赤岩峠への登山口へ.

目立った標識があるのかと思っていたら,特にそれらしいものはなし.”山火事注意”の赤いのぼりのわきにある作業路のような踏み跡のそばに目印があり,それを頼りに山へ入る.踏み跡は時に薄くなりかけるが適度な間隔で目印があらわれ,さらには比較的新しい踏み跡を先行パーティのものだろうと予想して薄暗い植林帯をえっちらおっちら登ってゆく.すると植林帯は切れ,芽吹く前の広葉樹林帯が広がる小尾根に出た.

植林帯が終わった直後の登り.明るくなりました.

なんか練習できそうな岩峰あり.ただスズメバチの巣があったから夏は要注意?

直前までこの登山口へつながる県道と林道が通行止めだったようなので,登山道は明快ではないがそれと思われる踏み跡を頼りに赤岩峠まで足を進める.

赤岩峠まで登ってみれば,先行の5人パーティが登攀具を身につけ出立するところ.挨拶しつつ今回の予定を尋ねると,赤岩尾根を八丁峠までの縦走路を歩くよう.どうやら直登ルートには誰も取付いていないようで,ちょっとほっとして小休止.

7:47赤岩峠着.取付きはここからすぐ.

赤岩峠で休むものの,これからの予定を考えるとあまりのんびりもしていられない.ひとまず取付きと思われる尾根の基部まで移動する.取付きと思われる針葉樹には黄色のリボンが巻いてある.

ここでロープを出しクライミングシューズに履き替える.ただ,ここは赤岩岳の西側の尾根にあたり,8時台では陽が全く当たらず寒いことこの上ない.パートナーのyukaさんはフリースの上にダウンジャケット.それ正解です.こちらはリードをするのでさすがにダウンは暑かろうと思いフリースを上に羽織るだけ.天気は良いが,寒気のおかげか風は至って寒いのです.

寒さに打ち震えながら登攀開始.基部から尾根に向かって近づき,あまり考えもせず基部からみて右にある南側のフェイス状の岩壁へ進んでいく.右上した先に灌木がありそこを支点に取れそうだと思い,登ってみると思いのほか脆そう.そしてスタンスもなかなかにシビア.

んっ?ちょっと待てよ..このルートこんなに難しかったけ??こんなところ行ったら,トラバース気味だし,マルチピッチデビューのyukaさんのフォールは必至...落ち着いて落ち着いて,と一旦クライムダウンして,藪っぽい凹角状をめがけて左へトラバース.ここならフォローでもなんとか登れそうかな?ということを踏まえてロープを引いてゆく.

藪っぽい凹角状を見上げたところ.ここならきっと登れるはずとおもいまして..

リーチ差や筋力差を考えて,ところどころにお助け紐やお助けアブミをセットしつつ登ってゆく.適当な灌木もあり支点をとるのには困らない.ほぼいっぱいにロープを引いたところで傾斜も緩まり,使えそうな灌木で支点をセット.見上げれば下調べした2P目の取付きっぽいところでのビレイとなった.

フォローのyukaさんにコールを送りロープを引き上げるが途中でロープがピタリと止まる.少し心配になって大声で様子を確かめるが返事はなし...あれ~,岩にでもぶつかって気絶でもしてるのだろうか??と気を揉んでいると,ロープがじわりじわりと引けるようになる.ゆっくりではあるけれどフォローも登ってきて,無事1P目は終了.なんでも岩が少しハング状になっていて声は聞こえど,声は届かずだったみたい.よかったよかった

1P目の終了点より.2P目はチムニー状を登りました.

2P目.出だしはチムニー状を登る.チムニーの間に灌木があり,ここにまたしてもお助け紐をセット.チムニーを抜けると藪は減って周りの山々が見渡せ,高度感,開放感が出てくる.テラス状になっていて周りの風景を楽しめるところだ.特に厳しいところもなく,ビレイしやすいところで適当な灌木に支点をセット.フォローのyukaさんも危なげなく登ってくる.陽当たりも良くなり,清々しくてとても気持ちがいい.

チムニーの間にある灌木にランニングをセットしてパチリ.

灌木も少なくなって,周りの眺めが爽快です.

フォローのyukaさん.危なげない登りです.

2P目を終了したところで10:30過ぎ.このペースだと,赤岩岳まで行けたとしても縦走するにはちょっと慌てることになりそう.ということで,陽当たりもいいし,休めそうなスペースもあるしで小休止をすることに.

考えてみれば,yukaさんは初めてのマルチピッチのクライミング.深刻なトラブルなくここまで上がれたし,気持ちのいい天気なんだから今日はクライミングを楽しむ一日に予定変更.まずは無事に赤岩岳の山頂へ到着できるように進みましょうと話し合う.

小休止後,クライミングを再開.2P目の終了点からやや左へトラバースした尾根状の所から3P目をスタート.このピッチが一番高度感を体感できたかな?核心と思われるカンテへのトラバースも直前に残地ハーケンがあり,リードでもそれほど怖さは感じない.カンテを抜けた先でお助け紐をぶら下げて先へ進む.ランニングの取り方が悪かったせいでロープが重くなったため,太い立ち木で支点をとりピッチを区切る.

区切った先は藪交じりとなり,ビレイもいらないくらい.安定したところまで抜けて最後は肩がらみでフォローをビレイしてクライミングは終了.ランニングをうまくとれば,小ピークの手前に陽当たりの良い快適なテラスがあり,記録を残したパーティはここまで3P目のロープを伸ばしたのだろう.

快適なテラスに到着したのが12時頃.今日は赤岩岳の山頂まで行って登山道を引き返そうということで話はまとまり大休止とする.

核心と思われるところを越したところ.フォロー用にお助け紐もセット.

3P目のフォローも危なげなし.

大休止後はいよいよ下山.計画では縦走で抜ける予定だったので,下山路となる赤岩岳を北から回り込む登山道のことはあまりよく調べていなかった.なので油断は禁物,まずは赤岩岳を目指して行動を開始する.休憩したテラスから先へ進むと,明瞭に踏まれた跡があり,2分ほどであっけなく赤岩岳山頂に到着.周りを見れば,手作りの標識があり,赤岩岳方面への目印も下へ続いている.これなら道に迷うことはなさそうだ.

それでも,赤岩峠から3Pで山頂まで登っただけあって,登山道は急傾斜.一部切れ落ちたところあり,ロープは出さないもののクライムダウンする場面ありと油断大敵である. 

山頂直下の下り.ご覧のように目印は豊富.

リボンだけでなく,ケルンもあり.

一部クライムダウンもあり.

登山道を赤岩峠まで下れば,あとは来た道を戻るだけ.明るい広葉樹林帯を過ぎ,暗い植林帯をすぎればニッチツの住居跡.

赤岩峠付近では芽吹きはまだ.見通しも良く,陽が当たれば清々しい.

登山口着.右ののぼりが目印です.

ニッチツの住居跡にて.廃墟を感じさせない華やかさ.

林道まで降りたら,装備を外し小休止.あとは車やバイクに気を付けて駐車場まで戻るだけ.この道中,今回完遂できなかったP1583へのクライミングと赤岩尾根の縦走をコンプリートしようと,計画がまた一つ決まったのでした.

計画にはなかった林道歩き.花をめでることができて,これはこれでよかったのです.

次にここへ来るのはいつだろう?ほかに参加者もいるのかな??

 

szt

 

 

 

 



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