acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

谷川連峰 湯檜曽川西黒沢

2018年09月03日 08時10分54秒 | 山行速報(沢)

2018/8/26(日) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),その他1名

装備:8.6mm × 50m ロープ(未使用),カムC0.3-0.5(未使用)

5:30慰霊碑駐車スペース→5:43入渓→6:04白鷺滝→7:17熊穴沢出合→8:19 3段80m大滝→10:16 5:1二俣上→10:52 8m滝→11:16 1,700m付近トラバース開始→11:25天神尾根登山道→14:11基点P

 

 25日は下山後14時過ぎに雨がぱらつきその後も時折雨が降る.宿泊は前日同様土合駅の駐車場.寝ている間の21時頃には雷雨が降ってきた.その後にももう一雨あったみたい.朝までの雨量とこれからの予報を確認し西黒沢は問題なかろうと判断.日曜日は西黒沢を遡行することになった.

土合駅から慰霊碑の駐車スペースへ移動し行動開始.西黒橋から延びる登山道を歩く.途中西黒沢を渡るポイントの一番最初からスグに入渓.途中何度か登山道を横切るがナメが早くも出現するので早く沢に入ってしまって方が良い印象.

西黒沢入渓ポイント

意外と下から連続するナメ

下の方から入渓した方が良い点はもう一つ.白鷺滝を拝めるし登ることもできる.なので個人的には早めの入渓が良い気がするのですが..

白鷺滝

白鷺滝は高度感はあるものの,左の灌木帯の際を登れば楽に上がれる.この日はもちろんノーロープ.ただ初心者用か上にはハンガーボルトががっちり打ってある.

白鷺滝上部の支点

田尻沢出合を過ぎると,開放的な湯檜曽川らしい眺めになってくる.

田尻沢出合付近

一旦ゴーロ状の地形を歩くことになるがここらへんがどうやらザンゲ沢と別れるとこらしい.我々は左へ左へと進んでいった.

中央の尾根を突き上げたスカイラインの右の出っ張りがザンゲ岩?西黒沢はその尾根を回り込んでいる

連続するゴーロは左へ左へと進んだ

ゴーロを進むうちにザンゲ沢を隔てる尾根が顕著となり,沢が狭まってくると8m滝が出現する.

8m滝

初めは巻く方が楽かと思い,左のルンゼをいくがすぐに足がボロボロなためこれは却下.滝はホールドが外傾しているものの全く歯が立たないわけではなく,左から小さく巻き気味に登ると自然に壁の濡れたところと乾いたところの境目辺りに引き寄せられる.そこで残置ハーケンを発見.さらに登るともう一つ残置ハーケンを発見.そこから落口まではロープなしでトラバースできそうだったが,高度もあり後続が行き詰まると助けるのに難儀しそうだったので残置ハーケンでセルフを取り,スリングをつなげてお助けひもを出す.この即席お助けひもで互いを連結しそこから落口に向けてトラバースした.

この日は高巻きからの懸垂下降の可能性を考えて50mロープにしたため,登り始めにロープを出さなかったことに少し反省.短めのお助けひもってこういう時楽だよな~と実感する.ちなみに滝の上部に出れば,リングボルトで支点が作られていた.

8m滝上部の支点

その後も明るい沢と小滝が続く.5mクラック滝は,水流をフットホールドにすれば容易に突破が可能.

5mクラック滝

クラック滝はこんな感じで登りました

さらに進むとまたもや8m近い滝が出現.事前に見た記録では水流左を登っている.この日見た感じでは,水流右のルンゼ状に残置ピンが光っているようにも見える.ただ,この日は滝の直登にこだわっていたわけではなく,先の展開もイマイチ読めなかったため左岸の草付きを巻く.適度な間隔で灌木があるためそこをロープを出さずにつないでゆく.滝上部にはここにもリングボルトで支点あり.支点の位置からすると,下で感じた通り水流右のルンゼ状を登った時のための支点か?

8m滝

滝上部の支点

8m滝の後は,右岸から弱い流れの水が落ちる滝があらわれそれを越えていくと,,,

本流は写真右から中央に流れる水流

3段80m大滝の登場である.滝下で一旦小休止をとりいまのところ順調に西黒沢を詰めていることを確認する.

大滝1段目は水流左壁の易しいところをサクサク進む.2段目は水流沿いを試みるが途中から処理に時間がかかりそうな気配が漂うため,左の草と灌木の際をつないで登る.3段目?はそれまでに比べかなり傾斜も緩くなり容易に上へ.

3段80m大滝

1段目のテラスより大滝2段目

2段目落口辺りから大滝3段目?

大滝を抜けた後の15m滝も傾斜は寝ており突破は容易.

15m滝

その後も10m弱の滝が出現するが,どれも難しくてⅢ級程度で大滝を含めてロープを出す場面はなし.

この滝は確か一旦水流沿いの左側を登り,バンド状から上は左壁を容易にあがったはず

こちらは右のリッジ上から途中左へトラバースしてあがり再度右へ.ホールドはガバがたっぷり

この滝を登ると奥に核心の滝があるようだが,ここも時間を取られそうなのでパス.リッジを登った滝上からは右岸を大高巻きする.ここも落ち着けばバンドはしっかりしており,トラバースは容易.ただ高度はぐっと上がるので落ちたら止まらない.

核心の滝?今回はパス

中央奥に見える右岸から落ちる滝が本流(5:1二俣)

右岸大高巻き.振り返れば天神平のスキー場が

西黒沢へ戻る最後のトラバース

巻いた後は,奥に見える右岸からの滝を目安にトラバース.あまり高度を上げすぎず慎重に回り込む.大きく切れ落ちてませんように,と覗き込むと何の問題もなく西黒沢に復帰.これで一安心?と小休止を挟む.

沢に戻った後はどんどん高度を上げて小滝を登ってゆく.振り返ってみれば,大滝を登る辺りから大高巻きを経る形で高度を上げてきたことになる.

5:1二俣上はこんな感じ

この滝は一番左の水流を目指す

最後の8m滝.右壁を小さく巻く.灌木に頼って突破.

最後の8m滝には謎の金属製の板がおちて滝の水が注がれている.裏側を見てみるとトイレの扉?何だろう.この滝を越えると沢の周りは笹に覆われる.沢形の地形は残り,水流を頼りに途中の二俣を右へ詰めるがすぐに伏流となってしまう.そのまま沢形を詰めるとガレ地が出現しそこで地形を確認する.

正面の尾根が天神尾根

天狗の留まり場には人影が見え,休日ということもあって人の声が良く聞こえる.しかしこのまま詰めても天神尾根には近づかない感じ.どうやら8m滝を過ぎたら左へ左へと詰めた方が良いみたい.ここは相談の結果隣の左の沢を目指して笹原をトラバースすることに.

最後の8m滝から上は概ねこんな感じ

となりの沢に移っても笹に覆われていることに変わりはない.歩きやすさも特に変わりなく,風が通らなく暗いためこのまま登ってもテンションはあまり上がらない.GPSで確認すると1,700mを越えたあたりで傾斜が緩まり登山道に出るならここが楽そうなので笹原をトラバース.10分程で登山道に出て遡行終了となった.

飛び出した1,700m付近の登山道

あとは装備をバラして下るだけ.途中天狗の留まり場で詰めたところを確認.やっぱりあのまま詰めていたら,西黒尾根に出そうな感じである.最後の8m滝より上は左へ左へ詰めるのが正解な感じ.詰めれば源頭の様相が楽しめそうな感じであった.

天狗の留まり場より.中央の下のガレ地からどんどん左へトラバースしたことに

田尻尾根を下り,林道に出ると暑さが厳しい.最後はもう一度沢靴を履いて西黒沢を下り駐車場へ戻るのだった.

まずまず中身の濃い土日であった.

 

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