acc-j茨城 山岳会日記

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宝川源流の山スキー

2013年03月27日 17時02分11秒 | 山行速報(山スキ-)
2013年3月25-26日
宝川源流広河原ベースの山スキー(中途退却)
メンバー:Nak
久々に雪山に泊まって山スキーがしたいと思い、宝川源流の広河原にベースを設営して周囲の山々を思う存分すべってやろうと思いました。

コースタイム:
3/25宝川温泉5:50-7:30板幽沢出合-9:43標高1400m尾根上-10:00広河原BC
3/26BC7:50-9:50標高1580m引き返し地点ー10:12BC10:54-12:30標高1600m尾根上-13:08標高1440m尾根の分岐点-13:43板幽沢橋-15:08宝川温泉

初日は冬型への天候悪化に備えてしっかり雪洞を作ろうと思い短い行程ですが、早朝6時に宝川温泉を出発しました。


南向き斜面の積雪は少なく、側壁から林道への雪崩の危険はピークをすぎていそうです。林道はなんどか雪がなくなってスキーを脱がされます。
板幽沢橋を超えてさらに林道を進みます。日曜日あたりに下って来たスキーやボードのトレースがあちらこちらに見られます。その後は、なるべく本流左岸の急傾斜面に近いところの緩傾斜帯を進みますが、1300m付近でやや急な尾根を直登しなければならなくなります。上部にはかなり大きな雪庇も見え、一部は崩壊して下部にデブリが見られます。


クトーをつけて限界に近い傾斜を直登です。


直登している尾根の西隣りの崖マーク地帯の積雪は崩壊しかけています。

尾根の最後は、スキーを脱いでピッケルを手に、高さ1mほどの小さな雪庇を乗り越えて広河原を直下に見る尾根の末端、標高1400m付近に上がりました。すぐにガリガリの斜面を沢沿いに下ります。ここにもスキーの登りのトレースが見られました。


すぐに広河原に到着しました。念願の広河原、広々とした雪原です。

今夜の降雪に備えて、さっそく雪洞の掘削開始です。積雪深さはすくなくとも3m以上、上流に見えている滝の際の積雪断面は高さ5m以上ありそうです。積雪は十分。表層の1mぐらいはグサグサの濡れたザラメ、それよりも50cm深いところを天井にしよう。そう考えたのはよかったけど、実際に掘ってみると、しまり雪はとても緻密でスコップをまっすぐに突き立ててもほとんど刺さりません。スノーソーで切ろうとしてもぎごちなくしか手を動かせません。なかなか大変です。2時間かけても、一人寝るスペースができなくて、さらに一時間、ちまちまと掘り進みようやくぎりぎ
りのスペースができあがり、入り口にブロックを積んでツェルトで塞いで完成しました。
 もうひとつ問題が出てきました。ガスボンベが使用途中のもので、おそらくふた晩は持ちません。水を川から汲む方法をなんとかしなければなりません。ロープをつないで10mぐらいにし、その先に、コッヘルカバーのナイロン布袋をつないで、本流で割れている穴に投げ込んでみました。布袋は水が少しづつ漏れてしまいますが、一回のロープ投げ込みで鍋一杯分ぐらいの水を汲めました。これで一晩は暖かく飲み食いができそうです。
 女性のテレマーク山行者が結構な荷物を背負って対岸斜面を上流から降ってくるのを見ました。手を振りましたが、そのまま先を急いで行かれました。ここから登り返して宝川方面に下山するのでしょう。

昼寝をして、夕方5時頃から夕食、7時に就寝、夜10時頃目覚めて入り口を見てみると、膝ぐらいまで雪が積もっていました。入り口のくぼみが吹きだまりになってしまうためで、除雪をしました。

 朝5時頃に目覚めるが、そとは雪のようなので、もういちど寝ると、次に起きたのは7時になりました。まだ雪が続いていて、山の上の方から強風の音が聞こえてきます。

雪が降り続いていますが朝日岳と笠ヶ岳の中間から東南東に広河原まで下っている尾根をとりあえず登って見ることにします。もし、上部で天候が回復してきたらラッキーです。最初からシールにクトーをプラスして登ります。足首程度のラッセルですが、カリカリの斜面に積もった新雪がシールの裏で下駄になりスリップします。シールを雪洞内に保持していて冷えないまま使用開始したためか。それとも新雪の下のザラメ雪の水分が付着するためでしょうか。


森林限界か標高1650m付近、これより上部はさらに強風でホワイトアウトです。残念ですが、ここで退却します。


1400m付近、ふりたての浅い新雪を楽しみます。あっというまにBCに戻ります。

やはりガスボンベの残量が不安なので、一日早く下山することに決定しました。BCから北北東に上がる尾根を登ります。

適当な傾斜の尾根ルート1300m付近はこんな感じでスキーでの登下降にはよいルートです。


布引尾根から南へ派生した尾根の約1600m付近、ちょうど布引沢の源頭にあたる地点に登り着きました。東側には巨大な雪庇が出ているようです。本流沿いの渡渉を交えたルートと比べてだいぶ登り下りの標高差がありますが、ここを越えるルートは安全性を考えるとスキーには最適のように思います。


布引沢右岸の尾根との分岐となるピーク方面を望みます。

その分岐から先、左は板幽沢へまっすぐ下るスキーにはよさそうな斜面が続いています。分岐からルートを右にとって南東に下っていきます。

少し下ったところ、天候が回復し上空は晴れて来ます。なんとかこなせる雪質なので一安心です。


ますます晴れてきましたが、もう朝日岳は望めない位置です。

林道の手前1150m付近まで下ると、尾根をはずれて林道終点の方向へ向かいます。

カラマツ、最後は杉の人工林になってきます。
板幽沢の橋でワックスを塗ますが、林道は傾斜なく推進滑走は難しいようです。休みなくアルペンモードのままバックルを緩めて足を交互に進めていきます。風は以外と冷たくて上着脱ぐとやや寒いぐらいです。


林道の下り行きと同様に3,4回スキーをはずしました。シールは貼らず交互推進滑走で下山しました。


緑色がBCへの入山ルート、赤色はBCからの下山ルートです。