acc-j茨城 山岳会日記

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奥秩父(甲武信ヶ岳)荒川~千曲川源流周回の沢旅

2012年10月20日 23時34分06秒 | 山行速報(沢)
奥秩父(甲武信ヶ岳)荒川~千曲川源流周回の沢旅
メンバー Nak
初めての単独の沢登り、今まで行ったことのない奥秩父の手始めに荒川源流と銘打たれた真ノ沢を目指した。

2012/10/6
毛木平駐車場(5:50)ー十文字峠(7:40)ー股ノ沢歩道分岐(8:00)ー1626m付近支流横断(9:10)ー真ノ沢吊橋(10:20)ー真ノ沢林道1415m付近(尾根上からトラバースへ変換点)(11:15)ー千丈ノ滝落口(12:10)ー木賊沢出合(12:50)幕営

2012/10/7
出発(6:10)ー三宝沢出合(7:50)ーゴルジュ屈曲部入口ナメ1983m(8:10)ー
最上流10m階段状の滝(8:50)ー荒川水源碑(9:30)ー甲武信小屋(10:00)ー甲武信ヶ岳(10:30)ー西沢への分岐(11:00)ー千曲川水源碑(2150m)(11:30)ー毛木平(13:45)

2012/10/6
 前日深夜到着した毛木平は舗装された立派な駐車場だった。この先の林道にはゲートがあり、一般車は侵入できない。

十文字峠への最初の分岐を見送り千曲川源流歩道へ向かう林道を歩く。途中で道標に従って左の歩道に入り地形図にでている十文字峠への尾根道に合流する。だけど、歩道の位置は地形図とはかなり異なっていて谷奥に進んでから来た斜面を上がって地図の道よりもだいぶ東側で尾根に出た。

 森林の中の地面には植生が少なく、見通しが良く利く。常緑針葉樹林のせいで林内が暗いせいだろうか、あるいはシカが食べてしまうせいだろうか。今まで多雪地帯のササなどの密生を見慣れた目には林内の植生がまばらなのが珍しく映る。
 単独なので、ついつい歩くペースが早くなる。

奥秩父の山、しっとりとして北の山とは違った趣が新鮮である。

十文字峠の先で初めて単独登山者に会った。股ノ沢歩道は岩場崖のトラバースになっていたり、シャクナゲの密林を縫うところ、足を滑らせると危ないところがいくつかあり、気がぬけない。股ノ沢の様子を見ていると滝の連続である。この沢を登ってもおもしろそうだ。

股ノ沢歩道の下りで、渓流用のピンスパイクを試してみた。効いているようだが、つま先のワイヤーが足袋の指の割れ目に食い込んで不快である。

ところどころにでてくる沢の石が全部コケに覆われたところ、きれいだな。

 真ノ沢吊橋にでてから真ノ沢を遡ろうと入渓する。水量が少し多いようでいきなり水流の中を歩き始める。ほんの少し歩いて膝上ぐらいの深さの瀬でうかつにも転倒し水中に頭まで突っ込み全身びしょぬれになった。冷たくて一瞬パニックになった。こ濡れたままでいるのが少々不安になり、まずは真ノ沢林道を使って千丈ノ滝の上まで行くことに変更した。
 林道という名の歩道、分岐には×のマークがある。植生が少ないのでどこでも歩けそうで落ち葉に覆われていると、ときどき道がわからなくなるが、よく見れば概ね明瞭ですぐに復帰できる。


写真のように尾根に沿って登っていくと、、標高1415m付近からは千丈ノ滝近くまで北斜面のトラバースだが意外に歩きやすい。(これ以降、カメラも水没させてしまい、曇っています。)


千丈ノ滝手前にはこのように緩やかな沢型の苔むした斜面が広がり幻想的だ。千丈ノ滝落口まであっけなく到着した。


このあとは、泊まり場を探しながら、沢を歩いていく。地形の広がった木賊沢出合に幕場とする。


流木や倒木は豊富、たき火をして濡れた衣服を乾かした。

2012/10/7
 夜は弱い雨がずっと降っていた。沢は特に増水している様子はなかった。まだ霧雨が残っているが、出発する。休憩すると寒いので、ほとんど休まずに歩く。水は冷たく手がかじかむ。水流にはときどき膝ぐらいまでつかる程度である。
 2段5mに続く7m滝は右岸の踏み跡から小さく巻く。右岸に枝沢を分けた後、10m階段状スダレ不動の滝は最後の段差がややかぶっていてザックを先に放り上げてから凹角をつっぱりで登った。


このあと岩盤が花崗岩質に変わってナメとナメ滝が連続する。苔むした倒木が多く跨いだりくぐったりの連続だ。上に載るときはずるっと腐った部分が剥げ落ちるので注意が必要だ。
 三宝沢が出会ったあと、駒鳥の滝8mは右岸のザレ場をブッシュをつかんで登り巻く。このあとは、わりと傾斜のあるナメが続く。ときどき倒木の密集地帯があり主に左岸に巻きの踏み跡を辿る。前方の倒木の状況を良く見てルートを決めていく。


右岸の分水尾根が低くなって、右へぐっと流れが曲がるところはゴルジュ内の狭い滑床になっている。このあと、5から8mぐらいの滝三つくらいを巻いた。踏み跡はしっかりとあるがブッシュがはげ落ちているところや、なんども引っ張られていて枯れそうなブッシュ、はがれ落ちそうなブッシュが多い。10m階段状滝は高く巻きすぎて高度感のあるトラバースをした。
 水量はぐっと減ってくるが、倒木は相変わらず多く、快適とは言えない。


やっとのことで、荒川の水源碑に到着する。このあとは山道をゆっくりと辿る。休みなしで歩いてきて疲れたせいか、小屋から山頂まで長く感じた。山頂にはきれいなウエアの登山者が20人くらい、たき火の匂いまみれで足袋をはいた姿ではちょっと気が引けた。
 山頂の上にはうすい青空も見えるのだが、北側斜面にはずっと雲がかかっている。これが霧雨になっていたのだ。なかなか天候はよくなりそうもないので、今日中に下山することにする。今回は軽量化のため、靴を持参せず渓流足袋のまま下る。道の下りは早い。千曲川源流の碑には20人くらいのハイカーが来ていた。これから甲武信ヶ岳に登ろうとする登山者にも10人くらいは会った。そのあと、毛木平までところどころ梯子や桟道があったりするが、比較的緩やかな道であった。

千曲川源流歩道沿いにあった岩屋。



今回たどったルート