Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

「一河会」 & 燭光能「藤」

2014-05-24 | イベント

 5/11(日)、高岡市青年の家で「一河会」謡曲大会があった。3月の芙蓉会以来久しぶりに素謡とお囃子で出演した。素謡は、「藤」の地謡と「半蔀(はじとみ)」のワキ、お囃子は連調連管で「中の舞」だった。自分の撥を使って太鼓を打つ初めての出番だった。↓は、myバチの袋です。           

 最後の仕舞を3番、カメラに収めました。一つは岡田さんの「海人」より「玉の段」。鏡花の「歌行燈」に出て来るこの「玉の段」が私は大好きで、3月の蒼山会での仕舞をアップした(今日は略します)。

 もう一つは米島さんの「殺生石」。栃木県那須野那へ来た僧が、ある石の周りを飛ぶ鳥がすべて石を目がけて落ちていくのを見て不思議に思います。その石に近づこうとすると、一人の女が「その石に近づいてはいけない!近づくと殺される」と声をかけ、石にまつわる物語をします。
 夜、僧が石の前で仏事を行うと、石が割れ中から夜干(狐)が現れ、自分は鳥羽院の寵愛を受けた玉藻の前の執心である、化け物であると見破られ都から逃げて来たが、矢に当たり死んでしまった、その執心が石になり、近づくものを次々殺していた、と語ります。僧が供養してくれたことに感謝し、もう二度と悪事をしないと約束し、成仏して行きます。↓は、狐が語りながら舞う仕舞。               

                                

 最後に、山崎先生の「経政」。仁和寺に仕える行慶(ぎょうけい)僧都は、一の谷の合戦で討ち死にした平経政を弔うこととなりました。そこで琵琶の名手だった経政が愛用した青山(せいざん)という銘の琵琶を仏前に据え、管弦講を執り行います。夜半を過ぎた頃、燈火(ともしび)のなかに人影がほのかに見え、不思議に思った行慶が尋ねると、その人影は、「経政の幽霊である、お弔いの有難さに現れたのだ」と告げるのでした。
 そして青山の琵琶を奏で、舞を舞い、夜遊の時を楽しみますが、それも束の間。修羅道に堕ちた身には、憤りの心が起こり、あさましい戦いに苦しむ姿を見せ、その身を恥ずかしく思って人に見られまいと燈火を消し、暗闇に紛れて消え失せていきました。 

                     

 前者は「鬼物」、後者は「修羅物」と分類される能だそうで、このような激しい動きのある能が私は好きです。

 さて、5/17(土)、高岡市瑞龍寺法堂で「燭光能」が催された。例年は、20日の利長忌に行われるのだが、今年は新住職の就任を祝う晋山(しんざん)式の後の行事として執り行われることになったようだ。
 我が家では、ちょうど前日娘夫婦が高岡に着いたばかり、2人ともぜひ観たいと言っていたので、山崎先生に整理券を用意していただいた。私はかなり早めに出かけたら、ちょうど式が終わったところらしくそれは大勢のお坊さん達が寺内へ戻って来られるところだった。↓は、翌日の新聞から。            

 「燭光能」は時間きっかりに始った。演目は半能「藤」、富山県にゆかりのある曲なので燭光能でも何回か見ている。この日のシテは広島先生。お囃子に瀬賀先生、上田先生、地謡に山崎先生、米島先生、と平米の先生方が4名出ておられる。娘たちと3人並びの良い席をとったつもりだったが、シテの藤の精の冠と面しか見えず、ときどき隙間から全身像がチラッと見える程度。お囃子も上田先生の太鼓の右手のバチが見えるだけ。ひたすら音色に聴き入っていた。「藤」は地謡も何度も覚えているし、「序の舞」も何度も聴いているので、音色だけで充分だった。マークもmusicを楽しんだ、と言っていた。写真は、すべて姫さんからいただきました。              

                                              

                       

                       

 『藤』   シテ: 広島克栄、   ワキ: 苗加登久治
       後見: 大沢永靖、前田長孝
       大皷: 飯島六之助  小鼓:住駒幸英  太鼓:上田博  笛:瀬賀尚義
       地謡: 高田哲、高野秀幸、米島和秋、寺田茂
            山崎健、藪俊彦、岩村邦夫、浅谷之信    


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6 コメント

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Unknown (なは)
2014-05-24 16:54:33
清姫様
新しいバチは袋もきれいですね!使い心地も良かったですか。
先生方の仕舞いは素敵ですね。臨場感があります。
このような会もあるのですね。
瑞龍寺の晋山式はにぎにぎしかったのですね。何十年に一度という式ですから滅多に合うことはないでしょう。四津谷さんの前までは世襲ではなかったはずです。それまでは本山から新しい住職が就任されたはずです。
燭光能は雰囲気がでていますね。このような雰囲気に浸れるだけで嬉しいです。ありがとう。
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Unknown ()
2014-05-25 00:02:59
仕舞・能でうまくまとめましたね。
いくつもの紹介ありがとう。
バチも袋もできて、自分のものになりましたね。
燭光能、一番前だったのでよーく見えました。
冠に藤がついているのは、本番で気がつきませんでした
写真でやっと分かりました。
もうちょっとだけ、明るいといいのに・・・
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Unknown (風子)
2014-05-25 09:40:29
清姫さん
マイバチと素敵なバチ袋ができてお囃子がさらに楽しくなりましたね。
「燭光能」は沢山の人なんですね。
先日はお招きいただきありがとうございました。
とても楽しい時間でした。
マークさんはとても魅力的な方ですね。
今朝テレビを見ていたら今日のイベント欄でしたか?に
マーク・セフトン展と出ていました。
清姫さんあちこち交渉されて大活躍でしたね。
お疲れ様でした。
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Unknown (清姫)
2014-05-26 20:52:15
なはさん
黄色、ピンク、赤色などもあったようですよ。私のお気に入りの色が残っていて嬉しかったです。仕舞は動画ならあの動きが捕えられるのですけど写真ではどうも表現できませんね。
新住職のお父君が病院から参列されたとか聞き、驚きました。燭光能は最前列に座らない限りよくは見えないのだけど、あの雰囲気はやはりいいですね。
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Unknown (清姫)
2014-05-26 20:55:41
姫ちゃん
仕舞もとてもよかったのです。最近、この仕舞が能ではどんな場面になるのだろう、などと考えたりします。
燭光能、前はもっと電灯が多かったかも知れませんね。雰囲気は出ますがやはり暗いね。写真いっぱいもらいました。ありがとう。
腕、大変だったようですね。しばらく不便な生活になりますね。
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Unknown (清姫)
2014-05-26 21:02:35
風子さん
お稽古ごとって、些細なことで楽しみが増えたり、その逆もありますね。もう少し続けるかな~なんて思っています。燭光能はいつも半能なので短いのです。興味があればいつでも仰って下さいね。
北日本テレビの番組ですか?新聞社から情報が行くのかしら?ケーブルTVには電話で頼みました。新聞社の取材が今日ありました。明日か明後日の記事になるようです。
先日は急にお願いしたのに来ていただき、ありがとうございました。
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