今年の「高岡薪能」は、第30回記念大会だった。お能は、宝生流宗家、宝生和英さんのシテで、「小鍛冶」。そのせいかどうか、今までは能2番演じられたが、今年は1番だけ。宗家の「小鍛冶」は、一昨年「富山薪能」で観たのだが、富山では県民会館の舞台、高岡では、瑞龍寺境内で演じられるので、雰囲気がまったく違いやはり期待が高まっていた。
今年も、私たち平米公民館組は、蒼山会の素謡「富士太鼓」の地謡に出ることになっていた。
8/26(日)1時から、第一部の素謡が瑞龍寺法堂で行われた。私達は7番目。1時に、大庫裡に集合だった。8月末とは言えまだ暑い。小さい扇風機が回っているだけで後は自然の風に涼を求めるしかない。でも、一昨年よりはマシかな~(昨年は高校同窓会と重なり出ていない)。
大きな窓の外は、庫裏の横の裏庭になる。高い木々が影を作り、見た目は涼しげ。
庫裏の前には、大きな竃と釜。薪も積んである。
日曜日だからか観光客がとても多く、もちろん庫裏も見学されるので、私たちが着替えをしている部屋の前も通って行かれる。
今年は、MiTUの友だちが二人観に来てくださった。かなり前に1度観たことがあるけど、ゆっくりと観たい、と言われて。素謡は聞いていても退屈だから、2部の薪能からどうぞ、と言ったのだが1部からずっと観てくださった。
法堂へも観光客は来られる。しばらく佇んで聞いて行かれる人、中に入り座って聞いておられる人もある。私たちが出番を待つ間、風のよく通る入り口の階段に3人で座っていると、写真を撮らせてと言う人もあり驚いた。着物に袴と言うだけで年齢は関係なく、珍しいのかも。
埼玉から、個人旅行で来たと言う女性は、夕方の薪能まではおられないけど素謡だけでも聞けて嬉しい、と言われた。旅行の途中に偶然年に1度の催しに出合い、得した気分と言うことは私にも経験がある。
観光客がずいぶん増えたな~と実感。今年はあまり写真を撮らなかったので、興味のある方は、一昨年の写真をご覧ください。一昨年は、能が「田村」と「土蜘(つちぐも)」の2番、狂言が「仏師」だったこともあり、3回に分けて書いています。
http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/d/20100824
http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/d/20100825
http://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/d/20100828
最後に、素謡「富士太鼓」はどんな話か、と言うと:
宮中で管弦の催しがあり、太鼓の名手「浅間」が召しだされた。そこへ同じく太鼓の名手の「富士」が津からやって来る。「浅間」は「富士」を憎み、討ってしまう。夫の帰りが遅いので、「富士」の妻は娘を連れて都に上るが、夫が討たれたと聞き、形見の装束を渡され、悲しみにくれる。そして、形見の鳥甲と舞衣を身につけ、夫の敵と太鼓に討ちかかる。娘は驚くが、「この太鼓ゆえに夫は討たれた、打ちて恨みを晴らさん」と撥を剱に置き換え、太鼓を打ち叩き悲しみの楽を奏し、泣く泣く帰って行く。
お能は幽玄の世界と言うが、このような不条理な話も結構多く、このお能もいつか観てみたいもの、と思っている。
↓は、薪能が始まる前の境内の仮設能舞台。舞台の前には座布団席と、椅子席がびっしり準備されていた。早目に席取りをして一旦帰宅した。
関野神社でさえ、暑くて出たくないのに・・・。
出演も減らしていこうと思っているのに、増やしてどうするんだ!! と思っています。
観光客が・・・ そんなこともあるのですね。
中には、初めてこのようなものに触れた人もおられるでしょうね。
いいことをされましたね。
ホントに、修行かと思うほど。でも、北陸での薪能は雨風の心配があるから、戸外でする限り7,8月になるのでしょうね。
観光客との会話は楽しかったですよ。
関野神社、涼しくなっているといいですね。
一昨年のもゆっくり見ました。良く紹介したありましたので、私もこれは昼から見たことを思い出しました。わたしもこの時が始めてだったように思います。新鮮で素敵だなーと一つ一つが楽しかったです。
だから、観光客の方の喜ばれたのが分かるような気がします。
瑞龍寺だけではなく、このような「お能」などに会われたのは素敵なことですね。
高岡が思い出深いところになられるかも・・・。
貴女の写真、どれも綺麗です。緑が美しいし木立も涼しげです。台所の様子も珍しいです。
「薪能」を待つ場も、ここで始まると楽しみになります。
前のブログも読んでくださりありがとうございます。風が少しあり、一昨年よりは涼しかったです。あの雰囲気は好きですが、能を演じられる先生方も装束を着て大変でしょう。
今年は、演能前のアナウンスで、チョッとみっともないことがありました。これは、主催者側も気をつけないと…でした。
・木陰から 涼を思う 瑞龍寺
・和服美女 我連日短パン 長き足
暑い時の出演は“行”ですね。
それでも観光客との交流があったのはよかったですね。
「富士太鼓」は理不尽な話。
こういうことが沢山あったのでしょうね。
話の筋が分っていると面白く聴けますね。
謡も話が分かっていると、なんとか言葉を聞こうと真剣に聴きます。
「富士太鼓」もそのような理不尽なことが有ってのでしょうと思いますね。
これがお能になるとどうなるか?やはり見てみたいと思いますね。
アハハ、上手ですね~。さすが、です。
1句目、まさにその通りでした。
2句目、私も連日短パン。最後の2文字が違いますが…。でも、お客さんで足をほめてくれる人がおられます。
ホントに行でした。毎年、もう出ない、と言いながら、特に理由がなければ出ざるを得ないつらさです。
県外の方との交流は初めてで、楽しかった。
さすが、この日は外国の方とは会わなかったです。
風子さん、来年はお誘いしましょうか。能の演目にもよりますが。
妻と娘が太鼓を討つのは、太鼓を破ってしまうのだと最初思いました。
でも、太鼓を打ち叩き、舞を舞い、帰って行くのだそうですよ。
「富士太鼓」は、「道成寺」の1週間後9/9の金沢定例能で演じられます。チケットはいただいたのがそっくりあるのですよ。元気があれば2週続きで行かれますか。