10/23(土)、話は遡るが金沢「杉の井」とにし茶屋街へ小旅行した時の最終目的が、能「鶴亀」の観能だった。 私達平米公民館「能楽お囃子の会」のメンバーで大先輩の山本さんが、「鶴亀」のシテを演じられると言うので駆けつけた。 彼女は他の先生の会のメンバーでもあるのでその会のお稽古会での演能だ。 蒼山会で米島さんが「井筒」を演じられるのと同じだ。
「鶴亀」は謡曲としては大変短く、最初に稽古する曲によく選ばれる。 ただし、能としては皇帝がシテで、楽(がく)も入るので、決して軽々しい曲ではなく、むしろ難曲で時間もそれなりにかかるとのこと、これは山崎先生に事前に聞いた話だ。
また、鶴と亀の役を子方が務めるので、そのかわいらしい舞も見どころのひとつ。 皇帝の荘重な「楽」との対比が面白そうだ。 なじみがあり、おめでたい曲なので初めての人も楽しめそうだ。
あらすじ: 新春、唐土の朝廷において、年の最初の四季の節会(季節の変わり目の祝祭)が催されました。絢爛豪華な宮殿で皇帝は百官卿相(ひゃっかんけいしょう・役人と貴族)の拝賀を受け、万民もその場に集います。 拝賀が終わると、皇帝は毎年そうしているように鶴と亀を舞わさせ、皇帝も舞楽を奏させて自ら舞い、長生殿に還って行きます。
写真は、子方の鶴と亀の舞が終わり、皇帝が月宮殿から出て来て「楽」の舞を舞うところ。 右に座っているのは子方の鶴と亀。 頭に鶴と亀を形どったかぶり物をつけている。 謡本では「中の舞」となっているが実際には短かったので、後で聞いたら「破の舞」だったそうだ。 二人は名前から兄弟か姉妹(最近は名前からは男の子か女の子かわからず、衣装をつけているので更にわからない)のようだ。 一生懸命に練習したことだろう。
鶴・亀の相舞・・・皇帝の舞う楽が本来の見せ場ですが、子方の舞う可憐な相舞も見どころです。 地謡が「亀は万年の齢を経、鶴も千代をや重ぬらん」と謡ったあと、鶴と亀(のかぶり物)をそれぞれ頭に戴いた子方二人が中之舞を舞います。
皇帝の舞う「楽」・・・楽(がく)」は、雅楽に伴う舞を模したもので、「鶴亀」のように役柄が唐人である場合、また雅楽の役者である場合に舞われます。簡単に言えば中国風の舞です。
シテの皇帝は面をつけず直面(ひためん)で、中入りはないので後シテもない。 いよいよ皇帝の楽の舞が始まる。 笛、小鼓、大皷、太鼓の囃子に合わせて舞う舞で地謡はない。 囃子の音色だけに合わせて舞うのはさぞ難しいことだろう。 地謡の言葉でなく、笛の音色で動くのだそうだ。 約20分、長い舞である。 山本さんは8,9月は入院されたりで体調が悪く、にもかかわらず他の行事のお世話も引き受けておられ、多忙な様子だった。 その合間にお稽古されたご苦労を思えば頭が下がる。
「鶴亀」は、素謡ではよく聞き、私も最初に習ってよく知っているが、能は初めて。 字面を読み、声を聴くのと全く違う荘厳な能舞台を十分に堪能し、宮廷にいるようなおめでたい気分で能楽堂を出た。
最後に、おめでたい能は気持ちが穏やかになりいい気分でした。
体調が悪いのに、よく頑張られました。頭が下がる思いです。
山本さん、お能の写真をほしいと言われたので焼いてあげようと思っています。先週から平米のお稽古にも出て来られました。
あなたの写真に違うのがあれば、添付して送ってください。
昨日のお茶ではPCは開かなかったのですか?
子方さんの舞は可愛いでしょうね。
小さい頃から能に親しんでいると将来が楽しみですね。
二人揃ってなので、ご家族に能楽師がおられるのかもしれませんね。
山崎先生のお孫さん(平米小6年かな?)も「中の舞」を舞えるようになった、と、先生は嬉しそうにしておられます。