Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

「蒼山会謡曲大会」を終えて(1)

2016-03-21 | 能楽

 3/20(日)、山崎健先生主宰のお謡の会「蒼山会」のお浚い会が無事終了した。昨年は、「高岡市青年の家」の「能楽堂」がリニューアルオープンしたことを記念して、山崎先生のシテで「葵上」の演能があり大勢の方が見に来てくださった。今年は、先生のアイディアで、「リレー素謡」と言う新しい試みがあった。それについてはいずれ書くことにして、今日は曲目について書いてみたい。       

 リレー素謡は、「烏帽子折」と「朝長」。
 「烏帽子折」は、鞍馬寺に預けられた牛若丸が山を出て、商人金売り吉次一行に紛れ奥羽藤原氏を頼る途中での出来事。追手が来たことを知り、途中で元服することを思いつき、烏帽子やを訪ね烏帽子を作ってもらう場面。
 「朝長」は、源義朝の次男であり頼朝の兄にあたる源朝長のこと。父義朝とともに平治の乱で戦うが、戦い半ばで自刃する。

 ↓は、「ちびっこ能楽教室」の連調連管は「鞍馬天狗」。牛若丸が、鞍馬山で大天狗に武術を教わる話。この日都合で出られなくなった男の子に代わり、12月から習い始めたばかりの野○さんが猛特訓の末見事に代役を務められた。        

 ↓は、舞囃子「安宅」。 山伏の姿に身を変えて奥州へ逃れる義経一行は、安宅の関の関守富樫に見咎められるが、弁慶はとっさに「勧進帳」を読み上げ難を逃れる。が、義経が怪しまれるのを折檻して通過を許可される。歌舞伎の「勧進帳」で有名だが、歌舞伎は能「安宅」を改作したもの。最後に富樫に請われて弁慶が舞う「男舞」が舞囃子として独立している。立ち方は、SIさん。(トップも) お囃子は「大小物」と言って太鼓はない。 2枚とも同じポーズになってしまったが…。      

         

 以上、源平の源氏の話(特に義経の話をとり上げてみた。とかく日本人は「判官贔屓」で、薄命の英雄として義経に同情する。
 ところが、先日偶然にもNHK BSで「風雲!大歴史実験・“源平壇ノ浦の戦い”」と言う番組を見た。常識破りの奇策で平家軍を追い詰めた義経は、なぜ最後は苦手とする“海戦”に勝利し平家を滅亡させたのか、と勝因を探る実験がいくつも展開された。“潮流の反転”はほんとうか?の実験、陸から揺れる船の扇の的を矢で射ることができるか? などさまざまの実験が行われ、見ていて飽きなかった。そして、武芸の競い合い(ルールがある)から命の奪い合いへ、戦いが変化して行くと言う解説が興味深かった。イケメンアニメの源義経と平知盛が対比して登場し、言葉を交わすのもわかりやすい進め方だった。ルールを無視した義経は、むしろ悪者、武士たちがなぜ敵の首を取り始めたのか。日本社会の大変化を予期させる存在との結論だった。