デフレと言われて久しい今日、「元気」というテーマにつられて研修会に参加した。
講師は、中川政雄氏。1942年(昭和17年)7月21日大阪府八尾市生まれ。
地元の信用金庫に入庫し、1971年28歳の若さで支店長に抜擢され、以来7ヶ店の支店長として第一線で活躍。不振店舗を次から次へと優秀店舗に仕上げる。常務理事などを経て、2002年退社し、オフィス・なかがわを設立し、全国で講演活動を行なっている。
大きな体、大きく通る元気な声、村田英雄(古い?)似の方だ。40歳から2年間学んだという漫才の軽妙な「間」の取り方や話のリズムで始終笑いを誘った。
講演では、ここ50年間の日本経済の動きから、以前の経験だけでは生き残れないことなどを聞いた。時代は180度変わっており、その変化についていけているか?自立しているのかと問いかけられた。新しい価値観が必要なことを学んだ。
モノ余りの現代、消費者は人と同じものを欲しがらない。また各メーカー商品は、どこの店でも大差はない。従って消費者のもとに売りにいかなければ売れないなど、現在はいかに商品の良さを伝えていくか、「あの人に、あの会社に相談にのってもらおう」を思われることが重要だ。いい商品が売れるとは限らない、しかしよく売れている商品はいいものという考え方も新鮮に聞こえた。どれだけ「お客様」の気持ちをいただけるか。みんな同じような商品、その中で自社の商品を伝えるには「情報」+「情熱」が必要。
セールスについても、28分が雑談、2分がビジネス。居留守を使われるか、応援してあげよか・・もその人次第だ。
講演の中で聞いた「吸啄同時(そったくどうじ)」の四字熟語。またとない機会をつくれるか。つくる努力が大切だと感じた。
自分自身はエリートでは全くないけれど、妙なエリート意識を少なからずもっており、バカバカしいことはできない・・やる前から理論で考えてしまうけれど、「やってみないとわからない」1回やってダメなら2回、3回。5回やってダメだったらやり方を考える。そんな粘り強い挑戦する気持ちが大切。知らないうちに「どうせ」という気持ちが生まれやすい、しかし、やってみないと誰にもわからないと改めて感じた。
「遅れ咲きの冬の花 土の下で根を太らす」人知れず積み上げていく努力の大切さを天童よしみの26年の下積み生活などを通して話してくれた。
部下に対する指導についても、ひとことの大切さを力説された。「この人についていこう」と思えるリーダー、その一言がうれしくてついていこうと思える言葉がけ。教えすぎると部下の自主性が損なわれるので、リーダーは忍耐力を持って育てる。そして上司がいつも自分を見てくれているという、心と心の通じ合いが重要だと氏は説く。そして部下のちいさなエンジンを育て、一つづつ本気させながら、参画意識を高めることも必要。中川氏は先輩に恵まれ、良い出会いをたくさんされたようである。やはり人間は出会いである。
「知恵」「勇気」「独自性」「奇抜性」で勝つのだという氏の心意気にも感じ入った。中川氏は70歳。気持ちも若くエネルギッシュ。自分で自分の限界を決めるのはまだ早い・・。頑張っていこう!
最後に、氏の語録の一部を紹介したい。
・「これからが人生だ」
現役時代は、退任後に活躍する為のキャンプである
大切なことは、定年後をどう生き生きと生きるかである
・「感動が若さを生む」
一日一回は感動しよう。一日一回はおなかを抱えて笑おう
感動は若さを生み、活力を生む
少しばかりの心配と、少しばかりの喜びと、少しばかりの感動と、少しばかりの夢と少しばかりのお金があれば人生最高である。
・「人生二毛作」
自分という人生の土壌に、二回まったく違う花を咲かせよう