蒼穹のぺうげおっと

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もう一人の「如月行」

2005-07-29 00:37:01 | コミックス 感想
僕の好きな作家さんの一人に「終戦のローレライ」や「亡国のイージス」で有名な福井晴敏さんがいるのですが、このお方はですね、熱いストーリーラインを構成してくれるところがとても凄いのですが、その他にもこういうのを描かせたら天下一品というものがあります。

1.昔は切れ者だったけど、今は色んなしがらみに囚われて落ちぶれちゃったおじさま。

2.無口で人付き合いが極端に苦手で頭が良くてやたら強くて自分はいつ死んでも良いと思っている美少年。

基本的に福井さんの作品はこの二者と、こういう世の中だけどどうなのよ?という問いかけを含めた3つのストーリーラインを交差させて描いていて、最終的には人間の持つ熱さ・情熱に収斂してくるところがまた素敵に面白いわけです。

数ある福井作品の中でも、構成・長さ・ストーリーラインの完成度から考えて僕が個人的にお勧めなのは「亡国のイージス」なんですが、その「亡国のイージス」も明日7月30日(土)から公開ですね。

*  *  *

もし「亡国のイージス」を読んだよ、という方でその次の「6ステイン」をまだ読んでいない方がいらっしゃいましたら、これもまた非常に面白いのでお勧めです。
短編集なのですが、「亡国のイージス」の主人公の一人、「如月 行」も登場しますよ。
個人的には「6ステイン」を読むにあたって、「川の深さは」と「Twelve Y.O.」を読んでおくとなお楽しめるかなと思います。

*  *  *

さてここで「6ステイン」を既に読まれた方に質問です。

「6ステイン」の「920を待ちながら」に続きがあることをご存知ですか?

しかも如月 行だけでなく、渥美さんなんかも登場しちゃうし、つか、登場人物全員美形だよ!みたいな、そんなマンガがあることをご存知か?

つか、渥美さんがカッコいいんだよ、これがまた(笑)。

そんなコミックスはこれ。

■C-blossom


福井晴敏 × 少女漫画

こんな絶妙な帯が入っているわけですが(笑)、ご覧の通り、少女マンガに連載されております。
内容は「920を待ちながら」の続編という形を取っていて、なんとあの松宮課長の娘を守る、それが「任務だ」な如月行が登場しちゃいますよ。

福井作品はですね、僕の個人的「勘」で申し上げますと、ハードな作風なのに、女性ファンが非常に多いのが特徴だと思います、たぶん。

・・・で、普段仲良くして頂いているお姉さんがいるのですが、その方も福井作品のファンでして、今回も何も言わずすちゃっと貸してくれたわけです。
#ちなみに「6ステイン」を始め、福井作品の多くをそのお姉さんから借りおります。いつもありがとうございます。
#もっとちなみに、そのお姉さんはコバルトを購入すると、これまた阿吽の呼吸で「あるもの」を切り取って封筒に入れて渡してくれます。
#いつもありがとうございます(平身低頭、そして心から)。

・・・と、話題がそれそうになりましたが、本編の方は「920を待ちながら」のボーナストラックというような感じで楽しむといいかも、と僕は思っているんですが。
というのも、福井作品のあのボリューム、熱量を他の媒体で表現するのは結構難しいと思うので。

しかしながら、この作品侮る無かれ。
最近、至るところで福井作品がコミックス化されていますが、僕は個人的にこの作品が一番雰囲気があって面白いと思いました。

つか、作者の霜月 かよ子さん、絵上手いっす。
これでこの人21歳です。
若いです。
凄いです。
絵が綺麗です。
つか、雰囲気あるんだよなぁ。

個人的にはストーリーラインを楽しむよりは、如月行や渥美さん(笑)というキャラ視点で楽しむべきなのかなと。
#もちろん原作には福井さんが入っているんで、十分面白いと思いますが。
#キャラ視点で楽しむ、という点で僕はボーナストラックかなという風に感じているのかもしれませんね。

巻末コメントで福井さんも霜月かよ子さんの描くキャラが一番肌が合うみたいな表現されているんで、原作者も一押しというわけですね。
ということで、コアな如月行ファンな方にお勧めです。

*  *  *

さて、映画版「亡国のイージス」はどんな感じでしょうね?
つか、真田さんが先任伍長な時点で「別物か?」と思ってしまうんですが(笑)。
時間と機会があれば行って見たいと思います。

*  *  *
(おまけ)
前述のお姉さんがコバルトを購入するといつも「あるもの」を封筒に入れて持ってきてくれるのですが、そのときの会話。
#事前に僕はコバルトがいつ出たかを偶然知っていた&あるものの短編が掲載されていることも知っているんだけど、お姉さんは僕がそれを知っているかどうかは知らないという前提で会話が始まります。

お姉さん「よ、元気?あれ、いる?」
燕。  「いります。ください、是非!」

すっと渡される封筒。
中身など見なくても分かっています。

お姉さん「全プレいる?」
燕。  「いります。ください、是非!!」
お姉さん「うむ、考えておこう」
燕。  「ははー(平身低頭)」

相変わらず暗号のように短い会話です。
しかしながら会話は並以上に成立しています。
相互理解の賜物ですね(えー)。

そうして手に入れた「マリア様がみてる 温室の妖精」、実はまだ読めていない(泣)。
時間プリーズ、一人の空間プリーズ。