■これは面白い!
講談社漫画賞を受賞した時から気になってはいたのですが、色々と読む本がたくさんあったため後回しにしていたのですが、さすが受賞は伊達じゃない、これは面白いですよ。
クラシックや楽器をやってた人は言わずもがな、そうでない人でも十分楽しめると思います。
そういう意味でこの漫画への参入障壁は低い(というか作者の読ませ方がうまいので低く設定してある)と思います。
それでいて読み応え十分なんですよねぇ。
■アンサンブルってすげー
まだ1・2巻しか読んでないのですが、個人としては長所を持ちながらも生かしきれていなかったり、気が付いていなかったりする登場人物たちが人と人とを結びつけることによって変化・成長し、音楽のアンサンブルだけでなく人間同士のアンサンブルも奏でていく、そんなプロセスをめっちゃ明るく描いていく、出だしはそんな感じだと理解しました。
特に野田恵=のだめという強烈で愛すべきキャラと千秋という強烈に自己中心的でこれまた愛すべきキャラを中心に、自分たちの努力、周囲からの協力、何より音楽への情熱を絡めて織り成すアンサンブルは読んでいてとても爽快。
きちんと悩むべき点、超えるべき壁にも取り組んでいる点も見逃せないですよ。
当面は千秋が「自分は才能があるのに不遇だ・不幸だ」と自分しか見えていないところからどう脱皮していくかがポイントですね。
#このへんは『十二国記 風の万里 黎明の空』でも語られるテーマです。
■指揮者ってすげー
多分ね、僕みたいなクラシック素人だと指揮者ってほんとに必要なの?とか思う人多いと思うんですよ。
#実際「題名の無い音楽会」で指揮者無しを実験してたけど、その時は演奏者の方々が上手かったんでしょうね。素人レベルでは違いがわかりませんでしたもん。
でもね、クラシック(というかオーケストラか)やってる人にはその違いが歴然なんでしょうね。
これ読んでものすごく説得力がありましたよ。
「オケを鳴らす」ってこういうことなんだなぁ。
■いろいろ思い出しました1
アンサンブルとかセッションの時の感覚って上手く言葉で言えないですけど、堪らない快感です。
自分は最近めっきりやってませんが、バンドブームの頃はキーボードなんかやってたりもしました。
高校入ってすぐの頃は貯金をはたいてEOS B500(カメラじゃないよ、シンセだよ)購入して友達とバンドやったりね。
#EOS B500を買うってことはめっちゃT.M Network好きだったってことなんですけど、やってたのはプログレだったりして(笑)。
何が言いたいかっていうと、「のだめ」を読んでるとこんな感覚(どんな感覚だよ)に引き込まれるってことなんすよ。
■いろいろ思い出しました2
音楽なんかやってないぜって人でも多分問題ないと思います。
サッカーやってるとこんな瞬間によく出くわします。
(相手でも味方でもいいんですが)ボールホルダーにボールが収まった瞬間に、一斉に各人が動き出します。
ディフェンスで言えば、一人はボールホルダーへのプレス(パスコースをカットしながら)、一人はワンサイドカットで空いたスペースを埋め、一人はセンタリングに備えて中央のマークに走る。
多分この間1秒か2秒くらいでしょ(ケースにもよるけどね)。
オフェンスで言えば、こいつがボール持ったらって感じで裏のスペースに走るでしょ。
これなんかほんと頭で考えるよりも練習とかでそいつのクセまで覚えて、それで勝手に走っちゃうみたいな。
で、それが決まる瞬間が最高に気持ち良かったりするわけです。
団体競技って多分どれでもこれに近い感覚があると思ってるんですよ。
何が言いたいかっていうと、「のだめ」を読んでるとこんな感覚(どんな感覚だよ)に引き込まれるってことなんすよ。
いやー、なんかめっちゃやる気が出てきました。
そんな漫画です。
のだめ、これから3巻、4巻、ですか?ご苦労様です。俺はオヤジ買いで9巻出たときに一気に揃えて通読しました。10巻の書店での取扱いが思いのほか小さくて不満です。そんなに売れてないってことですからね。
十二国記も読んどられるとは。あれもはまると気持ちよい作品ですね。『図南の翼』なんてわくわくどきどきしちゃいましたよ。悩み拗ねる主人公より、イケイケやんちゃ主人公の方が安心して読めます、世界全体がちょっとクライだけに。
プジョーさんにはハヤカワや角川スニーカーから出ている、デイヴィッド・エディングスのファンタジーなどお奨めしてみます。
・ベルガリアード物語5冊
・マロリオン物語10冊(1冊を分冊しよって倍増です)
・エレニア紀6冊(原作は3冊)
・タムール紀6冊( 〃 )
エレニア紀だけが角川刊です。登場人物の会話が中心の、まるでテーブルトークRPGのリプレイ小説のような?!楽しいファンタジーです。燃えますよ!
#ぺうげおっと→プジョー変換ありがとうございす(喜)。
「のだめ」かなりイイですね。
うちの近所の書店では結構コーナー化されてますよ。
#デスノと比較はきびしいっすね(読んでいる人の母数が違うので)。
黒猫トムさんはファンタジーに造詣が深いのですね。参考にさせて頂きます。
『図南の翼』の感想は下書きまで終わっているので近日中にアップしますね。
失敬しました。
ファンタジーに造詣などないのですが、エディングスは読みやすいぞというだけだったのです。ベルガリアードの第1巻「予言の守護者」は、作品のちょうど半分くらいまではひょっとしたら退屈で投げ出したくなるかも知れませんが、そのあたりから「え?何?ってことはこれって、そういうこと?すっげー!!」物語がバシバシ展開していって、1巻読み終える頃には全巻終わるまでの楽しみは保証されたようなものです。
お近くの図書館などで取寄せてお試しください。今書店に行ってもなかなか置いてないんじゃないかと思うので。