素晴らしかった。ほんとに素晴らしい。
番組始まって以来のOP無しアバン、そしてそこには制作スタッフの名前が浮かび、一瞬今回が最終回かと錯覚するほどでした。
そして本編は、第20幕の感想で「アルベールが伯爵を巌窟王としてではなく、モンテ・クリスト伯としてその最期を見届ける、そういうラストをやってくれれば満足」と書いたとおりの展開を見せてくれたので、個人的にはこれ以上無いというほど満足です。
■巌窟王とモンテ・クリスト伯そしてエドモン・ダンテス
中盤あたりから予想していたのですが「巌窟王」の意味が分かれば自ずとその狙い(というのは作品の狙い)が見えてくると思っていたように、やはり「巌窟王」とは絶望を欲する寄生タイプの「何か」だったわけですが、作品の狙いとしてはやはり「巌窟王」化するモンテ・クリスト伯をアルベールという純粋な心を持つ少年が、「巌窟王」としてではなく「モンテ・クリスト伯」として、ひいては「エドモン・ダンテス」として葬ることができるかどうか、ここがポイントになってくれたわけで、半年間感想を書いてきて本当に良かったなと思うんですよ。
そして因果応報もきちんとやって欲しい、そう思っていたのでやはり納得の最期だったと思うのです。
緊張感を最後の最後まで切らせない脚本、演出は本当に素晴らしいと思います。
前田監督とその制作スタッフに拍手です。
■もうひとつの魅せ場、フェルナン
今回は小杉さん演じるフェルナン、これも実は素晴らしかったと思うのです。
前半の剣戟のシーンはともかく、後半のアルベールを人質に取られてからのフェルナンという男の変化、というよりも懺悔・贖罪、その描き方も素晴らしく、また演じる小杉さんも素晴らしかった。
何もかもに嘘をついてきたフェルナンが最期にアルベールを思う気持ちだけは本物だった!
なりふり構わず、まるで憑き物が落ちたかのようなフェルナンに、ここまでの見せ場を作るというのがまた良かった・・・。
このまま恨みで死んで行くというシチュエーションよりも、視聴者としては今回のフェルナンを見て救われた気がしましたよ。
そしてその後伯爵が「死ではなく、絶望が欲しい」という台詞もまた秀逸。
ここに来てもまだ緊張の糸は切れない、みたいな。
でもそこでヴァティスタン!
ヴェルッチオと言い、奴らどうしてこうもカッコイイですかね?
呆れるほどカッコイイですよ。
フェルナンに話を戻すと、最期の銃を用いるあたりやはり演出が上手いなと。
うん、素晴らしいね。
■エデ
崩壊する城の中で「逃げても構いませんよ」と言うエデですが、「逃げてるのはエデだよ」と思った瞬間、アルベールの台詞に全てを代弁された気がしましたね。
アルベールが最高にカッコイイシーンでした。
そしてユージェニーをお姫様抱っこして飛ぶシーンは全てこのシーンのための伏線だったのか!!迂闊(笑)。
エロイーズとアリの描写もあれでイイな、と思いました。
生きるにせよ、ここで潰えるにせよ、それだけの業を背負ったのだし、その後を視聴者の想像に任せるというのはイイと思います。
また手を引くのがアリというのが設定としては良いなと。
いや、ほんと巌窟王は今シーズン(正確には昨シーズンから)の作品の中でも一・二を争う傑作だと思います。
最初から最後まできっちりと緊張感を与え続けた前田監督と制作スタッフにもう一度拍手を。
素晴らしいミステリーエンタテイメントでした。
次回、最終幕。
エピローグと考えて良いのでしょうか?
最後まで楽しみです。
番組始まって以来のOP無しアバン、そしてそこには制作スタッフの名前が浮かび、一瞬今回が最終回かと錯覚するほどでした。
そして本編は、第20幕の感想で「アルベールが伯爵を巌窟王としてではなく、モンテ・クリスト伯としてその最期を見届ける、そういうラストをやってくれれば満足」と書いたとおりの展開を見せてくれたので、個人的にはこれ以上無いというほど満足です。
■巌窟王とモンテ・クリスト伯そしてエドモン・ダンテス
中盤あたりから予想していたのですが「巌窟王」の意味が分かれば自ずとその狙い(というのは作品の狙い)が見えてくると思っていたように、やはり「巌窟王」とは絶望を欲する寄生タイプの「何か」だったわけですが、作品の狙いとしてはやはり「巌窟王」化するモンテ・クリスト伯をアルベールという純粋な心を持つ少年が、「巌窟王」としてではなく「モンテ・クリスト伯」として、ひいては「エドモン・ダンテス」として葬ることができるかどうか、ここがポイントになってくれたわけで、半年間感想を書いてきて本当に良かったなと思うんですよ。
そして因果応報もきちんとやって欲しい、そう思っていたのでやはり納得の最期だったと思うのです。
緊張感を最後の最後まで切らせない脚本、演出は本当に素晴らしいと思います。
前田監督とその制作スタッフに拍手です。
■もうひとつの魅せ場、フェルナン
今回は小杉さん演じるフェルナン、これも実は素晴らしかったと思うのです。
前半の剣戟のシーンはともかく、後半のアルベールを人質に取られてからのフェルナンという男の変化、というよりも懺悔・贖罪、その描き方も素晴らしく、また演じる小杉さんも素晴らしかった。
何もかもに嘘をついてきたフェルナンが最期にアルベールを思う気持ちだけは本物だった!
なりふり構わず、まるで憑き物が落ちたかのようなフェルナンに、ここまでの見せ場を作るというのがまた良かった・・・。
このまま恨みで死んで行くというシチュエーションよりも、視聴者としては今回のフェルナンを見て救われた気がしましたよ。
そしてその後伯爵が「死ではなく、絶望が欲しい」という台詞もまた秀逸。
ここに来てもまだ緊張の糸は切れない、みたいな。
でもそこでヴァティスタン!
ヴェルッチオと言い、奴らどうしてこうもカッコイイですかね?
呆れるほどカッコイイですよ。
フェルナンに話を戻すと、最期の銃を用いるあたりやはり演出が上手いなと。
うん、素晴らしいね。
■エデ
崩壊する城の中で「逃げても構いませんよ」と言うエデですが、「逃げてるのはエデだよ」と思った瞬間、アルベールの台詞に全てを代弁された気がしましたね。
アルベールが最高にカッコイイシーンでした。
そしてユージェニーをお姫様抱っこして飛ぶシーンは全てこのシーンのための伏線だったのか!!迂闊(笑)。
エロイーズとアリの描写もあれでイイな、と思いました。
生きるにせよ、ここで潰えるにせよ、それだけの業を背負ったのだし、その後を視聴者の想像に任せるというのはイイと思います。
また手を引くのがアリというのが設定としては良いなと。
いや、ほんと巌窟王は今シーズン(正確には昨シーズンから)の作品の中でも一・二を争う傑作だと思います。
最初から最後まできっちりと緊張感を与え続けた前田監督と制作スタッフにもう一度拍手を。
素晴らしいミステリーエンタテイメントでした。
次回、最終幕。
エピローグと考えて良いのでしょうか?
最後まで楽しみです。
巌窟王 2 DVD 定価: 価格:¥4,704(税込) OFF :¥1,176 (20%) 2005/03/25発売予定 待て!しかして希望せよ! |
最後はエドモン・ダンテスとして死ねたわけで、その辺は自分の予想と変わらなかったかなぁと。エドモンが死んでしまったのは、因果応報という事なのでしょうが、元々エドモンにくだらない罪をなすりつけた人々への復讐が因果応報になるのかと聞かれると、私には「………?」なんですが。
ま、一応アニメ(子供向けという意味)ですし。そこの描写は仕方が無いのでしょう。
>ヴァティスタン
いやー彼の活躍は良かったです。「兄貴」発言とか、最高。ヴァティスタンもカッコよかったですし、脇役が最高でした。
エデたんが可愛かったので、私はそれだけで結構です。アルが伯爵にキスしようが何しようがエデたんが可愛かったんでそれでよいのです。
……個人的に、「お話が面白いか否か」を聞かれたら、「普通」としか言えないですね。
今期の(前期から?)「MONSTER」「蒼穹のファフナー」「プラネテス」と来ると、頑張っても四位です(笑)
たぶん人より睡眠時間が短いだけだと思います。そして確実に寿命も短いと思います。
因果応報については、メルセデスが作中でアルベールに語ったように犯した罪は消えないという点からも罪をかぶせた方も、それに対して復讐したものもそれ相応の対価を払わねばならない、という構成の軸をぶれさせない展開だったので個人的にはそれが相応しいと思います。
またエデもそれを分かっていながら止められなかった点や、結局復讐者に幸せは訪れないというメッセージも作中随所に語られていたので、僕はこの結末で満足ですね。
むしろそれをやらなければ僕は白けたと思うなぁ。
それゆえの最期に巌窟王からエドモン・ダンテスへの変化、これが滅びの中に見える救いを描く結果になったと思うので。
そこにこそアルベールが必要だったということですから。
ヴェルッチオ&ヴァティスタンとか、リュシアン&ボーシャンとか、おまけにルノーとか脇役の味つけが素晴らしくて、ニヤリとしてしまいますね。
エデたんも良かったですねぇ。
最後まで見えないポジションに入っていてアルベールに一喝されるあたりとか、かなり良かったです。
つか、アルベールの一喝でエデたんも救われたように思えるので、彼女自身はバッドエンドにならずに済んだんではないかと思うのですよ。
惜しむらくはフランツの「僕が僕でなくなったとしても」の部分ですね。
この台詞自体は作品の中で消化されていないと思うのですが・・・。「君を悲しませることになろうとも」なら分かるんですがね。
またりょくさんも感想で指摘されていた通り、最後のアルベールと伯爵の会話はかみ合っていなかったですね(笑)。
あれは最終幕への伏線なのかなと解釈したのですが、前述のフランツの件もあるのでちょっと不安かも。
原作を読まれている人はそれが良ければ良いほど、どうしても比較しながら観てしまうので先入観なく楽しむことは難しいのかもしれませんね。
先入観なく観た者として、僕個人としては本作品はミステリエンターテイメントとして脚本もきちんと筋が通っていたと思いますし、テーマ自体もそれをきちんと昇華してくれたので満足のいく出来でした。
ということで今期というのは秋スタートの作品を考えていたので、「ファフナー」と「プラネテス」は外れて、「MONSTER」は原作のみでTV版を観ていなかったということで、やはり1・2を争うクオリティーの高さだったかなと。
#というか秋スタートの番組は夏スタートの番組と比較すると全体的に落ち気味だったし、冬スタートに至っては壊滅的だったかなと思うところはあります。
2004年度という意味ではダントツで「蒼穹のファフナー」が一番ですけどね(断言)。
どですか?
音楽や絵、声の演技に眼と耳と心が釘付けでしたが、
千年怨霊(?)「巌窟王」がもっと大暴走するかと私は覚悟(期待)していたので
ほっとするやら、ちょっと気が抜けるやらでした。
せめて26話完結だったらなぁと思います。
ラストまであと1回・・・
生き残ったすべての人に希望と幸せがあるように祈っています。
>復讐したものもそれ相応の対価を払わねばならない
今回の巌窟王のテーマはソレだったようですね。屈辱的な侮辱を受け、その汚辱を注ぐ為、自らの手で裏を引き、対象者を地獄へと陥れる行為は私は物凄く惹かれる部分があったので、最後破滅してしまうのもあの伯爵ならアリかなと思っていました。(いっそ小気味よく)
私が多分、アニメ巌窟王に引っ掛かりを覚えるのは、罪をなすりつけた者への裁きが甘い事でしょうか。コレは、「復讐」ではなく社会的地位の下落、抹殺度合いでして、復讐(この場合、謎解きと考えてください)の順番が狂ったことによって綿密な計算の上で成立していた『善人ぶった顔した人間のどす黒い過去暴き』が崩壊していたからでしょう。
ここから先は、原作への言及になってしまうのですが、モンテ・クリスト伯爵の「復讐」とは、彼をイフ城に送りつけた3人の男の『過去暴き』の事であり、決して『死を与える』事ではないのですね。(この辺、23幕でフェルナンに向かって『死ではなく絶望を』といっていたあたりに名残がある)
さらに、伯爵という未知数の大人の男性がパリ社交界に乱入することで、アルベール・フランツ・ボーシャンといった立場の違う青年達の友人関係、人間関係、人格形成に多大な影響を与えたという点でしょうか。
特に、親の意見を押し付けられている3人の子供達を、親の意思から外して、自由でさらに親たちよりも成熟した人間にさせる(エドモンという人間を陥れて地位を確立するような浅ましい人間にはさせない)ことも、親三人には復讐になったようです。
(復讐と同時に、若い世代の解放)
特に、ボーシャンとアルベールの関係は、父親のゴシップを拾ってきた新聞記者の友人ということもあり、貴族であるアルベールはその隠滅も可能だったにも拘らず、伯爵と母親の事実暴露によって友人を否定した自分を恥ずかしく思う…ような描写が御座います。
……原作文庫7巻を読んで頂くこととして、『モンテ・クリスト伯爵』の復讐が『過去暴き』で、結果的に嘘をついてきた彼らの人生が転落しようがそれはまさしく『因果応報』。という考えたこびりついてしまったので、『過去暴いて自滅させた“だけ”なのにさらに何か代償払うんかい!』という気がするわけですな(笑)
いわば、エドモン・ダンテスという無実の罪を擦り付けられた男の身の潔白を証明していった段階で、真犯人がボロボロ出てきて自滅しただけ。
(その段階で程度をちょっと間違って、彼女の自業自得とはいえ、子供道連れの自殺者出してしまったから復讐は虚しいなぁと思う伯爵なのですが)
個人的に、“巌窟王”は嫌いじゃありません。(伯爵ではなく)エドモン・ダンテスを理解できていたのは彼だけだったのだろうと思うので。
あ、何でこんなに違和感を感じるかが分りました。(ここまで書いてきてやっとか)
アニメでアレだけの復讐をさせる動機たるイフ城の収監の描写が、やっぱり足りなすぎだからです。アレだけの復讐の理由にはならないのかなと。原作読者は散々イフ城での苦行を読み込まされるので、思いっきりエドモンカワイソウモードに強制移行させられるんですよ(笑)
それが、私と燕。さんとの大きな違いだ!!
>アルベールと伯爵の会話チグハグ
もしかしたら、フランツの死モードかもしれませんが、好意的な感想を書かれている方の意見によると、あれはあれでよいのだそうです。
1:伯爵は、自分の意思を弱らせるアルベールを殺す必要があった(フェルナンは自滅するからほっとけ)
2:エドモンではなく伯爵として死のうと、復讐を遂げようとする彼を見て、アルは「自分を貫き通す」彼に感銘を受ける。(伯爵のように、希望をもって)
3;その言葉を聞いて、復讐の完遂は無理だとおもった伯爵は、情にほだされてアルベールに「名前を覚えておいて」という
らしいです。………ひと様のブログみて補完しなくちゃ理解できないなんて末期だ…。
……多分、何よりムカついたのは、「関連商品買って情報補完してね★」という腐臭が私にだけは感じられてしまったことです・゜・(ノД`)・゜・
ゴメンナサイ。思いっきり長い返信になってしまいました。
>2004年度という意味ではダントツで「蒼穹のファフナー」が一番ですけどね(断言)。
激しく首を縦にふって(ヘビメタの如く)同意
>音楽や絵、声の演技に眼と耳と心が釘付け
この辺は巌窟王という作品の中でもかなり楽しめた部分でしたね。
特に終盤の声優さんたちの演技力は凄まじいものがありました。
>大暴走
確かに2話分のインパクトは大きいですよね。巌窟王暴走もそうですが、アルベールにもっと苦悩を与えるという時間があっても良かったかなと思います。
その辺が最終幕でやるかもしれず、ちょっと不安なところでもあります。
巌窟王が「常にお前と共にある」と言ったのは誰の心にも「絶望」を願う心があるからで、アルベールにも憎悪の心の片鱗があるから気をつけなさいという意味にも取れましたから。
最終幕でどう描くのか、不安もありつつ楽しみです。
>りょく
りょくさんのコメント、素晴らしい、つかかなり納得です。
問いかけに答えてくれるりょくさんが大好きです。
イフ城の収監部分は確かに、確かに。あそこを描写するとしないとでは、伯爵に対する思い入れも変わってこようと言うもの。
また、原作ならば無実を証明する=それが罠を仕掛けたものへの因果応報が巡るという仕掛けになるところが、今作では伯爵は無実の証明をするスタンスではなく、復讐=自分が味わった絶望を相手にも与えるというスタンスで描いたこともあって、自分にも因果応報が巡ることを承知で、復讐に傾倒したということなんですね。
なるほど。そのスタンスの違いは大きいですね。
恐らくそこはアルベールという存在を引き出すためのスタンスになったということですね。
#救いの鍵をアルベールという存在に託す、もしくはもう一歩アルベールに何かをさせるか、ということかな。
うん、納得、納得。
アルベールと伯爵の会話、これはここまで想像が及ばなかった・・・orz。
末期だ・・・。僕も(笑)。
ここは最終幕を観てもう一回振り返ることにします・・・orz。
ということでやっぱり「蒼穹のファフナー」ですね(あれ)。
#毎日のように仕事中サントラ聴いてますから(仕事しようよ、自分)。