コズミック・イラ、つまりガンダムSEEDの世界観なんですが、「前作見ててもここが良く分からなかった」という方も結構いらっしゃったんじゃないかな、と思いまして、ある程度共通の疑問について既出版物等で解説されている分について情報共有できればなと思います。
既出版物等からの情報なんで僕からあまり付加価値は付けられませんが、知っておいた方がSEED DESTINYの世界も楽しめると思いますので。
■フラガ家の能力について
まず、コズミック・イラというSEEDの世界においてニュータイプという概念は存在していません。
じゃあ、あのムウ・ラ・フラガやラウ・ル・クルーゼの「キュピーン」って反応は何だ?
また、ガンバレルやドラグーンシステムは何で使える人が他に(あまり)いないのか?
この疑問を持っている方も多いかと思います。
ガンダムSEED小説版によれば代々フラガ家は超能力に似た特殊能力を持っているらしく、一種の予知能力に近い「勘」が働くそうです。
経済界においてはその「勘」を利用してかなりの財をなし、「フラガ家に付けば損をしない」と言われていたそうです。
#ムウは幼少の頃豪邸に住んでましたし、クローン、スーパコーディネーターを創る資金も提供できるほど金持ちでした。
よってあの「キュピーン」って反応はそういった特殊能力を持った同族同士が感じあえる「勘」のようなものらしいです。
また、ガンバレルやドラグーンシステムは高度な空間把握能力を必要とするのですが、それもフラガ家の特殊能力があってこそ利用可能なものなんですね。
#外伝やMSVではガンバレル付きダガーやドレッドノートのようなドラグーン搭載のガンダムも登場してますので、完全にフラガ家オリエンテッドな能力ではないようです。
■アル・ダ・フラガという人物について
ムウ・ラ・フラガの父親であり、ラウ・ル・クルーゼのクローン元であるアル・ダ・フラガという人物は前述のフラガ家代々の能力に特に秀でていたようです。
しかしムウは母親によって普通に育てられていた(フラガ家では帝王学的な教えをするため、庶民と同じように育てる母親の方針がアルは気に入らなかった)こと、また息子であるムウは自分を超えるほどの能力は無いと判断したことから、このフラガ家を磐石のものとすべく、そしてまた自分が統治するためにキラの父親であるユーレン・飛鷹(ヒビキ)博士に違法であるクローンの製造を依頼したのでした。
■失敗作としてのラウ・ル・クルーゼ
この辺は前作でも割と語られていたので簡潔にしますが、アル・ダ・フラガのクローンを創ったのは良いが、当時のクローニング技術ではテロメアの長さもクローンしてしまう点を克服できず、ラウ・ル・クルーゼは早々に失敗作とされてしまいます。
ではテロメアとは何か、それは超簡単に言うと命のカウンターと呼ばれていて、細胞分裂するたびに短くなって行くわけです。
当時アル・ダ・フラガがクローニングを依頼した時点で既にある程度高齢だったと思われるので、テロメアの長さもコピーしたクローンのラウ・ル・クルーゼはアル・ダ・フラガと年齢的に同じ状態で生まれてきてしまったわけですね。
よって、作中クルーゼは老化防止薬を服用せずにはいられず、また薬をもってしても目の周りの老化は抑えられなかった、それで仮面をかぶっていたわけですね。
そろそろ発売されるガンダムSEED総集編『鳴動の宇宙』ではコロニーメンデルでの仮面が剥がれるシーンを描写しているそうです。
もうひとつ補足すると、クルーゼはナチュラルであるとされています。
運動能力、知能に優れたコーティネーターの中で隊長格まで上り詰めるには相当の苦労があったと想像できますが、またそれだけアル・ダ・フラガの能力が凄かったということにもなります。
■強化人間と連合のコーディネーター
前作ではオルガ、クロト、シャニという後天的コーディネーター(強化人間ともブーステッドマンとも呼ばれています)が登場しましたが、彼らは改造によって後天的にコーディネーター並の能力を身に着けた実験体で、薬によって制御されています。
制御用の薬はひどい副作用があり、皆さんご存知のとおり、服用が進めば精神崩壊を引き起こして行きます。
オルガ、クロト、シャニは順番にステージ2、ステージ3、ステージ4となっており、シャニなんかはかなり危ない状態だったと思われます。
次にこれは本編には出ませんでしたが、連合側もコーディネーターの開発に戦前から取り組んでいました。
強烈な暗示をかけてナチュラルに絶対服従するコーディネーターを作り出し、彼らを「ソキウス」と呼んでいます。
#中には暗示なしに、自ら進んで連合に協力するコーディネータもいるそうですが(SEED MSV)。
#コーディネーター排斥を訴えるブルコスが、強化人間やコーディネーターの研究をしているのは本末転倒ですが、兵器として割り切っているらしいです。
この辺の描写や設定は『ガンダムSEED ASTRAY(小説版)』にある程度詳しく記述されています。
ちなみに強化人間もソキウスも開発を指揮していたのはアズラエルです。
#アズラエルが何故コーディネーターを憎むのかもガンダムSEED総集編『鳴動の宇宙』に収録されているそうです。
ステラたちがいったい現時点でどんなカテゴリーに属しているかは全く分かりませんが、コーディネーター用にチューンした3機のガンダムをいとも簡単に操縦している点、コーディネーターとの銃撃・白兵戦で全く引けを取らなかったことを考えると、普通のナチュラルとは考えづらいところです。
■アスハ家について
DESTINYの第1話を見たときに「何故カガリが代表なの?」と思われた方もいるかもしれません。
一応オーブという国は5大首長からなる国家なんですが、アスハ家はその中でも最大首長なので、代々アスハ家が代表を務めてきたというわけです。
よってアスハ家の正統後継者であるカガリがその後をついで代表になっているわけです。
今はかなり頼りなく描写されているカガリが今後、為政者としてどう成長して行くかがやはりポイントですね。
他にもサハク家というのもあって、これはモルゲンレーテなんかを管轄しています。
連合とモルゲンレーテの癒着問題が発覚したのも実はサハク家が独断で実行していたので、ストライク等の開発をしていたのを当時のアスハ代表は(全くかどうかは分かりませんが)知らなかったんですね。
サハク家については『ガンダムSEED ASTRAY(マンガ版)』に登場しています。
■他にも
あるかもしれませんが、とりあえずはこんなところです。
ちょっとうろ覚えのところもあるのですが、補足があればコメント欄にお願いします。
既出版情報なんで全然文章に付加価値ついてませんが、ガンダムSEED DESTINYを楽しむうえでの予備知識として皆で共有できればと思います。
既出版物等からの情報なんで僕からあまり付加価値は付けられませんが、知っておいた方がSEED DESTINYの世界も楽しめると思いますので。
■フラガ家の能力について
まず、コズミック・イラというSEEDの世界においてニュータイプという概念は存在していません。
じゃあ、あのムウ・ラ・フラガやラウ・ル・クルーゼの「キュピーン」って反応は何だ?
また、ガンバレルやドラグーンシステムは何で使える人が他に(あまり)いないのか?
この疑問を持っている方も多いかと思います。
ガンダムSEED小説版によれば代々フラガ家は超能力に似た特殊能力を持っているらしく、一種の予知能力に近い「勘」が働くそうです。
経済界においてはその「勘」を利用してかなりの財をなし、「フラガ家に付けば損をしない」と言われていたそうです。
#ムウは幼少の頃豪邸に住んでましたし、クローン、スーパコーディネーターを創る資金も提供できるほど金持ちでした。
よってあの「キュピーン」って反応はそういった特殊能力を持った同族同士が感じあえる「勘」のようなものらしいです。
また、ガンバレルやドラグーンシステムは高度な空間把握能力を必要とするのですが、それもフラガ家の特殊能力があってこそ利用可能なものなんですね。
#外伝やMSVではガンバレル付きダガーやドレッドノートのようなドラグーン搭載のガンダムも登場してますので、完全にフラガ家オリエンテッドな能力ではないようです。
■アル・ダ・フラガという人物について
ムウ・ラ・フラガの父親であり、ラウ・ル・クルーゼのクローン元であるアル・ダ・フラガという人物は前述のフラガ家代々の能力に特に秀でていたようです。
しかしムウは母親によって普通に育てられていた(フラガ家では帝王学的な教えをするため、庶民と同じように育てる母親の方針がアルは気に入らなかった)こと、また息子であるムウは自分を超えるほどの能力は無いと判断したことから、このフラガ家を磐石のものとすべく、そしてまた自分が統治するためにキラの父親であるユーレン・飛鷹(ヒビキ)博士に違法であるクローンの製造を依頼したのでした。
■失敗作としてのラウ・ル・クルーゼ
この辺は前作でも割と語られていたので簡潔にしますが、アル・ダ・フラガのクローンを創ったのは良いが、当時のクローニング技術ではテロメアの長さもクローンしてしまう点を克服できず、ラウ・ル・クルーゼは早々に失敗作とされてしまいます。
ではテロメアとは何か、それは超簡単に言うと命のカウンターと呼ばれていて、細胞分裂するたびに短くなって行くわけです。
当時アル・ダ・フラガがクローニングを依頼した時点で既にある程度高齢だったと思われるので、テロメアの長さもコピーしたクローンのラウ・ル・クルーゼはアル・ダ・フラガと年齢的に同じ状態で生まれてきてしまったわけですね。
よって、作中クルーゼは老化防止薬を服用せずにはいられず、また薬をもってしても目の周りの老化は抑えられなかった、それで仮面をかぶっていたわけですね。
そろそろ発売されるガンダムSEED総集編『鳴動の宇宙』ではコロニーメンデルでの仮面が剥がれるシーンを描写しているそうです。
もうひとつ補足すると、クルーゼはナチュラルであるとされています。
運動能力、知能に優れたコーティネーターの中で隊長格まで上り詰めるには相当の苦労があったと想像できますが、またそれだけアル・ダ・フラガの能力が凄かったということにもなります。
■強化人間と連合のコーディネーター
前作ではオルガ、クロト、シャニという後天的コーディネーター(強化人間ともブーステッドマンとも呼ばれています)が登場しましたが、彼らは改造によって後天的にコーディネーター並の能力を身に着けた実験体で、薬によって制御されています。
制御用の薬はひどい副作用があり、皆さんご存知のとおり、服用が進めば精神崩壊を引き起こして行きます。
オルガ、クロト、シャニは順番にステージ2、ステージ3、ステージ4となっており、シャニなんかはかなり危ない状態だったと思われます。
次にこれは本編には出ませんでしたが、連合側もコーディネーターの開発に戦前から取り組んでいました。
強烈な暗示をかけてナチュラルに絶対服従するコーディネーターを作り出し、彼らを「ソキウス」と呼んでいます。
#中には暗示なしに、自ら進んで連合に協力するコーディネータもいるそうですが(SEED MSV)。
#コーディネーター排斥を訴えるブルコスが、強化人間やコーディネーターの研究をしているのは本末転倒ですが、兵器として割り切っているらしいです。
この辺の描写や設定は『ガンダムSEED ASTRAY(小説版)』にある程度詳しく記述されています。
ちなみに強化人間もソキウスも開発を指揮していたのはアズラエルです。
#アズラエルが何故コーディネーターを憎むのかもガンダムSEED総集編『鳴動の宇宙』に収録されているそうです。
ステラたちがいったい現時点でどんなカテゴリーに属しているかは全く分かりませんが、コーディネーター用にチューンした3機のガンダムをいとも簡単に操縦している点、コーディネーターとの銃撃・白兵戦で全く引けを取らなかったことを考えると、普通のナチュラルとは考えづらいところです。
■アスハ家について
DESTINYの第1話を見たときに「何故カガリが代表なの?」と思われた方もいるかもしれません。
一応オーブという国は5大首長からなる国家なんですが、アスハ家はその中でも最大首長なので、代々アスハ家が代表を務めてきたというわけです。
よってアスハ家の正統後継者であるカガリがその後をついで代表になっているわけです。
今はかなり頼りなく描写されているカガリが今後、為政者としてどう成長して行くかがやはりポイントですね。
他にもサハク家というのもあって、これはモルゲンレーテなんかを管轄しています。
連合とモルゲンレーテの癒着問題が発覚したのも実はサハク家が独断で実行していたので、ストライク等の開発をしていたのを当時のアスハ代表は(全くかどうかは分かりませんが)知らなかったんですね。
サハク家については『ガンダムSEED ASTRAY(マンガ版)』に登場しています。
■他にも
あるかもしれませんが、とりあえずはこんなところです。
ちょっとうろ覚えのところもあるのですが、補足があればコメント欄にお願いします。
既出版情報なんで全然文章に付加価値ついてませんが、ガンダムSEED DESTINYを楽しむうえでの予備知識として皆で共有できればと思います。
知らない内容がいっぱいです。
世界観の解説という意味で補足していると思いますし、全2巻ですから読むのもそんなに問題ないと思います。
著者はスタジオ・オルフェの千葉智宏代表で、僕は千葉さんの『聖刻』を読んだことがありますが、こちらも面白かったです(十年位前かな)。
余談ですが、スタジオ・オルフェと言えば、MADLAX、ガングレイブの黒田洋介、R.O.Dの倉田英之を擁するクリエイター集団ですね。
補完できることがあれば、今後も情報共有したいと思います。
設定で強いのは私も小説版の『ガンダムSEED ASTRAY』が強いと思いました。ただ参考になる書物は多数あるのでどれが良いかは難しいですね。今回TBした中に私のチェックした参考文献が網羅されています。
ちえりーさんの参考文献の量は膨大と言っても過言ではなく、網羅という言葉が適当なくらいすごいですね。
辞書的に使える記事がたくさんで、素晴らしいですね。
また遊びに伺いますね。
私、ガンダムSEEDをあまりよく見てなくて、Destinyの方ゎ見ようと思ってるんですけど、全然何がなんだか・・(・・;)
まぁ、私の理解力のなさって言うのも結構響いてると思うんですけど・・涙 今後も参考にさせていただきます。あと、ブログ書くのも初心者なんで、そこら辺も(?)何卒よろしくお願いします。
確かに前作未見だときつい部分ありますねぇ。
SEED自体は僕は結構好きなんで、途中イラク戦争の影響で方向性がぶれそうになった中盤以外はかなりお勧めできますよ。
yuzuponさんのお役に立てれば幸いです。
そういう意味ではこのコメントの上部にあるちえりーさんのところとかはかなり詳しく設定を公開しているんで、参考になると思いますよ。
ブログはコメントとトラックバックでいかようにも世界が広がるので、こちらこそよろしくお願いしますね。
補足を付けても良いという事ですので書かせて頂きます(ご存知の方も多い程度の話ですが)。
キラが立ち寄り、その出生の秘密が明かされたメンデルコロニーには実に多くの人間が関わっています。
連合はコーディネーターを軍事利用する為に『戦闘用コーディネーター』というものを製造しておりました。アストレイシリーズの主役である叢雲劾もその一人で、彼は後に生み出されたソキウスシリーズに比べて心理コントロールが弱かったらしく廃棄処分されそうになった所を脱走して追っ手を撃退、傭兵サーペントテールとして歴史の裏舞台で活躍しているのは皆さんご存知の通り(劾がコーディネーターなのに珍しくサングラスをかけているのは瞳に実験体としての特殊コードが刻まれている為)。
そしてキラのクローンとして有名なカナード・パルス。彼は『スーパーコーディネーター』を生み出す過程で生まれた失敗作(僕としては『最高のコーディネーターを創りだす』という概念がそもそも間違いだと思っていますが)で、研究所を逃げ出した後謎の男に唆されてユーラシア連邦特務隊に所属。キラを倒して本物になるという暗い執念を燃やしていた彼が変わっていくのがXアストレイの主な話でした。
そしてそのカナードとの決戦を経て短い命を落としたプレア・レヴェリー。フラガのクローンとしてカナード同様「兵器」として生み出された彼は、ニュータイプ的能力もあってか過剰なまでに戦闘を拒む性格でした。しかし様々な人との出会いによって成長した彼は「倒すため」ではなく「救う為」にカナードと対決。「人々の平和な生活を守りたい」と言った少年は志半ばに命を落としましたが、その意志は形を変えてカナードに受け継がれていると信じたいです。
惜しむらくはシナリオ分量が少ない事でしょうか。13話~26話ペースのアニメで見せてくれたらかなり面白い事になったのですが(動くとカッコ良い大河原メカの真価を発揮して欲しかった)。
ゆいまさん(現あいばさん)時代からお名前は存じておりました。
初めましてですね。遊びに来て頂いてほんとに嬉しいです。
そして、情報追加ありがとうございます。
こうやって増えていくと付加価値も高まるってもんですね。
カナードに救いがあったのは良かったですよね。
今ではカッコよくすら見えますから。
確かにマンガ版のアストレイはシナリオ分量がすくなくて大味になってる感はありますね。
だから2本やっていたのかもしれませんが。
こちらも小説版くらいになるといいんですけどね。
>動くとカッコ良い大河原メカ
これほんと不思議ですよね。
設定見ても全然カッコよくないのに、動き出すとカッコイイと思えてしまう。ほんと不思議。
ハイペリオンとかドレッド・ノートもEVOLVEのCMで動いてるの見たらめちゃめちゃカッコよかったですし。
いやー、戦闘勇者さんが来てくれたのは嬉しいですね。
また遊びにきてください。
>初めましてですね。遊びに来て頂いてほんとに嬉しいです。
こちらこそレス頂いて嬉しいです。ココに来る人に良いネタを提供できればと思います。
という事で本題。
『最高のコーディネーター』としてカナードを含めた幾多の犠牲の果てに創られたキラ。その能力(機械処理・戦闘能力のみでしたが)の異常さは前作で見たとおりですが、果たして彼は本当に『最高』なのでしょうか?
結論から言ってしまえばNOです。
例えば戦闘コーディネーターの劾やソキウスでしたら高い戦闘能力、製造者に対する絶対的服従などという『これこれこういう風に創る』という目的があります。
またラクスでしたら『歌唱力』や『冷静な判断力』といった政治家の娘として必要な能力辺りでしょうか。
『容姿以外は何も無い』と何時もぼやいているイライジャだって『(容姿端麗で)健康であってくれればそれで良い』という両親の思いがあるからかもしれません(アストレイ本編にはイライジャの両親の話が出て来ませんが、恐らく病気か何かで死亡しているのでしょう。両親はS2型インフルエンザにかかって欲しくないが故にイライジャをコーディネーターにしたのではないでしょうか)。
ところがキラにはそれがない。ただ漠然とした『最高』という存在(きぼう)を追い求めた結果生まれた過程に過ぎないのです。ですから本当に価値があるのは彼自身ではなく彼を生み出せるようになった技術のハズです。
特化した目的もなくただ漠然とした目標の為に生み出されたキラ。その存在はある意味とんでもなく無駄な存在です(ある意味現在のカナードの方が戦闘力という点では上でしょうから、キラは失敗作に劣る成功作ということになってしまいます)。勿論最高というからには全てにおいて『素質』が存在するのでしょう。しかし素質はあくまで素質、人生において全ての素質を使い切ることなど不可能ですし、それは『器用貧乏』という言葉に置き換えられるのではないでしょうか(その意味でストライクガンダムはキラに最も適したガンダムなのかもしれません)。アストレイにおいて何かの能力に特化したプロの生き様を見せ付けられる度にそんな気がするのです。
続きはまた次回。
さて、キラの生み出された目的と価値についてが論点になっていると思いますが、私個人としての考えはこんな感じです。
■目的について
キラが生み出された目的はもともとはコーディネーターが生まれてくる最大の不安定要素として母体を考えたヒビキ博士が、最も安定した環境を用意することでそれを解決する、ということが目的だったのでその目的自体はキラという存在を全く無視した次元で完結していると考えています。
■価値について
これは誰にとっての価値かによるんで、戦闘勇者さんが仰るような価値としても取れますし、キラ本人が決めることではありませんので、人によって様々だと思っています。
前作の地球連合の偉いさんや、当初のフレイのようにキラの価値をコーディネーターを殺すことができる存在と定義する人もいるでしょうし、ラクスや終盤のフレイのようにそういったコーディネーターとしてのキラではなく、キラ個人に価値を見出した人たちもいたわけで、そこを描くのもSEEDの相互理解というテーマだったように思います。
ということで無駄かどうかも価値と同義で、その人(キラ)に対するスタンスの違いでいかようにも取れる、そう思っています。
キラ自身としては「それだけが僕の全てじゃない」と言ったように、能力とかそういう付随するものに価値を見出しているわけではないので、それはそれでいいんじゃないかな、と思っているんです。
アストレイとの比較は面白いですが、アストレイはアストレイなんで、私は本作も好きですよ。
次回、お待ちしております。