蒼穹のぺうげおっと

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ガンダムSEED DESTINY 第48話 「新世界へ」 感想

2005-09-18 08:01:58 | ガンダムSEED DESTINY
今週は全てを通り越してレイ・ザ・バレルというキャラに集約された、そんな切ない感じの第48話「新世界へ」。
#ゆえに今回を受けての次回タイトルが「レイ」というのもある意味納得かもです。

全体テーマ部分については既に明らかになっているということと、終局はMSバトルがメインになるであろうということ、それに伴う悲劇もある程度あるはず、と予想されることから既に先週あたりから正直感想として書くのが辛くなってきていますが、残っているポイントとしては個人レベルの物語の帰結なんで、やはり今回レイという個人に焦点が当てられたように、今作キャラを中心にSEEDで描ききれなかった側面を個人レベルで問う、そういう帰結があれば僕個人としては満足かな。

■救いの対象となるのか?レイ・ザ・バレル
僕がこの感想でよく前の感想を引き合いに出すことがありますが、大体引き合いに出す話数は決まっていて、今回終盤に入るにあたりその回数がかなり多いのが第29話「FATES」です。

半分くらいは総集編だったのですが、個人的にこの総集編は秀逸だったと思っています。
なぜならそこには議長の行動の原理が描かれていて、全てにおいて今の議長の原点になっているからだと思うんですね。

議長のデスティニー・プランやその中での「役割論」については、既に本編でも、またこのブログでも感想・コメント欄を通じて大分意見が出尽くした感じがあるので、今回はそこにはスポットは当てずに、第29話の中でもう一つポイントになった部分からレイ、クルーゼ、議長を見てみたいなと。

前作ではクルーゼの一人勝ちみたいなところがあったんですが、基本的に彼のスタンスは人類(ナチュラル・コーディネータ含めて)に絶望した虚無論者でした。
それが「FATES」においては、そんな彼も自分の生まれてきた意味を問うために仕掛けていたようにも取れるわけで、そこが何気に熱かったわけです。

議長もまたデスティニー・プランを唱えつつも、本人は運命に抗う、そういう人なわけでそこが熱かったわけです。

で、それを受けて登場するのがレイ。
クローンということを今回カミングアウトしたレイですが、そのレイが議長絶対のスタンスを崩さないのは、やはりクルーゼと議長が行った禅問答のような質疑の延長に自分の答えを見つけたからなのかもなぁなんて思いました。

自分が何のために生み出されたのか、そしてその(失敗作としての)結果ゆえに自分の寿命も短い。
じゃあ、何故自分は生み出されたのか?生まれてきた意味はあったのか?

恐らくここまではクルーゼと同じ想いだったのかもしれないけれど、クルーゼが虚無論に走ったのに対して、レイは議長のデスティニー・プランを知ることで、自分の役割を見つけた、自分の生きる意味を見つけたんじゃないですかね。
だからこその議長絶対、議長の思いを実現することこそが自分が生きてきた証、それが自分が生まれてきた意味、そういう解釈をしているのかも。

ということは、レイ自身は自分で自分の役割を見つけたことになるんじゃないかな。
つまり、それって(与えられた役割に諾々と従うことを要求される)デスティニー・プランとは対極を成す考え方なんじゃないだろうか?
と思うと意外とレイという存在も熱いなと。

第30話「刹那の夢」でレイがシンに「どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろう」と語っているシーンもやはり熱いですね。
#そのときの感想でも終盤はレイとシンの関係性に焦点があたるんじゃないか?と言っているので、やはりラストは個人レベルの帰結を描いて欲しいですね。

となると、やはりレイという存在が生きるか死ぬか?ということになるとやはり寿命の問題もあるので結局は死しか残されていないんだろうけれども、ステラたんがシンの腕の中で死んだことに意味があったように、レイという存在にも何らかの救いを描いて欲しいなと思ってしまいますね。

レイがどう考えて今に至ったか?と言う上記部分は僕の全くの妄想ですが、レイという個人にそれなりの救いが描かれると良いなというのは本心です。
#議長のプランの成功を祈って満足しながら逝くというのもあるかもしれませんが、それはそれで彼にとっては幸せなのかも。

■集結する艦隊
DESTINY放映当初からの感想というか個人的希望として、前作では仲間が終盤に集まってくるところが熱かった、けれども結局3隻しか集まらなかった、だから今作では是非ともそれよりももっと多くの同志が集まってくる、そういうラスト展開を是非とも見てみたい、とずっと書いてきたので、今回その片鱗が見えて個人的には少し満足です。

そういう意味でメイリンたんがザフトの制服を着ているというのは混在という意味合いも持たせているのかもしれないですね。
願わくば、プラント・オーブからだけでなく、(ブルコス以外の)連合諸国、または旧中立国あたりからも増援が来る、そういう展開があると燃えるかなと。

■正直、困ります(レイ・ザ・バレル)
ここまでテーマ的な部分についてや、エンタメ作品としてかなり楽しませて頂いたDESTINY。
#アバンタイトル見ながらやっぱり面白かったなぁなんて思ってました。
しかしながらやっぱりデスティニー・プランの導入・実行部分からラストバトルまでの流れは急ぎすぎではないかなぁ。
個人的にはテーマ部分については第47話「ミーア」で終結した感じがあるので、やはり最後はシンを含めた今作キャラの個人視点での帰結へ持っていって欲しいなぁ。
ということで、ひとつよろしくお願いします(って誰に言ってるんだか)。

残り2話、もう見守るしかないわけですが、コニールが瓦礫の中から小さな花を見つけたように、そういう小さな救いが描かれることを祈っております。