蒼穹のぺうげおっと

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ガンダムSEED DESTINY 第4話 「星屑の戦場」 感想

2004-11-07 00:12:00 | ガンダムSEED DESTINY
ここまでのガンダム強奪~ガーティー・ルー追撃編まで非常に密度が濃く、ここまで非常に満足。
ガーティー・ルー追撃も一区切りついていろんな意味で安心しました(0083のアルビオンみたいにあての無い追撃戦はちょっとと思っていたので)。

Zの時もそうなんですが、続編っていうのは最初からモビルスーツを惜しげもなく投入できるんで、最初から小隊単位の戦闘シーンもあって、まだ第4話にも関わらずいい感じの緊張感が持続してるのも嬉しいところです。

さて、第1クール前半の主人公はアスラン、皮肉ではなく本来の狙いとして間違いなくアスランの決意を問うためにそのステージが用意されている、そんな思いを強めた第4話でした。

■アスランへのものすごい「タメ」
「パイロットがいません!」
このときのアスランのアップにこのまま巻き込まれ型でセイバーに登場してしまうんではないかとハラハラしましたが、それも演出なのか、それを回避できてひとまず安心。
彼にはもっと大きな決断を迫る、それこそ第1クール前半の最大のヤマ場としてセイバーに登場して欲しいので。
#個人的には第1クールの最後のクライマックスに持ってきても十分イイと思っているくらいですから。
#商売上セイバーをそこまで下げておくかと考えるとうーんって感じなんでたぶん第1クール前半のヤマ場くらいになるのかなぁ。

先の大戦で「ザフトのアスラン・ザラ」からカテゴリーを脱却して自らの意思で行動する「アスラン・ザラ」に変化した彼も、大戦終了後はいろいろな負い目や、自らの想う所から再び立場としてあいまいな「アレックス」になっているわけですが、戦争が始まる「予兆」に時代が再び彼に「変化」を迫るわけですね。

彼にミゲルや二コルのフラッシュバックを見せ、自分の「力」の使い道を問う。
力があるのにそれを使わない、時にはそれも重要で戦争が終結した2年間はその決意が必要だったわけですが、戦争が始まろうとしている今、フラガがキラに言ったように「守りたいものを守る力がある」アスランがどういう決断を下すのか、ほんと彼を主役に据えてこのプロセスをきちんとやって欲しいと思わせずにはいられない、そんな回でしたね。

■カガリのジレンマ
何となく終盤のカットを見るに、カガリはアスランの抱えているジレンマを感じ取っている気がしないでもないですね。
もとはザフトのトップガン、しかも最高議長の息子、そんな立場だったアスランが戦争がまた始まるかもしれない「予兆」が見えるときに、ザフト(デュランダル)が彼の経験と能力を欲していることも気が付いているし、またアスラン自身が自分の力の使い道に悩んでいることも気が付いている。
そんな状況で自分はアスランをこの立場に縛り付けていていいのだろうか?ひいては今の自分はアスランに甘えているだけなのではなかろうか?そんなジレンマを抱えている、そんな気がしました(まあ、全然違うかもしれないですけどね)。

仮にそうだとすると、やはりアスランが決断を下すプロセスも熱いですが、カガリがアスランを「アスラン・ザラ」として送り出すプロセスってのも同じくらい熱いですね。
その送り出すという行為と並行して、自分はこれから一人で起ち、オーブの為政者として本格的に活動することを意味するわけですから。
#そして物語終盤に自ら立ち上がるこの2人がまた交差するプロセスがあるとこれはほんとに熱いな。
#今から待ち遠しいですよ。
カガリサイドのプロセスもやはり楽しみです。

■シンとルナマリア
彼らは実際には大戦を経験していない世代なんで、最初から職業軍人であってもやはりまだ(あえて)視点が一レベル低く描かれていますね。
シンの「何も分かっていない」発言や、ルナマリがアスランを「大戦のエース」と羨望視する一方で「力」を使わないアスランを軽視する描写はその典型とも言えると思います。
先の大戦でカガリを含め、アスランがどんな想いを経てその決断に思い至ったか、分かっていないのは実は彼らの方なんですが、若いがゆえに、気持ちが先行するがゆえにまだ見えてこない世界なんですよね。
#この辺はあいばさんの第3話の感想で「オヤジ理論」が展開されているんですが、この考察がまた秀逸。
#今後の展開を考えるうえで必読なんで、みんなチェックしてください。

彼らがこれから始まるであろう大戦を通じてどう「変化」していくのか、これもまた楽しみ。
#ルナマリアが終盤アスランに憧れるとかいう展開があってもイイなぁ(妄想)。

■上記の余談
ザフト自体、成立してそんなに経って無いと思うんですが、職業軍人ってのはミゲル達の世代くらいが最初じゃないですかね?
ザフトは最初軍隊ではなく、有志の集まりだったような気がするのですが砂漠の虎ことバルトフェルドもザフトに入る前は振動工学博士として研究者だったそうですよ。

■シンの携帯電話
第1話の感想でもこの携帯電話は非常に象徴的な使われ方をするはずと書きましたが、今回の使われ方は「過去」であり、その「過去」に囚われた「怒り」や「妄執」なんだと思います。
あの携帯電話と(物理的にかどうかは別として)決別するときこそがシンというキャラクターのターニングポイントであり、「分かっていない」とアスランに投げつけた言葉の意味を思い直すときなんだろうなぁ。
彼の「変化」を促す過程にアスランだけでなくキラ、そしてステラあたりが絡んでくると面白くてしかたないですね。

■レイとギル
思わせぶりな台詞が飛び出した今回のレイですが、デュランダルはレイの保護者もしくは兄的存在なのかもしれませんね。
レイとデュランダルの間には相当の信頼関係があると見えますが、果たしてそれが双方向とも同質の信頼関係かというとそこに個人的には疑問が残るところ。
(以下、妄想)
前述の余談で、ザフトのある程度年齢がいっている人は前職を持っていてバルトフェルドは振動工学博士だったという話をしましたが、デュランダルも前職は議員ではなく、コロニーメンデルあたりの研究者、もしくは関係者だったのではないか?そんな妄想が頭をよぎりました。
クローニングの研究を実は引き継いだか、後援したかでテロメアの欠陥を改良したのがレイでそれを引き取ったのがデュランダルの父親あたりで、そしてそのまま兄的存在として面倒をみた、だから信頼関係もある、そんな妄想してもいいですか?
(以上、妄想終了:全く根拠ないんで信じないでね)

■ステラとシン
戦場ではお互い激しく殺し合いを演じているんですが、この描写が増えれば増えるほどこの二人が今後どう再会?するのか楽しみです。
出会うのは第2クールくらいかもしれませんね、それも地球あたりで。
しかもお互いの身分を隠した状態で普通に出会ってしまったりすると面白いんですが。

■ステラとネオ
ステラがネオのことを慕っている、そんな伏線があっても面白いかも、と思った撤退シーン。
逆襲のシャアのクェスとシャアみたいな関係だったらとか、そこにシンが絡んで、ネオとシンでもまた戦いがあったりとかしたら・・・、とか今回そんな妄想が多いです(ごめんね)。

でも実際ステラが強化人間というカテゴリーで、そこにネオがいて服従している状態に、シンとの出会いで「変化」していくというプロセスの方がより面白いというか、よりカタルシス溢れる気がするんですよ。
でもカタルシスにふると悲劇になるんでやって欲しいようなやって欲しくないような複雑な心理です。

■ユニウス・セブン
なんかコロニーが勝手に移動しているとなると、コロニー落としとか安易に想像してしまいました。
まさかアーモリー・ワンにぶつけて、宣戦布告なんてことないですよね(ちょっと心配)。
#停戦協定を結んだ場所、そして先の大戦の引き金となった場所で戦争を再開するというのはあながちありえないとも言い切れない・・・。

ミネルバがガーティー・ルー追撃を一旦区切ったのは個人的に嬉しかった(仕切りなおしが必要だと思っていたので)のですが、アスランがセイバーに搭乗するためにはアスランがミネルバにいなければならいわけで、そのシチュエーションをどう作り出すかというと、素直にアーモリー・ワンに還れるかどうか、ちょっと不安なポイントです。

次回は懐かしい面々も見れそうなので、第1クールの起承転結で言えば承にあたるのかな、またまた楽しみです。
やっぱりガンダムはイイ、そう思える土曜日の18:00でした。