蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

『PLUTO(プルートゥ) 第1巻』 感想

2004-11-01 22:24:22 | コミックス 感想
各所で話題になっている手塚治虫先生原作、浦沢直樹先生の『PLUTO』第1巻を読みました。
ミステリーとしても、人間(ロボット)ドラマとしても秀逸な良作ですよ、これは。

僕は通常版を読んだのですが、これはこれから購入を考える人は豪華版を購入することをお勧めしたいですね。
というのも僕は今非常に原作の鉄腕アトム「地上最大のロボット」が読みたくて仕方がなくて、そしてそれは豪華版に収められている、というわけなのです。
『MONSTER』を読むだけでも浦沢先生がいかに手塚先生の作品をオマージュしているかが分かるのですが、その浦沢先生が手塚作品に挑むのですから見てみたいのは一読者として必定というものです。
また、それを読みたくなるほどこの『PLUTO』の出来は良かったですよ。

■ロボットを通じた「人間臭さ」
アトムの世界観は「人間とロボットの共存」をテーマに語られるのですが、その先に見えるのはロボットの中にみえる「人間臭い部分」であったり、分かり合えないと思っていた異種族(人間とロボット)が理解しあう「相互理解」であったりと、ロボットを通すことで人間って愚かだよな、でも人間って面白いよな、実は結構素晴らしいよな、なんて人間讃歌的な表現だったりするのではないか、そんなことを思いました。
これが浦沢先生版『PLUTO』でも惜しみなく描かれていて、泣きそうになります。

■ノース2号
これは泣けた・・・。
これは切ない・・・。
もうこれが読めただけでも十分満足という出来です。
ノース2号が人間を理解しようとするプロセスと、それを拒絶する老音楽家が変化していくプロセスは秀逸で、それだけにこの物語をより一層切ないものにしたと思うのです。
いや、まじで良かった。

■浦沢版アトム
第1巻の最後のカットは浦沢版アトムが登場するのですが、これがまた第2巻が待ち遠しくなるわけですよ。

■こんな時代だから
最近の世情をみるに、十二国記の言葉を借りれば「国が傾いてる」という表現がはまりそうなくらい悲しいことが多いですね。
人間同士でも分かり合えないことが多いんですが、この『PLUTO』ひいては『鉄腕アトム』の世界はロボットがひたむきに人間を理解しようとしているんですね。
こんな時代だからこそ、このひたむきな「理解しよう」とする姿勢に心打たれるのかもしれません。

『PLUTO』お勧めです。

舞-HiME 第5話 感想

2004-11-01 12:43:00 | 舞-HiME
舞の泣き顔にヤラレマシタ。
いままでなつきたんの「デュラン!ロードシルバーカートリッジ!!」にしびれてたんですが、今回一気に舞に転びそうです。

■「お前もう十分頑張ってんだろ」
バトルシーンほとんど無しの今回でしたが、僕はこういう回があることを嬉しく思います。
#もちろん前回みたいなのも大歓迎なんですが・・・。
責任感の強い舞に対して、どこか抜けた感じのある、でも芯は外さない楯というキャラのめぐり合わせをこういう風に描くってのは今後の展開に深みを持たせるんで、凄く好印象です。

■「ちょっとわがまま言ってみただけ」
舞は弟のことや家族の過去なんかもあるんで、わがまま言わないで頑張っちゃうタイプ。
それがこの台詞を楯に漏らすってとこが熱いですね。
この後に楯が「ねーな」っていう台詞を返すのが良くて、気負わないタイプの楯が舞に合ってくるというのがイイ。

■戦いたくて戦ってるわけじゃない
舞の場合、何事も放っておけるタイプではないので戦ってしまうんですが、そういう背景を今回みたいな過去話を絡めてやってくれたおかげで、今後の戦いへのスタンスを描きやすくしていると思うんです。
もう少し「雨」のキーワードなんかを掘り下げていくと、巻き込まれながらも自分の意思で戦うっている描写につながるかもしれないな、なんて思ってます。

「雨」にまつわる「家族」のトラウマや大切な想いと、全然別の方向から戦う理由がシンクロしてくるとすっげー熱い、またそれが舞というキャラの性格に収斂して、改めて「HiME」として起つみたいな展開を個人的に希望しますね。