5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

緑色の屋上

2021-04-21 21:26:40 | 韓国

21日のコロナは、全国で5283人(延548248人)の感染と44人(累9781人)の死亡が確認されている。このうち、愛知県では312人(延30854人)の感染が確認され、死亡は1人(累615人と報告された。

愛知県で感染確認が300人を超えるのは1月16日以来。いよいよコロナサージの始まりだ。混雑した電車や盛り場の通過にも気を付けねばならない。

超高齢者の遺した品々を時間を見て処分し始めている。それと合わせて自室に溜まった長年のゴミも一掃しようと図っているのだが、気持ちとは裏腹に作業は遅遅として進まない。

そんなゴミのなかから「韓国映画の全貌」という冊子が出てきた。捨てようと思ったが、ちょっと待てよと気を変えて、頁をめくる。あった。パク・ガンス監督の「チルスとマンス」(1988)だ。

経済成長をはじめた韓国社会の中でとりのこされていく二人のペンキ屋のはなしだが、NHKのテレビ放映を見て軽いショックをうけた〈社会派〉映画だった。ビルの屋上が舞台。二人の動きをヘリコプターで撮影するといったダイナミックな画面も見どころだった。

火曜日の中日夕刊〈世界の街海外リポート〉にもビルの屋上とペンキ屋が出て来る。ソウルの街を特徴づけるのが緑色に塗られた屋上。高いところが眺めれば、緑色のモザイク画のようだと特派員氏は観察する。

緑の塗料は防水塗装用で、戦後に日本の建築技術導入とともにその普及が進んだのだそうな。日本でも古い校舎などには緑色をした屋上がある。隣家も緑色に外壁を塗ったから、当初はちょっとびっくりした。目立ちたがりの奥さんの考えだろうと笑ったものだ。

ソウル名物、緑の屋上が最近は減ってきているのだという。高さ550米あるワールドタワーの展望台から眺めると、止まらぬ不動産の高騰に煽られて都市再開発が活発な市街地では、緑色の屋上の古い建物が取り壊され、次々とタワーマンションに建て替わっている。

レトロな雰囲気のある緑の建物に変って、屋上にヘリポートを併設した超高層ビルが林立するニ十一世紀的光景に変わったソウル。ペンシル型のタワービルの屋上を緑色に塗っても広告看板をつけても、地上からは視認できまい。

現代のチルスとマンスは、屋上に寝転んで太陽の光や春の風を感じ、地上を動きまわる蟻のような人間たちを嗤い、社会矛盾に悪口をいいながら、のんびりと一日を過ごすなんてことはできはしないのだ。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿