5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ジンダイアケボノ

2020-04-02 21:41:48 | 政治

一週間ぶりに晴天が戻ってきた名古屋地方だが、朝から北寄の風が強く体感は冬に戻った感じがした。今日も「三密」を避けようとコンビニコーヒーは立ち飲みにし、あとはひたすら歩いた。

国道を逸れた人気のない住宅地の中を抜ける。路地に植えられた桜の並木は8分咲きといったところ。やはり人間と同様、寒い北風に枝を揺らしていた。下の枝からははやくも緑の若葉が顔を見せている。今年の桜は何故かいささか慌て気味だ。

ここは公団の分譲らしく3階建ての長屋スタイルである。昭和末期に建てられて30年ほど過ぎているのだとすれば、路地の桜木もそれほどの樹齢ということになる。巷間でいわれるソメイヨシノの寿命60年説を当てはめても、ここの木々はまだ若いということになろうか。

昨日の中日夕刊社会面には「桜、主役交代の兆し」「ソメイヨシノから病に強いジンダイアケボノへ」というリードの段記事が載っていた。

日本の桜の代名詞といえるソメイヨシノだが、樹木の老朽化に伴って、病気に強く管理しやすい別品種に植え替える動きが各地で出始めているというのである。

岩倉の五条川沿いは愛知県内の桜名所の一つだ。4千本もあるソイメイヨシノだが、2018年秋の台風で倒れたり、枝や幹を折るものが多く出た。岩倉市では植替え費用を予算化し、推薦のあった新種のジンダイアケボノを選定したのだという。

推薦したのは日本花の会という公益財団。ソメイヨシノは「てんぐ巣病」という伝染病に弱く、これに罹れば花をつけずに枯れていくが、ジンダイアケボノはこの病に強いからだそうだ。ソメイヨシノより少し濃いピンクだが、開花時期はほぼ同じだから我々が慣れた風景にもなじみやすい。

桜の会はすでに6万5千本の苗木を全国の自治体に配っているらしい。名古屋の鶴舞公園には700本のソメイヨシノが植えられているが、ここを管理する緑化センターでも今後の植替えにはジンダイアケボノを含めて検討中だ。

一方で、長年親しまれてきたソメイヨシノも大事にしようという声もあって「さくら名所百選」を進める日本さくらの会では、手間を惜しまねば病気になっても致命的にはならない、肥料もやらず弱ったら寿命だというのは人間のエゴだと、性急な植え替えへの動きに釘を刺しているのだという。

この日本さくらの会も日本花の会と同様の公益財団法人で、どちらも東京が本拠地らしいが、桜新種の決定選択がもたらす行政的な利権というものがあるのだろうか。折から「首相の桜を見る会の不手際」が国会で糾弾されている最中だから、余計に勘繰りたくなってくる。もちろん、ソメイヨシノにもジンダイアケボノにも責任はないのだが、、、

 


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