両生類の「サラマンダー」は日本語だと「サンショウウオ」とも「イモリ」とも訳せるらしいが、水棲のサンショウウオよりも陸棲のトカゲに近いのだろう。有尾類というようにシッポが特徴的である。
サラマンダーは、火を司る精霊で、小さなトカゲの姿をし、燃える炎の中や溶岩の中に住むという伝承もある。生きたサラマンダーもこうした伝承がその語源になっているのかもしれない。
こう書き出したのも、5日目に入った西日本各地の豪雨災害に関してのこと。
7月8日午後8時現在、NHKがアップしている情報によると、豪雨による死者の数は78人。8人が重体で、60人が行方不明だという。広島や岡山の人的被害が大きいが、これまであまり情報のなかった四国地方も、愛媛で20人という大きな数を記録していることが判った。
気象庁の雨雲レーダーを開くと、現在の日本上空には連続豪雨をもたらした雨の帯が消えて、晴れの空間が多くなった。雨が上がれば、これまで滞っていた復旧作業に早速とりかからねばなるまい。もちろん行方不明者の捜索が第一だ。
サラマンダーはここで登場する。「レッドサラマンダー」とは消防庁が所有している特殊車両の愛称のこと。普通消防車では入っていけないぬかるんだ場所や孤立した災害現場で、消防隊員や物資を送り込んだり、けが人を搬送したりするレスキュー機能を持っている。
ニュースによると、消防庁がこの「火竜」を配備したのが岡崎市の消防本部。去年7月の九州北部豪雨の際にも現地で活躍したこともあって、今回も名古屋・愛知の緊急援助チーム(140名)が組成されて、強力なサラマンダーという武器を携えて現地に乗り込んだという。
一宮を出発したのが7日の未明、行き先は被害の大きかった岡山県倉敷市。高梁川と小田川が交わる真備町周辺では、東京ドーム260個分が水没したという。今日夕方のTVでも依然として水没区域が大きく拡がって救助作業も持続していた。
緊急援助チームは、すでに昨日の午後には現地に到着。「不安な気持ちでいっぱいだと思いますが、遅くなりましたが救助はすぐ側まで来ています。必ずあなたを助けます」という力つよいツイッターメッセージを発信したとある。
サラマンダーは「水棲のサンショウウオよりも陸棲のトカゲに近いのだろう」と書いたが、汚泥の中を進んで救助支援活動をするのだとなれば、サンショウウオの要素の方が必要なのかもしれない。
二日目の夜が来た。今頃、レッドサラマンダーはどのあたりを動き回っているのだろう。チームの健闘を祈っている。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます